第82話 剣術個人2
初心者です。
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俺、ミコ、セーラ、ゼミル、ユイはその後も勝ち続けた。
俺、ミコ、セーラは準々決勝を問題なく勝ち抜いた。
だが、ここでゼミルとユイが当たった。
俺たちは試合が終わっているとはいえ、さすがに観戦に行く余裕はない。
しょうがない。
ここから見よう。
「魔眼」
俺は「魔眼」を発動する。
使う能力は千里眼と千里聴というものだ。
千里眼は遠くのものを見ることができる能力だ。
千里聴は遠くの音を聞くことが出来る能力だ。
試合が行われる第三闘技場を見ると、ちょうどゼミルとユイが出てきたところだった。
「今回の試合で戦うのはどちらも第一学園。これに勝った方がベスト4に入ります。では選手の紹介です。第一学園ゼミル・デスデッド選手。今まで圧倒的な速度で勝利してきました。武器は世にも珍しい鎌を使う選手です。対するは同じく第一学園ユイ・ユレイズ選手です。ユイ選手のお姉さまは第一学園生徒会長で優勝経験が何度もあるあのユア・ユレイズ。ユイ選手も今までの試合を一瞬で決着をつけてきました。なんでも武器はお姉さまの魔剣を借りているそうです。さてそれでは試合開始です」
「どっちが勝っても恨みっこなしよ」
「当然。それに勝ったら勝ったでシンかミコかセーラと戦うことになる。恐ろしい」
「それもそうね」
二人とも緊張は見られない。
普段通り談笑しながらお互いの武器を出す。
ゼミルは死魔をユイは常闇をそれぞれ「無限収納」や「収納」から取り出す。
そして構える。
「準々決勝。ゼミル・デスデッド対ユイ・ユレイズ。はじめ」
ガキンッ
その瞬間、死魔と常闇がぶつかる。
「まぁ、今まで見たいに一撃とはいかないわよね」
「あまり舐めないで」
キンキンキンカッキッキン
死魔と常闇がものすごい速度でぶつかり合う。
剣術のルールでは基本的に魔力の使用は禁止だ。
だが、体内で完結するのならよしとされて「いる。
つまり「超強化」は使ってもいいのだ。
だが、二人とも使っていない。
恐らくウォーミングアップのつもりなのだろう。
「さてと、そろそろ本気で行きましょうか」
「そうね」
二人は「超強化」を発動する。
二人の速さが一気に早くなる。
キキキキキン
それは常人では見えない速さだった。
「「はぁはぁはぁ」」
「あまり長引かせても疲れるだけだし、次で最後にしないかしら?」
「乗った」
二人は互いの武器を構える。
そして、お互いに接近し武器を振るう。
勝負はついた。
「私の負け」
「私の勝ちよ」
ゼミルの死魔がユイの右肩を切断した。
大量の血が噴き出る。
そしてユイの姿が消える。
場外に転移したのだろう。
「勝者。ゼミル・デスデッド」
ゼミル対ユイの戦いはゼミルの勝利で幕を閉じた。
そしてなんでも俺の次の相手はゼミルらしい。
ゼミルが少し休んでから開始するそうだ。
ゼミルならようやく楽しめるだろう。
というか、次はミコ対セーラか。
果たしてどっちが勝つのだろうか。
俺は今度はミコとセーラの戦いが行われる第二闘技場に「魔眼」を向ける。
既にミコとセーラは舞台に出てきていた。
「ミコ。本気で行くから油断していると負けるわよ」
「勿論。そんな気は一切ないわ」
「さぁ始まりました。準決勝。これに勝った方が決勝戦に進みます。では選手紹介です。現在残っているのは全て第一学園の生徒となります。第一学園セーラ・ナイト選手対第一学園ミコ・マジクロード選手です。どちらも全ての戦闘を5秒以内に終わらせ、大会史上最速レベルで勝利を収めています。果たして勝つのはどちらなのでしょうか」
「最初から本気で行くわ」
「私もそのつもりよ」
ミコは吸魔をセーラは殺魔を「ストレージ」や「無限収納」から取り出す。
そして構える。
「それでは、両者構えて。はじめ」
その瞬間、セーラがミコの背後に周り首を切ろうとする。
が、ミコはそれを察知してすぐに後ろに振り向き吸魔でセーラの心臓を突こうとする。
セーラはそれを殺魔で何とか防ぎ、お互いに距離を取る。
二人は同時に「超強化」を発動する。
最初から発動しなかったのはそれが隙となるからだ。
今度はミコがセーラに急接近し吸魔を突き出す。
カンカンカンッ
セーラは何とかミコの吸魔を防ぐ。
そしてすぐに殺魔で斬りかかる。
ミコはバックステップで回避する。
セーラは距離をミコとの間に空いた微妙な距離を詰めるため地を蹴る。
その瞬間、ミコはセーラの後ろに回って後ろからセーラの心臓に吸魔を突き出した。
「私の勝ちよ。確かに私は魔法ばかりにしているけれどシンから直々に、貴女よりも長い時間。剣について教えられているのだから決して弱くはないの」
「勿論。今まで見たいに簡単に勝てる相手じゃなかったのはわかっていたけど、ここまで一方的だと悔しいわね」
セーラはそう言って消えた。
場外に転移したようだ。
「勝者。ミコ・マジクロード」
セーラ対ミコの戦いはミコの勝利で幕を閉じた。
