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第53話 ユイのダンジョン実習4

初心者です。

生暖かい目でご覧ください。

誤字脱字等ございましたら、ご連絡ください。

久しぶりにちゃんと投稿できてて良かった。

私たちは第五層のボス部屋の前にいた。

私が「ウィンド」で暖かい風を出しているため寒くはない。

本来ならこれは魔力の消費が激しくてとても疲れるのだが今はそんなことする必要はない。

なぜなら今、私の魔力は尋常じゃないほどのスピードで回復し続けているからだ。

その理由は、、、


(ユイは本当に強くなったわね)


我が最愛の姉、ユアお姉ちゃんと「念話」で話しているからである。


「寒いけどみんな疲れてるだろうからいったん休憩したいね。ユイ、火をつけるから魔法を解除しても大丈夫。ありがとうね」


「どういたしまして」


そうして私は「ウィンド」を解除する。

そして第二層の森林でいつか使うかもと思ってとっておいた木の枝を「収納」から取り出す。

そしてそれに「ファイヤ」で火をつける。

私は更にいくつか木の枝を出して焚火のようにする。


「ユイ、ありがとう」


そう言って、私たちは焚火を囲うようにして座る。

私は念のため「サーチ」で回りに魔物がいないかを確認する。

どうやらいないようだ。

すると、突然印の腕輪が光り出した。


(みんな、聞こえる?)


私たちの頭の中に、学園長の声が響く。


(単刀直入に言うけどダンジョンスタンピードの予兆が発見されたわ)


ダンジョンスタンピードとはダンジョン内の魔物の暴走である。

普通、ダンジョンの魔物はダンジョンから出ることはない。

だが、ダンジョンスタンピードの時のみ、ダンジョンの魔物はダンジョンの外に出てくる。

それも凶暴化して普段より、強くなった状態でだ。


(まだ余裕はあるけどダンジョンスタンピードの開始はだいたい明日くらいだと予測されているわ。危険だからダンジョン実習は中止します。みんなすぐに戻ってきてちょうだい。それとこの通信は印の腕輪からみんな達の位置をたどって通信を飛ばしているだけだから質問とかには答えられないわ)


そう言って、学園長の声は聞こえなくなった。


(ダンジョンスタンピードだなんて、学園からも増援を送らないと。ユイ、たぶん私もそっちにいくことになると思うわ。それと生徒会長としてやることができたから、返事できないかも)


(了解。早く会いたい)


(私もよ)


そう言ってユアは「念話」を切ってしまった。


「どうする?」


ランがそういう。

今、私たちは第五層のボス部屋の前にいる。

第四層のボス部屋に戻れば恐らく魔法陣から地上に帰ることができるだろう。

だがかなり戻らなければならない。

ダンジョンスタンピードの発生予想など1日くらいなら普通にずれる。

なるべく早くダンジョンから脱出するのが望ましい。

早さだけを求めるなら第五層のボスを倒して脱出するのが早いだろう。

だが、それはかなり危険を伴う。

もし、既にダンジョンスタンピードが進行していた場合はボスも凶暴化し強くなっている可能性もある。

普段のボスならこのメンバーなら倒せただろうが、それが凶暴化していれば話は変わる。

難しい決断だ。


「私はこのままボスを倒して脱出する方がいいと思う」


私は率直な意見を言う。

ここで悩んでいる時間ももったいない。


「でも、それはかなり危険。ボスは既に凶暴化している可能性が高い。もしかしたらSランクの魔物の中でも中位程度の強さを得ているかもしれない。それと戦うのはリスクがかなり高い」


それもまた正論だ。

これはどちらの選択をしてもそれ相応のリスクがある。

そんな選択だ。

私も覚悟を決めよう。


「私は破滅級魔法を使える」


「「「!?」」」


私とお姉ちゃんは私が魔法をちゃんと使えるようになってから、よくミコたちに魔法や戦いを教えてもらっていた。

そのおかげでなんとか破滅級魔法なら詠唱をすれば使えるようになった。

私の魔力はお姉ちゃんとの会話でかなり回復していて今は全魔力の8割程度だ。

これだけあれば一発は放てる。


「ユイはさっき災害級魔法をつかっていた。何かしらの事情があるんだろうから聞かなかったが、ユイはいったい何者なんだい?」


「私の力の秘密は私に力を与えてくれた人との約束を破ることになるから教えられない。でも私の力は信じてもらっていい。10秒稼いでくれれば私がどれだけ強力な魔物でも倒す」


