第343話 対魔王軍会議1
ずっと出していなかった総合評価500p記念の短編を投稿しました。
興味のある方は後書きのURLからぜひお読みください。
本作のIFストーリーとなっております。
もし、作者がモノルワ(100話以上前に出ていた偽りの勇者)に転生したら。
という話です。
人生初の短編というのもあって、不慣れな部分もあると思いますがぜひお読みください。
「成功したのかしら?貴女、自分がどんな存在か分かる?」
私は目の前で膝まづいている少女に声をかける。
「主様に創造されたホムンクルスでございます」
「うん。ちゃんと成功しているようね。状況はどれくらい把握しているのかしら?」
「私の養分となった餌どもの記憶は掌握しております」
「なるほど。それなら話は速いわ。魔王様のために働きなさい」
「承知しました」
「とりあえず、私と一緒に来て頂戴」
「承知しました」
ホムンクルスは立ち上がり、私の後ろに控える。
うん魔力的に結構強そうだし、この魔道具は有用ね。
基本的に使う相手は敵だし苦痛はあえて残しておいてもいいかもしれない。
でも今回と同等の餌を何度も用意するのは難しいわね。
魔族達は私達からすればそこまで強くはない。
だけど伊達に4000年は生きていない。
その生命力は目を見張るものがある。
魔族は年月が経てばたつほど何もしなくても少しずつ強くなる。
無論所詮凡人なのである程度限度はあるが。
今回はそんな魔族達を何体も餌にしたのだ。
強くなるのは当たり前だ。
まだ能力を見ていないので、明確に断言はできないがレイメスが魔王様の褒美で頂いた神器で創ったとかいう悪魔の、確か名前はルイカだったかしら?
あの悪魔よりは強そうね。
「さて、愚か者の始末をしたし続きをしましょう」
「それで、陛下。我等はこれから何をすれば?」
「現状は今まで通りで構わないわ。表面上は他国に協力するけど、他国の人間を我が国にいれはしないから。今まで通り自分の領地を経営してくれればそれでいい。私が「黒蝶」であることは時を見て国民に発表するわ。それまではここにいるもの以外、たとえ家族であっても私の正体について口外することは禁ずる」
「「「「はっ」」」」
こうして謁見は終了した。
そしてこの日、バタフライ王国から恒久的に魔王への反乱分子が排除されたのだった。
宣戦布告の2日後
レイル視点
今日は会議の日だ。
セーラによると、使者を送った国の全てが会議に参加するとのことだった。
場所がないので、城で一番広いホールに机といすを並べた。
一応調度品は最高級品を使ってはいるが正直、万全とは言えない。
だがこの状況でそこを突いてくる国はいないだろう。
国家いや、人類の一大事なのだから。
今は会議に参加する者達が影達によってホールに集められている。
てっきりどの国も使者を寄越すものだと思っていたが半分以上の国が王本人が来ているらしい。
それほど、今回の状況を危険視しているのだろう。
どれだけ庶民の間で御伽噺扱いされていれも、さすがに王城にはちゃんとした歴史書くらいはあるだろうからな。
魔王を危険視しているのだろう。
だからといって、魔王軍の拠点に最も近い我が国に王が来るとは思っていなかった。
まぁあの魔法を見れば、居場所なんて関係ないと思わされるのも無理ないだろう。
「陛下、会議に参加する者が揃いました」
「あぁ、分かった。行こう」
近衛の言葉を聞いて、私は立ち上がりホールに移動して自席に座った。
視線が僕に集まる。
「まずは、我の呼びかけに応えてくれたことに礼を言う。我がナイト王国国王、レイル・ナイトだ。本当は参加させる使者殿達を紹介すべきなのだろうが、今回は緊急時故、割愛させていただきたい」
僕の言葉に皆頷く。
「よし、ではまずことの経緯の確認をしたい。宰相」
