二の夢 深淵『アビス』
ああ、もう!なんでこんなに早く正体がバレちゃうの?
こんにちは、私です。雫です。...多分、もう偽名ってばれてるとは思いますけど...
いま、夢くんは一切の理解が出来てない様子だから、しばらく一人称変わります!
まずは、あいつを倒してから詳しい説明をします!今は、まだ待ってください!
...いま、敵対している相手は、私...いや、私達の敵です。
それに、私はある目的をもってこの学校に転校してきました。。
それを邪魔するなら、消すまでです。
...といっても、過激なことをしたら後々めんどくさいことになってしまいますが。
と言うわけで、手っ取り早く倒します。
おそらく、敵の能力は解析だと思われますが...
先程の爆撃を見ると、別の能力があると思われます。
まだ確定ではないので慎重に...
しかし、先手必勝という言葉があります。
と言うわけで、先に攻撃を開始しました。
私の能力...オリジンとは、読んで字のごとく私達や、敵の一族なら全員生まれつき持っている能力のことです。
私が持っている力は、『深淵』と『夢魔』です。
さっき、一の夢の最後のシーンで水筒の水...というより、お茶を放ったに、お茶が球状になって空中にとどまっているのは、『深淵』の力。
一言で言えば、『液体なら、なんでも自由自在に操れる』能力...です。
物理法則すら無視します。
チートです。
この力を使って、お茶を操り、敵の顔を覆うように密着させ、窒息を狙います。
しかし、この程度で倒せるなら、苦労はしませんが。
案の定、敵は、お茶を指差すと、そのお茶の球体が爆散しました。
これで、敵の能力は判明しました。
不便とも便利とも言えない能力ですね。
不意打ちにはもってこいですが、戦闘開始からは、圧倒的不利になってしまいます。
指を指して、『ここを攻撃しますよー』って、言ってるようなもんだしね。
と、言うわけで少し面白いことを思い付きました。
少し、周りの空気をいじります。
空気のなかにも水分は微妙に含まれているため、少しは空気を操ることもできます。
で、次に、そのまま敵に突進します。
敵は、予想通りに指をこちらに向けてきて、
ギシャァアァァアン!
私の、少し後方のブロック塀に命中しました。
敵は無言で驚いていますが、タネは簡単です。
いわゆる、蜃気楼を、軽めに発生させただけです。
どういうことかというと...
自分の周りの空気を少し操作して、私の実際の位置より少し右に自分の影を投影しただけです。
つまり、相手からは私の位置はずれて見えたということです。
で、そのまま敵に近づいて、
「ごめんね」
敵の体に手で触れる。と、同時に敵の血流を止めます。
生物の中に含まれている水分は、その生物の体に触れないと、操作できません。
それ以外の水分は、視認いていると操れます。
あ、でも、空気中の水分だけは別。
あれは、見えないからね。代わりに、全身で触れているから操れる...感じかな?
で、血流を止めると、どうなるかというと、
「ムグ...ぐはっ」
心臓が動かなくなるので、強制的に急性心不全を引き起こします。
というわけで、勝利。ぶい。
って、そんなことより、夢くんは大丈夫なのかな?
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な、な、なんなんだ...あれはっ?!
なんか、急にお茶が飛んでったと思ったら、急に爆発するし、雫の姿が霞むように見えたし、雫がさわったと思ったら敵が一瞬で崩れ落ちるし...
「ごめん、大丈夫だった?」
「あ、あ、...」
ダメだ、錯乱しすぎて声がでない。
それでも、なんとか気持ちを押さえつけようとする。
「...ふう」
よし、なんとか声が出た。というわけで、いま、一番頭の中の大部分を占めている気持ちを叫ぼう。
スー、ハァー、...よし。
「雫かっけぇーーーーーーーーー!!!!!!!」
「...へ?」
「なんだよおまえ、何でそんなことできるんだよ!すげぇなぁ!それに、強い!あんな怖そうなやつ、俺だったらがくがく震えてなんにもできなかったぞ!」
「え?ちょっと...」
「もしかして、雫って魔法使いかなんか?俺にもやり方教えてくれ!」
「あの!」
「え?」
「私のこと、怖くないんですか?」
「ううん。むしろ、憧れた」
「...えっとぉ...?」
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何で、あの戦闘を見たあとに出てくる言葉が「格好いい」とか、「憧れた」とかなの?!
まぁ、目的を達成するためにはそういう思考の方が楽なんだけどね。
「そういえば、もうわかってると思うけど、私の名前は、『天海雫』じゃないよ」
「ああ、確か、『ティア・リヴァイアサン』だっけか?」
意外と順応性高い?
「なんか、落ち着いてきたらいろいろ理解できた。まず、道路を爆破したやつは、『天使』で、逆に雫...いや、ティア...えっと、どっちで呼べばいい?」
今頃ですが、いきなり呼び捨てされていることに気がつきました。
「とりあえず、学校では『雫』、それ以外では『ティア』でお願い」
「了解。で、ティアは、『悪魔』なんだろ?それも、確か、『アーク・デーモン』とか、言ってたっけ?」
なぜだろう。このレベルで順応性が高いと、逆に心配になる。
私達の世界の変な奴に騙されそうな感じがする。
「で?とりあえず、詳しいことを説明してくれないか?」
「...あ、はい。...えっと、どこから話せばいいのかな?」
「長くなるのか?」
「はい。多分、『なろう』換算で1話分くらいはかかります」
「じゃあ、説明は次回だな。...立ち話もなんだから、俺の家で話さないか?」
「あ、はい...でも、家の人は」
「俺の家は両親共働きだから、20時くらいまでなら余裕」
「さすがにそこまでは長居しませんが...では、お言葉に甘えて」
というわけで、次回、夢くんの家で詳しい説明を。
はい。松岡です。
最近、自分の本名を検索したら、出てきました。かなり、上の方に。ネット怖い。
ちなみに、松岡透は本名ではありません。
当たり前。
もちろん、なろうネームで検索したら、ユーザーページが出てきます。
うーん。
なんか、敵弱かったなー。
まあいいや。
強い敵はいくらでも出せるし。
じゃあ。
透でした。