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第77話 褒賞

初心者です。

生暖かい目でご覧ください。

誤字脱字等ございましたら、ご連絡ください。

本日、短めです。

誤字報告で教えていただき、セーラの褒賞についての一部の文を訂正しました。

今日は俺たちの褒賞の日だ。

俺、ミコ、セーラ、ゼミル、ユア、ユイが王城に集まっていた。

ちなみに全員、セーラの部屋で集まっている。

どうやら今回は貴族たちが謁見の間に入ってから俺たちが入場するらしい。


「お時間になりました。ご移動ください」


連絡係の騎士が俺たちを呼びに来た。

俺たちは謁見の間の扉の前に移動し、謁見の間に入る。

そして国王陛下の前で跪く。


「シン、ミコ、セーラ・ナイト、ゼミル・ランダル、ユア・リムソン、ユイ・リムソン。そなた等は王立第一学園のダンジョン実習時に発生したイレギュラーダンジョンスタンピードの解決に深く貢献した。それによって守られた民の命は計り知れない。国王として礼を言う。よって褒賞を行う。既にそなた等の望みは聞いていたが、全てなんの問題もなく与えられることになった。まず、ゼミル・ランダル。貴殿には伯爵位とキョウマ領を与える。家名はデスデッドとする」


ゼミルは立ち上がる。

そしてレイルの前に移動すると伯爵の証となる短剣を受け取る。


「有難き幸せにございます」


パチパチパチパチ


周りから拍手が送られる。

だが、やはり若い女であるゼミルが爵位を持つことに不満をもつ者もいるようだ。


「次にユア・リムソン。貴殿には伯爵位とモンマ領を与え、家名をユレイズとする」


ユアもゼミルと同じように立ち上がり、レイルに伯爵の証となり短剣を与える。


「有難き幸せにございます」


パチパチパチパチ


周りから拍手が送られる。

だが、ゼミルと同じで若い女が爵位を持つことに不満を持つものもいるようだ。

にしてもユアの望みも爵位だったのか。

十中八九、ユイに何があっても守れるようにだろうな。


「次にセーラ・ナイト。貴殿には白銀貨10枚を与える」


セーラは立ち、明らかに大きく重そうな袋をレイルから受け取る。

まぁセーラのレベルでは重さなど感じないだろうが。


「有難き幸せにございます」


パチパチパチパチ


周りからの拍手が送られる。

だが、王女であるセーラが大金を持つことに不満をもつものもいつようだ。


「次にミコ。貴殿には辺境伯位と魔境「デスマーチ」を与える。家名をマジクロードとする」


ミコもゼミルやユアと同じように立ち、レイルから辺境伯位の証となる短剣を受け取る。


「有難き幸せにございます」


パチパチパチパチ


周りの貴族から拍手が送られるが、平民からいきなり辺境伯位と聞いて驚きを隠せないようだ。


「次にシン。貴殿には辺境伯位と旧魔王領を与える。家名をソードロードとする」


俺は皆と同じように立ち、辺境伯位の証となる短剣を受け取る。


パチパチパチパチ


他のみんなと同じように周りの貴族から拍手が送られるが、最早貴族はわけがわからないといった様子だ。

なにせ、旧魔王領とは魔王城がある領地であり。

だからこそ王族が管理していたのだ。

それを貴族になったばかりの平民に与えるなど、誰も予想がつかないだろう。

しかし、ユイが最後か。

ユイは何を願ったのだろうか。


「最後にユイ・リムソン。貴殿には」


そこでレイルが一度区切る。

皆が何かと真剣に聞いている。


「姉であるユア・ユレイズとの婚約および結婚を許可する」


「有難き幸せにございます」


拍手の音は聞こえてこない。

周りの貴族たちは驚きすぎて固まっているからだ。

まさかイレギュラーダンジョンスタンピードの報酬に姉との結婚を願うとは誰も思わないだろう。

ユイは満面の笑みだ。


「ユイ、ユイ、ユイ」


ユアに関しては感極まって涙を流している。

恐らくユアもユイが何を願ったのかは知らなかったのだろう。


「ユア・ユレイズ、ユイ・リムソンいやユイ・ユレイズ。末永く、幸せにな」


「「はい」」


二人とも満面の笑みだった。


「それでは褒賞を終了する」


こうして、俺たちのイレギュラーダンジョンスタンピードの褒賞は終了した。

俺とミコが爵位を得たり、ユアとユイが婚約したりと。

予想外の出来事もあったが。

俺たちの褒賞は終わった。

俺たちは一度セーラの部屋に戻った。

そして一番最初に言う言葉は決まっている。


「ユア、ユイ。婚約おめでとう」


「「ありがとう」」


そう、ユアとユイへの祝福だ。

ナイト王国では同姓婚も近親婚も認められていない。

だからこそ、ユイは褒賞と言う形でユアとの婚約、結婚を認めさせたのだ。

今回の功績はかなり大きい。

それを一組の婚約を認めるだけで済むので王家としても認めやすかったのだろう。

ユイ、策士だな。


「シンたちも、爵位を持ったのよね。おめでとう」


