第84話 剣術個人4
初心者です。
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今回、少し長めです。
ミコはセーラたちと協力して俺に勝とうとしているらしい。
だが、結局俺がやることは変わらない。
俺がやることはミコに勝つこと。
それだけだ。
俺は地を蹴り、ミコに接近し神魔を振るう。
ミコはそれを吸魔と常闇の両方で受け止めた。
今の俺とミコではミコの方がピアスの分、圧倒的に身体能力が高い。
俺はバックステップで後ろに下がる。
俺が創った神器は持つだけでもステータスが上がる。
なので、今のミコの強化倍率は計り知れない。
俺は「超強化」を使ってはいるが、強化率では足元にも及ばないだろう。
俺とミコのレベルはかなり近い。
なので、素の身体能力にも大きな差はない。
そんな状態でミコの方が強化されているだから身体能力で負けるのは当然だ。
だが、卑怯だとは思わない。
結局、勝てば官軍負ければ賊軍だ。
勝ったやつが偉いのだ。
それに、ルール違反でもないしな。
だが、このまま戦っても俺が不利だ。
俺も、本気を出すとしよう。
俺は普段とは違う構えを取る。
普段は神魔を両手で持ち、正面に構える。
ありふれた構えだが、今回の構えは違う。
俺は姿勢を低くし、後ろに手を伸ばす。
「何?その構え」
「これはミコにも見せたことのない構えだな。俺が本気の本気の時の構えだよ」
「そう。私ですら知らない構え。なんで今まで使わなかったの?」
「シンプルに疲れるだよ。それに使うまでもない相手ばかりだったからな。それにこれは俺が編み出したものだからな」
「編み出した?」
「そう、前の世界であったものじゃなくて俺がこの世界に来て編み出した構えだ。本気で俺に勝ちに来たお前に敬意を払い。俺の本気を見るがいい」
俺はそう不適に笑う。
あぁ、これを使うことは一生ないんじゃないかと思っていたがまさかここまで早く使うことになるとはな。
これを最初に使うのがミコであることには感謝しかないな。
俺は更に姿勢を低くする。
ミコ視点
私が見たことのないシンの姿。
そういった姿は勿論ある。
だが、それは少ない。
1年という時間はそこまで長い時間ではない。
だけど異空間内で過ごしていたことを考えたら私とシンは数十年は一緒に過ごしている。
だからこそ私が知らないシンの姿というのはかなり少ない。
特に戦いにおいてはよく摸擬戦をしたりしていることから大体知っている。
そんな私でさえ知らないシンの構え。
恐らく人前で見せること自体が初めてなのだろう。
そんな技を私に使ってくれるという事実に私は歓喜していた。
皆に協力してもらって良かった。
してもらえなければ、私はシンにその技を使わせることが出来なかっただろう。
私は「超強化」に極限まで魔力を注ぐ。
シンがどんな技を使うのかはわからないが、身体能力を強化しておくにこしたことはない。
私はシンの動きを見落とさないよいうにジッと見た。
シンは地を蹴り接近してくる。
それと同時に神魔を振るう。
遠心力を使っているのか普段よりも速い。
大丈夫だ。
私はちゃんと見えている。
ならどうにかできる。
私は常闇で神魔を受ける。
「っぐ」
それにかかる力は先ほどの比じゃない。
私はシンを攻撃しようと吸魔でシンの頭を突こうとする。
が、シンはそれを首を傾けることで避ける。
すると、常闇にかかっていた力が突然なくなる。
シンが神魔を下げて私の右に移動したからだ。
その動きはとても速い。
だが私は吸魔を振るう。
だが、それすらもシンは避ける。
そしてシンは神魔を両手で持って私に上から振るう。
私はそれを吸魔と常闇の二本を使ってなんとか受け止める。
すると、シンから蹴りが飛んでくる。
剣術のルール上は殴りもルール違反ではない。
