第79話 部屋割り
初心者です。
生暖かい目でご覧ください。
誤字脱字等ございましたら、ご連絡ください。
昨日で投稿できなかった日分は投稿しきったのでまた1日1話投稿に戻ります。
今回、少し短めです。
今日から学園対抗戦が始まる。
俺たちは馬車で学園対抗戦の会場に向かっていた。
ただ、会場は王都にあるのですぐに着いた。
ちなみに馬車のメンバーは俺、ミコ、セーラ、ゼミル、ユイ。
そして、ユアだ。
本来ならば学年ことに一つの馬車が用意され、それに乗る。
ではなぜユアがここにいるかと言えば、それは一重にユアがユイと同じ馬車に乗りたいと言ったからだ。
副会長は不満げだったが、さすがは生徒会長と言うべきか反対を押し切り俺たちの馬車に乗った。
ユアとユイの婚約はたくさんの貴族の前で発表されたので、学園の人には知れ渡っていた。
それによって学園内での二人のイチャつきぶりはやばかった。
人前で平気で抱き合うし、頬にキスするし、好き好き連呼するし。
まぁ、今まで抑えていた分が爆発しているんだろう。
そんなことを考えていると、馬車が止まった。
俺たちは馬車を出る。
するとそこには大きな建物があった。
「ここが学園対抗戦の会場」
「ここはナイト王国1の闘技場である国立第一闘技場よ。初等部の時はまだ魔法が使えなくて代表戦に選ばれなかったし、来る機会も特になかったから知識としては知っていたけど始めてくるわね」
「にしてもかなり広い」
「ここは魔王陛下がご自分で創ったとされる施設の1つよ。魔王陛下がご自身で創られた施設はいくつか現存しているけれどそのどれもが今の技術ではありえないような事象を起こすことが出来るの。例えばこの闘技場の舞台は魂さえ破壊しなければ死んでも舞台の外に強制的に転移させられるだけっていう仕様があるわ」
「それは凄まじいわね」
「だから、こういう戦いにぴったりなの。安全に全力を出せるからね」
「ふふ」
セーラの解説を聞いたミコが不適に笑う。
「どうしたんだ?ミコ」
「シン。ここは魔王陛下御自身が自らの手で作り上げた施設よ。そしてこの施設は魔王城の次に頑丈と言われているわ。だってこの施設。終末級未満の魔法なら防げるんだから」
「それはつまり、全力が出せるわけか」
「そういうこと」
「それは、楽しみだな」
俺とミコは不敵に笑う。
そうして、俺たちは会場に入っていく。
これから開会式があるらしい。
俺たちはとても広い空間に集められた。
他の学校の生徒もいる。
周りには観客らしき人もいる。
すると、突然空にレイルとミリーの姿が映し出された。
「諸君、よく来てくれた。顔を知らない人のために名乗っておこう。僕はナイト王国国王レイル・ナイトだ」
「私はナイト王国王妃ミリー・ナイトよ」
「僕はこの学園対抗戦が好きだ。未来を生きる若者たちの強さなどの情報を知れる。っていうのもある。国王だからね。でも、それ以上に学園対抗戦はどれもこれも心熱くなる戦いばかりで僕は昔から好きだった。君たちが僕を楽しませるような熱い戦いをしてくれることを願っている。さて、話はここまでにしようか。レイル・ナイトの名のもとに学園対抗戦の開会を宣言する」
「「「「「「「「「「「「「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉ」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
周りが歓声で包まれる。
そんな中、俺たちは別の広い空間に移動した。
すると、前にマーゼが出てくる。
「ここが第一学園が使える場所だから。自由に使って頂戴。泊まる場所については皆に事前に説明したホテルね。何か困ったことがあったら渡した魔道具で連絡して頂戴。それじゃ、今日試合がある人は残って頂戴。他の人は好きにしていいわよ。それじゃ解散」
皆、各々移動していく。
学園対抗戦は1週間にわたって行われる。
俺たちは出れるすべての試合に出るのでそこそこ忙しいが1日目は初等部の試合だけなので俺たちは試合には出ない。
「どうする?」
「試合を見てもいいけど」
「わざわざじゃない?」
「そうだよな」
ぶっちゃけ、初等部の戦いで俺たちが楽しめるかと言えばそれは難しいだろう。
「シンプルにホテルでゆっくり過ごしてもいい気がする」
「それでいいかも」
「明日って試合あるわよね?」
「剣術の個人と魔法の個人の試合があるわね」
「それじゃあ、今日はホテルでゆっくり休んで明日に備えましょうか」
「「「「「賛成」」」」」
ということで俺たちはホテルに移動した。
事前に場所は説明されていたので迷うことはなかった。
まぁ闘技場のすぐそばなのだが。
俺たちはホテルのフロントに行く。
