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第69話 秘密の共有5

初心者です。

生暖かい目でご覧ください。

誤字脱字等ございましたら、ご連絡ください。

前回の話も追加していますので追加後を呼んでいない方は先にそちらからお読みください。

追加しました。

私はセーラと一緒にシンとミコの戦いを見ていた。

シンとミコにはどんな秘密の技があるのか知るためだ。

結論から言おう。

二人ともありえないくらい強い。

いや、ダンジョン攻略もその後のイレギュラーダンジョンスタンピードだってシンかミコ片方だけでいけただろ。

私は思わず口調がおかしくなってしまうくらいには動揺していた。


「驚いているようね」


するとセーラが話しかけてきた。

セーラは驚いている様子はない。

二人の強さを知っていたのだろう。


「セーラなら二人がどれほどまでに強いのか知ってる?」


私はセーラに聞いてみる。

セーラはシンとミコとの付き合いが私よりも圧倒的に長いからだ。

以前は師弟の関係だったらしいし。

するとセーラは少し苦笑しながら私に答えた。


「ごめんなさい。私もどれだけ強いのかはわからないわ」


「そうなの?」


セーラはシンとミコのことについてはかなりこと細かく知っていた。

摸擬戦をしながらセーラはシンとミコの話をしていたからだ。


「曖昧な表現になって悪いけど。二人の強さはこの私でも図り切れるものじゃないの。強さって、普通ならレベルや魔力量で分かる物なのだけれどシンとミコの場合はそれが高すぎるうえにそんなものを一瞬でひっくり返すことが出来る魔法やスキル、アーツを持っているから」


確かにそうだ。

そもそもレベルや魔力量という数値で分かることは私たちよりもはるかに強いということしかわからないし、二人が戦っている様子を見るとそんなものが関係なさそうな凶悪な攻撃をしている。


「それもそうね」


私はセーラにそう返答した。


「ただ、強いて言うならば」


セーラはそこで一度言葉を止めて、ゆっくりと言った。


「片方だけで世界を滅ぼす力は持っているでしょうね」


セーラは真剣な表情でそう言った。

普通ならありえないと一蹴するだけだが、前で行われている戦いはその言葉に圧倒的な説得力を持たせていた。


「シンとミコに勝てる存在なんてもうお互い以外いないんじゃないかしら」


私が思わずそういうと。


「いいえ。そうでもないらしいわ」


「ふぇ?」


私は思わず間抜けな声を出してしまった。

だって世界を簡単に滅ぼせるような人たちでも勝てない存在ってそんなのいたら世界が終わる。


「実は以前、私は「シンとミコに勝てる存在ってお互い以外にいるの?」って聞いたことがあるの」


なんとセーラは実際に聞いていたようだ。

まぁ二人の強さをしれば必然的に思ってしまう疑問だろう。


「それで」


私はセーラに続きを促す。


「そしたらミコはこう言ったわ。「今の私たちじゃ、災禍の魔女と魔王様には勝てないわ」ってね。シンも「俺とミコの力はそれほど変わりないから俺も同じだろう」って言ってたわね」


「!?」


私は驚愕したと同時に納得した。

災禍の魔女と魔王は世界を滅ぼせるとうたわれた世界最強の二人だ。

もう今はいないが、それは間違いなく世界最強の存在だろう。

だが、それ以上に自分より強い存在と言われて災禍の魔女と魔王が出てくる時点で異常だ。

普通、自分よりも強い存在を出せと言われて歴史上の偉人が出てくるのは異常だろう。


「ふふ、ゼミルが考えていることはわかるわよ。私も同じことを考えたもの。なんで歴史上の偉人で実際どれくらい強いかは確定していない人がそれに出てくるなんてね。でもミコはこういったの。

