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【完結】悲劇の継母が幸せになるまで  作者: やきいもほくほく
四章 家族で幸せになるために
60/70

⑥⓪


キラリと光るダイアモンドの輝き。

前世から夢見ていた幸せなプロポーズをしてもらい、ヴァネッサの涙腺は崩壊してしまう。

ギルベルトと想いが通じただけでも嬉しいのに、前世からの夢まで叶ってしまった。

 


「ヴァネッサ、遅くなってすまない」


「…………!」


「受け取ってくれるだろうか?」



ヴァネッサは何度も頷きながら号泣していた。

それにはギルベルトは驚いているが、ヴァネッサは嬉しすぎて涙が止まらない。

ヴァネッサは嬉しすぎて泣いていることを話すと、彼は安心したようだ。

指輪を取り出して、ヴァネッサの手のひらをそっと握る。


左手の薬指には先ほどまで箱に入っていたダイアモンドの指輪があった。

ギルベルトはヴァネッサにシンプルなシルバーの指輪を手渡す。

ヴァネッサの同じ指輪の色と似たデザインだ。

お揃いなのだと理解するとさらに嬉しさが込み上げてくる。

まるで自分にもつけて欲しいと言わんばかりだ。


(ギルベルト様の気持ちにわたしも答えないと……!)


ヴァネッサは涙を拭ってから指輪を持って、震える手でギルベルトの左手の薬指へ。

ゆっくりと指輪をはめると、ギルベルトはヴァネッサの指を絡めた。

突然の行動に驚いていると、彼はヴァネッサの腰に腕を回して暫く見つめあう。

どんどんと近づいてくる顔にドキドキしていると、彼は頬にキスをする。

顔が離れて、詰まっていた息を吐き出そうとするも次は額、目元と何度も何度もキスを続ける。

ヴァネッサはキャパオーバーで動けなくなってしまう。


恋愛経験も乏しく、映画や漫画の姿でしか見れなかったことが現実になると人は動きを止めてしまうらしい。


(ギルベルト様、涼しい顔をして意外と情熱的だなんて聞いてないですっ!)


先ほどから心臓が飛び出してしまいそうになっていた。

キスの嵐が止んで、ヴァネッサがそっと瞼を開いた時だった。

唇が触れてしまいそうな距離にギルベルトの顔がある。

ヴァネッサは息を止めた。何が起きたかわからずにいると、唇に柔らかい感触。

その瞬間、ヴァネッサの頬は真っ赤になってしまう。


徐々にギルベルトの顔が離れていくが刺激が強すぎるためか足元がおぼつかない。

フラフラしているとギルベルトがヴァネッサを支えるように抱きしめてくれた。



「あ、あの……! もっと、ゆっくり……っ」


「……?」


「初めてのっ、ことばかりで……!」


「ああ、すまない。ずっと我慢していたんだ」


「~~っ!?」



当然のように言うギルベルトだが、ヴァネッサは色々と起こりすぎてついていけなかった。

そんな中、彼はあることを問いかけてくる。



「ヴァネッサ、一つ聞きたいことがあるんだが……」


「な、なんでしょう!」


「レンセンセは初恋だと言っていたが、今でも好きなのか?」


「……はい!?」


「彼とはどういう関係だったのだろうか」



そこからレン先生について、質問攻めにあっていた。

まるで診察の要領で手際よく聞いてくるため、ヴァネッサも反射的に答えてしまう。

どうやらギルベルトは嫉妬深いタイプのようで、性格的にもひとつのことに長く熱中する。

医師の仕事もそうなのだという。

つまりヴァネッサに対しても同じことが起こっている。


嫉妬してくれていると思うと嬉しいが、恋愛の経験がまったくないヴァネッサにとっては嵐が次々と続く状態だ。

彼は憧れで、もう二度と会えない場所にいると言うと、やっと納得していたようだ。


ギルベルトはヴァネッサの顔の赤みが気になるようで、ヴァネッサは「ギルベルト様のせいです!」と叫びたい気持ちを押さえていた。


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