「シン選手。ご入場を」
「分かりました」
俺は係りの人に呼ばれたので舞台に上がる。
「さてさてこちらも準決勝。この戦いに勝利した人が決勝戦に行くことができます。残っているのは第一学園の生徒のみ。今回の試合の選手の紹介です。第一学園ゼミル・デスデッド選手。同じく第一学園シン・ソードロード選手です。果たしてどちらが勝つのでしょうか」
「シン。やるからには勝きで戦うわよ」
「当たり前だ」
ゼミルは死魔を俺は神魔を取り出し、構える。
「両者構えて。はじめ」
ゼミルが「超強化」を発動し、一気に俺と距離を縮める。
そして死魔を振るう。
俺はそれを神魔ではじく。
鎌の大振りな攻撃ははじくことによって決定的な隙を生むことになる。
俺はゼミルに向かって神魔を振るう。
だが、ゼミルはバックステップで何とか回避する。
「本当に油断してたら一瞬で倒せれちゃうわね」
ゼミルはそう言いながら「超強化」に注いでいる魔力を更に増やす。
それによってゼミルの身体能力がまた更に向上する。
ゼミルのレベルも以前と比べればかなり上がっている。
恐らく観客は目で追えない速度だろう。
ゼミルは俺の後ろに回り、死魔を振るう。
普通なら何も反応できずに終わるだろう。
だが、生憎と俺は普通ではない。
強化などしなくても圧倒的なレベルがある。
俺は屈むことで攻撃を回避する。
そして俺は体だけ後ろを向いて剣を振るう。
ゼミルはそれを後ろに少し下がって回避し、今度は俺の正面に移動する。
そして「超強化」で恐ろしいほどに強化された身体能力で死魔を振るう。
それは常人では認識できずに死んでしまうであろう速度だ。
そして俺の身体能力でもギリギリの速度だ。
ゼミルはどうやってここまでの身体能力を手に入れた?
確かにゼミルは「超強化」で身体能力を極限まで強化している。
だが、俺とゼミルの間には圧倒的なレベル差がある。
なのでゼミルの攻撃に俺がギリギリというのは本来ありえないことだ。
そこで俺はゼミルの両耳についているピアスに目がいった。
それは俺とミコがセーラの免許皆伝の証として渡したピアスだ。
だが、ルール上試合中に魔力を込めることは禁止なはずだ。
確かこの舞台上は死んだら場外に転移するだけじゃなくて、事前に設定したルールを破っても場外に転移する仕組みだとマーゼに聞いた。
だが、ゼミルは転移していない。
どういうことだ?
俺はすこし考えると答えにたどり着く。
こいつ、試合開始前から魔力を込めてやがったな。
身体能力を強化する魔道具というのは元々この世界にも存在する。
だが、それらは基本的に魔力を込め続けている状態でのみ発動する。
なので試合では使えない。
だが、俺やミコが送ったピアスは別だ。
あのピアスは魔力貯蔵もできるからそれを利用しているみたいだ。
だが、それにしては今までの攻撃は弱すぎた。
さては手加減して、俺の感覚を鈍らせようとしたな。
余談だが、レベルが上がると思考速度も上昇するのでまだゼミルがさっきの攻撃をしてから0.0001秒程度しか経っていない。
「なら、速さで」
ゼミルは「神速」を使って俺に斬りかかる。
そうか「神速」も強化スキルだから使っていいのか。
俺はそんなことを考えながら死魔を神魔で受け止める。
かなり重い一撃だ。
だが、その瞬間にその重さはなくなる。
ゼミルが一気に後ろに下がったからだ。
何がしたいんだ?
俺がそう考えるとゼミルが魔力を使わない限り絶対届かない距離なのに死魔を構える。
何をするつもりだ?
さっきからゼミルの行動が読めない。
「これで終わりよ」
ゼミルは死魔を振るう。
死魔は当然空振る。
のではなく、こっちに飛んできた。
ゼミルは死魔を振ったのではなく、投げたのだ。
俺は飛んできた死魔を弾いた。
俺は目を見開く。
なぜなら、ゼミルが俺の眼前にいて俺に向かって常闇を振るっているのだから。
何故、何故だ。
常闇は基本的にユアしか使えない。
ユイが使えたことには驚かない。
ユアとユイのラブラブ具合を知っていれば想いの強さだとかなんだとかで貸すくらいは出来るだろう。
だが、何故ゼミルが常闇を使える?
何故だ?
いや、今はそんなことを考えている暇はない。
常闇の刃が俺に迫る。
「っは。本当にやってくれる」
俺は笑う。
面白くて仕方がない。
俺はバックステップで下がって常闇の側面を蹴る。
ゼミルは咄嗟に常闇を放す。
そして近くに落ちていた死魔を手に取る。
そしてすぐに俺に振るう。
俺はゼミルに接近して死魔を握っている右手を斬る。
「っく」
ゼミルが痛みに苦しむ。
「いいものを見せてくれた。だが、俺には届かない。
俺はゼミルの首を刎ねた。
その瞬間にゼミルは消える。
場外に転移したようだ。
「激闘の末勝敗が決まりました。準決勝勝者はシン・ソードロード選手です」
俺とゼミルの戦いは俺の勝利で幕を閉じた。
剣の腕ならシン、ミコ、セーラ、ユア、ゼミル、ユイの順に強いです。
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