第61話 ダンジョンスタンピード5
初心者です。
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今回、少し長めです。
今は、ユアとユイがダンジョンから出てくる魔物と戦っている。
出てくる魔物は第五層の魔物だ。
二人は俺たちの中で多分一番弱い。
が、問題なさそうだな。
二人は連携して魔物を倒していく。
近くの魔物はユアが常闇で倒して、遠くの敵はユイが魔法で倒す。
とてもシンプルだが、効率的だ。
そして何よりさすが姉妹というべきかお互いの息があっていて完璧な連携だ。
ユイに襲い掛かる魔物はユアが倒し、ユアに向かって放たれる遠距離攻撃はユイが魔法でユアを守ることで無効化する。
それを一切しゃべらずに行う。
俺もミコと連携して魔物を倒したことはある。
だが、あそこまで完璧な連携は出来ないだろうな。
お互いがお互いを守り支える戦い方。
恐らく、二人は連携の練習なんてしたことないだろう。
だが、あの姉妹は普通の姉妹とは違う。
勿論、二人が普通よりも強いのもあるがなによりお互いへの想いが一般の姉妹と段違いに強い。
常に相手のことを考えているから相手の考えが分かるし、何をしてほしいかがわかる。
俺だってミコとは1年以上、異空間にいた時間を合わせればもっと長い時間ミコと過ごしてきた。
おかげで最近はミコの考えることも少しわかってくるようになってきた。
ユアとユイはそれをもっと高度に発展させたことをしている。
俺は世界最強と名乗っても過言ではないくらいには強いだろう。
勿論、ミコやセーラもいるし世界は広いから一会に言えないがそう言っても違和感を持たれないくらいには強い自信がある。
そんな俺だが、ユアとユイが見せてくれている連携は強い賞賛に値する。
それほどまでに二人の戦いは芸術的で美しかった。
すると、俺たちが瞬殺したこの「魔物の巣窟」ダンジョンのダンジョンマスターである悪魔が出てきた。
だが、やはり強化されているようで「魔眼」や「魔力視」を使っていないくてもわかるほどに魔力量が増えていた。
「手助けは必要か?」
俺は一応ユアとユイに手助けか必要かを問う。
最初は普通に俺たちも前に出るつもりだったが、さっきの連携を見てもしかしたら二人だけでダンジョンマスターを倒すことができる可能性もあると思った。
強敵との戦いは人を強くする。
俺はそれをよく知っている。
もしこのまま俺たちの手助けなくユアとユイがダンジョンマスターを倒せたらならば二人はまた一段と強くなるだろう。
だが、リスクがあるのもまた事実だ。
だから俺たちと一緒に戦うか、二人だけで戦うかの選択を俺は二人に委ねることにした。
ミコたちも同じ考えを持っているようでユアたちを見ている、ダンジョンマスターも近づいてきているので長い間は待てない。
俺たちはユアとユイの答えを待った。
ユア・リムソン視点
時は遡る。
私たちは今、ダンジョンから出てくる魔物を倒していた。
私が常闇で近くにいる魔物を倒していく。
ユイが魔法で遠くにいる魔物を倒していく。
ユイに近づく魔物は私が倒して私に向かって放たれている遠距離攻撃はユイが魔法で守ってくれる。
私たちは自然とそういう連携を取っていた。
ユイは私の考えをすぐに理解してくれて私のサポートもしてくれる。
本当にできた妹だと思うし、こんな風に一緒に戦う日が来るなんて思っていなかったのでとても嬉しい。
シンたちには本当に感謝してもしきれない。
私はユイと一緒に共闘して魔物を倒すのが夢だった。
ユイも戦えるようになったし近々ダンジョンにでも誘おうかと思っていたくらいだ。
だからこそ、私は密かにダンジョンスタンピードが起こったと聞いて嬉しかった。
ユイと一緒に戦えると。
ダンジョンスタンピードは普通、何人もの死人が出る。
普通は発生したとなれば皆、学園のために戦うのだろう。
実際に私以外の生徒会メンバーは学園のために戦うと強く言っていた。
ぶっちゃけ私は人命などどうでもいい。
学園の生徒が何人死のうともどうでもいい。
私はそういう人間だ。
どうせシンたちがいるんだからどうとでもなる。
私はシンたちを完全に信用していた。
というか、シンたちと敵対などしようものならそれこそ一巻の終わりなので信用して友人と接するのいいだろう。
例え警戒などしたところでシンたちが本気で私たちに何かをしようものなら私たちは成すすべなくやられてしまうのだから。
それほどの強さと賢さをシンたちは持っている。
私はユイとの共闘を楽しんでいた。
そしてついにダンジョンマスターが現れた。
私が最後にこのダンジョンに来たのはかなり前のため、どんな魔物が現れるかはあまり覚えていないがさすがにダンジョンマスターは覚えている。
種族はデーモンだったはずだ。
ダンジョンマスターにふさわしい強さだったの記憶している。
そして今回のダンジョンスタンピードはマーゼ学園長曰くイレギュラーダンジョンスタンピードらしく、その強化率は恐ろしく高い。
デーモンが近づいてくる。
私たちがどうしようかと考えていると後ろから声が聞こえてきた。
「手助けは必要か?」
シンが後ろから私たちに問うてきたのだ。
私は考える。
シンたちに頼めばすぐに前に出てきてすぐに倒してくれるだろう。
