第54話 くつろぎ
初心者です。
生暖かい目でご覧ください。
誤字脱字等ございましたら、ご連絡ください。
時間がなかったので今日は短めです。
最近時間が取れてない。
今日の分はたぶん追加しません。
ダンジョンから帰還した俺たちは学園の敷地内の森に来ていた。
「こんなところまで来てどうするの?」
「こうする。ミコ、セーラ」
「「了解」」
そして俺たちは魔力を解放する。
「「「白黒銀世界」」」
その瞬間、俺たちの周りが白と黒と銀の三色だけになる。
「これは?」
ゼミルは急に周りが変化したことに驚きが隠せないようだ。
「これは、俺たち三人の連携スキルだ。異空間を創り出すことができる。ここなら魔物の襲撃なんて関係なく安全に過ごせるし、このスキルは使う魔力によって外の時間との差をつけることができる」
「時間差をつけるって?」
「簡単にいうとここでは1時間過ごしても外の世界に戻ると1秒しか経っていないみたいなことだな」
「それは凄まじいわね」
「やろうと思えばかなりの量の魔力を使うが外の世界との時間を完全に隔離することもできる」
「ここでどれだけ時間を過ごしても外に出れば入った時の時間ってこと?」
「そういうことだ。それとこの空間は俺たちが創り出した空間だから色々と俺たちが有利な空間なんだ」
「有利?」
「魔力が外の世界よりも速く回復したりとか、俺の「創造」を創らなくてもある程度の物を創り出せたりとかそういう感じだな」
「凄いスキルね。弱点とかないの?」
「あまり自分のスキルの弱点を教える気にはならんが、大きな弱点は2つある。1つは魔力の消費が多いこと。この空間は展開中は常に膨大な魔力を消費し続けるからな。ただ、これは空間内は魔力が早く回復するからプラマイゼロだな。2つ目はいくつかの肉体的な変化が起こらないこと」
「肉体的な変化?」
「簡単に言うとこの空間にいれば年をとらない。どれだけトレーニングしても筋肉はつかない。って感じだな。空間内に持ち込んだ魔物を倒せばレベルは上がるが。なんせ外との時間を隔離してるんでな、空間内での年齢の変化があるならばある日突然俺たちがおじいちゃんやおばあちゃんになっていることもあり得てしまうからな」
「なるほど。この世界との辻褄が合わなくなるから年齢をとらないわけね」
「そういうことだ」
「にしても本当にすごい空間ね。ってことはここにいたらいつまでたっても外の時間は進まないのかしら?」
「普段はな。今は本当に空間を維持する分しか魔力を流してないから外の時間と同じ時間経過している」
「何度も言うけれど本当に便利なスキルね」
「俺もそう思う」
ぶっちゃけ一人だけじゃここまでじゃない。
俺、ミコ、セーラの三人で発動するからこそここまで便利になるわけだ。
「さて、くつろごう。ゼミルも家だと思ってゆっくりしていいぞ」
俺たちは思い思いの物を創り出す。
実を言うと普通に異空間を創るだけじゃ物を創り出すことなんてできない。
これは俺の魔力を使っているからだ。
ちなみにいうと魔力の回復が速いのはミコの魔力が混じっているからだ。
空間を創り出すとその人の魔力の効果などが色濃く表れるのだ。
ちなみにだがセーラの魔力の効果は戦闘中、全ステータスが上昇したりする。
そういえば、これらの力を使えるのって発動者だけだ。
なのでゼミルは使えない。
「ゼミル、何か欲しいものがあれば言え。創ってやるから」
ちなみにだがミコとセーラはまるで我が家のようにくつろいでいる。
ミコは俺が以前創った人をダメにするクッションを創り出し、芋のお菓子と炭酸のジュースを創り出して飲んでいる。
色は全て白、黒、銀のどれかだが味などは問題ない。
俺は親からはほとんど何も与えられていなかったがある方法でお金を得ていたので有名なお菓子やジュースは飲んだことはある。
まぁ結局、俺はコーヒーとかの方が好きだったからあまりジュースなどは飲まなかったが。
どれも俺の前の世界にあったものだが何度か「創造」で創ったらすっかりはまって「白黒銀世界」を発動してゆっくりするときは自分で創り出して楽しんでいる。
