第70話 レイルの呼び出し
初心者です。
生暖かい目でご覧ください。
誤字脱字等ございましたら、ご連絡ください。
何も言わず休んですみません。
ここ数日本当に忙しくて、投稿できませんでした。
今日から再開します。
投稿できなかった分をしばらくまとめて投稿していきます。
本日2話同時投稿。
この話は1話目です。
俺とゼミルの戦いが始まった。
ゼミルは「身体強化」にかなりの魔力を使っているようだ。
「「パーフェクトスピードダウン」「パーフェクトパワーダウン」「パーフェクトディフェンスダウン」」
ミコから大量のデバフ魔法が掛けられる。
魔法名を言った魔法は3つだが、50近いデバフ魔法が掛けられている。
更にセーラが俺に近づき、弱体化の腕輪を付ける。
ゼミルが「身体強化」をしている間に俺は弱体化されまくっている。
「シンにはそれくらいのハンデがちょうどいいわ」
ミコが俺にそう言ってきた。
セーラも横でうんうんと頷いている。
「ミコ、セーラ。ありがとう」
ゼミルは二人に礼を言う。
「スラッシュ」
ゼミルは鎌を振るい。
斬撃を飛ばしてくる。
ダンジョンでゼミルに教えたように「スラッシュ」のスキルはイメージ次第で実は手でも使える。
だが、やはり武器で使った方が威力が高い。
そして実は、俺が創った神器は神器でスキルを発動すると自動的にそのスキルが強化されるように創ってあったりする。
なので、下手にあたると痛いし。
今の弱体化度だと普通に怪我する。
「永久再生」という怪我をすると自動的に再生するスキルもあるのだが、それを使ってしまうとルール違反で俺の負けになる。
なので怪我をしてはいけない。
なら避けるしかないな。
俺は一瞬でそこまで判断して、斬撃を避ける。
「そりゃ、簡単には当たってくれないわよね「ダークランス×20」」
ゼミルは20本の「ダークランス」を放ってくる。
俺はそれを全て避ける。
すると、ゼミルが既に接近していた。
そういえば、ミコが掛けたデバフ魔法のなかに気配に鈍くなるのもあったような。
不覚だ。
そんなことを考えている間にもゼミルは俺に鎌を振ってくる。
この速度じゃ避けるのが間に合わない。
俺は鎌を右手で側面から殴り、何とか防ぐ。
そして俺はすぐに後ろに飛びのく。
これ、デバフがかなりきついな。
オーガクイーン程度ならなんとかなったが、ゼミル相手はかなり厳しい。
というか、ゼミル。
セーラと戦っていたときより速いような。
俺はミコの方を見る。
するとミコが笑っていた。
なるほど、ミコは俺にデバフ魔法をかけると同時にゼミルにバフ魔法をかけたか。
これはちょっと本気で行かないと負けるな。
そんなことを考えていると。
「戦闘中に別の方を見るとは舐めすぎ」
更にゼミルが仕掛けてきた。
俺はそれをなんとか回避し、反撃にゼミルぼ腹を殴ろうとする。
が、ゼミルは後ろに跳んで避ける。
剣があればやりようはあるが、生憎とそんなものはない。
格闘はそこまで得意じゃないんだよな。
そんなことを考えながら、俺はゼミルに接近し拳を放つ。
ゼミルはそれを鎌で防ぐ。
が、俺はその状態で蹴りを入れる。
ドン
「っく」
ゼミルは後ろに下がる。
ゼミルの右足にかなりいいのが入った。
もしかしたら骨が折れたかもしれない。
「光族上級魔法「ハイヒール」」
ゼミルは「ハイヒール」で足を治す。
「それだけのデバフ魔法をくらってそれだけ動けるって。本当に非常識ね。でもこれなら避けられないでしょ「ダークランスレイン」」
ゼミルが「ダークランスレイン」を発動する。
俺の真上から大量の槍が降ってくる。
「確かに、今の身体能力じゃ避けきれないな。なら」
その瞬間、俺はゼミルに接近し拳を振るう。
ゼミルは油断していたのかもろに喰らう。
「がはっ」
ゼミルはふらつく。
