第50話 ユイのダンジョン実習1
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私、ユイ・リムソンはダンジョン実習に来ていた。
「ダンジョン実習楽しみだね」
この子はラン・ジュムル伯爵令嬢。
とても明るくてクラスのリーダー的存在だ。
班メンバーになるような友人がいない私を班に誘ってくれた。
「そうだね。早く魔物が狩りたいわ」
この子はレア・ガイルズ子爵令嬢。
戦いにおいてはSクラスレベルだが、勉強が出来なさ過ぎてAクラスにいるっていう戦闘狂だ。
「早く帰りたい」
この子はベル・リングス侯爵令嬢。
ぶっちゃけよくわからない子だ。
授業中はいつも寝ているし、実技の授業もいつも適当。
学力も実力もよくわからない子だが、怠惰だということだけはわかる。
この4人で1班だ。
ぶっちゃけ不安しかない。
まぁ、何とかなるだろう。
そんなことを考えている間に馬車がダンジョンに着いた。
AクラスのみんながAクラスの担当教師である、レイーネ・ジガギ先生の元に集まる。
剣術が得意で口調は荒っぽいが女の先生だ。
「さて、集まったな。ここは低級ダンジョン「魔物の巣窟」。多種多様な魔物がいて、深い階層ならAランクの魔物がゴロゴロ出る。Aクラスのお前らは好きな階層で狩りをしていいが、決して自分達の実力を見誤らず、明日の夜には帰ってこい。あと、お前らに渡した腕輪は絶対に外すな。あとは魔物の素材については実習終了後に学園で買い取るからなるべくたくさん持って帰ってこい。小遣い程度にはなる。じゃあ命大事にダンジョン実習を楽しんでこい。解散」
先生の挨拶が終了し、各班が動き始める。
「私たちはどうする?」
「とりあえず、早くダンジョンに入ろ。レア嬢が魔物を狩りたくてうずうずしてるし」
「そうね」
そう言って、私たちはダンジョンに入る。
そこには草原が広がっていた。
少し遠くにはスライムやゴブリンがいる。
「あは、魔物だ」
その瞬間、レア嬢がもの凄い速度で魔物に接近し、腰にある鞘から剣を抜き魔物を切り刻んだ。
レア嬢が切り刻んだ魔物が素材となる。
レア嬢はそんなこと気にせず近くにいる魔物に無差別に切り刻んでいく。
「さすがレア嬢だね。近くにいる魔物がどんどん素材になっていくよ」
「さすがは学年1の戦闘狂って言われるだけあるね」
そう、レア嬢は戦いが好きすぎて実技授業の戦闘がとても激しいことなどから学年1の戦闘狂と言われている。
「とりあえず、素材を回収しないと」
そう言ってラン嬢は「ストレージ」に素材を入れていく。
だが、レア嬢がどんどん魔物を素材にしていくためラン嬢の回収は全く間に合っていない。
まるで何かを競っているようにすら見える。
結局、それはレア嬢が周りの魔物を狩りつくすまで続いた。
「楽しかった」
レア嬢はとても満足気な表情で言った。
本当に戦うことが大好きなのだろう。
私たちは道を進んでいく。
周りの魔物はレア嬢が全て素材に変えてしまったのでただ歩くだけだ。
そして私たちはボス部屋の扉の前に到着した。
「みんな、大丈夫?休憩いる?ボス戦で命を落とすことも珍しくないから万全の状態でいきたいんだけど」
みんな反応しない。
「じゃ、ボス戦だー」
それを大丈夫だと判断したラン嬢はボス部屋の扉を開ける。
そこには大量のゴブリン種がいた。
「戦うの好きだけど、これは結構面倒」
「じゃ、私がやる」
「ユイちゃん、無理しなくてもいいよ」
「大丈夫、皆に私の実力を見せておくいい機会」
そう、私が魔法を使えるようになったことは実技授業で知られているが、私の新しい力や実力までは知られていない。
今回は班のメンバーに見せるいい機会なのだ。
「火属性上級魔法「エクスプロージョン」火、風混合属性上級魔法「ファイヤストーム」」
私はまず「エクスプロージョン」という指定した場所を爆発させる魔法を使って、手前にいるゴブリンたちを爆破してそこからさらに「ファイヤストーム」という炎の竜巻を発生させる魔法を使い回りの上位種たちを減らしていく。
「火属性最上級魔法「ファイヤランスレイン」」
そこでさらに炎の槍の雨を降らせる。
これによって残っているのはゴブリンロード2匹とゴブリンキングだけになった。
「これで終わりよ火属性最上級魔法「ハイエクスプロージョン」」
その瞬間、ゴブリンキングの近くが大爆発しゴブリンキングが素材となり、その余波でゴブリンロードが素材となった。
班員のみんなは開いた口が塞がらない状態だった。
なにせ、今まで魔法が使えずにいたせいでいじめられていた子がこんなに強力な魔法を使えるようになっているだなんて誰も思うはずがないのだから。
「す、凄い」
「ユイ嬢がそんなに強かったとは」
「強い」
三人ともとても驚いていた。
私は素材を「ストレージ」に収納した。
「とりあえず、宝箱開けましょ」
そう、ボスを倒したのだから階段、魔法陣、宝箱が出現している。
「そうね。誰が開ける?」
「そこはリーダーのラン嬢でしょ」
「「異論なし」」
「じゃ、開けちゃうね」
そう言って、ランは宝箱を開ける。
そこには緑色の液体の入った瓶があった。
「なにかしら?これ」
「「鑑定」してみましょ」