私は咄嗟に後ろに下がってシンの蹴りを避ける。
だが、その一瞬の隙に更に腕にかかる力が強まる。
確かに普段と全然違う。
何が違うのかと言われれば近いのだ。
普段シンは剣で戦う時はある程度の距離をとる。
ヒットアンドアウェイの要領で攻撃する瞬間だけ近づいて、攻撃が終わったらすぐに下がって距離をとる。
これがシンの普段の戦い方だ。
だが、今は違う。
攻撃を終えても移動するだけで下がらない。
シンが近くにいることは嬉しいのだが、生憎と今は試合中だ。
普通は遠いよりも近いほうが剣が届きやすくていいはずだ。
だが、今のシンは近すぎるのだ。
そのせいで普段のように戦えない。
私の武器は速さだ。
吸魔は鋭く頑丈だがとても軽い。
そのおかげで武器を突く速さはシンよりも速い。
だが、ここまで相手が近くてはその速さが生かせない。
せっかく上がっている身体能力をうまくいかせない。
そんなことを考えているとシンは今度、私の左に移動する。
そして神魔で突きを放ってくる。
私は常闇で神魔の側面をたたき、その突きをはじく。
するとシンはすぐに神魔を手放した。
シンの手から離れた神魔は空を飛ぶ。
シンは明らかに意図的に神魔を手放した。
何をするつもりなのだろうか?
私はそう疑問に思いながらもシンに吸魔を突きつけようとする。
だが、シンはそこで跳躍した。
そして、空中で神魔を手に取る。
そのまま体制を変える。
そしてシンは少し離れたところ着地する。
そして予備動作なく私に突っ込んできて神魔を振るう。
私は常闇で防ぐが防ぎきれないと判断し吸魔も使い神魔を防ぐ。
シンはすぐに神魔を放した。
そしてバックステップで後ろに下がる。
そして先ほどと同じ構え。
姿勢を低くし、剣を後ろに向ける。
今度はなんだ?
私が警戒を強めると、シンは地を蹴って接近してくる。
さっきと変わらないのかと思ったが、すぐに違うと分かった。
私はシンに向かって常闇を振るが。
カンッ
シンがすぐに神魔で弾いた。
私はすぐに吸魔でシンを突こうとするが。
キンッ
それすらも弾かれてしまった。
そこからシンは連撃を刻み込んでくる。
私は防戦一方になる。
シンの剣は普段よりも速い。
だが何とか常闇と吸魔で対応は出来ている。
時間稼ぎにしかならないだろうが何か打開策を探さなければならない。
私はシンに隙がないかを見逃さないようにジッと見つめる。
だがシンに隙などない。
ガンッ
私は二つの剣を強引に神魔に当ててシンの隙を作ろうとする。
だが、シンは剣をすぐに引いてまたすぐに振る。
だが今回のシンの狙いは私の首じゃないらしい。
「っく」
シンが狙ったのは私の手首。
シンの神魔に合ったった衝撃で常闇を手放してしまった。
まずい、これではシンの攻撃への防御が間に合わない。
私はしょうがなく、奥の手の1つを出すことにした。
私は懐からナイフを取り出す。
セーラの殺魔だ。
私は殺魔をシンに投げる。
シンは咄嗟にそれを防ぐ。
本来ならここで常闇を取りに行くのが普通だろう。
だが私は吸魔を構えてシンに突っ込む。
私の懐から殺魔が出てくるのはさすがに予想できなかったのかシンは少しばかり反応が遅れた。
それが明確な隙となった。
それはとても小さい物。
だが、それでも私の希望の一筋だ。
私の中にはユアだけでなくセーラの魂も入っているのだ。
普通は友人の頼みだからといって魂を貸したりしない。
魂とはその人の中で一番デリケートな部分だからだ。
だが、友人たちは私に魂を貸してくれた。
勿論、私からの報酬が欲しかったのもあるだろうが。
魂を貸してくれるというのはそれだけ信用されているということだ。
私は昔から交友関係は狭かったが、良き友人を持ったものだ。
昔の私が聞けば驚くかもしれない。
私はそんなことを考えながら渾身の突きをシンにお見舞いする。
