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夢幻(ドリーマー)  作者: 松岡透
第零章 夢幻覚醒編
6/17

五の夢 まだ全然主人公とヒロインの仲進展していないのにお泊まりイベントとはどういう了見か(長い)

さて、こまった。


何が困ったかって?


えっと、


今、


この家の、


風呂場に、


全裸のティアがいる。


いや、ねえ...


あの(四の夢の最後)あとの事を話したらみんな納得してくれるかな...


   †   †   †


「僕の家に、泊まりなよ!」


「...ふぇ?」


...このときの僕は、本当に浅はかだった。


だって、彼女に


「いいの?!本当に?!」


...って、満面の笑みで聞かれて、断れる男はいないよね。


「う、うん、いいよ」


「やった!どうやって寒さを防ごうかなって考えてたところだったんだ!」


で、気付いたこと。


この...どこかズレてる。...そして、もうひとつ突っ込みを追加しなければなるまい。


「じゃあ、今からお風呂入ってきていい?」


ティア...この家(下宿)ライフを満喫するつもりだ...ッ!


「あ、ああ、いいよ」


何とか突っ込みたいと言う表情を取り繕い(しかしこのとき、僕の思考が沸騰していたことに僕自身が気付かなかった)、なんとかそれだけを告げる。


「ありがとね!」


と、まだ使ってもないのにお礼を言うと、


スルスルスル...


その場で、服を脱ぎ始めた。


「ちょっと待って!?」


「うん?どうしたの?」


「何でこんなところで服を脱ぐの?!」


「え?......(ポフ!)」


今の(ポフ!)は、顔が羞恥で一瞬で真っ赤になり、煙が出た音だ。


「な、な、な」


「慌てすぎだよ!」


「ごめんなさい!私、あまり人と会ったことがなくて、本当の私の家ではお母様しかいないし、何となく...」


「いや、いいから、早く服を着るか、お風呂場行って!」


上半身半裸で謝られても、こっちが困ってしまう!本当に!


因みに、僕の名誉のために言っておくけど、彼女が脱いでから、一切彼女のことは見ていないから!


...それにしても、母親のことを「お母様」って言う人、初めて見た。


まあ、人じゃなくて悪魔だけど。


   †   †   †


と言うわけで、彼女は今、風呂場にいる。


でもね、風呂場から聞こえるシャワーの音と、鼻歌だけでこの僕の心が揺れるっていうのはあまりにも計算外だった。


ここが、頭が沸騰して、思考が行き届かなかった場所である。


「...うー...」


「♪~」


「...あー...」


「♪♪~」


「集中できない...」


ちなみに言うと、僕は今、カレーを作っている。 


一応、『夢幻ドリーマー』を併用して。


これ、本当に使い勝手がいい。


だって、水をわざわざ測って入れる必要がなく、量を想像して、水を生成すればいいだけである。


そういえば、『深淵アビス』の掛け声(?)では、水を生成することが出来なかった。


だから、直接『水生成』って言い、量を頭のなかで想像すれば、必ずその通りの量が生成される。


すごい。


あと、他の食材を切ってて気付いたこと。


別に、さっきやった水カッターじゃなくても、普通に切り方想像して『切断』って言えば、簡単に出来た。


むしろ、そっちの方が楽だった。


...なぜか現実逃避気味(ティアを無視気味)に説明しているが、その理由は、キッチンと風呂場の間には、一部屋しか間がない。その部屋も、脱衣場だし、つまり何が言いたいかと言うと、


今度は、裸のティアに遭遇したら、本気で僕の生活(生命)が終わってしまうから、見ないように料理に集中したいだけだよ!


...さて、いつもはカレー3人分作るんだけど、今日はティアを入れて、4人分かな...


...


あれ?


何か、忘れているような...


4人分...?


あ、


...


親の説得、どうしよう...


