第73話 ゼミルの魔境での狩り
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この話は2話目です。
「ミコ。お疲れ様」
「お疲れ」
ミコとゼミルの摸擬戦がミコの勝利で終わり。
俺とセーラはミコにねぎらいの言葉をかけた。
ちなみにゼミルは気絶している。
体が麻痺したうえに雷で感電したのだ。
「今までも何かを縛って摸擬戦をやることはあったけど。さすがに中級以下の魔法だけで戦うのはきついわね。雑魚ならともかくゼミルは普通に強いし」
「そうだろうな。今のゼミルなら国一つ程度なら容易に滅ぼせるだろう」
「レベルを上げればもっと強くなるだろうし、私じゃいつかゼミルに追いつかれちゃうかもしれないわ」
「そう簡単な話でもないだろう。セーラは普通に強いぞ。以前にもいったが俺やミコを殺すことのできる可能性を持つくらいにはな」
「前にもいったけど無理よ。どんな奇跡が起こっても私じゃ貴方達には勝てない。天地がひっくり返ってもね」
「だが、以前。お前の一撃は俺に傷をつけた。それはお前が俺を殺すことができる可能性がごくわずかにあるという事実にほかならない」
「無理よ。貴女の魂を破壊しようとした時点で私の魂が崩壊するわ」
「そこまで、気づいていたのか」
「弟子が優秀で嬉しいわ」
「いつから気づいていた?」
「気づいたのは割と最近。シンと一緒に寝ているときにシンの魂を少し視たの。そしたら」
「そこまでだ」
「ゼミルが起きたみたいよ」
セーラが次の言葉を発しようとした瞬間に俺は止める。
さすがにいくらゼミルを信用していてもセーラが言おうとしたことを教えるには早すぎる。
「う、うぅ。あぁ私は負けたのね」
「あぁ、本日三回目の敗北だな」
「シンたちにそう簡単に勝てるとは思ってなかったけど、改めてその異常性を実感するわね」
「このあとはどうする?さすがに今日はもう戦いたくはないだろう?」
「シンたちとはさすがに戦いたくないわね。でもレベルを上げたいわ。皆がおかしな桁のレベルなのに私は3桁だもの」
「普通は3桁でも十分凄いのだけどね」
「俺たちのせいで感覚が麻痺ったようだな」
「しょうがないじゃない。私はもっとシンたちに近づきたいけどそれにはレベルが低すぎる。だからレベルを少しでも上げたい」
「それなら、手伝ってやる」
「そんなにお世話になっていいの?」
「勿論。私たちは友達だからね」
「その代わり、もし俺たちが困ったら助けてくれ。権力関係や貴族関係は俺はさっぱりだからな」
「勿論。いくらでも頼って」
「それじゃあ、少し休んだら狩りにいくか」
「どこに狩りに行くの?」
「魔境だ。魔境は俺たちの庭だからな」
「シンたちは魔境で生活してたんだっけ」
「そうだ。地形とかは大体把握している」
「出てくる魔物の種類とかもね」
「シンとミコがいるんだから危険もないし。レベル上げには最高の環境よ」
「なるほど。私ももう回復したしすぐに行こう」
ゼミルは心なしか目が輝いていた。
どうやらレベル上げをするのが、いや強くなるのが好きなようだ。
「それじゃ、移動しましょうか」
そう言って俺たちは「白黒銀世界」を解除してミコの「エリアテレポート」で魔境に転移した。
俺からしたら朝ぶりだ。
ここは魔境でもそこそこ奥の方だ。
Sランクがぞろぞろと出てくる。
「ここが魔境か。始めたきたけど。魔力が濃いね」
「もう少し浅いところだとここまで魔力は濃くないんだけど、ここくらいまで魔力が濃い場所じゃないとレベル上げに使えるような魔物がいないのよね」
「なるほど。っと早速お出ましね」
俺たちは一斉に同じ方向を向く。
そこには大きい蜘蛛の魔物がいた。
「「「「気持ち悪い」」」」
俺たちは全員同時に同じことを言った。
実をいうとここにいる全員が虫が苦手だったりする。
シンやミコの数少ない弱点だ。
「ゼミル。さっさとやってくれ。無理なら俺がやる。見たくない」
「触れたくない。闇属性破滅級魔法「ブラックホール」」
ゼミルは「ブラックホール」を発動する。
蜘蛛の魔物は「ブラックホール」に吸い込まれた。
ゼミルはもう必要ないと「ブラックホール」を消し去った。
「さっきのか気持ち悪かったな」
「本当にね」
「おっと。魔力に反応して魔物がうようよと出てきたな」
「これ、囲まれてるわね。ゼミル、私たちも戦いたくなったから戦ってもいい?」
「勿論。ここらの魔物を狩りつくしましょ」
「それじゃ、久しぶりに本気で行こうか」
「そうね」
「たまにはストレスを発散しないとね」
「私も新しい力を更に試すとしましょう」
そして、シンは神魔を、ミコは吸魔を、セーラは殺魔を、ゼミルは死魔を取り出したり召喚したりする。
「「「「超強化」」」」
俺たちの放つ魔力圧が増す。
「「「「魔眼」」」」
俺の右目が赤に、ミコの右目が青に、セーラの右目が紫に、ゼミルの右目が紫に光る。