そう言って、「鑑定」を発動する。
鑑定結果はこう。
名前:ヒールポーション
階級:上級
概要:飲むことによって効果は発揮する。かければ効果は半減する。効果は対象の傷や病を治す。大抵の傷や病は治せるが致命傷や不治の病は治らない。
「上級ポーション!?めっちゃレアじゃない」
鑑定した結果これは上級ポーションだと判明した。
上級ポーションは1流の薬師や錬金術師でも作ることが困難なポーションであり、とても貴重でその値段はかなり高い。
「よったね。じゃあちょっと休んだら第二層へ行こう!」
「了解」
そうして私たちは少しの間休憩する。
私はたいして疲れてないし、魔力にも余裕があるから休憩は必要ないのだけれど。
そして私たちは少しの間各々休憩した。
「それじゃ、第二層へGO!!」
そんな感じで私たちは階段を降りた。
そこは森だった。
そしていきなり猿型の魔物が群れで現れた。
「魔物だ。狩る」
そう言ってレア嬢は猿型の魔物に接近し、切り捨てていく。
さすがに少し数が多くて厳しそうだ。
「援護するわ「ファイヤランス」「ファイヤランス」「ファイヤランス」」
私は炎の槍を放つ。
それらは全て猿の魔物に命中する。
「素材の回収は任せて」
ラン嬢はすぐさま現状を理解して「ストレージ」による素材の回収を始めた。
レア嬢が切り捨てた魔物の素材がレア嬢の戦闘の邪魔になっていることに気づたのだ。
「さすがに僕以外が働いているのに僕だけ働かないのはダメだな「ウォーターカッター」「ウォーターランス」「ウォータージェット」」
ベル嬢は水属性なのだろう。
しかもかなり高位の水属性魔法使いなのだろう。
「ウォータージェット」とは強い水圧の水を相手に放つ、水属性上級魔法だ。
私たちのダンジョン攻略はまだまだ続きそうだ。
私たちはドンドン進んでいく。
そしてあっという間に第二層のボス部屋前まで来た。
「みんな、休憩はいる?」
皆、首を横に振る。
さっきは無反応だったので反応するだけでこの少しの間で班員全員が打ち解けたことを表している。
ランはそれを嬉しそうにしながらボス部屋の扉を開ける。
そこには大きい猪がいた。
「さっきはユイに全てを任せちゃったけど今度は全員でやるよ」
呼び捨て、これも班員お互いが打ち解けたことを示している。
私も今まで同じクラスで名前の呼び捨てで呼ばれたことはなかったので少し嬉しい。
「私、斬りこむ」
レアがボスに接近する。
が、ボスは咄嗟に避ける。
「一筋縄じゃないかない」
「ウォーターチェーン」
ベルは水属性中級魔法で水の鎖で対象を拘束した。
ベルの魔法でボスは水の鎖で縛られて身動きがとれていない。
「一気に仕掛けよ「スラッシュ」」
「トリプルスラッシュ」
「ウォータージェット」
「ダークランスレイン」
全員がスキルやら魔法やらを使って攻撃した。
ボスは避けることも耐えることもできずに素材となった。
「いぇーい。私たちの大勝利!!」
ランはとても嬉しそうにぴょんぴょんはねている。
それを私たちは微笑みながら見守るのがこの短時間で決まっていったこの班の暗黙の了解である。
「それじゃ、宝箱開けよっか。次はだれが開ける?」
「「「ラン」」」
「え、いいの?私は一回宝箱開けたからみんなも開けなよ」
「大丈夫」
「遠慮する」
「気にしないでいい」
皆、ランの譲る。
「なら開けさせてもらうね」
そんな感じでランは元気よく宝箱を開ける。
そこにはネックレスがあった。
「何かな?」
「「鑑定」すればわかる」
私たちは「鑑定」を発動する。
名前:「魔物の巣窟」ダンジョンのネックレス(魔)
概要:装備すると、魔法の威力が1,25倍に上昇する。「魔物の巣窟」ダンジョンにいると魔法の威力が1.5倍に上昇する。
「かなりいい装備ね」
「魔法の威力を上げる装備って魔法使いからすれば喉から手が出るほど欲しい装備じゃない」
「これでどうする?」
「やっぱりユイじゃない?」
「うん、私もユイがいいと思う」
「異論なし」
「え、いいの?」
「そりゃ、さっきの魔法を見てユイちゃん以外にこれを上げようとは思わないわよ」
「でも、ベルだって魔法使ってたのに」
「僕はいいよ。この班の中でユイは2番目にたくさん魔物を狩ってる。1番魔物を狩ってるレアは魔法を使わないんだからその次に魔物を狩っているユイが使うのが当たり前」
「分かった。じゃあありがたくいただく」
「さてと、ネックレスの装備者も決まったしいったん休憩にしようか」
そうして私たちはボス部屋の中で休憩に入る。
各々楽な態勢で休憩していると、頭の中にどこからか魔力が流れてくる。
これは、、
「ごめん、ちょっとお花を摘みに」
私はボス部屋から出る。
そして私は頭の中で強く大丈夫と念じる。
すると、
(あ、繋がった。ユイ、大丈夫?しんどくない?困ったことない?)
そんな声が頭に響く。
私の疲労はその声を聴いた瞬間吹き飛んだ。
だってその声は最愛の姉である、ユア・リムソンの声なのだから。
ユイの所属している班は全員女子です。
ぶっちゃけしばらくシンやらミコは出てきません。
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