初恋の人は窓辺の君
好きになったのが先か 目が離せなくなったのが先か
今となってはもうよくわからない
あの頃は 今ほどよく視えてたわけじゃないから
中学、高校の一つ上の先輩
出会いは中学の科学部 入部したらそこにいらっしゃったというわけだ
白い肌 茶色の髪 そこに少しも父を意識しなかったと言えばうそになる
(外見だけなら 父はめちゃハンサム 私の好みの顔の基準は父の顔---その話はまたいつか)
眼が引き付けられる 目が離せなくなる それからずーっと彼ばかり見ていた
それから日々が少しずつ経ち 少しずつ解ってくる彼の事
そして気が付く 絶対的な相性の悪さ 感性の違い
一緒にいてうまくいくイメージが皆無(一応ね彼女と言ってもらえるまでにはなったのよ)
思春期ゆえの潔癖さというか うまくいかないならいないことにしようって
ぱっと 振り切って いったんは見るのやめた
それで代わりにジュリーたんに嵌って しっかりファンやってた
今思うと代償行為なんよね 彼を見る代わりの
そうこうしているうちに私も高校入学して
まさかの再会 彼がここにいるとは知らなかった
まばゆく輝く光 惹きつけられる目が離せなくなる
再び 見てしまう日々
(すっかりジュリーちゃんのことは忘れたわ)
このころになると少し私も視えてきて
彼の人の周りの空気がキラキラして 日の光に赤く輝く光にうっとり見とれて
この方ほんと美少年で 高校生にもなるとそれもパワーアップして
こっそり女子たちがファンクラブもどき作って 「窓辺の君」なんて呼んでて
でも私はただ見るだけ もう見ることしかできない そばにもよれない
ただただ見る 見続ける 見かけたら視線が外せない
そうやって 彼が卒業するまでずーっと見てた
それから何十年もして上場1部企業の社長になられたようでネットニュースで知ってびっくりして
ホームページ見に行ったら 年相応に薄くなった頭髪、皺の刻まれた顔 でも昔の面影もどこかあって
なにより やっぱり光 取り巻く空気の輝きそんなものが見て取れて 「あーやっぱ好きだなぁ」と思った次第




