表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

先生とわたし

先生の話②

作者: 生徒

「がんばることってそんなに美しいことなんでしょうか」


あるとき、先生は言った。


「最近の大人はみんな、がんばれ、がんばれ、と子どもたちに言いますね。勉強も部活も両方がんばって両立しましょう、とか、どんなことにも全力を尽くしましょう、とか。でも正直、子どもたちは疲れますよね」


先生はコーヒーを口にした。


「もちろん、がんばることは良いことです。目標に向かって努力している人は美しく見えるでしょう。でも、それは自分でやろうと思うから良いのであって、誰かに言われたからやるというのはあまり意味がない。だから、わたしは生徒や子どもにそういうことは言いません。自分で考えて決めてほしいからです」


先生はコップを置いて、ほおずえをつく。


「それに、がんばるということはそのことに集中するということです。これは逆に言うと、そのことばかりになって周りが見えなくなるということ。これは危険です。注意力が失われてしまい、思いがけない不幸や失敗を引き起こす可能性が出てくる。だから、がんばることは必ずしも良いとは言えない」


先生は真っ直ぐわたしを見た。


「君に覚えておいてほしいのは、がんばりすぎは禁物ということです。がんばりすぎて、身も心も破壊されたり、周りが見えなくなってダメになるくらいなら、がんばらない方がよろしい。怠けても、逃げてもよいのです。そうして回復してから、またがんばればいいのですから」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