ダンジョン管理人がこのあと出てくる可能性を考慮すればさっさとダンジョンマスターを倒してしまう方がいいだろう。
普通に考えればシンたちに頼るのが普通だろう。
だが私は考える。
私は昔からユイを守るために強くなった。
学園ではいつも一番の成績を残してきた。
そしてユイを守るために生徒会長の座に就いた。
だが私はあくまで学園内で強いだけで、国単位で見れば私は強者という部類には入らないだろう。
でも今は違う。
私はユイ程魔力量がないからあまり使えないが私もミコからたくさんの魔法は教えてもらっている。
そしてシンからずっと私が探して求めていたもの貰った。
私の加護は魔剣士の加護だ。
だが、魔剣なんてものは普通、滅多に手に入らないものだ。
基本的に人の手によって作ることはほとんど不可能で、ダンジョンの宝箱からしか入手できないとすら言われている。
大抵は大貴族の当主や王家くらいしか持っていない。
私の家は辺境伯家だが魔剣はなかった。
魔剣士は魔法と剣の両方に強い適正を持っている。
なので私は剣術も魔法も人の何倍もできた。
だが、どちらをしているときにも違和感があった。
当然だろう。
世間一般では魔剣士は魔法と剣を両方使う人のことを言うが、それは間違いだ。
魔剣士は魔剣を使う人のことを指す。
だからこそ私はひたすらに魔剣を探した。
だが見つからなかった。
まぁ私は別にユイを守れればそれでよかったので魔剣探しはあきらめた。
だが、私はシンに魔剣を手に入れた。
しかも闇属性の魔剣だ。
私の属性は複数個あるがその中には闇属性も存在する。
まぁ魔剣があれば使えない属性も使えるようになるのが魔剣士なのだが、自分が使える属性の魔剣の方が相性がいい。
そして魔剣というのはとにかくレアだ。
そして稀少属性である光属性と闇属性の魔剣はその最たるものだ。
それを私はもらった。
その日から私はシンやミコに剣と魔法を教えてもらった。
ユイとともにものを教えてもらうのも楽しめたうえにもらった魔剣を完全に使いこなせるようになった。
シンたちにはやはり感謝しかない。
私は魔剣を手に入れて強くなった。
それこそ以前の何倍もだ。
最近、強くなることに貪欲な私がいる。
ユイを守るための手段でしかなかった戦いが私は好きになったのかもしれない。
私はユイを見る。
その目は私と同じことを考えている目だった。
私はシンたちに返事をした。
ユイ・リムソン視点
時は遡る。
私たちは今、ダンジョンから出てくる魔物を倒していた。
私はひたすらに魔法を放ち続け、遠くにいる魔物を倒していく。
近くの敵はお姉ちゃんが倒してくれる。
そしてお姉ちゃんに向けられて放たれた攻撃は私が魔法で守る。
私は小さい頃からお姉ちゃんと一緒に魔物を倒すのが夢だった。
私が弱くてそんなこと不可能だったけれど、私は強くなった。
お姉ちゃんと戦うのめっちゃ楽しい。
思わずダンジョンスタンピードに感謝しちゃうくらいには楽しい。
下手したら人の命が失われることすらあるダンジョンスタンピードだけれど、シンたちがいる限り問題ないだいだろうし、名前もしらない誰かが死んだところでどうでもいい。
それにしても、凄くいい。
私たちは遠くの魔物とお姉ちゃんの遠距離攻撃の対処は私が、近くの魔物と私に襲い掛かってくる魔物の対処はお姉ちゃんがするといった風な役割分担をしている。
何がいいってお姉ちゃんが颯爽と私を殺そうとしてくる魔物から私を守ってくれるのがいい。
めっちゃかっこいい。
お姉ちゃんは普段からかっこいいし、可愛いし、綺麗だし、優しいけど私を守ってくれるお姉ちゃんはそのどれもが普段の数倍いい。
そして、私がお姉ちゃんの役に立てるのも最高。
私は戦いをとても楽しんでいる。
すると、昨日倒したデーモンが現れた。
だが、明らかに強くなっている。
お姉ちゃんも強く警戒しているようだ。
私はいつでもお姉ちゃんを魔法で守れるようにしておく。
すると、後ろから声がしてくる。
「手助けは必要か?」
シンが私たちに手助けを申し出てくれている。
シンたちに頼めばすぐに前に出てきて、デーモンを瞬殺してくれるだろう。
でも、と私は思ってしまう。
私は強くなった。
私は昔から弱かった。
お姉ちゃんの足手まといでしかなかった。
だけど今は違う。
お姉ちゃんの役に立てる。
私は魔法がちゃんと使えるようになって、ミコに教えてもらって魔法が101番目に好きになった。
ちなみにだが1番はもちろんお姉ちゃんで、2番はお姉ちゃんの魔力で、3番はお姉ちゃんの魂で、4番はお姉ちゃんの匂いで、5番目はお姉ちゃんの顔で、6番目はお姉ちゃんの肌で、7番目はお姉ちゃん
省略
100番目はお姉ちゃんのファッションセンスで、101番目が魔法だ。
私は102番目のお姉ちゃんの怒った時の表情よりも魔法が好きだ。
まさか私の好きなものにお姉ちゃん関連のもの以外が入るなんて思ってもみなかった。
いや、お姉ちゃんを守るための力でもあるのだからはある意味入っているのかもしれない。
もし、今お姉ちゃんと二人だけでこのデーモンを倒すことができれば私は更に強くなれる気がした。
私はシンたちに返事をした。
すみません。
ダンジョンスタンピード終わりませんでした。
次こそは終わらせたいです。(フラグ)
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