第381話 アンデスの戦争
お久しぶりです。
テスト終わりました。
まぁ、受験生故また一週間後にテストがあるのですけれど。
一旦今日は気にしないことにします。
この週末は投稿頑張りたいと思います。
時は遡り宣戦布告から一週間後の午後
魔王によって開戦が宣言された。
事前に決めていたシンが指を鳴らすという合図に従い、魔王の配下達は各国に対して攻撃を開始する。
アンデス視点
私は魔王様の命令によって国落としを命じられた。
最近は王魔学院の学院長としてしての仕事しかしていなかったから、戦事は久しぶり。
だけど私の気分は高揚していた。
パチン
魔王様からの合図。
始まりの時間だ。
『アンデット召喚』
その瞬間、私の周りに配下のアンデット達が召喚される。
基本的にはゾンビキング、スケルトンキング、レイスクウィーン、グールキング。
そしてリーダー格としてゾンビエンペラー、スケルトンエンペラー、レイスエンペラー、グールエンペラーがいる。
エンペラーはキングやクウィーンの上位種だ。
一定以上の力を持ったアンデット種のキング固体が長い年月をかけることが出来る。
ちなみにだが、私はスケルトンエンペラーにはなれなかった。
正確にはなれなかった。
私は純粋なアンデットではない。
私は生きた状態でアンデットとなったからだ。
その関係で私はスケルトンエンペラーには進化出来なかった。
ただそれが悪い事だとは微塵も思っていない。
私は純粋なアンデットでないからこそ、加護があった。
それに、ただのスケルトンエンペラー程度ならスケルトンキングの頃でも勝てた。
使える魔法や知能が違う。
アンデットクウィーンに進化した今なら歯牙にもかけない。
話を戻そう。
私が召喚したアンデット、総数20万。
全員、アンデットの中でも最上位種だ。
人間が万の軍を持ってギリギリ勝利出来るかどうかという魔物。
それが20万。
「人間を蹂躙しなさい」
私の言葉に20万のアンデットが歩き出す。
「さぁ、絶望しなさい。魔王様に仇名したことを後悔しながら」
アンデット達は今も動いている。
既に前の方の子達は対象の国に入った。
ある一般兵
俺の生活は順風満帆なもんだった。
そこそこ裕福な家に生まれて、学園に通わせてもらって、友達が出来て、恋人が出来て、高給取りである騎士になった。
騎士としての仕事もここ百年戦争なんて起きず、森に出る魔物を間引くくらい。
結婚して、子もできて。
本当に幸せだった。
けど、人生ままならんもんでそんな生活が消え失せた。
ある日、魔王が宣戦布告してきたんだ。
当然国王は降伏なんてしない。
俺達騎士は魔王と戦うことになった。
っていっても魔王なんて所詮御伽噺の産物。
大したことないだろうと誰もが思っていたのだ。
今この時までは。
開戦の日。
俺達は国境の関所の防衛を命じられていた。
関所の上から、ひたすら敵が来ないか観察する。
魔王の声が響く。
開戦を宣言した。
派手なもんだ。
「おい、誰かいるぞ」
そこにいたのは一人の美しい女性だった。
「やべぇぞ。すぐに保護しないと」
「まて、魔王軍の奴かもしれねぇ。総員警戒しろ」
上司の言葉に、皆がその女性を注視する。
女性は離れたところから一切動かない。
パチン
開戦宣言をした魔王が指を鳴らした。
その瞬間、女性を中心として魔力が広がった。
「な、なんだぁ」
次の瞬間、全員が息を飲む。
無理もないだろう。
だって、女性の周りの地面から突然大量のアンデットがでてきたんだから。
それも一匹や二匹じゃねぇ。
目視で数えきれない量だ。
しかも召喚されたアンデットは尋常じゃない。
全てがシンプルにでかい上、尋常じゃない覇気を持っている。
俺の知っているゾンビやスケルトンじゃねぇ。
「お、おい。あいつらこっちに向かってくるぞ」
「敵襲、敵襲」
「総員、攻撃準備」
「火だ。火矢を浴びせろ。アンデットなら火がきくはずだ」
俺達は急いで用意していた弓を構えて矢をつがえる。
更に、矢じりに魔法で火をつける。
「放てー」
俺達は一斉に火矢を放つ。
「駄目だ、きいてねぇ」
アンデット達には全く通用していなかった。
アンデットの中でも特に火に弱いと言われているゾンビやグールに当たっても、そもそも矢が肉体に弾かれる。
火も平気そうにしている。
「魔法隊、放てー」
魔法使い共が火属性の魔法を放つ。
火の球に火の槍。
それがアンデット達に放たれる。
「ばっ、馬鹿な」
「ありえないだろう」
しかし、アンデット達は火属性の魔法すら歯牙に掛けなかった。
