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夢幻(ドリーマー)  作者: 松岡透
第零章 夢幻覚醒編
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一の夢 転校生と謎の力

一時間目の休み時間のことだった。


「ねえねぇ!どこから来たの?」「その髪の毛と眼の色って、地?」「スリーサイズは?!」「お前は馬鹿か」「付き合ってくれ!」「このクラスの男子は変態しかいないのか」etc(その他諸々)...


転校生が来たときの固定イベント『質問』が開始された。


雫...とりあえず、頭の中では分かりやすく雫って呼ぶことにする...は、気さくに質問に応じ、少し、いや、かなり困った質問はおもいっきりスルーする。というより、最後のやつは質問ではなく告白だ。


「ねえ、ちょっと...」


そのうち、一人が雫のことを僕から見えないところに連れていかれた。


「...はぁ」


やっぱり、遅かれ早かれ僕が虐められているということは彼女の耳にはいるだろう。これで、僕と雫の隣人と言う関係は終了か...


いや、そもそも僕らの間の関係なんて、なかったと思う。たかが隣同士なんて、


「なんでそんなことを言うんですか?!」


って、なんだ?!この声は...雫のはずだけど...なんでこんなに怒ってるような声を...?


「虐め?なんでそうと分かって止めないのですか?!それでも『人間』ですか?!あなたたちは、一人の人間を社会的に殺しているのと同じことをしているのですよ?!」


この怒り...


まさか、僕のために?!


え?


なんで?


どうして?


なんで僕は初対面の子に庇われている?


でも、そんなことをしたら今度は...ッ!


「は?ニンゲン?なにそれ?厨二病でも持ってるの?」


「バカらしいわー、一緒にこいつも虐めちゃう?」


「いや、違うだろ?『虐め』じゃなくて、『教育』じゃねーのか?」


「おお、そうだった、忘れてたわ。キョーイクだ、キョーイク」


「へ?」


「おいお前、ちょっとこっち来い」


「え?やめて!離して!」


もう我慢できなかった。僕のせいで、ほんの少しでも僕に優しくしてくれた『人間』に、危害が加わるのは、嫌だった。


僕は、教室から飛び出して、


『やめろ!』


と、叫んだ。


こんなので止めるやつらじゃないことはわかっているけど、叫ばずにいられなかった。...今思えば、これが、虐めに対する初めての反抗だった。


「「「...」」」


彼らは、なにも言わずにこちらを見返してきた。


これで、雫は一時的にしろ、ターゲットから外れた。


やるなら、僕をやれ。


そう思いながら彼らを睨み返した。


次の瞬間、


彼らは、此方にゆっくりと歩いてきて、




()()()()()()()()()()()()


え?なんで?


僕の反抗を、無視した?


...いや、そんなことより、雫は...


「だ、大丈夫だった?」


「う、うん!...い、今のは...」


「ん?何か言った?」


「ううん、何も...」


キーンコーンカーンコーン...


と、二時間眼の開始のチャイムがなってしまったので、急いで教室に戻り、着席する。幸い次の授業の教師はまだ来ておらず、遅刻はとられなかった。


「...あれって...マー?...したら、ラッ...けど...にはや...るなんて...」


隣で、雫は何か考えながらぶつぶつ独り言を呟いていた。


  †  †  †  †


そして、その後はほとんど何事もなく時間が過ぎていき、あっという間に学校が終わった。


僕は、部活には入っていないのですぐに帰る準備をする。


「ねえ、夢くんの家ってどの辺りなの?」 


「僕の家?えっと...多分、て言うか、絶対わからないけど、学校から5分くらいのアパートに住んでる」


「どっち方面?」


「えっと...駅の方かな」


「あ、私もそっち方面なんだ!じゃあ、一緒に帰らない?」


「別に、いいけど...」


何で僕に引っ付くのだろう?何か僕したっけ?


「やった!じゃあ、帰ろ?」


「う、うん」


またしてもクラスから憎悪の視線を感じた気がする。このままだと、このクラスが絶望と憎悪の魔宮化しちゃう。ん?ネタが分かりづらいって?気にするな。


そして、僕らは校門を出る。


人と喋りながら、家に帰る。


思えば、小学校の時すらこうやって誰かと喋りながら下校するのは初めてな気がする。虐められる前も、ずっと一人で帰ってた。


というより、普通に一人が好きだった。


あと、もう1つ言えば、








この下校が、最後の平和だった。








「でね、そのケーキがめちゃくちゃ美味しかったんだけど、やっぱりバイキングだから少し値段が高くて...」


「へぇ、僕はそんなに甘いものは好きじゃないからスイーツバイキングにはあまり行かな





「危ない!」






へ?


と、思うこともできずに僕は雫にその体を突き飛ばされた。


その、意外に強い力で無様に転がってしまったので、文句を言おうと口を開いて、


ドガッシャァァァアアン!!!


開いた口がふさがらなくなった。


えっとね、一言で言うと、 


僕らは今、住宅街を歩いていたんだけど、


その歩道...というより、端っこを歩いていると、


()()()()()


うん。理解不能。


「貴方は!」


「...」


って、雫は誰と会話している


「んだ、ってええええええええ?!」


うん。思考停止。


だってね、雫が会話している相手に、


が生えていたら、そして、雫がその事実を平然と受け入れている事実があれば、


思考停止しても仕方がないでしょ?


「《天使種エンゼル》がどうしてここにいるの?!」


誰?エンゼルって...


「敵性を確認、個体名『ティア・リヴァイアサン』を、早々に撃破する」


敵性?リヴァイアサン?ティア?


能力オリジン照会スキャン能力オリジン名、『深淵アビス』と、『夢魔リリス』を確認」


オリジン?アビス?リリス?あ、駄目だ。解らん。


「こんなところで戦いたくなかったけど、仕方ないか!」


すると、雫は通学鞄から水筒を取り出すと、その中身を空中にぶちまけた。


重力に従い落ちていくはずのお茶は、何故か空中に留まったまま、不定形に揺れ動いている。


「『魔人種アーク・デーモン』ティア・リヴァイアサン、参ります!」


だからなんなんだよ!この状況!


灼眼のシャナの序章並みに理解不能の状況で、冷静に対処できる人がいたら教えてほしい。


あ、ちなみに、本のタイトルを引用するだけなら、著作権保護法違反には含まれないらしいです。


次回に続く。

何でこんな状況になっちゃったんだ?と、自分でも不思議がっている作者、松岡透です。


いやぁねぇ、こんな序盤から(ピー)が(ピー)に(ピー)するなんてプロットはありませんでしたよ。ちなみに、ピー音はネタバレ防止のための自主規制。


...そろそろ、物語が中心に入り始めるかなって思ったけどこれまだ第1話だった。


まあ、えっと、その、


じゃねバイ。

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