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第43話 錬金術

初心者です。

生暖かい目でご覧ください。

誤字脱字等ございましたら、ご連絡ください。

珍しくミコの言葉遣いが少し荒れます。

追記:最新話との矛盾点があったため一部変更しました。内容に大きな変更はありません。

俺たちは三人でお風呂に入った日の翌日。

俺たちは誰もそのことには触れずに、学園に登校していた。

今日の1時間目生産学はというものづくりに関する学問でポーションづくりを行う授業だ。

昨日は一日中教室で座学だった。

なので割と楽しみにしていたりする。

そして俺たちは錬金室に移動していた。

といっても先生が変わったりはせずマーゼ学園長のままだ。

俺、ミコ、セーラは三人、同じ机に座っている。

なんでも一つの机で一班らしい。

創るのは基本的に一つの班に一つでいいみたいだ。

机には魔法陣のようなものが描かれた台と瓶、薬草が置いてあった。


「今日はここでポーションづくりの授業をするわ。はじめにポーションについての復習よ。誰かポーションとは何か説明してちょうだい」


ゼミル嬢が手を挙げる。

ちなみにだがこのクラスの生徒に関しては全て記憶してある。

といってもセーラに「メモリートレース」で情報を貰っただけなんだが。


「ポーションとは錬金術の産物で様々なものがあります。自分を強化するもの、傷や病などを治すもの、毒や呪いを治すものなど様々な物があります。最下級、下級、中級、上級、最上級、伝説級の6つに分けられ、まだダンジョンからも産出されます」


「正解だ。さすがはゼミル嬢だな」


「「おおー」」


皆ゼミル嬢に拍手をする。

してないのは俺、ミコ、セーラくらいだ。

錬金術とは魔法と科学が融合したようなものだ。

ダンジョンというのは魔物が無限に湧き続ける建物のことだ。

ダンジョンにはたまに宝箱が存在し、その中には有用かつ貴重なアイテムが入っていることが多い。

ポーションもその中の一つで。

最上級、伝説級のポーションは未だ作り方が解明されておらずダンジョンからの産出品しかそんざいしない。

まぁ俺の「創造」を使えば余裕で創り出せるだろうが。


「ポーションとは傷を癒したり、解毒したりと薬に近いものだ。錬金術というのは薬学とも密接にかかわりがあるの。そして錬金術と魔法は深くかかわっているの。一説によれば錬金術から魔法が生まれたとさえ言われているわ」


マーゼ学園長がそういった瞬間、俺と隣から絶大な魔力が溢れ出してきた。


「学園長、そんなくだらない説を言うものがいるのですか?」


「くだらないって、魔道具は錬金術を用いて作られているのです。魔道具は魔法陣を用いるのですから魔法と密接なかかわりがあるといえるでしょう。魔道具とは元々は神器を人が模倣したものです。

事実、神器にも魔法陣が刻まれているものはいくつもあります。なので魔道具の魔法陣を知り、人は魔法を使うようになったという可能性も十分あります」


「あまりふざけてはいけないわ。錬金術っていうのは魔法の劣化にすぎない。確かに魔道具は神器を模倣したのが始まりだけど魔道具に描かれている魔法陣は魔法とも言えない劣化品ばかり。錬金術っていうのは魔法を意図的に劣化させることで誰でも使えるようにしたものよ」


「確かに、そういう考え方もできますが、、」


「あまり、ふざけたことを言うものではありません」


そこにミコに反論するように一人の男子生徒が立ち上がった。


「錬金術というのは古くから何人もの研究者が自分達で編み出したものだ。神から与えられた魔法などの劣化などと言われる筋合いはない」


「面白いことを言うわね。魔法が神から与えられたもの?あなたは魔法を創り与えた神が誰か知っているの?」


「それは、魔法神様でしょう」


「ふははは、そんなわけないでしょ。魔法を創ったのは創造神に決まっているじゃない」


「何故です?魔法を司る神は魔法神様でしょう」


「あのねぇ、魔法神っていうのは創造神が魔法を創ったときにその無限の可能性を考え、それを司る神を新たに創った。それが魔法神よ。魔法神は魔法の管理をしているだけであって魔法を創り、人類に与えたのは創造神よ」


「その根拠はあるんですか?」


「あるわ」


「先生?」


「古い文献だけれどそう言った記録は実在するわ。でもミコさんはそれをどこで知ったのかしら?」


「私の加護は魔法神よ。魔法について私にわからないことは存在しないの」


「なるほど」


「ですが、結局魔法は神に与えられたものというのは変わらないじゃないですか。錬金術というのは何人もの研究者が時間をかけて編み出したものです。魔法の劣化という他ありません」


「貴方は錬金術を生み出した人物が誰か知ってる?」


「魔王と災禍の魔女です」


そう、錬金術とは魔王と災禍の魔女が共同で生み出したものだ。


「結局錬金術は上の存在に与えられたものじゃない」


「魔王は半人半魔です。上の存在ではありません」


「それは、魔王陛下への侮辱かしら」


「尊敬の念によるものです」


「そもそも、貴方程度の存在が魔王様は呼び捨てにするなんてあってはならないことよ。それを重々承知しているのかしら?」


「魔王はそのように心の狭い方ではありません。事実として、配下に名前の呼び捨てを許可しています」


「それは災禍の魔女を含めた七魔公や十六魔将軍のことかしら?」


「はい。そうです」


「それは魔王様がその者たちに直々に許可したものよ。下っ端が呼び捨てなんかにしたら魂を破壊されるわ」


「事実ですね。実際、下っ端の兵が魔王様のことを呼び捨てにして災禍の魔女直々に魂を潰したという記録があります。ですが、ミコさん?魔法については貴女の加護が魔法神だからということで納得できますが、なぜあなたはそこまで魔王について詳しいのですか?」