いくら弱体化していても俺の拳はかなりの威力だ。
ゼミルが魔法を使うどころじゃなくなり「ダークランスレイン」は消滅する。
「ハイヒー」
「させるか」
俺はゼミルに回復されないように追撃加える。
「ぐはっ」
ゼミルは膝をつく。
その隙に俺はゼミルの背後に周り、ゼミルの首に手刀を叩き込む。
ゼミルは気絶した。
「勝者、シン」
「ふぅ。さすがにここまで弱体化された状態で魔力も使えないとなるとかなりしんどいな」
「あれだけ弱体化されてあんなに強いのは反則だと思うわ」
「だが、今の条件でセーラと戦ったなら負けるだろうな」
「それはさすがに勝ちたいところね。でも、もしシンが剣を持っていたら、今の弱体化具合でも負けると思うわ」
「まぁ。否定はしないさ」
「剣神の称号は伊達じゃないってわけね」
俺たちはゼミルが起きるまでそんな普通に雑談して時間を潰す。
「う、ううう、うん」
ゼミルが起きたようだ。
「おはよう。ゼミル」
「おはよう。シン。そう、私は負けたのね」
「割とギリギリだったさ」
「それでもあれだけのハンデがあって負けたのは、いくらシン相手でも悔しいわ」
「それなら強くなってまた挑んでくればいい。相手してやる」
「ありがとう」
そう言って、俺はゼミルに手を差し出す。
ゼミルは俺の手を握って立つ。
「今日はこれくらいにしておこう。始めから飛ばす意味もない。時間なんていくらでも作れるんだから」
「それもそうね」
「さてと、この後どうする?」
「今日は特に予定はないのよね」
「「「「うーん」」」」
全員が今日なにするかを考える。
「あっ」
すると、セーラが声を漏らした。
「どうかしたのか?」
「イレギュラーダンジョンスタンピードの件で話があるから暇なときにシン、ミコ、ゼミルと一緒に王城に来てくれってお父様からの連絡があったのは忘れてた」
どうやら今日の予定が出来たようだ。
余談だが、レイルさんにはユイに送ったピアスと同じでセーラに「念話」のできる魔道具を渡してある。
レイルさん達はセーラが学園に行くの不安そうにしていたから「創造」で創ってあげたのだ。
「それじゃあ、今日は王城に行くってことでいいか?」
「「「賛成」」」
「「テレポート」で行きましょ。どこに転移すればいい?」
「私の部屋で」
「了解」
ミコはセーラにどこに転移すればいいのかを確認し、「エリアテレポート」を発動する。
すると、俺たちはセーラの部屋の中に転移した。
「ここが、セーラの部屋」
「そういえば。ゼミルは来たことがなかったわね」
「えぇ。まぁ普通、王女殿下の部屋なんて気軽に入るものじゃないし」
「それもそうだな」
「とりあえず、お父様たちの元に向かいましょう。今の時間なら執務室にいるはずよ」
「そうだな」
俺たちはセーラの部屋を出て、執務室に移動する。
すれ違った文官や武官、貴族たちは物珍しそうにこちらを見てくる。
少し鬱陶しいのでミコが俺たち全員に闇属性上級魔法「ハイド」と「サイレント」を使う。
「ハイド」は簡単に言えば対象を透明化できる魔法だ。
「サイレント」は対象の発した音が外部に聞こえなくなる魔法だ。
(この魔法、使ったことなかったけど凄いわね)
(透明化って。暗殺者とかにこの魔法を使われたら終わりじゃない)
(それは難しいだろうな)
(「ハイド」も「サイレント」も、発動中は常に魔力を消費し続けるから魔力量の少ない人だと無理だし、そもそも闇属性持ちは稀少だし、片方だけじゃ完璧とは言えないから魔法を2つ常に同時行使し続ける技量がいるしね)
((なるほど))
今更だが、今は「サイレント」の影響でお互いの声が聞こえないので「念話」で話している。
ゼミルは「念話」が使えないので、無属性最上級魔法「テレフォン」という遠くのものと話をすることができる「念話」の魔法版みたいな魔法を使っている。
