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第9話 過去

初心者です。

生暖かい目でご覧ください。

頂いた感想からいくつか前話の情景等の描写について変更、追加しております。

気になる点、ご希望等ございましたら、感想で教えていただけたら嬉しいです。誤字脱字等ございましたら、ご連絡ください。

今回短めです。

俺は了承する。

ミコは目を瞑って話し始めた。


「これは4000年前の話、私はかつて最強とうたわれた吸血鬼族の王女だったの。私は小さいころから魔力が多かった。元々吸血鬼は人間に比べると各段に魔力が多いんだけど、私はその中でも群を抜いて多かったの。周りの大人達は私の力を恐れた。だから私をある塔に幽閉したの。私はまだ幼かったけど自分の状況を理解していた。でも仕方ないと割り切っていたの。自分は強いからしょうがないと生きて入れるだけで幸せだとそう思っていたの。ある時、私は塔の窓から私の同じくらいの年齢の平民の吸血鬼を見たの。その子は友達と遊んでいて、それをお母さんとお父さんが楽しそうに見ていたの、そして夕方になると、子供達はまた遊ぼうって言って帰るの。それを見た瞬間、私の中の何かが壊れちゃったの。どうして、私はあんな風にできないの?私は他より魔力が多いだけなのにそれだけで周りの吸血鬼からの関係をたたれ、ずっと孤独だった。私はもうたえられなくなった、そして私は使ったこともない魔法を使って国ごと滅ぼしてしまったの。滅ぼす前に私の父は言っていたわ、

「お前のような忌子を生かしてやったのに恩を仇で返すのかって」

私は笑ってしまったわ。そしてこう返したの、

「貴方が私にしたことで恩を作ることができるなら同じように返してあげる」

って、そうして私はひたすら魔法を使った。相手が降伏しようが、泣きわめこうがただただ滅ぼした。気づいたら周りは更地になっていたわ。私はそこでただただ呆然としていたわ。そして私はひたすらそこで立ち尽くしていた。そして私が国を滅ぼしてから二日程たったある日、私よりも少しだけ年上の男が現れたの私はすぐさま魔法を放ったの。それまでなら一瞬で消し炭になったのに、その男は持っていた剣を一振りしただけで私の魔法を相殺した。そしてこういったの、

「見つけた、、きみが吸血鬼国の王女だな。俺に敵意はない、俺はきみと話がしたくてここにきた」って、私は直感で悟ったの、この男が私の何倍も強いって。でもそれと同時に興味がわいたの、正直私は元々生についての執着がなかったから、ここで死んだらその時はその時だと思って私は彼と会話することにしたの。だから私は彼に向かって

「貴方は誰?私に何のよう?」と聞いたの。すると彼は

「俺はレン、隣国で国王をしていてね、きみをスカウトに来たんだ」

「スカウト?」

塔にはたくさん本があったから全然人との会話はできたの。だから余計に分からなかった。私はその時拒絶され続けていたから。

「なぜ?私は何もできない、魔法がちょっと強いくらい」

「何、俺の国には魔法が本当の意味で得意な奴なんていないんだ」

「それでも母国を滅ぼす女をスカウトする意味が分からない」

「なに、俺の国は実力主義でな、俺を殺すことができたやつが次の国王だと名言してある。だから滅ぼしたくなったら、俺を殺せ」

「なぜ私にそこまでするの?」

「俺はお前のことを気に入った、最初は隣国がたった数日で滅びたというのだから偵察に来たんだが、お前の魔力と魔法を見てな、お前をこんな所で殺すのはもったいないと思った。お前は才能の塊だ。お前はまだ魔法を完全に使いこなしているわけじゃない、今のお前は俺に勝つことはできないだろう。だが、俺がお前に魔法を教えれば、お前は俺より強くなるかもしれない。お前は、どうせもうやることもないんだろう。なら俺の元に来い、お前の幸せを約束してやる。お前を拒絶しないと誓おう」

