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第36話 無能王女脱却

初心者です。

生暖かい目でご覧ください。

誤字脱字等ございましたら、ご連絡ください。


試合終了後、俺は「ハイヒール」でガイの両腕を治す。


「腕が生えた?」


「治しただけだ。さすがに王女殿下の護衛騎士が貴族の次期当主を再起不能にしたなんて話題になったら、セーラに迷惑がかかるからな」


今更だろ。

とシン、ミコ、セーラ以外の全員が思った。


「いやー、素晴らしい実力ね。まさか、ガイ君を圧倒するなんて、彼はSクラスでも指折りの実力者なんだよ」


「別に、今回はセーラとミコを貶したので両腕を切り落としましたけど、普段なら気絶させて終わりです。それより、他に俺とやりたいやつはいないんですか?」


ミコとセーラ以外の全員が目を逸らす。


「いないみたいね。じゃあ次はミコちゃんかしら?」


「分かりました」


俺は下がり、ミコが前に出る。


「私、やりたいです」


物静かそうな少女が手を挙げた。


「ジャミン嬢ね」


「よろしくお願いします。ミコさん」


「あら、平民にさん付けなんてしていいのかしら?」


「自分より強い人を呼び捨てになんてできないですよ」


「そう。じゃあやりましょうか」


「では、両者構えて、はじめ」


「火属性上級魔法「ヘルファイヤ」」


ジャミンの手元の魔法陣からは強い炎が噴き出した。

それをミコは水属性中級魔法「ウォーターウォール」で防ぐ。


「上級魔法を中級魔法で無効化した!」


「舐めないで頂戴。魔法神の加護を持っている私は貴方達より魔法の効果が高いの」


「なら「ファイヤーランス」「ファイヤーランス」「ファイヤーランス」」


ジャミンから三本の火の槍が発射される。

だが、それはすぐにかき消される。

ミコが「レジスト」を使ったからだ。


「こっちから行くわよ」


そう言って、ミコは水属性上級魔法「ウォーターランスレイン」を使い、水の槍の雨を降らせた。

ジャミンは咄嗟に無属性上級魔法「バリア」という攻撃を防ぐ魔法を使って水の槍の雨を防ぐ。

だが、既にミコは「ストレージ」から吸魔を取り出し、ジャミンに近づいて、吸魔をジャミンの首に当てた。


「チェックメイトよ」


「私の負けね」


「勝者、ミコ」


「「「「おおおおおお」」」」


周りから歓声が上がる。

ジャミンはSクラスで最も魔法が上手く、だれも勝てなかったからだ。


「さて、これでお二人の実力は分かったと思います。さて、あとはいつも通り、好きな人と戦ってください」


マーゼの指示により、皆戦いたいやつと戦っていく。





セーラ視点


シンとミコは自分の力を見せつけた。

二人の主人として、弟子として、従者が、師匠が周りから認められてよかったと思う。


「おい、セーラやろうぜ」


そう言ってきたのはザイ・リギル。

リギル伯爵家の次期当主で、いつも私をいじめてきたやつだ。


「わかりました。やりましょうか」


「ふふ、せいぜい無様を晒すんだな」


私たちは向かい合う。

私は「無限収納」から殺魔を出しておく。

殺してしまっても蘇生すればいいだろう。


「それじゃ、はじめるぜ「ファイヤボール」」


こいつはいつもこうだ。

魔法が使えなかった私にまるで見せつけるかのように魔法を放ってくる。

こいつが使った魔法は火属性下級魔法「ファイヤーボール」火の玉を相手に放つ魔法だ。

今となってはとても弱い魔法だけれど

昔ならみっともなくよけ続けるしかなかったけど、今は違う。

私は水属性最下級魔法「ウォーター」を使い、「ファイヤーボール」を消滅させる。


「なぜだ、無能王女が魔法を使った?まぁただのまぐれだろ「ファイヤーボール」」


ザイはまたもや「ファイヤーボール」を放ってくる。

私はその「ファイヤーボール」を避け、ザイに接近し、殺魔をザイの首に当てる。


「チェックメイトよ」


「っな、嘘だ。なぜ無能王女に俺が負けるんだ?」


「ふふ、私ね、シンとミコのおかげで魔法が上手く使えるようになったの。他にもいろいろなことを教えてもらって、とっても強くなったの」


セーラ本人とシン、ミコ以外の全員が固まっていた。

セーラが上手く魔法を使えないのは有名な話だ。

そして、セーラをいじめるものがいたんだ。

だが、セーラはもう弱くない。

先ほどの戦いでそれを証明してみせた。

その戦いを見ていたものの中にはザイ以外のセーラをいじめていた人物も何人か存在した。

その数名は顔を真っ青にしていた。


「ふふ、私はもう無能じゃないわ。好きなだけ相手をしてあげる。私はシンとミコ以外に負ける気はないわ」


セーラはそう不適に笑う。

結果的にセーラはその後、10試合ほど戦い、全て完璧な勝利を収めた。

Sクラスでセーラを無能王女と蔑むものはいなくなった。





シン視点


見事なものだな。

俺はセーラの試合を見てそう思った。

セーラはとても強くなった。

今セーラは10試合以上連続で戦っているが、まったく疲れを見せておらず、力も本気の100分の1も出していないようだった。

スキルも使っていないからもっと低いか。

とにかく俺は愛弟子の成長を見て、感動していた。

それはミコも同じのようだ。

帰ったらたくさん褒めて、ご褒美をやらないとな。


「さて、今日は始業式でしたし、今日はこれで終わりです」


「「「「「「「ありがとうございました」」」」」」」