「「「「ありがとう」」」」


「セーラが恐ろしいほどの大金を貰ってなかったか?」


「まぁ、王女である私でも異常だと思う程度には貰ったわね」


セーラが貰ったのは白銀貨10枚だ。

この国の通貨は小銅貨、中銅貨、大銅貨、小銀貨、中銀貨、大銀貨、小金貨、中金貨、大金貨、白銀貨だ。

日本円に直すと、小銅貨→1円、中銅貨→10円、大銅貨→100円、小銀貨→1000円、中銀貨→10000円、大銀貨→100000円、小金貨→1000000円、中金貨→10000000円、大金貨→100000000円、白銀貨→1000000000円となる。

小金貨以降は基本的に大貴族や大商人、王家くらいしか持っていない。

大金貨や白銀貨を使うのは基本的に王家だ。

主に他国との間で使われる。

その大体が、資金援助や戦争の賠償金だ。

セーラは白銀貨10枚を貰った。

日本円に直すと10000000000円になる。

例えセーラの功績がそれほど多くても褒賞で簡単にポンと渡すことが出来る額ではない。

レイルによるとナイト王国は大陸でも有数の大国らしく、民の数から国の面積に至るまでかなり多い。

だからこそ、王家には金が潤沢にあるのだ。

更に言うと、セーラは普通の王女よりもお金がかからなかった。

普通の王女はお小遣いのほかにもドレスや宝石を買ったりするためにお金を使うが、セーラはそういうものを必要最低限以外で欲しなかったので王家の中にはお小遣い以外に使うセーラ用の資金が余っていた。

レイルたちはちょうどいいと褒賞分にさらにその資金を上乗せした。

それがセーラの褒賞で出たお金が異様に多かったことの真相だったりする。


「それだけあれば一生遊んで暮らせるだろうな」


「そうねぇ。王家を出ても問題ないでしょうね」


「王家を出る気なのか?」


「そりゃあ、結婚とかでいずれは王家を出ていくことになるんじゃないかしら?」


「それもそうか」


「皆、お金関係で困ったことがあったらすぐに言ってね。私が解決してあげる」


「俺の場合はそれはないだろうが」


「私も」


「どうして?」


「私はたくさんあるから」


「たくさんあるって?」


「これよ」


そう言ってミコは「ストレージ」から袋を取り出す。

ミコが取り出した袋はストレージポーチと言ってたくさんのものを入れることが出来る魔道具の一種だ。

「収納」や「ストレージ」が使えない人には重宝される魔道具だ。

ミコの場合は「ストレージ」の中の仕分けに重宝しているようだが。

ミコはストレージポーチをさかさまにする。

すると、じゃらじゃらじゃらと貨幣が降ってきた。


「こ、これ。全部白銀貨じゃない」


ミコのストレージポーチから出てきた貨幣は全て先ほどセーラが持っていた白銀貨と同じものだった。


「貨幣は変わっているだろうから使えないだろうと思っていたのだけれど。さっきセーラが貰った白銀貨を見た感じ変わってなさそうだからこれ使えるかなって思ったの」


「「鑑定」してもいい?」


「勿論いいわよ」


ミコから許可を貰い、セーラが「超鑑定」でミコが出した白銀貨を「鑑定」する。

結果は間違いなく、本物だった。


「ミコ。これ、何枚あるの?」


「さぁ。数えたことはないけど、国の宝物庫からまとめて持ってきたから。少なくとも数千枚はあるでしょうね」


「す、数千枚」


「欲しかったら持って行っていいわよ。まだまだあるし」


「さすがに白銀貨を貰うのは気が引けるわ」


「「「うんうん」」」


セーラもゼミルもユアもユイもいくらたくさんあって、本人がいいと言っているからといって白銀貨を貰う気にはなれなかった。


「シンはどうして大丈夫なの?」


「法律的にはアウトかもしれないが、俺は「創造」を使えばいくらでも本物のお金を創ることができるし。俺が創った物を売ればすぐに金になるだろうからな」


「なるほど。確かにシンの「創造」があればお金に困ることはないわね。あと「創造」でお金を創ることはたぶんだけど合法よ。確かこの国でお金の製造関係で禁止されているのは贋金を創ることだけだから。シンの「創造」で創ったお金は本物だから問題ないはずよ」


「そうか。なら余計に金の心配はしなくてよくなったな」


「そうね」


「この後どうする?」


「せっかくだからみんなの領地を見に行かない?」


「「「「「賛成」」」」」


ということで俺たちは自分たちの領地に行くことにした。



予定よりかなり早いですが、ユアとユイを同姓ながら結婚させることは事前に決めていました。

本当はもっと後にしようと思っていたのですが、もっとたくさんイチャイチャさせたい作者の願望から婚約を速めました。

誤字脱字等ございましたらお気軽にご連絡ください。

気に入ってくださいましたら、ブックマーク、レビュー、評価いいね等よろしくお願いします。

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