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アイオライトの魔導人形(エンテシア)  作者: 七瀬朔夜
第6章 目覚め-息吹-
55/70

疑惑

予定だと、明日・明後日は2回分くらいの投稿をしないと、年内にこの話を終わらせることが出来なさそうですね!さぁ、どうなんでしょうか…。

私の安いプライドを取って無難に纏めるのか、それとも来年に跨いででも丁寧にしっかりと書ききるのか…

どちらを選択するのか目に見えて分かっていますが、ギリギリまで何とかやってみたいと思います。

 一旦エンテと別行動をすることになったクロノは、この場所へ来た本来の目的を果たすためにヒルデ達が暮らしていた小屋へと向った。エンテのことは確かに心配ではある……。だが、それよりもまずは日記を手に入れないことにはこの場を収めようがないと言えるだろう。それなら、今は少しでも早く見つけて、この場を切り抜けるための策を実行しなくてはならない。少しでも彼女が頼ってくれたことに報いるためにも――その為に、足早にクロノは小屋へと駆け出す。

 そして、何の問題もなく小屋へと辿り着いたクロノは、1つの問題に直面する。それは、小屋に入るための鍵のことだ。エンテを見つけた時は、"条件"を満たすことで開けることが出来たが、今回もそうとは限らない。更に、悪魔が関与していることからも、何が起こるか分からない。例え、そういったことをしないようなタイプであっても、油断せず警戒するに越したことはないだろう。

 緊張した面持ちでクロノは一旦ドアノブに手を掛け回してみる。するとどうだろうか、この小屋も屋敷の蔵同様、鍵が掛けられていなかったのだ。いくら結界が張られているとはいえ、せめて鍵くらいは掛けておいてほしい所だが……。こちらとしては助かるからいいと思いつつも、クロノは何処か納得が出来ないような、微妙な表情をするのだった。

 気を取り直して、早速小屋の中へと入っていくことにする。



 入った途端、何か仕掛けがあるのかと身構えてみても、そんなものも見当たることもなく、こういった状況にクロノは慣れつつあった。

 そんなことよりも、クロノは小屋に入ってから驚くことになってしまった。

「(どういうことだ……。この小屋といい、あの蔵といい、昔から時間が経っているにしては綺麗過ぎる――)」

 そう、クロノが驚いたのは、小屋の中が意外と綺麗に片付けられていたことだ。屋敷近くに建っていた蔵もそうだったが、この小屋も200年も経っているにしてはあまりに綺麗過ぎるのが気になってしまう。

 一体全体、どういうことなのだろうか……。

 よく考えてみるとおかしい点は他にもある。そう、この小屋そのものの外見も、まるで最近建てられたばかりだと思わせるような外見なのだ。2人が亡くなってからそれなりの年月は経っているはずなのに、それを今も変わらず保つなんてことが可能なんだろうか……。

 確かに、アインの魔術には驚かされてしまうことばかりではあったけれど、いくら彼でも出来るものと出来ないものというのがある。それが、今のこの小屋の状態のことだ。いくら魔術師であっても、無機物に干渉するような魔術だなんて、見たことも聞いたこともない。そうすると、この小屋は200年前から今まで()()()()()()()()()()、ということになる。

 そんなことが可能なのだろうか……。


 ここでふと、"手紙"のことを思いだす。ここへ来るきっかけとなった差出人不明の手紙のことを――

 あの手紙は怪しいながらも、ヒルデの日記のことを暗示し、見事この場所をも示していた。そのことから、協力者がいるのだと仮定していたが、実際にいる可能性が高くなってきたと言える。まだ断定し切る要素がないので言い切ることが出来ないが……。その協力者(仮)がここを管理していると考えられる。

 或いは、今まさに自分達と対峙している悪魔がここを管理している、とか……。確かに、彼はこの場所をアインに護るように言われていたのかもしれない。しかし、だからと言ってこの小屋の管理までをする必要なんてどこにもないわけだ。だからこそ、この考えは一番あり得ないことだと断定出来る。そもそも、その光景を思い浮かべることすら出来ない。


 この場所の管理をアイン()の協力者がしているにせよ、悪魔がしているにせよ、不可解な点はいろいろとある。

 その不可解な点というのは、協力者がいるのだとしたらどうやって結界を抜けてこの場所に入ることが出来たのか、ということ。そして、もし本当にそんな人物がいるのなら、その人物は実に200年は生きていることになる。そんな人物がいたなんて記録は聞いたことはないのだが……。しかし、ここでその条件に当て嵌まるような"人物"を思い出す。その"人物"が本当にまだ動いているのなら、その人以外ありえないと言える。その人物というのは、エンテの姉か兄に当たる人形のことだ。

 アインから詳しく聞くことは出来なかったが、日記からまだ生存しているのだということは確認している。そのことから、今はその行方を追うために、リシェ達に協力してもらって探してもらっている最中だ。その手掛かりが今、こうして目の前にあるのかもしれないことにクロノは期待してしまう。それはもし、ヒルデ(彼女)の日記を手に入れることが出来たら、その人形(協力者)のことが書かれているのかもしれないからだ。その人物の人となりや、今どうしているかなどを知ることが出来れば、エンテの記憶の鍵を開けるのに近づくことが出来るかもしれない。そのことに、クロノは希望を抱いてしまう。

 そんな期待を胸に、クロノは1歩、また1歩と小屋の中を探索する。中は薄暗いので手探りになりつつも、確かに歩を進める。目的のモノは日記であることから、本棚か机を探すのが妥当なのかもしれない。そう思い、クロノは近くにあるであろう本棚へと近づく。

 本棚には魔術師らしく、魔術に関する本や歴史の本、果てには国外の本まで収められていた。このことから、彼女は知的好奇心が強く、探求心が強い人だということが考えられる。国外の本が収められていることからも、それが窺い知れるだろう。アインも同じことだったことから、それは概ね予想通りではある。問題は、用途不明のよく分からない本や絵本などが収められていることだ。……一体なんだ、これは。この時代の人間は本の種類をバラバラに揃えたり、こういうよく分からない本を所有するのが流行っていたのだろうか……。などと、困惑しながらクロノは日記がないのかを探す。

 本棚を粗方探してみたが、日記らしいものを見つけることが出来なかった。魔導書など(他の本)が気になるのを必死に堪え、次に日記があると思われる机を探そうとクロノは踵を返そうとする。その時、誰かに見られているような、そんな感覚を抱く。このことに、クロノは既視感を覚えてしまう。そう、その既視感とは、アインが自身の目の前に現れた時のことだ。そうすると、この気配の正体というのは――

 後ろにいるであろう気配の正体を確かめるために、ゆっくりとクロノは振り返る。薄暗くて確認が取りずらいが、そこへは予想通り見知った女性が立っていた。そのことにクロノは戸惑いながらも複雑な気持ちで納得してその女性へと話し掛ける。


「あなたは、もしかして――ヒルデさん、でしょうか……?」

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