そうして、各々学園を出ていく。


「じゃあ、寮の案内をするわ。移動も面倒くさいし「エリアテレポート」で連れていくわ」


そうして、セーラが「エリアテレポート」を発動し、俺たちは寮に到着した。


「ここが、S2寮よ。基本的にはSクラスの生徒とその従者以外はいないわ」


「Sクラス全員がこの寮にいるのか?」


「いえ、この寮にいるのはSクラスの中でも特に爵位の高い侯爵以上の子息、子女だけよ」


「そういえば、俺たちはこの国の爵位について詳しく知らないんだが、教えてもらってもいいか?」


「了解。この国の爵位は下から男爵、子爵、伯爵、侯爵、辺境伯、公爵って感じね。あとは準貴族と呼ばれるのがあるわ。準男爵、士爵、騎士爵、魔法爵って感じね。士爵に関しては何かを成し遂げれば貰えたりするし、騎士爵は王国騎士として実績を積み重ねれば、魔法爵は宮廷魔導士として実績を積み上げれば貰えるわ。残りの準男爵はお金で買えるものよ」


「なるほど。大体理解できた」


「さてと、私たちの部屋に移動しましょうか」


そうして、俺たちはセーラの部屋に移動した。


「広いな」


セーラの部屋はとても広かった。

さすがに王城の部屋には劣るが寮とは思えないくらいには広かった。


「ここは王族専の部屋なのよ。それに従者をたくさん連れてきてれば狭く感じると思うわ」


「セーラの従者って、、、」


「シンとミコだけよ。だって私は無能王女だもの」


「元無能王女だろ」


「そうねぇ、さっきの戦いをみてまだセーラのことを無能王女って呼ぶ人はいないと思うわ」


「ふふ、ありがとう」


「セーラ、何かご褒美をやろうと思うんだが、何が欲しい?」


「そうねぇ、じゃあ二人はこれから毎日一緒に寝てちょうだい」


「「!?」」


さすがに予想外だった。

セーラくらいの年齢の女の子は同じ部屋の中に血もつながっていない男が住むことを嫌がるものだと思っていたがセーラは問題なかった。

それについては俺を信用してくれているのだと知れて嬉しかった。

だが、さすがに一緒寝てくれと言われるとは思わなかったのだ。

ミコもさすがに予想外だったらしく、珍しく動揺している。

しかも、セーラは毎日と言った。


「セーラは気にならないのか?ミコは同性だからわかるが、俺は異性だぞ」


「なんの問題もないわ」


「そうか」


「ふふ、シンとミコの驚いた顔なんてレアね。目に焼き付けておきましょう」


セーラは楽しそうに笑っていた。

その後、俺たちは俺の「創造」で創った夕食を食べた。

ちなみにメニューはハンバーグでデザートはプリンだ。

ちなみにだが、セーラとは「白黒世界」内で半年ほど一緒に生活していたため、地球産の料理になんの抵抗もない。

そして、俺も、ミコも、セーラもプリンは大好物なので、よく創って食べている。

寮の部屋の中にはお風呂もしっかりついており、女子たちが二人で入ってくることになった。

二人が三人で一緒に入ろうと誘ってきたが丁重にお断りした。

この体は蓮の頃より性欲が強いらしく、ミコとセーラが美少女なため、少し、いや、かなり意識してしまう。

一緒に風呂なんて入った日には大変なことになることが予想されたため、俺は意思を強く持って断った。

セーラとミコが毎日誘えばいつか。なんてことを小声で言っていた気がするが気のせいだ。

気のせいったら気のせいなのだ。

ミコたちが風呂から上がってきた後、俺は交代で風呂に入った。

とても広かったためのびのびと入れた。

そして風呂から上がって着替えた。

そしてみんなで寝室に向かった。

そこには小さいシングルサイズのベッドが三つ並んでいた。


「この大きさじゃ、三人は寝れないな」


「そうね。このサイズじゃ二人が密着して入るのが限界だと思うわ」


「シンもミコもわかってていってるでしょ。ないなら創ればいいじゃない。ということでシン「創造」で三人が寝れるベッドを創って」


くそう、愛弟子のお願いには逆らえず、俺はキングサイズのベッドを「創造」で創った。

ちなみに三つあったシングルサイズのベッドはセーラの「無限収納」の中に入っている。

俺はあきらめてキングサイズのベッドに寝っ転がる。

ミコも俺と同じように寝っ転がる。

セーラは俺とミコの間に寝っ転がる。


「ふふ、いいものね」


「そうだな。悪くない」


「私もよ、セーラとはよく一緒に寝てたけどシンと一緒に寝るのはもしかしたら初めてかもしれないわ」


「いや、寝ころびながら「魔力循環」してて寝落ちしたことがあっただろ。あの時は一緒に寝たぞ」


「そういえば、そんなこともあったわね」


俺たちは昔話に花を咲かせる。


「う、うーんそろそろ眠くなってきたわ」


「そうねぇ」


「そろそろ寝るか。どうせ明日も一緒に寝ることになりそうだし」


俺たちには「睡眠・休養不要」のスキルがあるため睡眠は必要ないが、別にできないわけでわない。人間の三大欲求だし。


「おやすみ、シン、ミコ」


「おやすみ、シン、セーラ」


「おやすみ、ミコ、セーラ」


俺たちはそれを皮切りに皆眠りについた。

始業式はシンとミコが学園の説明を受けている間に終わりました。

学園長がいない始業式ってどうなんですかね?

ちなみに始業式を飛ばした理由はなんの面白味もないからです。

ただ、マーゼの話はとても短いです。


誤字脱字等ございましたらお気軽にご連絡ください。

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