(セーラもゼミルも闇属性を持ってるし、魔力も多いから今度試してみるといい)
(っと、着いたわ。ここが執務室よ)
そんな感じで会話していると執務室に着いた。
ミコは魔法を解除する。
コンコン
セーラが執務室の扉をノックする。
「誰だい?」
「セーラです。お父様。シンたちとともに参りました」
「ダンジョン実習の件か、入ってきてくれ」
「失礼します」
セーラは扉を開ける。
執務室の中はレイル一人だけだった。
「シン君もミコちゃんもセーラも久しぶり。元気そうでなによりだよ。ランダル嬢、わざわざご足労いただきすまない。前に合ったのは学園の入学式ぶりかな?とても優秀な生徒だと聞いている」
「ありがとうございます」
ゼミルは頭を下げる。
どうやら緊張しているようだ。
まぁ、普通はいくら公爵家の令嬢とはいえ国王と会う機会なんてないだろうし無理もないか。
「それで、お父様。ご用件とは?イレギュラーダンジョンスタンピードについてと言ってましたが」
セーラは速く本題に入りたいようだ。
「あぁ。イレギュラーダンジョンスタンピードについては僕もマーゼから報告を受けている。皆のおかげで怪我人ゼロで乗り切ることが出来た。まぁ、対応に向かわせた騎士団は無意味になっちゃったけどね」
「言ってくれれば騎士団も転移させましたよ」
「いや、転移っていうのにはやっぱり馴染みがなくてシン君たちに頼むって発想がなかったよ」
「まぁ、転移でやってきた学園からの援軍もユア以外ほとんど何もしてなかったですし」
「まぁ。いいことではあるよ。まぁそれで今回君たちを呼んだ理由なんだけど、君たちの活躍が貴族たちの耳に入ってね。いろんな貴族が君たちの異常な強さはなんだっていう質問がこっちに来るくらいはね」
「それはお手数おかけしました」
「それは問題ないんだけど。実は近々、建国記念のパーティーがあってね。君たちに参加してほしいんだよ」
「建国記念のパーティー。ですか?」
俺は聞きなれない単語が出てきて聞き返す。
それに答えたのはセーラだった。
「この国は毎年、建国記念日には祝日になるだけじゃなくて。王城でパーティーをするのよ」
「なるほど。それで俺たちにパーティーに出てほしいと。参加する人はどんな人なんですか?」
「基本的には貴族ばかりさ。そこで君たちには顔見せをしてほしいんだ」
「顔見せですか?」
「そう。今、この国の貴族はシン君とミコちゃんに興味津々。だけど、異常に強いことと、セーラの護衛騎士だということしか情報が出回っていない。今後の面倒を避けるためにもシン君たちの顔を見せておくんだよ」
確かに、俺たちはセーラの護衛騎士なので今後も貴族たちとは関わらないといけないだろう。
そんな時に顔を見せておけば色々と有利に働くわけか。
「それ。セーラも出るならどっちにしろ俺たちも出ないといけないんじゃないですか?」
セーラは王女だ。
パーティーに出るのが普通だし、その場合は護衛騎士である俺たちも出ることは確定する。
わざわざ呼び出して確認するようなことじゃない。
「私はあまりパーティーには出ないのよ。なにせ元無能王女だから」
セーラは苦笑しながらそう言う。
「なるほど」
俺も苦笑しながらそう返すしかない。
「でも、シンたちが出るなら私も出るわ」
それはそうなるだろう。
セーラの護衛騎士の顔見せに、セーラ本人がいないのはあまりよくない。
俺はミコの方を見る。
ミコは頷く。
「俺たちもパーティーに出ます」
俺はレイルに向かってそう言った。
これ一応学園対抗戦編なんだけど今のところ全くその要素がない。
もう少ししたらちゃんと入ります。
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