第7話 魔法創造
初心者です。
生暖かい目でご覧ください。
頂いた感想からいくつか前話の情景等の描写について変更、追加しております。
気になる点、ご希望等ございましたら、感想で教えていただけたら嬉しいです。
誤字脱字等ございましたら、ご連絡ください。
また、今回少し長めです。
俺の木剣とミコの木剣がぶつかり合う。
バキッ
その瞬間大きな音がして俺とミコの木剣が粉々に砕け散った。
「「あっ」」
俺とミコの木剣は同時に折れた。
剣が折れたことによって、俺とミコは勢いのあまり体制を崩した。
俺は何とか踏ん張ったが、ミコの方は未だバランスを崩したまま。
俺はミコが倒れる寸前にミコを何とか支えた。
「ミコ、大丈夫か?」
慣れないことをしていた上に予想外の事態が起こったのだ。
バランスを崩したのも疲れで元々しっかり立てないのもあったみたいだし。
「えぇ、大丈夫よ。バランスを崩しただけだから」
「そうか、ならよかった」
「にしても貴方、さっきの話だけで魔力による身体強化をできるようになったのね」
「あぁ、ミコの説明が分かりやすかったからな」
「それでも、普通はすぐできるものではないわ。もちろん私は例外だけど」
「そうだな。さてと木剣はいくらでも創れるから大丈夫だが、さすがに撃ち合うたびに折れてたら訓練にならないな」
「そうね、どうしましょう」
シンは少し考えてから
「なぁ、ミコ」
「なにかしら」
「体に魔力を纏うことで防御力が上がるっていってたよな。それと同じで剣に魔力を纏わせるとどうなる?」
その言葉でミコは俺が何を言いたいのか察したらしく、少し考える素振りを見せ。
「基本的にさっきも言ったけど魔力を纏わせることで、耐久力や防御力が上がるわ。ただ、身体強化と違って魔纏といわれる技術が必要だけどね」
「その魔纏と身体強化は何が違うんだ?」
「さっきも説明したけどもう一度、身体強化の原理は纏わせた魔力と体の中にある魔力が反応することで攻撃を受ける瞬間だけ皮膚が固くなるため防御力が上がる。その他にもその反応によって身体能力が強化されたりと様々な恩恵があるのだけど今は関係が無いから省くわ。それで、剣は人間の体と違って中に魔力がないから普通に魔力を流しただけじゃ、剣が魔力に耐え切れなくなって壊れちゃうのよ。まぁ例外もあるけどね。その点、魔纏は身体強化と違って剣の中で魔力を循環させるの」
「でも、それじゃ戦いに集中できないんじゃないか?」
「えぇ、魔纏は身体強化以上に魔力をたくさん使う上に難しい。さらに知っている人がはそもそも少ない、普通の人だと魔纏を使うとすぐに魔力が尽きちゃって話にならない、ってことで使う人はあまり見ないわね」
なるほどでも身体強化でも滅茶苦茶魔力使ったし、それ以上に魔力を消費するんだったら俺でも長時間発動するのは無理そうだな。
それを剣術の訓練中常時っていうのは身体強化にも魔力を使うから、さすがにきつい。
「さてと、少し疲れたし休むか」
さすがに慣れていない12歳の体で剣を振るのは疲れた。
「私もよ、12歳の体って大変よね」
ミコも俺と同じ意見のようだ。
「家の中に入るか」
「そうね」
俺とミコは家の中に入り、リビングのソファーに座って休んでいた。
「さすがにお腹がすいたけど、「ストレージ」に今食料ないのよね」
「俺もお腹がすいたが、今から森を散策する気分ではないしな」
俺もミコもお腹が空いていたが、昨日から水も飲んでなければ食べ物も食べてはいない。
さすがにお腹が空いた。だが、この疲れた体で森に木のみを探しに行ったり、動物を狩って、さばいて、食おうとは思わなかった。
どうにかならないか、、、、
しばし考えて、俺は一つの可能性を見出した。
俺には「創造」があった。
「創造」なら食料を創ることができるかもしれない。
物は試しだ、そう考えて俺はリンゴを思い浮かべながらスキル「創造」を発動する。
俺の手元が光り、光が収まるとそこにはリンゴがあった。
「シン、そのリンゴ「創造」で創ったの?」
「あぁ、お腹空いたが、今から森に入って、木のみ取ったり狩りしたりってのはめんどくさいからな。できればいいな程度でやってみた。まぁ見た目はリンゴで間違いないが、実際に食えるかは分からんがな」
「じゃ、私が食べてもいい?」
「構わんがそもそも食べれるかはわからんぞ」
このリンゴは「創造」つまり俺の魔力から創ったものだ。
食べられない可能性ももちろんある。だが、同時に「創造」の限界を知るいい機会でもある。
どこまで細かく創ることができるのか。
いわばこれもスキルの実験だ。
そう思い、俺はミコにリンゴを投げ渡す。
リンゴを受け取ったミコは躊躇せず皮ごとリンゴにかぶりついた。
ミコは中身はどうか知らんが外見は12歳の少女。
