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夢幻(ドリーマー)  作者: 松岡透
第零章 夢幻覚醒編
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十二の夢 転移

「3、2、1、開始!」


「オラッ!」


まず動き出したのは、蒼陽先輩だった。


まあ、当たり前か。ティアは、逃げ切れば勝ち。わざわざ自分から突っ込んで攻撃を食らうことはしないだろう。


蒼陽先輩のスピードは目にギリギリ追えるかどうかだ。本当に人間離れしている。 


先輩のの拳が、ティアの顔に突き刺さり、


そのまま透過した。


さらに、拳が透過したティアは陽炎(かげろう)の如く消え去った。


「...は?」


「こっちですよ、先輩」


「...な?!」


先輩が後ろを振り返ると、そこには、笑顔で手を振っているティアの姿が。


もう一度殴りかかる。だが、結果は同じだった。


拳が空を切る。


しかし、先輩は、しきりに手を気にしたあと、すこし考えるように顔を俯けて、再び顔を上げ、


「...ッチ!蜃気楼かよ?!」


「へえ、よくわかりましたね!」


「そりゃあ手のひらに水滴が付いたからな...なら、お前はどこにいる?」


「教えるわけないじゃないですか」


「だよな」


すると、先輩は立ち止まったまま、目を閉じてしまった。


「...」


「...」


両者、無言の時間が続く。


不意に、カサリ、と、音がした。


それは、靴で地面の葉っぱを踏む音によく似ている。


「...そこかっ!」


先輩は、あらぬ方向へ拳をむけると、そのまま降り下ろした。


ガキン!


「あ、危なかった...もう少し氷の生成が遅れたら、負けちゃうところだった...」


そこには、ティアの本体と、それを守る氷の盾が。


「水を操るって、水の形態の変化までできるのかよ...」


「変化させたあとは一切コントロールが効かないんだけどね」


これで、仕切り直しだ。ここまでには、4分と少々経っている。


あと、大体25分。


「おりゃぁ!」


「...っ!」


繰り返される攻防。


先輩の拳がティアを捉える。


でも、それを蜃気楼やステップを駆使して避けまくるティア。


この勝負、分があるのは間違いなくティアのほうだろう。


なぜなら、攻撃するより、逃げる方が簡単だからである。ドッジボールでも、当てるのは難しくても、避けるのはまだ簡単だ。ソースは僕。


そして、いつのまにか10分程が過ぎようとしていた。


段々とスタミナが切れてくる先輩に対し、ティアはまだまだ平然としている。


お互い言葉はない。ただ、戦うだけ。


そして、その時は訪れた。


幾度となく攻撃を受け流し、あるいは避けてきたティアに、ついに運の要素が絡んできた。


足元を見ていなかったせいで、すこし大きめの石を踏みつけてしまい、バランスを崩す。


「もらった...!」


「...な、しまった!」


そこに、先輩の大きな拳が突き刺さろうとした...っ!


『ティア!なんで遊んでいるの?!』


その声は、唐突に聞こえた。


そこそこ若そうな、女性の声。


「「「え?」」」


三人の声が重なり、世界が停止したかのように全員動きを止めた。ただし、次の声は重ならなかった。


「お、お母様?!」


「は?」


「えっと...?」


『夢幻の能力者と接触したらすぐに連れて帰れっていったじゃない?!』


「ご、ごめんなさい、お母様...」


『とにかく!今から貴女と夢幻の能力者をこちらの世界に連れてきます!ティア、あなたの近くに能力者はいますね?』


「あ、はい...います」


『なら、『貴女を、中心に半径五メートルの転移陣、生成』!』


そのような言葉が聞こえてくると、いきなりティアを中心にして魔方陣のようなものが公園の床に生成された。


「え、ちょっと、まっ」


『問答無用!『転移陣、起動』!』


その声が聞こえると同時に、僕の意識はブラックアウトした。


なに...この急すぎる展開?


   †   †   †


「...くん、夢くん、起きて」


「...ふわぁぁ...どうした?ティア」


「あ、やっと目が覚めた...1時間くらい眠っていたんだよ?」


「...えっと...」


とりあえず、記憶を整理してみよう。


僕らは、異世界に飛ばされた。


以上。


...


今いる部屋を見回してみる。


特にへんてつの無い、一般的な家屋の一部屋のようだ。


そう...()()()な家屋の一部屋。


浮かんだ疑問はひとつ。


「ここってほんとに異世界なの?めっちゃ日本っぽいけど...」


「うん。...だって、私たちが今隠れてる世界って、日本のパラレルワールドだもん」


あ、なーるほど。


そう言えば、天使たちから逃げ隠れしているって言ってたな。


「まあ、祖国のエリュシオンもそんなに日本と変わらないらしいよ」


「どうなってんだ異世界」


『ぼくのかんがえたたのしいいせかい』の想像図はどこいった。


「そもそも異世界って言っても、ベースは全部地球だからね。むしろ、小説とかに載ってるような異世界なんて、ほんの一握りだよ?」


そうなんだ...


感慨に(ふけ)っていると、部屋の扉がノックさた。


「ティア、『夢幻』は目を覚ましたの?」


先程聞いた声...ティアのお母さんの声...が扉の外から聞こえた。


「あ、はい。今ちょうど目を覚ましたところです」


「わかりました、入りますよ」


扉が開けられた。


そこにいたのは、絶世の美女と呼んで差し支えのない女性だった。


親子ともに青髪蒼眼。そして、出るところは出る、引っ込むところは引っ込んでているグラドル顔負けのスタイルも持ち合わせていた。


この人が...ティアの、お母さん。


なんか、凄く納得した。


唯一、体型を除いて。


そのティアのお母さんは、


僕に対し、


膝をついた。


「お初にお目にかかります。私は魔王直属の部隊『大罪(シン)』の隊長の内の一人、『嫉妬』のライラ・リヴァイアサンと申します。以後、お見知り置きを」


うわぁ、ちょっと待って?もしかして、僕が目上なの?何?緊張させて殺すつもりなの?


それでもなんとか、


「『夢幻』の、如月夢です」


と、返事を返すことはできた。


「早速ですが...」


と、ライラさんは言った。


「私に同行してもらえないでしょうか?」


   †   †   †


「ただいま...あれ?母さん、まだ夢と青髪の娘は帰ってきてないの?」


「そうなの、どこで何をしているのかしら...」


「...遅かったか...」


その声の主...如月 夢の父親、如月 (つき)は、誰にも聞こえないほど小さく呟いた。


「もう、あっちの世界に行ってしまったのか?」

こんにちは、松岡透です。


今、ROUND1のスポッチャからこの回を投稿しています。


えっと...ただ単に、投稿し忘れたので少し時間をずらして投稿したいと思い、ROUND1から投稿しています。はい。


ちなみに、一人です。一人でROUND1のスポッチャにいます。


俺レベルのぼっちにもなると、一人でアミューズメントパークを堪能するなんて、造作もない。


...話がそれました。


実は、今新作を構想中です。


たぶん、どこにでもある魔獣師(モンスタートレーナー)物になると思います。


タイトルは未定です。


では、スポッチャを存分に楽しみたいと思います。


ちなみにちなみに、今日は雪が積もっています。


室外スポーツ、一切できません。


松岡透でした。


ではでは、では~(*^ー^)ノ♪

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