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第71話 レイルの話

初心者です。

生暖かい目でご覧ください。

誤字脱字等ございましたら、ご連絡ください。

しばらく、投稿できなかった分をまとめて投稿していきます。

本日2話同時投稿。

この話は2話目です。

「ありがとう。まぁパーティーは少し先だから近づいたら連絡するよ」


今、俺たちは王城の執務室にいる。

レイルに呼び出されたからだ。

そして王城にて行われるパーティーに出ないか誘われ、今承諾した。


「分かりました。それで他にも要件はあるんですよね」


「勿論あるよ。今の話をするのなら、ランダル嬢を呼ぶ理由がないからね」


「それで他の要件って何ですか?」


「簡潔に言うと、皆への褒賞だね」


「「なるほど」」


「「どういうこと(だ)?」」


セーラとゼミルは分かったようだが、俺とミコは全くわからない。


「イレギュラーダンジョンスタンピードをたった6人で終わらせたんだ。褒賞なりなんなりしないと体制が悪い」


「「なるほど」」


「ってわけで、近々式典するんだけど。皆欲しい物ある?僕が用意できるものなら大抵のものは何とかなると思うけど」


「「「「うーん」」」」


俺たちは考える。


「私は爵位が欲しいです」


一番最初に答えたのはゼミルだった。

緊張はかなりましになったようだ。


「爵位かい?」


「はい。私には兄と弟がいるのでランダル公爵家を継げる可能性は低いですし、このままだと家のために婚約とかさせられそうなので。爵家がもらえればそれは防げるので」


「なるほど。じゃあ伯爵位を用意しよう」


「伯爵!?」


ゼミルはかなり驚いているようだ。

無理もない。

伯爵というのは上級貴族だ。

貴族とは下級貴族と上級貴族に分けられる。

下級貴族は準貴族と男爵、子爵のことだ。

上級貴族はそれ以上の伯爵、侯爵、辺境伯、公爵のことだ。

下級貴族と上級貴族とでは格が違う。

貴族のパーティーでは上級貴族しか参加できないものもよくあるらしい。

そして上級貴族は必ず領地を持つ。

男爵や子爵の中には領地を持たないものもあるが、上級貴族は必ず領地が与えられる。

だからこそ、優秀で公爵家の令嬢とはいえ、上級貴族の爵位を得るというのは大きいのだ。


「君の優秀さは僕の耳にも届いているし、シンやミコ、それにセーラの友人だ。その意味を君なら理解できるだろう」


「なるほど」


ゼミルは何かに気づいたように頷いた。


「私はシンプルにお金が欲しい」


次に要望を言ったのはセーラだ。


「お金?セーラは普段お小遣いを使っていないから有り余っていると思うが」


セーラは基本的に物欲がない。

だが、王女として少なくないお小遣いを貰っている。


「いますぐに欲しいものがないから。お金はいくらあっても困らないし」


「本当にうちの娘は手のかからない子だ。分かったよ」


レイルは頷いた。

次は俺たちの番だろう。

だが、俺もミコももう決まった。

そして俺とミコが欲しい物は同じようだが。


「俺は土地が欲しいです」


「私も」


「土地?それは領地が欲しいってことかな?」


「いえ、普通に土地が欲しいです」


そう俺たちは土地が欲しいのだ。


「理由を聞いてもいいかな」


「俺もミコも家がないので」


「忘れてた!」


レイルは思わず立ち上がってしまう。


「今は学園で寮生活ですし。王城にも俺たちの部屋はありますけど。やっぱり自分達の家が欲しいです」


「ごめん。それはそうだよね。僕たちもすっかり失念してた。それは褒賞とは別にすぐに手配するよ」


「大丈夫ですよ。それに家に関しては俺が自分で創った方が速いですし」


「それもそうか。でもそれが褒賞でいいのかい?」


「「はい」」


「了解。リムソン姉妹の願いは聞いたし。これでOKかな。っと忘れるところだった。シン君、ミコちゃん」


「「何ですか?」」


「君たち、魔王城に興味ある?」


レイルがそういった瞬間、ミコから膨大な魔力が吹き荒れた。


「魔王城がこの国にあるんですか?」


普段のミコからは想像できないほどの勢いだ。


「あ、あぁ。この国は元々魔国だからな。ってそういえばこれは学園で教えないし一部の人間しかしらないことだから、ミコちゃんが知らなくても当然か」


「あ、あ、あ、あぁ」


ミコがその場に座り込む。

ミコの魔力が制御を失って暴走する。

明らかに異常だ。

そういえば、以前も錬金術の授業の時に魔王の話が出たとき、ミコは普段からは考えられないほど感情的だった。

何か、あるのだろう。

ミコは元々、4000年前を生きた吸血鬼の王女だ。

そして、魔王が存在したとされるのも4000年前。

恐らく、ミコと魔王の間には何かがあったのだろう。

しょうがない。

このままだと、ミコの魔力が制御を失って。

下手したら王城が崩壊する。


「ミコ」


俺はミコの名前を呼び、座り込んでいるミコに後ろから抱き着く。


「ふえ」


ミコがとぼけたような声を出した。

それと同時に制御を失い、暴れまわっていた魔力は再びミコに制御された。


「落ち着いたか?」


「えぇ。ごめんなさい。取り乱したわ」


そう言って俺とミコは立つ。


「すみません。続けてください」


「あ、あぁ」


レイルさんは若干、顔が引きつっている。

きっとミコの魔力に驚いたのだろう。


(人前で平然と抱き着いた!?)