幼い少女がリンゴにかぶりつく姿は不覚にもかわいいと思ってしまった。
「おいしい」
一口食べたあとミコは呟いた。
「それならよかった。ってか躊躇せず食べたな。ちょっとは躊躇しろよ」
ミコは受け取ってから、すぐ一口かぶりついていた。
「大丈夫よ、シンのスキルで創られたものだったら結局は魔力でできてるもの。「魔法神」の加護をもつ私が魔力で創ったもので体調を崩すわけないじゃない」
「それならいいが。」
確かに、そのリンゴの材料は俺の魔力、魔法神とかいう名前から魔力に強そうな加護を持っているミコなら大丈夫なのかもしれない。
まぁ、本人が大丈夫って言ってるのだから大丈夫なのだろう。
「それで食べた感じだけど、まったく問題ないわ。普通のリンゴと大差ない。ただ、魔力で創られたからか、魔力が回復するわね。まぁ悪い影響は無いから、今後もごはんを創ってほしいわね」
「別に構わないぞ。別に疲れないし、すぐできるし、そこらへんの動物を狩っても解体したり、血抜きしたりとかは手間がかかるし」
そう、たかだか数回の「創造」ではまったく疲労感はないのだ。
魔力だってすぐ回復するし、俺としてはイメージするだけで食いたいもんが食えるなんて最高だ。
「俺が創ったごはんが問題ない、。て分かったことだし、そろそろごはんにするか。この世界に着てから何も口に含んでないし」
「そういえば、そうだったわね」
俺は机の上に鉄板にのったステーキと白米を2個イメージしながら「創造」を発動する。
無事発動したようだ。
机の上には鉄板に乗ったステーキと白米が2個ある。
それとフォークとナイフも。そういえば、飲み物を忘れていたな。
俺はコップに入ったブラックコーヒーをイメージして「創造」を発動する。
机の上にはコップに入った入れたてのブラックコーヒーがあった。
ミコは何を飲むだろうか?
「ミコ、飲み物は何がいい?」
「そうね」
ミコは5秒ほど考えてから。
「紅茶をお願いできるかしら」
「了解」
俺はティーカップに入った紅茶をイメージしながら「創造」を発動する。
机の上にはティーカップに入ったいれたての紅茶があった。
「さて、じゃあ食べようか」
俺とミコは同時に席につく、そして息を合わせて。
「「いただきます」」
俺とミコはナイフとフォークを使ってステーキを食べる。
うん実に美味い。
ステーキを食べたのなんていつぶりだろう。
そんなことを考えながら、俺とミコは無言で食べ進める。
その無言は二人がごはんを食べ終わるまで続いた。
そして俺とミコはほぼ同時にごはんを食べ終わった。
「「ごちそうさまでした」」
美味しかった。
これでカルチャーショックを起こさないで済む。
午後は何をしようか、、、、ミコに何をしたいか聞いてみようか。
「ミコ、昼ごはんも食べたし、次は何する?ミコが何かしたいならそれに付き合うが」
「そうね、私のスキルを確認してもいいかしら?」
「そういえば、ミコのスキルを確認していなかったな、確か「魔法創造」だったか、俺のスキルと似ているな」
「そう、私も自分のスキルをしっかり確認しておこうと思ってね。本来ならシンが寝ている間に確認しておこうと思っていたんだけど、時間が余ってるなら今でもいいかなって」
「構わないぞ」
そういえば自分のことばかりでミコのことをあまり考えていなかった。
それにミコの魔法は見たが、ミコのスキルは見ていなかったしな。
「魔法を創るのだし一度外に出ましょうか」
「そうだな、家の中で魔法を使ったら大変なことになりそうだし」
さっき見た「ウィンドカッター」を家の中で使ったら家具がバラバラになりそうだし。
俺はそう考えながらミコと一緒に外に出る。
「さてと、いくら森の中っていってもさすがに強すぎる魔法を使うと大変なことになりそうだし。山の木が燃えて火事になったりしたら大変だしとりあえずシンプルかつ役立ちそうな魔法にしましょう」
ミコは目を瞑った。
ミコ視点
さて、この体での初めての「魔法創造」今まではとにかく戦いに役立つ魔法ばかり創ってきたけど、今の時代だと私の創った魔法は規模が大きすぎて使いづらい。
ならむしろ汎用性を重視しましょう。
ゼロから魔法を創るのはちょっと疲れるし、何か弱い魔法をベースにして考えましょう。
シンに見せた「ウィンドカッター」あれをベースにしましょう。
「ウィンドカッター」は風属性の魔法だけどあれと似た魔法なら他の基本属性でもある「ファイヤカッター」「ウォーターカッター」「アースカッター」「サンダーカッター」「ダークカッター」「ライトカッター」とたくさんある。
ただ使い勝手の良さから「ウィンドカッター」一番有名だ。
そうね、私の固有属性で創る?いや固有属性はシン以外にはあまり見られたくない面倒ごとになるに決まってる。
なら残りはどの属性にも属さない無属性だ。