シンは避けようとしたが避けきれずに肩に吸魔が刺さる。
私は吸魔を手放す。
そのためシンには吸魔が刺さったままだ。
だがシンはそんなことを気にせずに神魔で私の首を斬ろうとする。
だが、私は懐から小さな鎌のアクセサリーを取り出す。
「死魔。私に力を貸しなさい」
その瞬間、鎌のアクセサリーが大きくなる。
そう、ゼミルの愛用武器である生死鎌死魔に。
私が何をしたのか。
試合中に魔力を使うことは禁止とされている。
私は試合中には魔力を使っていない。
私は試合前に死魔を召喚し無属性上級魔法「スモール」という魔法を使った。
この魔法は対象物を小さくする魔法だ。
だがこの魔法は魔力を注いでいる間しか小さくならない。
なので私は最初に膨大な魔力を注いでおくことで長時間小さい状態を維持することにした。
だがそれだけだと、任意のタイミングで魔法を解除できない。
普通は魔力を注ぎながら使う魔法は魔力を注ぐのを辞めると自動的に解除される。
だが、今回は事前に魔力を注いでしまっているので任意のタイミングで魔法を解除できない。
だから私はもう1つ死魔に魔法を使ったそれは無属性最上級魔法「プログラム」この魔法はシンが創った魔法で事前に決めておいた特定条件がそろったときに特定の操作を自動的に行ってくるという魔法だ。
私は「プログラム」で私が死魔と言ったら「スモール」に注いでいる魔力を「超強化」に注ぎ「スモール」を強制的に解除する。
ということを決めたおいた。
これによって私が死魔と読んだら死魔が大きくなるという現象をその時に魔力を使わずに行ったのである。
そして私は迫っている神魔を死魔で弾いてシンの首を刎ね
られなかった。
神魔がギリギリのところで防いだのだ。
だがシンは深手を負っている。
このまま戦えば勝てる。
だがシンはまたもやさっきと同じ構えをする。
「連撃八十連」
シンがそういった瞬間、神魔が私に振るわれる。
私はそれを死魔で弾く。
が、神魔はまたすぐに私に振るわれる。
私はそれを死魔で弾く。
だがまた、神魔はまた私に振るわれる。
弾く。
振るう。
弾く。
振るう。
弾く。
振るう。
私たちはそれをひたすらに繰り返した。
だが、次第にシンの剣速と剣の重さが増してくる。
そしてついに。
「あ。しまっ」
私はシンの剣の重さに耐えられず死魔を手放してしまう。
グサッ
すると私の心臓は神魔に貫かれた。
「俺の勝ちだ」
「私の負けね」
「勝者。シン・ソードロード」
勝負は私の負けだ。
「最後のは何?」
「あれは俺の奥の手だ。あれはあの構えをしないと使えなくてな」
「なんで最初から使わなかったの?」
「いっただろ。奥の手だって。本来ならあの構えすらするつもりはなかった。だがあの構えをして攻撃してもミコは俺の攻撃に耐えた。だからあれを使ったんだ。あれは魔力を使わないアーツのようなものだ。それを使ったのがミコであることが俺は嬉しいよ」
「そう。なら私は満足よ。シンに一泡吹かせられたようだしね」
「あぁ。色々と予想外の連続だった」
シンの表情はとても満足した顔だった。
私はこの顔をコレクションに加えたくて仕方がなかった。
こんなに剣術個人に時間をかけるつもりはなかったのに。
まだまだ魔法個人、総合個人、剣術ダブル、魔法ダブル、総合ダブル、剣術総力、魔法総力、総合総力とあるのに。
学園対抗戦がめっちゃ長くなってしまう。
剣術だけの戦闘描写ってなかなかなかったけど難しかったです。
分かりにくいところがあったらすみません。
魔法とかアーツとかあったらまだわかりやすいんだけど体の動きを伝えるのって難しいです。
とりあえず次は魔法個人の前に休憩入れるかも?
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