両想い 〜Part1
「碧いおもちゃ箱」シリーズでご覧下さい。
「やさしい関係」
彼氏と呼ぶには心もとなく
友達と言えば怒られそうな
いわゆる友達以上恋人未満
深夜部屋の中二人きりでも
手も触れないで語り明かし
そうかと思えば戯れるまま
ライトなキスを繰返したり
あなたの気持ちは解らない
どう思っているの私のこと
一度あなたに聞いてみたい
けれどうまくやってゆける
よねこれからも多分きっと
「グレイな一日の過ごし方」
朝からなんだか優れなくて
コーヒーマグ片手に朝刊もうわの空
気のおけない女友達と長電話しても
どこか空々しく受話器を置いて
結局ひとり涙ぐむ
窓辺で行き交う人々眺めたり
花瓶の薔薇の花びら数えたり
さみしく紅茶をすすりながら
そんなグレイな一日も
あなたが帰ってくれば
満面の笑みがこぼれる
「お帰りなさい」の言葉と共に
「とある休日の過ごし方」
携帯欠かせなくなった日常
だけどたまに休日
電源OFFにして
街へと一人ぶらり散歩
いつもの道からひと筋違う路地へと入ると
アンティークな雑貨屋さん
落ち着いたオープンカフェ
街はくるくる表情を変える
ブランチもお茶も買い物も
新しい発見に満足したら
タクシー掴まえてあなたの街へと一直線
携帯も留守電も聴かなくてもわかるから
あなたからのちょっと拗ねたメッセージ
だから逢いに行くの夜は二人を満喫する
「優しい時間」
想ってること
感じてること
見るもの聴くもの全て何でも
あなたに話したい
聞いてほしいのに
あなたを前にすると途端に
うつむいて何も話せなくなってしまう
けれどあなたは
黙ったままずっと微笑んでいてくれるから
いつしかぽつりぽつり
言葉を紡ぎ出す瞬間は
何をもにも代え難い至福の時
「初めての・・・」
はじまりはフレンチキス
何度も何度もついばんで
何度も何度も触れ合って
何故か私は泣きたくなって
あなたの顔に顔をうずめた
温かくて逞しいその胸にあなたは
両の腕で私をすっぽりと包み込む
どうして泣くの?と不思議そうに
それでも私の髪を梳きながら問う
そんなあなたに言えるわけがない
”だって初めてだったんだもの”
「あなたと散歩」
あなたと一緒に歩く時
あなたの歩く速度はとても速くて
いつも私はあなたの背中を追いかける
けれどあなたはふと振り返り
慈愛に満ちたまなざしで
愛おし気に私の名を呼ぶ
それは魔法の呪文のように
私の足を軽やかにして
私はあなたの許へと歩み寄る
そして今度は二人
手と手を重ねて歩き始める
枯れ葉舞う秋の散歩道
「みすてりあす」
あなたはとても不思議な人
あなたの中に
あなたの不思議が
あなたの数だけ詰まってる
「運命」
ひとりぽっちで泣きながら
生きてくる事を強いられた
あの日あなたに出逢うまで
「夢で逢えたら」
真夜中にふと
目が醒めて
あなたのこと思い出す
夢で逢えたら……
「あなた」
あなたがいれば安心できる
あなたがいれば笑っている
そんなあなたがすき
ほかのだれよりもすき
「夢」
あたたかい
あなたの手
握りながら
安心してる
自分がいる