   †   †   †


「親の説得?」


「うん...」


「そっか...確かに、友達がいない男の子のところに急にやって来て泊まっていく女友達がいたら、普通おかしいよね」


「なんか、ハートにグサグサ刺さるものがあるけど、それは置いといて...」


「どうやって説得するか、だよね...」


「えっと、『この子は家がないから泊めさせてください?』」


「いや、それ普通じゃないよね?そもそも家がない子が中学校通ってたらすごいよね」


「うーん...そういえば、野宿って言ってたけど、具体的にはどうするつもりだったの?」


「えっと、近くの漫喫(漫画喫茶)で一泊する予定だったかな」


「それ全然野宿じゃないよね?!むしろ終電を逃した会社員だよね?!」


「え?そう?」


「うん。て言うか、異世界から来た悪魔が漫喫で夜を明かすって、なかなかすごい光景だね!」


「もちろん、正体が悪魔だってバレてた場合の仮定だけどね...それはともかく、本当にどうする?」


「えっと...って、そういや、ティアに家がないってことは、しばらく泊まり続けるってことだよね...だから、それに見会った理由付けをしないと...」


「そっか...なら、こんな感じで。『この子、家で親と喧嘩しちゃって、家出してきたんだ』...で、どうかな...?」


「ああ、なるほどね。その説得ならありかな...」


「じゃあ、一回これで行ってみる?」


「うん、了解」


「...でも、失敗したら...」


「いや、大丈夫」


「...? 何で?」


「それはな...」


† † †


「へぇ、そんなことがあったのねぇ」


「そうなんだよ。だから、しばらくの間、泊めさせてくれないかな」


「お、お願いします!」


「いいわよ。家の事情なら仕方ないわね」


...とまあ、一瞬でかたがついた。


「えっと...何て言えばいいのかな...夢くんのお母さんって、チョロい?」


「...うちの母さんって、騙されやすいんだよな...」


この前も、オレオレ詐欺に引っ掛かりかけたし...というか、僕はここにいる上に、一人称が『僕』だって、知ってるはずなのに...


因みに、僕には兄弟はいない。 


だから、オレオレ詐欺に引っ掛かりかけたって言うのは、本当に電話の相手を僕だと思い込んだらしい。


もうひとつ因みに、そのとき、僕はこの家にいた。


...改めて思い出すと、お母さんって、本当にチョロいな...


「...でも、お父さんは?」


「父さんは、母さんが決めたことなら大体従うし大丈夫」

 

「...かかあ天下なんだね」


「異世界にもあるのか?かかあ天下」


「うん」


へぇ、なかなか面白い発見だ。


誰得だって発見だけど。


「...それにしても、さすがに甘すぎないかな...?夢くんのお母さん」


「...まあな...」


「...?」


「あの人は、俺の本当の母さんじゃないからね」


「...?!」


「正確には、僕は、今の父さんと本当の母さんの間に生まれて、離婚したらしくて、お父さんの方に付いたんだ。だから、今の母さんは義母ってやつ?」


「...なんか、ごめんなさい」


「いいよ。別に知られたって大したことじゃないし」


でも、ティアに気を使わせてしまったかな...


ちょっと言い出すタイミングミスったかな...


   †   †   †


ご飯は、家族みんなで食べた。


そう、父さんも帰ってきて、一応ティアを泊める許可はもらった。


曰く、「お母さんがいいならそれでいい」


うん。予想通り。


そして、ティアも一緒にご飯を食べた。


カレーを初めて食べたのか、本当に「美味しい」と、顔全体で物語っていた。


ちゃんと、みんなで楽しい食卓になった。


そして、そうこうしている間に、寝る時間になった。


寝室は、一番玄関から遠い和室だ。そこに、直接布団を敷いて、いつもは寝ている。でも...


今日は、ティアに布団を譲るつもりだ。


そして、僕は居間で毛布をかけて寝る。


つもり、だったのだが...


「いや、ダメだよ!いくら春だって言っても、さすがにまだ少し寒いし、風邪引いちゃうよ!」


「大丈夫だって。そこまでひ弱じゃないし...」


「ダメったらダメ!それなら、一緒の布団で寝ればいいよ!」


「そ、それは...」


「私も、一応、恥ずかしいんだから、ね。だから、言うこと、聞いてよ...」


美少女の涙目と、上目遣いに耐えれる男の子がいるなら、紹介してほしい。


   †   †   †


と言うわけで、ひとつの布団(もちろんシングルサイズ)で、一緒に寝ることになってしまった。


超絶恥ずかしい。


寝返りを打つと、目の前に美少女ティアの寝顔があった。


彼女の寝顔は、どこか儚げで、守らないとすぐにおれて萎れてしまう一輪の花に見えた。


そんな彼女を見ていると、いつのまにか恥ずかしさも消え失せていた。


そして、僕も睡魔に負けて、眠りこけた。


そのとき、彼女の声が聞こえたような気がした。


「...おやすみなさい...」


おやすみなさい...


無意識に、そう口にしていた。

なんか、ラブコメみたいになってる!


はい、こんにちは、お久しぶりです。松岡透です!


今回、俺の作品のなかで初めてこんな感じのラブコメもどきな雰囲気になりましたが...ちゃんと()けていましたか?


あんまり、自信ない。


俺自体、ラブコメは好きですよ。


はがないとか。


俺妹とか。


とらドラ!とか。


実は、一番好きな作風がラブコメです。


あのもどかしさっていったらたまんないね!


本気でラブコメは好きです。


だから、ラブコメっぽいものは一回かいてみたいなって思っていたのですよ。


割と本気で。 


...今回は、あとがきはこれくらいで。


では!

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