「面白い、いいわよ、貴方の国に行くことにするわ」

それが私とあの人の初めての出会いだったわ、それからわ幸せな日々が続いた、私はあの人の国の王城に住んだ、あの人は私のことを妹として迎え入れてくれたわ。そしてその国はあの人のいう通り、実力が重視されていた。それにたくさんの種族がいた。だから元々強かった私はすぐに認められた、その国の国民は幸せそうだった。実力主義だけど、決して実力がないものも差別されたりもしない、そして私はその国であの人にたくさんの魔法を教わった。そしては私は国で二番目に強い存在となった。もちろん一番はあの人だった。私の生活は充実していた。そして気づいたら、私はあの人のことが好きになっていた。でもある日あの人は言ったの、

「俺はもうすぐ死ぬ。正確には転生する。来世に今世の記憶が引き継ぐことがわからない。だか恐らく、お前とはお別れだ。お前は俺に縛られずに自由に生きろ」

って言ったの。そしてあの人は私の傍からいなくなった。それから私の瞳には色がなくなったわ。だから私は国を私の次に強い人に任せたの。その人は聡明だったからきっとうまくやるだろうって、そして私は自分を眠らせる魔法をかけて眠りについた。それで貴方の魂がこの世界に来たタイミングでネロによって私の魔法が解除されたの。そして今に至るわ、長々と話してしまってごめんなさいね。でも話せてだいぶ楽になったわ。それにね、実はその人、シン、貴方に似てるのよ。だからどこか重ねてしまうのって出会って2日の人に話す話じゃなかったわね」

ミコは申し訳なさそうに俺に謝罪した。俺としてはつらい話をさせてしまったと思ってるくらいなのでまったく問題ない。


「大丈夫だ、つらい話をさせてしまって申し訳ない。気分転換でもしよう。ミコ、何かしたいことはあるか?」


俺はミコに問う、少しでもこのなんとも言えない雰囲気を変えるために。


「じゃあシンのことも話して」


「あまり、気分のいい話じゃないぞ」


「構わないわ」


「そうだな、俺は小さいころからたいていのことはなんでもできた。学校のテストも100点以外取ったことなかったし、体育の50m走とか、ソフトボール投げとかもすべて1番以外取ったことなかった。そんな俺の周囲からの視線は尊敬、羨望、そして恐怖だった。多分何にをしても1番な俺を羨ましがり、尊敬し、そして他とは違う俺に恐怖した。人は自分と違う物を排除したがる傾向にある。そして周囲は僕を排除しようとした。っていっても勉強でも運動でも俺には勝てないから、そいつらは俺をいじめようとした。暴力から精神的なものまで多種多様に及んだ。俺はその全てを受け入れた。正直な話俺にはなんの実害もなかった。暴力っていっても学生の力はたかがしててるし、精神的なものも、給食の量を減らすとか、掃除を全部押し付けるとかたかがしれていた。まぁそのせいで俺は人間不信に近い状態になったわけだが」


「貴方は反撃したりしなかったの?」


「正直、実害はなかったから恨んだりはしていなかったからな。反撃もしなかった」


「親は助けてくれなかったの?」


「俺の親は正直屑だった。最初のうちは俺がテストで100点とると褒めてくれた。だがずっと100点を取り続ける俺を不気味に思ったのかそのうち、俺は親から距離を置かれるようになった。ごはんも俺の分は用意されなかったし、洗濯とかの家事も俺の分だけはしなくなった。今思えば完全に育児放棄だった。そんな環境で生きていた俺はもう全てがどうでもよくなった。だから死んだとき、俺はむしろ嬉しかったくらいだった」


「そう」


ミコはそう言って俯いた、よく見ると目元が光っている。


「気にするな、それにミコは俺をいじめたりしないだろ」


「もちろんよ」


「ならいい、だがその影響で俺はあまり人付き合いが得意ではなくてな。山を降りるのはもう少しこの世界に慣れてからがいい」


「分かったわ、無理する必要もないし」


「ありがとう」


その後、シンとミコは日が落ちるまで雑談に花を咲かせた。


「おっと、そろそろ寒くなってきたな家の中に入るか」


「そうね」


今日一日で俺とミコはかなり仲良くなっていた。

お互いの過去と秘密を打ち明けあい、その後楽しい雑談もした。

元々俺はミコに対して悪い印象を抱くことがなかったのも大きいのだろう。

家に入った俺とミコは夕食に寿司を食べた。

この世界には寿司の存在はなかったようで、とても驚いていたが美味しそうに食べていた。

その顔はとてもかわいかった。

俺とミコはその後すぐ就寝した。


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