そしてミコは本を開き、読み始めた。
なんの本を読んでいるかはわからないが。
セーラも人をダメにするクッションを創り出し、紅茶とプリンを創り出して飲んだ。
そして本を開く。
セーラは師匠である俺とミコの影響か俺やミコと同じような行動をすることがよくある。
飲み物や食べているものは違うが、二人ともやっていることは全く同じだった。
ゼミルはそれを見て
「あのクッションが欲しいわ。気持ちよさそうだし」
俺はクッションを創り出す。
ゼミルはそれに恐る恐る座る。
「あ、これダメなやつね」
そう言った瞬間、眠ってしまった。
気持ちはわかる。
俺たちも初めて座ったときは眠ってしまった。
毛布を創り出して、ゼミルにかける。
すると、突然魔力を感じた。
この魔力は恐らくユイだろう。
異空間を創り出すスキルは膨大な魔力を使っているので魔力に敏感だったり、強い魔法使いなどがしっかり魔力を込めて「サーチ」をすれば俺たちが異空間を発動した場所はわかってしまう。
その近くまで来て魔力を放出するのがユアとユイが空間に来る時の合図、家でいうチャイム見たいなものだ。
俺はユイが入れるようにこの空間に入れる扉を外の世界に創り出す。
するとユイが入ってきた。
周りにいるのは班員だろう。
俺はユイたちを「テレポート」で迎えに行く。
ユイたちが入ってきた場所が俺たちがくつろいでいた場所よりも少しばかり遠いからである。
そして俺が「テレポート」で転移した先にはユイを含めた4人の女子生徒が立っていた。
俺はユアからユイに何かあったらすぐに助けてやれと強く言われていたのでユイに「マーカー」を付けて定期的に「サーチ」していた。
なのでダンジョンを攻略したことも知っている。
「ユイ。お疲れ様。ダンジョンは攻略できたようで何よりだ」
俺はユイをねぎらう。
そう言えばユイの班員への挨拶を忘れていたな。
「おっと、そちらはユイと同じ班のメンバーさんかな。初めましてセーラ第一王女殿下の護衛騎士、シンだ」
俺はそう挨拶をする。
その瞬間、一人が俺に剣を向けて近づいてくる。
一般人なら目の追うことがでいないくらいには速い。
だが、俺相手では遅すぎる。
レベルもあるだろうが魔法が本業であるミコよりも遅い。
俺は剣を持っている腕をつかんで剣を奪い取る。
そして、奪い取った剣を女の子の首に当てる。
「いきなり襲い掛かってくるとは、随分なご挨拶ですね」
「余裕で対応する貴方、本当に強い。ユイが強いって言ってたのは本当だった。私の名前はレア・ガイルズ。奇襲をしかけたことは詫びる」
そう言ってレア嬢は頭を下げた。
「殺意がなかったから殺す気がなかったのはわかっている。詫びを受け取る。だが、レア嬢は貴族の令嬢だろう。いくら王女殿下の護衛騎士とはいえ頭を下げていけない。だから頭を上げてくれ」
俺がそういうと、渋々といった様子でレア嬢は頭を上げた。
「私の家は実力重視。強い人、自分が負けた人にはたとえ相手が奴隷であろうと敬意を払う。これがうちの家訓。貴方は私より強いから別に頭を下げても問題ない」
「それでもだ。家の人が大丈夫でも貴族的な意味ではやはり頭を下げないほうがいい。そもそも俺自身は気にしてないしな」
「分かった」
「もう、レアったら本当に戦いや強い人が好きね。他の二人も紹介するわ。シンから見て右がラン・ジュムル。この班のリーダー。シンから見て右の人がベル・リングスよ」
「「よろしく」」
「よろしく頼む」
「さて、ユイ。要件は?」
「そんなの決まってるじゃない。ここでくつろぎたい」
「歓迎する」
実を言うとユアとユイも打ち解けてからはよくここでくつろいでいたりする。
俺は4人を俺たちがくつろいでいたところに「エリアテレポート」で転移した。
騒がしくなりそうだ。
芋のお菓子と炭酸ジュースっていうのは何とは書きませんがアレのことです。
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