平気でその身で受ける。
しかし、肉体どころか着ているアンデットの癖に綺麗な服にすら火がつかない。
「上級魔法を放つ、後は任せたぞ」
魔法隊の隊長が大声で伝える。
皆が各々頷く。
上級魔法、俺達じゃ一生使えないだろう大魔法だ。
いくら魔法隊の隊長でも使えば一発で魔力切れだ。
そして戦場で魔力切れは何を表すか。
ここにいる奴で分からない奴はいないだろう。
「我、火を愛し、火に愛され、魔法を行使するものなり。我は願う。我が敵を燃やし尽くす地獄の業火を、我は願う、友の幸福を」
「地獄の業火よ、我が敵を燃やし尽くせ『ファイヤーキャノン』」
長の正面に巨大な火の塊が現れる。
次の瞬間には、それがあの女性に向かって放たれた。
誰もが隊長が敵のリーダーをやってくれたと確信した。
だが次の瞬間、俺達は信じがたいものを見る。
隊長の炎と同等の水が女性の近くにいたスケルトンが放ち、隊長の魔法を相殺したのだ。
それどころか、その水は俺達を襲う。
ドガーン
その水は関所に降り注いだ。
その水の質量に俺達は負け。
地面に落ちる。
関所の上から地面相当な距離だが、何とか生き残れた。
だが周りを見れば、何人かは死んでる。
生きている奴も全員間違いなく重症だ。
「て、撤退だ。あの化け物たちを早く、陛下に伝えねば」
俺達が何とか歩き出そうとした瞬間。
ドガーン
俺達には大量のアンデットが見えた。
関所が吹き飛んだのだ。
「い、一体何が」
誰かの声が聞こえた。
「ああああああ」
「く、来るなー」
すぐに悲鳴で掻き消えた。
アンデットが押し寄せてくる。
すぐそこに馬鹿みたいにでかいゾンビがいる。
ああ、これは終わったな。
ゾンビが持っているバカでかい大剣が俺に向かって降り下ろされる。
そして俺の意識は暗転したのだった。
アンデス視点
スケルトンエンペラーちゃんが、敵が私にむかって撃ってきた魔法を相殺するついでに関所を吹き飛ばした。
アンデットのキングレベルなら最低でも上級の魔法くらいなら使える。
更に私のアンデットは知能が高いし、有用な魔法は全員に一通り教えている。
その中でもスケルトンとレイスはアンデットの中でも魔法が得意な種族だ。
スケルトンエンペラーちゃんが魔法を使ったのを皮切りにアンデット達がどんどんと魔法を発動していく。
私の配下は圧倒的にスケルトンが多い。
そして大体のスケルトンが4000年前に創った子だ。
スケルトンキングだった頃はスケルトンの配下しか創れなかったから。
だけど、魔物は基本的に長く生きるほど強く賢くなる。
それもあって、私の配下の中でスケルトンは魔物としての位が同じだったとしても他のアンデット達よりも強い。
ちなみにだが、スケルトン以外の人間をもとにしたアンデットは魔王城の倉庫部屋にあった死体を活用して創っている。
正確に数えてないが、確か30万体くらいあった。
勿論全てアンデットにした。
今日は種族ごとに5万体ずつ召喚している。
そしてさっきから一番魔法を使っているスケルトンたちのまとめ役であるスケルトンエンペラーちゃんは、私が一番最初にスケルトンにした女の子だ。
親に捨てられて死に掛けられているところをスケルトンにすることで助けた。
一番私に懐いてくれていて、私も妹のように思っている。
今も周囲に『ブラックホール』を4つ同時に発動させている。
多分この子、私の配下の中で一番強い。
私はそんなことを考えながらアンデット達と共に進軍するのだった。
殺した人間はすぐに私がスキル『アンデット創造』でアンデットにしていく。
『アンデット創造』は魔力だけでもアンデットを創ることが出来るが、その本領は死体を用いることで発揮される。
死体に『アンデット創造』や『アンデット軍創造』を使うことでその死体をもとにしたアンデットを創ることが出来る。
死体をもとにしたアンデットの方が私が魔力で創ったアンデットよりも圧倒的に強い。
そうして私は結局、10日で担当の国を制圧した。
生物も一人残らずアンデットにした。
私の軍は最初20万から一気に増えて、5000万に増えた。
まぁ複数の国の人類を片っ端からアンデットにしたのだから当然と言えば当然。
アンデットは疲れを知らないから、昼夜ずっと進軍した。
途中、魔王様の勇者の対処を見るためにスケルトンエンペラーちゃんに軍を任して魔王城に戻ったりしたが何の問題もなかった。
こうして私は大量の配下を得たのだった。
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