「それに関しては言えないわね」


「それでも、魔王は我々と同じ人類じゃないか」


男はついに敬語が外れた。


「貴方、魔王様の加護が何か知ってるの?」


「そんなの魔王に決まってるだろ」


「あのねぇ、魔王って呼ばれたことがあるのは最初も最後もあの人だけ。だから魔王様の加護が魔王っていうのはありえないの。魔王様の加護は破壊神よ」


「っな。魔王も神族系の加護だというのか」


「そもそも魔王は神すらも殺す存在よ。実質的に神と同格かそれ以上の存在と言っても過言じゃないわ」


「なぜ貴様は錬金術をそこまで否定する?」


「私たちからしたら錬金術なんていらないのよ。この世の大抵のことは魔法で解決するわ。ポーションを例に考えてみればわかりやすいわね。傷や病を治すなら「ハイヒール」を使えばいい。自身の力を強化したいならバフ魔法を使えばいい。毒や呪いを治したいなら「ハイキュア」を使えばいい」


「ハイキュア」とは光属性級魔法で大抵の毒や呪いを解毒、解呪することができる魔法だ。

「キュア」という光属性中級魔法の上位魔法だ。


「魔道具だってそう。多少不便にはなるでしょうけど。シャワーを浴びたいなら「ウォーター」の温度を変えればいい。結界を張りたいなら結界魔法を使えばいい。全て魔法で解決できてしまうことなのに道具に頼らないと何も出いない錬金術という弱者の手段が気に入らないだけよ」


ミコはそう冷たく言い放った。

ミコに反論していた男子生徒は黙って座った。

後に聞いた話だが、あの男子生徒の家は錬金術を生業としてきた家で本人も錬金術が大好きらしい。


「さて、二人のおかげで錬金術についての理解は深まったわけだし、早速ポーションづくりを始めましょう。手順は簡単よ。まずみんなの前にある瓶に水とみんなの目の前にあるヒール草を入れて、よくかき混ぜる。この時にヒール草をすりつぶしながら混ぜるのがコツよ。あとは錬金台の上に置いて魔力を込めれば完成よ。創ったポーションは「鑑定」をしたら効能が分かるら。効能が良ければよいほど高い評価がつくわ。評価は10段階。それじゃ各自初めて頂戴」


皆、一斉に始めていく。

ちなみにミコの溢れ出していた魔力に関しては既に抑えられていた。


「とりあえず、創るか」


俺はそう言って「創造」を使い、俺が思いつく限りの効果を詰め込んだ最強のポーションを創った。

魔力は大量に使ったが元が多すぎるくらいなので問題ない。


「これってどんな効果があるの?」


俺たちは全員「超鑑定」を発動する。


「最強のポーションね」


「国宝レベルね」


「割と自信作だ」


「シンがこういう時に創るのってめっちゃ出来よね」


そんな感じでわいわいと雑談しているとどうやら一つの班が出来上がったようだ。

さっきの男の班だ。

その班はマーゼに出来上がったポーションを見せに行く。


「うん。これなら評価は9ね。売りに出しても何の問題もないレベルよ」


「さすがだな」


「本当にね」


「さすが錬金術師の家系」


「ふん。当然だ」


さっきの男を班員がほめたたえる。

そしてさっきの男はミコの方を見る。

渾身のドヤ顔だな。

俺たちもポーションを出しに行く。

マーゼは「鑑定」を発動する。


「な、なんなのよこれ」


マーゼは悲鳴を上げた。

まぁなんせ俺の創ったポーションはこんな感じだからな。


名前:超万能薬

階級:伝説級

概要:飲んでもかけても効果は発動する。効果はたとえ致命傷でも完全に回復し、死体にかければ死後24時間以内なら生き返る。どのような病でも毒でも呪いでも飲んだものは一瞬で健康体になる(精神的なものは除く)。飲んだものは身体能力と魔法の威力が永続的に10倍になる。


「これをどうやって創ったの?」


「普通に俺の「創造」で創った。先生はさっき創ったものを持って来いと言っていたからな。「創造」で創っても問題あるまい」


「それはそうね。まぁ一応正規の手順でも創っておきなさい。評価は100ね。あと、これ王家に献上してもいいかしら?」


「構いませんよ。いくらでも創れますし」


「末恐ろしいわね」


その後、俺たちは正規の手順でポーションを創った結果がこれだ。


名前:エリクサー

階級:伝説級

概要:飲むことによって効果は発揮する。かければ効果は半減する。効果は対象の時間を巻き戻すことで怪我や病気をなかったことにする。死後1年以内の死体にかければ蘇生される(老衰は不可)。


これは俺たち全員が創ったので3本ある。

どれも王家への献上品になった。

後日、学園からこれを献上されたレイル達が苦笑いをしつつ、扱いに頭を悩ませたのはまた別の話。

今回の回であの人について分かった人が出てくるかもしれませんね。

誤字脱字等ございましたらお気軽にご連絡ください。

気に入ってくださいましたら、ブックマーク、レビュー、評価いいね等よろしくお願いします。

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