「はっ。一昨日正午、各国上空に突然映像が映し出されました。その映像には魔王を僭称する青年が映り、魔王国、魔王軍の復活を宣言。青年は1週間の猶予を与え、その間に降伏しなければ全てを蹂躙すると言い、映像が消失した。そして時を経ず魔王の使者を名乗る者がレイル国王に直接宣戦布告の書状を渡し、忽然と姿を消した。レイル陛下はこの事態を重く受け止め、対魔王軍への会議をすると宣言。バタフライ王国に協力を要請した。バタフライ王国女王シェール・バタフライ様は要請に応え、魔王軍に対する協力を惜しまないと確約してくださった。そして宣戦布告の翌日、各国にバタフライ王国によって貸し出された転移の魔道具を使用し各国に使者を派遣した。そして本日会議を開始。今に至ります。」
宰相の言葉を聞き、各国の使者が騒ぎ始める。
無理もない、留学こそ受け入れるものの他国と関わることに関して大陸一消極的なバタフライ王国の名が出たのだ。
その瞬間、空いたスペースに魔法陣が出現する。
「何だ?」
「魔法陣?」
「何かの魔法か?」
各国の使者が警戒する。
だけど、この魔法陣って確か……
魔法陣が光り出し、光が収まるとそこには一人の女性がいた。
「遅れてしまってごめんなさい。レイル国王」
「いえいえ、事前に聞いておりましたので。シェール女王」
そう、現れた女性はシェール女王だった。
魔法陣に見覚えがあると思ったが、シン君達が使っている転移魔法の魔法陣だったらしい。
どうりで直近で見た気がすると思った。
「こんにちは。バタフライ王国女王、シェール・バタフライ。今回、対魔王軍会議に参加させてもらうわ」
「あれが、バタフライ王国の女王」
「美しい」
「転移魔法。転移の魔道具があるからもしやと思っていたが……」
使者たちがさらに騒がしくなる。
「会議をとめてしまって、ごめんなさい」
「いえいえ。お席にどうぞ」
「失礼するわ」
そしてシェール女王は空いていた席に座る。
「さて、会議を続けよう。まず、正教国の使者殿。魔王について教えてほしい」
「勿論でございます。私、正教会枢機卿ダームと申します。魔王とは世界を滅ぼすとされる存在です。山を消し、海を割り、一軍を一撃で全滅さえ、神すらも殺す。そんな理不尽の権化です。魔王国とは魔王が起こした国であり国民は主に魔族ですが、エルフや人間もいたと伝承では残されています。魔王国は実力主義で強い者が偉かったとされています。魔王軍とは名の通り魔王が率いる魔王国の軍のこと。また実力主義故に魔王国の幹部が魔王軍の幹部でもあったようです。魔王国における幹部とは魔王直轄の存在のことであり、その中でも二つに分けられていたそうです。主に戦場にて攻撃をしかける十六魔将軍、その上に立つ七魔公。特に七魔公には恐ろしい伝説が多数残されています。また、魔王国では七魔公が魔王の次に偉く。魔王国は主に魔王と七魔公によって運営されていたそうです。魔王国は当時他国に侵略していたため、正教会が矢面に立って魔王国と戦争を行っていました。いつからかはわかりませんが戦争は4000年前、正教会の勇者ライトが魔王を討ち、正教国側の勝利で終わっています。以上が魔王についての情報です」
「ありがとう。ダーム殿。さて、これで魔王についての脅威は理解していただけたと思う」
使者たちは皆頷く。
「ここでナイト王国は一つ発表したい、既に正教国に発表されているがこの場でそれを認める。魔王は我が国の公爵家ソードロード公爵家の当主。シン・ソードロードだ」
「質問よろしいでしょうか?」
「勿論だ、ダーム殿」
「レイル国王はシン・ソードロードが魔王だと知っていたのでしょうか?」
「無論知らなかった。知っていたらそのようなことはしなかった」
「しかし、レイル殿はまだ未成年である魔王に公爵位を与えたようですが、それは何故でしょうか?」
「それは、我が娘セーラが関係しているのだ」
「セーラ王女殿下が?」
「あぁ」
さて、ここからが正念場だぞレイル・ナイト。
我は、いや僕はここでここにいる全員を騙しきる。
総合評価500p記念短編
平凡な日常を続け歩んでいたら自作小説の世界に転生してしまった!!
URL:https://ncode.syosetu.com/n1413jm/
興味があればぜひお読みください。




