四の夢 夢幻『ドリーマー』
僕が...?
能力を持っている?!
ど、どういうことだ?
ここは、僕の家であるアパートだ。
さっきから彼女の説明をずっと受けていた場所。
一応、1LKくらいの広さはある。
とまぁ、そんなことは置いといて...
「なんで、僕が...?」
「わからないよ。でも、持っているという事実はある」
「...僕の能力って?」
「君の能力の名前は...」
「名前は...?」
「夢幻」
「ドリーマー...」
「そう。本当は、もっと様子を見るつもりだったんだけど...それに、君が本当に夢幻なのか、今日まで確信が持てなかったから...」
「今日、までって、僕達があったのは今日が初めてじゃないの?」
「ううん。私は、君のことをずっと監視していたから...接触を持ったのは今日が初めてだったけど...まさか、初日から能力を見られるなんて思ってもいなかったよ」
「え?僕が、能力を使った?」
「うん。覚えていない?あそこのやり取り」
「えっと...」
† † †
(一の夢 回想)
「おいお前、ちょっとこっち来い」
「え?やめて!離して!」
もう我慢できなかった。僕のせいで、ほんの少しでも僕に優しくしてくれた『人間』に、危害が加わるのは、嫌だった。
僕は、教室から飛び出して、
『やめろ!』
と、叫んだ。
こんなので止めるやつらじゃないことはわかっているけど、叫ばずにいられなかった。...今思えば、これが、虐めに対する初めての反抗だった。
「「「...」」」
彼らは、なにも言わずにこちらを見返してきた。
これで、雫は一時的にしろ、ターゲットから外れた。
やるなら、僕をやれ。
そう思いながら彼らを睨み返した。
次の瞬間、
彼らは、此方にゆっくりと歩いてきて、
† † †
そうだ、あのとき...
やめろっていったら、彼女に攻撃をするのをやめて、
僕にも興味を持たず、教室に入っていった。
と言うことは...
「僕の能力は...人を操作すること?」
「ううん。詳しくは、違うよ。正確には、『声に出したことを、過去の改変と未来の確定以外で、全てを実現する能力』...だったはず。...半端ない強さだよ。この力は」
「確かに、そんな力、無双にも程があるだろ...!」
どこの出来の悪いラノベだよ!って、叫んでしまいそうだ。
「...なら」
そして、早速思い付いたことを実行する。
まずは、キッチンに向かう。
「どうしたの?」
雫が...いや、ティアが、いきなり始まった僕の行動を見て、不思議ながらもついてくる。
キッチンに着くと(といっても歩いて10歩程度で着くけど)、シンクの蛇口を回す。そして、言う。
「『深淵』」
その声と共に、水が球体状に浮かび始めたところで、蛇口を閉める。
成功だ!
「え?!最初にすることが私の能力再現なの?!」
「いや、なかなか興味深い能力だったから...だって...」
少し考えて、冷蔵庫から今日の夜ご飯にしようと思っていたカレーの豚肉のブロックを取り出す。
そして、
「『変形・水刃』」
とりあえず、そう言い、イメージに沿って水を動かす。
力を使っていると感覚的にわかるのだけど、細かい指示はどうやら頭のなかで考えるだけでも出来るっぽい。
そして...
「1cm角の、豚肉の出来上がり!」
「使い道おかしいよ?!」
目の前には、きれいに1cmに揃えたサイコロ状の豚肉が大量に。
しかも、すべての豚肉が合同レベルで同じ大きさ。
「何で?使えるなら使う。それが能力でしょ?」
「間違ってはいないけど、なんか、凄い敗北感があるよ!」
...涙目でこちらをにらんでくるティア。
あー。
弄りたくなる体質って、ティアのことを言うんだ。
「何かしらないけど、失礼なこと考えてない?」
「考えていない!」
本当かなぁ...?
そんな声が聞こえてきそうな目をされた。
信用ないなぁ...
いや、むしろ会って1日でここまで話してくれるって言うのは、信用か高くなかったら無理だよね?
今さらだけど、何でこんなことになったんだろう?
結局、僕が能力を持っている理由もうやむやだし...
まあ、良いか。
いつか判る判る。
「そういえば、ティアって、何時帰るの?」
「え?帰る家なんて無いよ?」
「え?」
「え?」
.........
ちょっとした沈黙がこの場を支配する。
「えーっと?じゃあ、どうするつもりだったの?」
「野宿?」
「バカじゃないの?!」
「ひッ?!」
「...あ、驚かせたなら、ごめん...」
「ううん、大丈夫だけど...何で野宿がダメなの?」
「いや、風邪引くかもしれないし...動物とか、悪い人に襲われたりしたら危ないよ?」
「えっと、私の正体、知ってるよね?」
「あ...で、でも、やっぱり女の子が一人で外にいるのは...あっ!そうだ!」
このとき、僕はなんてことを口走ってしまったんだと、後々恥ずかしがることになるが...
「僕の家に、泊まりなよ!」
「...ふぇ?」
それは、また別のお話。
はーい皆さんこんにちはこんばんは!
松岡でーす!
...なんか、最近投稿ペース滅茶苦茶早いよね?
一週間で、4話分の投稿をしておりますが...
文字数に直すと、10000文字です。大体。
400文字詰め原稿用紙だと、25枚です。
という、どーでもいい話ですが...
あ、そういえば、最近、第五回ネット小説大賞ってやつに、これと、あれを応募してみました。
まあ、腕試し程度で、1次審査を通っただけで御の字って感じですけどね。
でも、やるからにはやりますよ!
では、今回はこの辺りで!
バイバイン!
...そろそろ挨拶統一した方がいいかな?