「私の過去を思い出しなさい」って」


「っは」


私は思い出した。

ついさっき聞いたばかりのミコの過去。

ミコが4000年前を生きた、吸血鬼の王女だって話。

魔王や災禍の魔女が存在したのも4000年前。

もしかしたら、ミコは災禍の魔女や魔王と交友があり、その強さを具体的に知っているのかもしれない。

そういえば、以前錬金術の授業でミコは魔王のことで異常に怒っていた。

もしそれが、魔王との交友関係によるものだったら。

私は体が震える。

ミコは想像以上に凄い存在なのかもしれない。

そしてそのミコと同格の強さをもつシンも同じだ。


「ふふふ」


私は無意識に笑ってしまった。

知りたい。

シンとミコについてもっと知りたい、もっと知るためにも私は強くなりたい。

私は強くなることを誓う。


「貴方も私と同じなのね」


セーラがそういう。

以前の私ならばその言葉の意味を理解できなかっただろう。

だが、今の私なら理解できる。

私もセーラもシンとミコ(天才)に狂わされた人間なのだ。





シン視点


「神魔龍王天命剣」


「神霊吸姫天命弾」


俺たちは同時に最強の技を放つ。

その技は見事に直撃し、お互いの技を相殺した。


「今ので俺の攻撃系のスキルとアーツは終わりだ」


「こっちも終わりよ」


俺たちはゼミルに見せるためにスキルとアーツだけでの摸擬戦をしていた。

「完全記憶」や「速読」などの非戦闘系スキルは見せていないが、文字通りの効果なのでわざわざ見せる必要もないだろう。

俺たちがそんな感じで話していると。


パチパチパチパチ


後ろから拍手が聞こえてきた。

俺とミコは同時に拍手が聞こえてきた方を向く。

そこにはセーラとゼミルがいた。

戦いが終わったのを確認して近づいていたのだろう。


「相変わらずに非常識な力ね」


「とてもすごい戦いで思わず見入ってしまったわ」


セーラはあきれた感じで、ゼミルは興奮したような感じでそう言ってくる。


「とりあえず、これで俺たちの秘密は全てか?」


「まだ魔法があるわ」


「あぁ、そうか」


「魔法って何かしら?」


ゼミルが不思議そうに聞いてくる。


「私が知っている魔法の知識もゼミルに共有しておこうと思って。いらないならいいけど」


「魔法の知識ってことは私が知らない魔法もある。ってことかしら?」


「えぇ。そうなるわね」


「他にその魔法の知識について知っているのは?」


「えぇと、私とシンとセーラと、転生とかほど重要なことじゃないから、ユアとユイも知ってるわね」


「逆に言えばそれだけの人しか知らない魔法もあるってことね」


「勿論、おなじみの魔法もあるけど何個かは私やシンが創った魔法もあるからね。まぁ属性的に使えなかったり災害級以上のもあるから魔力が足りないこともあるだろうけど」


「そんなものまであるのね。でもどうせ使えないならもっと公開してもいいでしょうに」


「情報量が多すぎて、希代の天才の称号をもっていないと共有できないのよね」


「なるほど」


ミコが知っている魔法の数は1000を優に超えている。

その数の魔法の詳細と魔法陣という情報量は常人の脳に一気に入れれば脳がパンクする。

だが、希代の天才の称号を持っているものは最低でも数十倍は常人よりも脳のスペックが上なので脳をパンクさせずに頭痛程度で済むのだ。


「それじゃ。魔法の知識を渡すわね」


「お願い」


「メモリートレース」


ミコは手馴れた様子で「メモリートレース」を使う。

森に住んでいたころはほとんど使ったことがなかった魔法だが、セーラと出会ってから使う機会が地味に多い魔法だ。


「っう」


ゼミルは頭痛がしたのか少し頭を抑えるが、すぐに収まったようだ。


「これだけの魔法の知識。さすがは魔法神の加護を持つ存在ね」


「ふふ。お褒めに預かり光栄だわ」


「さてと、これでもう俺たちの秘密はゼロだな」


「そうね」


今回のゼミルの目的は俺たちとの秘密の共有だ。

その目標は達成できた。


「ね、ねぇ。シン、ミコ、セーラ」


「うん、どうしたんだ?」


突然、ゼミルが恐る恐るといった様子で俺たちに話しかけてきた。


「私を強くしてくれないかしら」


ゼミルはどうやら強くなりたいようだ。


「構わないぞ」


「私も構わないわ」


「私も」


「ありがとう」


ゼミルはそう、満面の笑みで答えた。


「とりあえず、今からやるか?」


「お願いしてもいいかしら」


「それじゃあ、とりあえず武器を創るか」


そう言って俺は「創造」で武器を創る。

もう慣れたがまるで知っているかのように鮮明に武器のアイデアが流れてくる。

俺はそれを「創造」で創る。

俺はそれをゼミルに渡す。

いつも通り指輪だ。


「その指輪に魔力を流すと武器が召喚される。流してみろ」


「了解」


ゼミルが指輪に魔力を流す。

すると、ゼミルにちょうどよいくらいの黒く禍々しい鎌が出現した。


「「鑑定」してもいいかしら?」


「あぁ、してみてくれ。俺も確認する」


「「私たちもしていい?」」


ミコとセーラがきれいにかぶせて聞いてくる。


「いいぞ」


そう言ってゼミルは「鑑定」を、俺たちは「超鑑定」を発動した。


名前:生死鎌死魔

レベル:1

種類:神鎌

加護:永死神の加護

スキル:永夜斬、生か死か、魔力撃、魔法斬り、変化

適正属性:火、水、風、土、雷、闇、光

所持者:ゼミル・ランダル(変更不可)

破壊不能


「これは、凄いわね。私にとってまさに理想の武器ね。シンはこんなに強い神器をポンポン創れるなんてすごいわね」


「どうも。使ってレベルを上げれば更に強くなる」


「たくさん使わせてもらうわ」


「なんなら1戦、相手になろうか?」


「あら、いいの?」


「あぁ。まぁハンデとして俺は魔力を使わない」


「普通なら舐められていると苛つくところだけれど、さっきの戦いを見たらそんなこと言えないわね。全力で来られたら死ぬし」


「まぁ、初めての指導だ。殺す気でこい」


「死神の加護持ちに殺す気でこいとか。それなら、本気で行かせてもらうわ」


ゼミルは構える。


「勝敗は戦闘不能か降参。シンは魔力の使用禁止。審判は私がするわ」


ミコが審判をかってでる。

ゼミルは死魔を構える。

俺は仁王立ちだ。


「よーい、はじめ」


俺とゼミルの戦い(指導)が始まった。


セーラはシンとミコに深く依存しています。

それによってセーラはシンとミコに狂わされました。

そして今回はゼミルもシンとミコによって狂わされました。

この狂気の意味が分かるのはまだだいぶ先になるかもしれません。

誤字脱字等ございましたらお気軽にご連絡ください。

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