「「「「神眼解放」」」」
俺、ミコ、セーラ、ゼミルの左目が金色に光る。
これが今の俺たちの全力だ。
「ここにいるのを倒し終えたらみんなでもっと奥に行きましょ。今日は好きなだけ魔物を倒してレベルをあげましょ」
「そうだな」
「賛成」
「それじゃあ、やりましょう」
「氷属性絶望級魔法「ニブルヘイム」」
ミコが「ニブルヘイム」を発動する。
魔物が数体、氷漬けになって死ぬ。
「殺戮」
セーラは「殺戮」を発動する。
これによってセーラは生物を殺せば殺すほど強くなる。
「刃雨」
セーラは「刃雨」を使い、ナイフの雨を降らせる。
それによって魔物が数体死ぬ。
「神速」
ゼミルが「神速」を使用し、魔物に近づく。
「魂喰」
そして死魔を振り「魂喰」を発動させる。
このスキルは魂を破壊すればするほど強くなるスキルだ。
「永夜斬」
ゼミルは「永夜斬」を発動し、死魔を振るう。
すると大量の斬撃が放たれ魔物の魂を破壊していく。
ゼミルはどんどん強くなっていく。
「崩壊」
シンが「崩壊」を発動する。
その瞬間、シンの目の前にいた魔物は崩壊した。
これで最初に周りにいた魔物は全て倒した。
しかし、魔物はさらにゾロゾロと出てくる。
「火属性災害級魔法「インフェルノキャノン」」
「流星刃」
「生か死か」
「神龍斬」
ミコが炎の大砲を放ち、セーラがナイフでできた流星を放ち、俺がどでかい斬撃を放つ。
ゼミルの「生か死か」は対象を50%の確率で即死させるスキルだ。
セーラの「即死」と同じで格上には効かないが、有効だ。
「即死」と違って確率だが、その分消費魔力も少ないスキルだ。
そんな感じで増援も倒しきる。
近くにいた魔物は全て倒してしまったみたいだ。
「先に進もう」
「木が邪魔ね」
「俺が何とかする「ワンサウザンドスラッシュ」」
俺が1000の斬撃を放つ。
俺たちの正面にあった木は例外なく伐採された。
「えげつないわね」
「普段は100で十分だが、こういう時は1000の方が速いからな」
「私としては今の一瞬で1000回剣を振ったという事実が信じられない。まったく見えなかった」
「シンの剣は異常だから深く考えちゃいけないわ。さっさと移動しましょ」
そして俺たちは「神速」を使って魔境の更に奥に移動する。
グォォォ
するとそこには青いドラゴンが大量にいた。
レッドドラゴンの色違いのような存在である、ブルードラゴンだ。
強さはレッドドラゴンとさして変わらない。
ただ属性が水属性ではある。
そしてそれが集まっている。
どうやらブルードラゴンの群れのようだ。
「早い者勝ちだな」
「天門」「地獄門」
俺は「天門」と「地獄門」を使う。
今更だが「天門」、「地獄門」は巨大な門が出現し、それが対象を呑み込んでいくというアーツだ。
ブルードラゴンは「天門」や「地獄門」に吸い込まれていく。
「霊獄門」「霊園」
すると、今度はミコが「霊獄門」と「霊園」を使う。
「霊獄門」はシンの「天門」、「地獄門」をミコなりに形にしたアーツで、「霊園」は墓や白い花を出現させ、それを経由して対象の魔力を絞りつくし、魂すらも魔力に変換しミコの力にするアーツだ。
ブルードラゴンは「霊獄門」に吸い込まれていき、それと同時に墓と白い花が現れ近くにいたブルードラゴンが死んだ。
「聖門」「邪門」
今度はセーラが「聖門」と「邪門」を使う。
「聖門」、「邪門」もシンの「天門」や「地獄門」、ミコの「霊獄門」をセーラなりに真似して作ったアーツだ。
ブルードラゴンは「聖門」や「邪門」に吸い込まれていく。
「闇、雷混合属性災害級魔法「ダークサンダーレイン」」
「ダークサンダーレイン」とは普通の雷よりも強力な黒い雷を雨のように降らせる魔法だ。
ブルードラゴンは雷に弱い。
だからこその魔法何だろう。
俺たちのアーツや魔法によってブルードラゴンの群れは壊滅した。
すると
「我の配下に何をしている!」
すると、水色のドラゴンが現れた。
「あれは、もしかしてアイスドラゴン?」
「あぁそうだ」
アイスドラゴンというのはブルードラゴンの上位主だ。
だが、実力で言えばダークドラゴンと同じくらいだ。
なので、ゼミルでも余裕で倒せる。
「ゼミル。お前が倒せ」
「私はあんなに強い存在に勝てるかしら?」
「今のゼミルならあれに余裕で勝てる。それくらいの実力があることを俺が保証する」
「なら、シンを信じることにするわ」
「貴様ら、我が話しかけているのだ」
「答えんか」
「煩い」
ゼミルはアイスドラゴンを見つめる。
未だに「魔眼」も「神眼」も発動したままだ。
「貴方は私一人で十分よ」
ゼミルとアイスドラゴンの戦いが今始まる。
レッドドラゴン=ブルードラゴン
ダークドラゴン=アイスドラゴン
と考えてください。
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