シンとミコ以外の全員は皆同じ気持ちを共有していた。

いくらミコを落ち着かせるためとはいえ、人前で恥ずかし気もなく平然と抱きついたのだから驚かないほうがおかしい。


「じ、実は僕たち王族は年に一度魔王城へ行くことが慣例なんだけど。その時に一緒に来てくれないかなって」


「別に俺は構いませんけどミコは?」


「私も勿論行くけど。一つ聞かせてください」


「魔王城には自動セキュリティが存在するはずです。それはどうするんですか?」


「ミコちゃん。君はどこまで知ってるんだい!?」


レイルさんが驚いている。


「ミコ、自動セキュリティってなんだ?」


「魔王城の自動セキュリティっていうのはね。魔王城って侵入者を防ぐセキュリティのことで魔王本人か魔王位継承者が認めた人以外は魔王城に入れないようにされているの。魔国がもうないのなら魔王位継承者も当然いない。勿論魔王本人もいない。だから、魔王城に入るのは不可能だと思ってたんだけど。可能性があるとすれば誰かが魔王と災禍の魔女が二人がかりで創り出した最高傑作ともいえる術式を改変することくらいだけど。そんなに凄い人がいたんですか?」


ミコは俺の疑問に返事をしながら、レイルに質問した。


「いや、魔王城に行くっていってもも魔王城を見て、魔王城付近を管理している旧魔王国貴族に挨拶しにいくくらいなんだけど。待って、あれって魔王と災禍の魔女が二人がかりで創りあげたものなの?そんな文献残ってないけど」


「なんだ。それじゃあ魔王や災禍の魔女を超える天才が現れたわけじゃないのね。良かった」


レイルはパニックになっているようだが、ミコは安堵した様子だった。

対局な反応をしている二人に俺たちは何も反応することが出来なかった。


「ミコちゃん。本当に君は何者なんだい?」


「せっかくですから魔王城に行ったときにお教えしますよ」


「そ、そうか」


レイルは疲れたように腰を下ろす。


「それで、要件はこれで最後ですか?お父様」


「あぁ。今ので終わりだよ。魔王城に行くのは来月だから準備しておいてね。あぁそれと褒賞は次の休みにするから予定空けといてね。それと学園対抗戦は期待してるよ」


「「「「はい」」」」


「それでは失礼します」


そうして俺たちは執務室を出てセーラの部屋に「エリアテレポート」で戻った。


「そういえば、セーラ。学園対抗戦ってなんだ?」


「そういえば、シンとミコには言ってなかったわね。この国に学園は8つあるの。その全てが王立なんだけど、その8つが王都に集い選ばれた代表者が戦う。それが学園対抗戦よ。ちなみにだけど今まではわざわざ言わなかったけど私たちが普段行っている学園は王立第一学園よ」


「なるほどな。それで王立学園はいつなんだ?」


「確か二週間後だったはずよ。次学校に行ったときに説明されるんじゃないかしら」


「ダンジョン実習が終わったばかりなのに大変だな」


「まぁ、しょうがないわよ。代表生徒は1学年5人。初等部、中等部、高等部合わせて60人が代表に選ばれるわけね。どの学年もSクラスから選ばれるから実力は問題ないわ。ちなみに確か第一学園は今年優勝したら5連覇だったかしらね」


「へぇー」


「それで代表生徒はどうやって選ばれるの?」


「Sクラス内でトーナメント戦で戦って行ってその4位までが代表生徒に選ばれるわ」


「なるほど、シンプルで分かりやすいな」


「対抗戦はどんなのがあるの?」


「ええと戦いの形式はおおまかに個人戦、タッグ戦、総力戦の3つがあって。戦いの方法は剣術、魔法、総合の3つがある感じね。どれも名前の通りよ。だから全部で9種類かしらね」


「なるほど。そんな感じなのか」


「勝利すると学園に得点が入るって感じね」


「確か、個人戦だと1点。タッグ戦だと2点、総力戦だと3点って感じだったかしらね」


「それに優勝賞品はどれに出るかによって変わるんだけど、どれも豪華だから。皆必死なのよ」


「へぇー」


「どうせシンたちも出ることになるだろうし、今のうちにある程度の知識は持っておいてほうがいいかもね」


「そうだな」


それからも、俺とミコはセーラとゼミルに学園対抗戦について色々と教えてもらった。

その後、色々雑談をしていたら。

気づいたら昼になっていた。


「そろそろ昼だな、何食べたい?」


「パスタ」


「ハンバーグ」


「ステーキ」


「了解」


そんなこんなでみんなでお昼を食べた。


「次何する?」


「私、シンたちが持ってる強いスキル欲しい」


「強いスキル?」


「「超強化」とかのことか?」


「そう。それ。明らかに「身体強化」の上位互換のスキル。あれどうやって手に入れるの?」


「あれは、俺のスキルでスキルを進化させたり統合させたりしてるんだよ」


「じゃあ、シン。お願いしてもいい?」


「勿論だ。ただ、俺がするのはあくまで進化や統合だからベースとなるスキルはゼミル自身が取得しないといけない」


「それは当たり前ね。勿論やる」


「それじゃ異空間に戻るか」


そんなこんなで俺たちは再び「白黒銀世界(三人の世界)」を発動させる。

そしてセーラにやったのと同じ要領でゼミルに元となるスキルを取得してもらう。


「これで「速読」も取得できた」


「それなら一度休むか?このままスキルを進化、統合させちゃってもいいけど」


「このままお願い」


「ゼミル。覚悟しておけ」


「大丈夫よ。痛くはないわ。痛くわね」


「大丈夫。みんな通ってきた道だから」


俺たちはゼミルにそう声をかける。


「?分かった。覚悟しておく」


そしてゼミルのスキルの強化が始まった。

やっと、学園別対抗試験についてかけた。

さて、ゼミルのスキルの強化です。

セーラのスキルの強化を思い出して、あるいは見返していただければどうなるかはわかると思います。

誤字脱字等ございましたらお気軽にご連絡ください。

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