そういえばシンに無属性の説明を忘れてたわね。
まぁあとでいいか、無属性は明確にいうと属性ではない、魔法というのは魔法陣を魔力で描くことで展開し、その魔法陣に魔力を注ぎ込むことで、魔法が発動する。
魔法陣の中にはたくさんの魔法文字が刻まれていて、それぞれに意味がある。
例えば「ウィンドカッター」の魔法陣にはまず、魔力を吸収する魔法文字、魔力を魔法陣全体にいきわたらせる魔法文字などとても細かく魔法文字が刻まれている。
だが無属性魔法に魔法陣は必要ない。
なぜなら無属性魔法というのは魔力を魔法陣を介さず使う魔法だ。
といっても無属性魔法ならなんでも魔法陣が必要ないという話でもない。
例えばさっきシンの前で使った「ストレージ」は無属性魔法だが魔法陣が必要。
だが、属性魔法より魔法陣の中の魔法文字が少なくていい、さてここで話を戻すが、では無属性魔法でどうやって「ウィンドカッター」を再現するかだ。
本来は魔法を創るというのは魔法陣のに刻まれている魔法文字の意味を全て覚えて、必要なものを一つずつ描いていかなければならない、そしてたとえ魔法陣がかけたとしても一般人には魔法を創ることはできない。
魔法とはある種の概念だからだ。
だが私のスキル「魔法創造」はそれを可能にする。
そして「魔法創造」はその魔法に当てはまる魔法陣を描きながら、その魔法が引き起こす現象を明確にイメージする必要がある。
なので基本的に私が魔法を創ろうとしている時は創ろうとしている魔法と似た現象を起こす魔法を思い浮かべる。
今回の無属性魔法に似た現象なんて私見たことあったかしら、、、そういえばあの人の剣のスキルの「魔力斬」。
確かシンの剣にもあったけどあのスキルが私が創りたい魔法にかなり似ている。
あれをイメージしよう。
私は「魔力斬」をイメージしながら魔法陣を描いていく。
懐かしい感覚だ、何かいい的はないだろうか。
私は周りを見回したが的になりそうなものはない。
近くにあるのは家と切り株だけだ。
どうしよう、この魔法をすぐにでも試したいのに近くに的になるものがない。
私がきょろきょろ周りを見ているとシンが私の30mほど前に石の壁を「創造」で創った。
私が的を探しているのを察してくれたのだろう。
私はその石の壁に向かって先ほど頭の中に浮かんだ魔法陣を手に魔力で描く。
魔法名はどうしようかせっかくなのだから決めておきたい、だが私は絶望的にネーミングセンスがない、しょうがない魔力の刃だから「マジックカッター」でいいや、私は魔法陣に魔力をこめて魔法名を言う。
「無属性下級魔法「マジックカッター」」
魔法陣からは何もできず一見失敗のように見えたが魔法は確かに成功していた。
なぜならシンが創った石壁がまっぷたつに切れていたのだから。
シン視点
俺はミコが魔法を創るのが見えていた。
ミコのスキルは「魔法創造」おそらく俺の「創造」と同じで鮮明なイメージが必要なのだろう。
そしてイメージができたのかミコが小さく頷き周りをきょろきょろと見回していた。
何をしているんだ?
魔法が創れたんじゃないのか?ミコはひたすら回りをきょろきょろ見渡すだけだ。
なぜ魔法を使わないんだ?
的なんていくらでも、、、そうかここら辺には的がない。
なぜなら周辺には家と切り株しかないのだ。
さっきミコが俺に魔法を見せるときに周りの木を全て切り倒したから。
おそらく的がなくてどこにも魔法が放てないんだろう。
ならと、俺は「創造」でミコの前に石壁を創った。
するとミコは俺に軽く礼をして手を石壁の方に向けたするとミコの手に魔法陣が現れた。
そして魔法陣が光ったかと思うと次の瞬間には石壁がまっぷたつになった。
さすがとしか言いようがないな。
やはり魔法はすごい。俺はこの世界に来て何回目かわからない好奇心に襲われた。
「すごいな、「ウィンドカッター」でもよけるのが難しそうだったがさっきの魔法はよけるのは不可能に近い気がする」
「ウィンドカッター」はまだある程度見えるからよけることは不可能ではない。
だがさっきの魔法は気づいたら石壁がまっぷたつになった。
よけるのは不可能に近いだろう。
「まぁよけることができる人もいないわけじゃないと思うわ。加護や種族によっては見えたり、感知したりできるかも。まぁ見えたり感知したりできたりしてもあの速さの魔法をよけられるかは話が変わってくるけど」
「なるほど、確かにどんな加護や種族があるかは分からないもんな。そう考えるとやっぱりこの世界ではありとあらゆる危険を想定しなければならないわけか」
「まぁこの森から出るならの話だけどね」
ミコはそえ笑う。
この森を出るか、これについてはしっかり考えないとな。
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