ホテルに着いたらフロントで受付をして部屋の鍵を貰えと言われているからだ。
「すみません。王立第一学園中等部1年生です。部屋の鍵が欲しいです」
「確認いたしますので少々お待ちください」
セーラがそうフロントのスタッフに言うと。
フロントのスタッフは手馴れた様子で名簿らしきものを確認する、
「はい。シン・ソードロード様、ミコ・マジクロード様、セーラ・ナイト様、ゼミル・デスデッド様、ユイ・ユレイズ様、ユア・ユレイズ様。以上6名でお間違いないでしょうか?」
「はい」
「それではお部屋の鍵になります。お部屋は401号室となります」
「分かりました」
そう言ってセーラが鍵を受け取った。
そうして俺たちは401号室に移動し、部屋の中に入る。
そこは広々とした空間で、ベッドが6つあった。
他にもテーブルやいすなどもあり、どれもが高級品だ。
「それで、なぜ。ユアも一緒になってたのか聞いてもいいか?」
そう、さっきフロントでセーラは王立第一学園中等部1年生と言ったのにも関わらず名簿にはユアの名前があった。
ユアは中等部の1年生ではないので、本来名前が載っているのはおかしいのだ。
「これに関しては本当に私も知らないわ」
するとユアが首を横に振った。
本当に知らないらしい。
「それじゃあ、なぜ俺とミコたちが同じ部屋なんだ?確か男子と女子で分けられたはずなんだが」
そう、さっきのフロントスタッフの言葉が正しいのであれば俺たち6人で401号室となる。
だが、事前に聞いていた説明では各学年男子部屋と女子部屋の2部屋予約されているはずだ。
これでは俺はゼミルやユア、ユイと同じ部屋で寝なければならなくなる。
ミコとセーラに関しては今更なので全く気にしないが、ゼミルに関しては婚約者のいない貴族令嬢。
いや、もう貴族の当主ではあるのか。
とにかく未婚の貴族の女性と婚約者のいる貴族の女性。
と男が同じ部屋で寝るのはいいこととは言えない。
だが、これに関しても誰も知らないようなので。
俺たちはホテルの部屋を予約した人物に「念話」で連絡を取る。
(マーゼ学園長。少し聞きたいことがあるんですけど)
(あら、何かしら?)
そう、ホテルを予約したのはマーゼなのだ。
だって彼女は学園長だからな。
(俺たちの班の部屋メンバーにユアがいるんですけど。どういうことですか?)
(そりゃあ、ユアちゃんはユイちゃんと一緒にいてくれた方がパフォーマンスが数倍上がるからね。いい結果のためだよ)
(それは納得です。では次、なぜ男子部屋と女子部屋に分かれてないのですか?)
(シン君1人だけの部屋って別にいらないかなって思ったからよ。シン君はミコちゃんやセーラ殿下と一緒の部屋で生活してるんだからいいでしょ)
(いやいやいや、ミコやセーラはともかく、ゼミルやユアやユイはまずいでしょ)
(確かに貴族的にはよくないかもしれないけど、ユアちゃんとユイちゃんは最愛の婚約者がいるんだから問題ないだろうし、ゼミルちゃんに関しては3人目だし)
(3人目?どういうことですか?)
(それは自分で考えなさい。ってことで部屋に関しては間違ってないからゆっくり過ごして頂戴)
マーゼはそう残して「念話」を切った。
「切れた」
「シン。マーゼ学園長はなんて?」
「ユアが俺たちの部屋にいる理由はユアはユイと一緒にいた方がパフォーマンスが数倍に上がるからっていう理由で、男女の部屋に分けなかったのは男が俺一人だけだったからだそうだ」
「「「「「なるほど」」」」」
「いや、ミコとセーラはともかく。ゼミルたちは気にならないのか?男と同じ部屋で寝て」
「「「シンなら気にしない」」」
「俺のどこにそんな信頼感を感じているんだ」
「だってそもそも「白黒銀世界」の中ってある意味完全な密室みたいなものだし」
「それに、シンにそういう気があるならどこにいようが逆らえないし」
「今更感が強い」
確かに「白黒銀世界《三人の世界》」の中なんてある意味完全な密室みたいなものだ。
そして確かに俺は「テレポート」でどこにでも転移できるし逆に対象に魔法を使わせられない様にもできる。
確かに俺がその気になったらゼミル達にどうこうすることはできないだろう。
そういう意味では今更感も強い。
だが、
「いや、貴族としてダメだろ。バレたら大変なことになるぞ」
「「「その時はシンが責任取って」」」
3人があまりにも綺麗にそろえて、そして笑顔で言うもんだから俺は顔を引きつらせるしかない。
「分かった。このままで行こう」
結局俺が折れることになるのだった。
ゼミルはシンに対して恋愛的な好意を持っています。
ユアとユイは恋愛的な好意こそ持っていないもののシンたちのことを深く信用しています。
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