「分かった。ユイを信じよう」


ランは少し考えたあと、そう言った。


「リーダーであるランが決断したんなら異論はない」


レアがそういった。


「私も早く帰りたいし賛成」


ベルがそういう。


「それじゃ、ボス戦といきますか」


ランはそう言ってボス部屋を開ける。

そこには悪魔がいた。


「「トリプルスラッシュ」「トリプルスラッシュ」「トリプルスラッシュ」「トリプルスラッシュ」」


「「ウォーターランスレイン」「ウォーターランスレイン」「ウォーターランスレイン」「ウォーターランスレイン」」


「「スラッシュ」「ファイヤランス」「ファイヤランス」「スラッシュ」」


皆が技を放ちまくって時間を稼いでくれている。

私は詠唱を開始する。


「我、魔法神の加護をもつものに認められし者なり、我は敵を滅ぼす力を欲する。我が魔力よ。我が求めに応じ、敵を燃やし尽くせ破滅級火属性魔法「ヘルインフェルノ」」


その瞬間、班のメンバーは危険を察知して逃げる。

そして悪魔を炎が襲う。

それは地獄の業火など生ぬるいと感じるくらい熱い炎だ。

さすがの悪魔も耐えきれずに燃えて素材と変わる。

私は魔力を一気に使ったため疲労感が急激に襲ってくる。

私はその場に座り込んでしまう。


「なんなの、あの炎」


「凄すぎでしょ。あんなのが人の技だというの?」


「強い」


皆呆然としていた。

すると階段と魔法陣と宝箱が出現した。


「とりあえず、私が破滅級魔法を使えることは秘密にしてね。大変なことになっちゃうから」


私はそう言って釘をさす。

私は辺境伯家の出なのでこの中で一番権力的な意味では上だ。

もしばれても何とでもなるだろう。

まぁこのメンバーならそうはならないだろうが。


「「「勿論」」」


だって、こんな清々しい返事をしてくれるのだから。


「とりあえず、宝箱を開けて脱出しようか」


「うん」


そしてランが宝箱を開ける。

そこには4枚のコインと笛らしきものが入っていた。

二つを「鑑定」する。

コインの方は「魔物の巣窟」ダンジョン攻略の証というものだった。

笛の方はこんな感じだった。


名前:魔物呼びの笛

効果:この笛を吹くと周囲の魔物が寄ってくる。

概要:近くの魔物が近寄ってくる笛。


これはまた扱いに困る物だ。

とりあえず、またランに預かってもらうことにした。

そして私たちは魔法陣の上に乗る。

すると、魔力を込めていないにもかかわらず魔法陣が光だした。

そして気づいたらダンジョンの前だった。


「お、ラン嬢たちの班も戻ってきたか」


そこにはレーネ先生がいた。


「レーネ先生、素材を学園に売りたいんですけどどうすればいいですか?」


「あぁ、じゃあそこに出してくれ。査定班に査定してもらうからな」


そう言われたんで私たちはもっている素材を全てだ「収納」から取り出した。


「お前ら、この魔物。もしかしてダンジョンを攻略したのか?」


「はい。でもさすがにダンジョンボスはきつかったですけど」


「倒せるだけで凄いことだ」


レーネ先生がそういうと他の先生が素材を回収していく。


「今年は二つもの班がダンジョンを攻略するとは」


「二つ?もう一つの班はどこですか」


「それは、」


「セーラ王女殿下たちの班ですよね」


「正解だ」


「なんでその班だって分かったの?」


「私が倒せる魔物をシンやミコが倒せないわけがないもの。私たちよりも早くダンジョンを攻略して当然だと思えるくらいには二人とも強いから」


「そうなんだ。俄然その二人に興味が湧いてきたね」


レアはシンとミコにさらに興味が出てきたようだ。


「会いたいなら好きに会いに行け。恐らくだが優秀な生徒はダンジョンスタンピードの鎮圧に駆り出されるだろう。私たちもダンジョンスタンピードの対策で手が回ってなくてな。戻った班は学園の敷地内なら自由に過ごしていい」


レーネ先生はそう言って去っていった。

今更だがこのダンジョン「魔物の巣窟」は学園が所有しているダンジョンだ。

なので学園が好きに実習などで使える。

それに伴い、ここら一帯も学園の所有している敷地となっている。

その敷地内では教師が巡回しているので安全だ。


「さてと、自由にって言われたけどどうする?」


「私はシンたちに会いに行きたいわ。シンたちの傍にいれば安全だし」


「私もその人たちと会ってみたい」


「なんでもいい」


「それじゃ会いに行こうか。でもどこにいるんだろう?」


「分からないなら探せばいい」


私は「サーチ」を発動する。

見つけた。


「見つけた。案内する」


私は班員のみんなを先導する。

この敷地内には一応魔物や動物がでる森がある。

そこの魔物は動物が変化したものだから夕食はそこで狩ったりすると聞いたことがある。

私たちは森を突き進む。


「本当にこんなところにいるの?」


ランがそう聞いてくる。


「うん、もうすぐ着く」


そこは少し開けた土地だった。

私はそこで足を止める。


「誰もいないよ」


「まぁ見てて」


私はなけなしの魔力を全開放する。

すると、空間に裂け目が現れた。


「何これ?」


「何者かによる攻撃?」


「大丈夫。この中に入るの」


そう言って私は裂け目の中に入る。


「え、嘘」


「入れるものなの」


「凄い」


皆驚いている。

私はもう慣れたがシンたちはやはり非常識だ。


「みんなも早く入りなよ。危険はないから大丈夫」


私は驚いて固まっているみんなに声をかける。

皆は恐る恐る入ってくる。

そこは白、黒、銀色で構成された空間だった。


「不思議な場所だね」


「でも結局だれもいない」


「どこ?」


「いや、もう来る」


その瞬間、私たちの前にシンが突如現れた。


「ユイ。お疲れ様。ダンジョンは攻略できたようで何よりだ」


私が何も言わずともシンは私たちがダンジョンを攻略してきたことを知っていた。

本当に非常識だ。


「おっと、そちらはユイと同じ班のメンバーさんかな。初めましてセーラ第一王女殿下の護衛騎士、シンだ」


シンがそう挨拶する。

それがシンとみんなの初めての接触だった。

今回は百合少な目ですね。

次回からはまたシンたち視点に戻ります。

誤字脱字等ございましたらお気軽にご連絡ください。

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