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第336話 幹部たちの武器7

二日連続投稿なんて何日ぶりでしょうか?

私は今日、魔王様からご褒美を貰った。

私は魔力でいいって言ったのに、魔王様がそれじゃ足りないってプレゼントをくれたのだ。

それがこのネックレス。

魔王様から貰ったものだという事実だけで嬉しいのは当たり前だけど、そのネックレスについている宝石の色は漆黒。

魔王様の色だ。

魔王様は魔力も瞳も髪も黒。

どこまでも深い漆黒。

だからこそ黒は魔王様の色だ。

そして、魔王様に教えて貰ったこのネックレスの性能は凄かった。

どこでも魔王城の管理が出来て、魔王城の魔力が使えて、魔王城内にいれば私は不滅となる。

私はネックレスのことが知りたくて魔王城管理権限を使って解析した。

このネックレスの宝石は魔王城の核。

ならば管理権限で状態を調べることが出来るのだ。

結果としては分かったのは、管理に関しては出来ないことの方が少なかった。

今まで魔王城管理室でしか出来なかった仕事をいつでもどこでもこなすことが出来るようになった。

これなら魔王様に構ってもらいながら仕事が出来る。

これ、一番嬉しいかもしれない。

魔王城の魔力を使うこと。

これもかなり嬉しい。

魔王城の魔力の消費を自分で行えるならば、仕事がかなり楽になる。

それに、魔王城の抱える魔力は膨大だ。

それこそ魔王様や「災禍」の魔力量すら容易く凌駕する。

これを使えば、魔王様にあんなことやこんなことが出来る。

不滅化は私を魔王城と同化させることで不滅の存在にするというもののようだ。

魔王城とはただの城ではない。

魔王城には不滅という特性が存在する。

一時的に破損することがあっても必ず再生する。

恒久的な破損は魔王城にはありえない。

魔王城はそういった風に出来ている。

そしてその力を一時的に私に付与することで私の不滅を実現したというものらしい。

魔王様の発想は素晴らしい。

私は魔王様から貰ったネックレスを今後一切、何があっても外さないと心に決めたのだった。





シン視点


ルミネスにネックレスを渡してネックレスの性能を説明した後、俺とミコは魔王城管理室から離れて俺の自室に戻っていた。


「にしても、あのネックレスは実験しなくてよかったの?」


「あぁ、問題ない。あれはしっかりと機能している。円環と違ってあのネックレスは魔王城の核を使った。あれは究極的には魔王城だ。だから高位の魔王城管理権限があればすぐに状態が把握できる。それに使う時はすぐに来るさ」


「あれ、普通に便利だと思うんだけど私達の分も創らないの?」


「創っても意味ないな。あれを使いこなせるのはルミネスだけだ」


「というと?」


「あれは、人の身で扱えるようなものではない。魔王城の管理についてはともかく魔王城の魔力は自然魔力を増幅させたものであって魂で創られる魔力とは違いすぎるため身体が拒絶反応を起こし、使えない。だがルミネスは違う。ルミネスは元来、魔王城の管理のために創った存在だ。だから、ルミネスは魔王城の魔力に拒絶反応は起こさない。不滅化も同様だ。不滅化は魔王城の特性を一時的に付与するというものだが、それも俺達では拒絶反応を起こす。だからあれはルミネスにしか意味がないものなんだ」


「そうなんだ。で、魔王国の創造は粗方終わったみたいだけど、いつから始めるの?」


「今日、ガーナとアンデスに褒美を与えて、明日また皆を招集する」


「了解。シン、私やりたいことがあるから少し離れるわ。寝る時には戻るから」


「分かった」


そう言うとミコは「テレポート」で転移していった。


「さてと、とりあえず二人を「念話」で呼ぶか」


(ガーナ、アンデス。聞こえるか?)


(はい、聞こえます。魔王様)


(どうか、されましたか?)


(今大丈夫か?)


(私は問題ありません)


(私もです)


(じゃあ、玉座の間に来てくれ)


((承知しました))


(それじゃあ、玉座の間で待っている)


俺は「念話」を切った。

そして「テレポート」で玉座の間に転移した。

二人もすぐに「テレポート」で転移してきた。


「お呼びにより、ガーナ参りました」


「お呼びにより、アンデス参り増した」


「よく来てくれた。単刀直入に要件を言おう。二人へ褒美を与える。俺が創った武器が欲しいと言っていたが、何がいい?」


「「魔王様にお任せいたします」」


「そ、そうか」


なら、俺が二人のイメージに合う武器を創ろう。

まずはガーナから。

割とすぐにイメージ来たので俺は「武器創造」を発動する。

出来たのは手袋だった。


「出来たぞガーナ」


俺はその手袋をガーナに手渡す。


「ありがとうございます。鑑定しても?」


「勿論だ」


「私もしていい?」


「構いませんよ」


俺達は「超鑑定」を発動する。

結果はこうだった。


名前:冥糸

レベル:1

種類:神器

加護:超級メイド、創造神、魔王

スキル:万能糸創造、糸完全操作、特性付与、属性付与

適正属性:火、水、風、土、雷、光、闇

所持者:ガーナ・プロフェス

破壊不能


「糸、ですか?」


「あぁ、使いこなせたら面白いと思うんだ。その手袋をすればごく少ない魔力で糸を創造、操作できる」


「魔王様のご期待に応えられるよう、精一杯努力いたします」


「あぁ、楽しみにしている。せっかくだし、少しだけ使っているところを見せてもらってもいいか?」


「はい、やってみます」


俺は創造で適当な的を創る。

幸いにも玉座の間はそこそこ広いから、多少なら暴れても問題ない。

ガーナは手袋を両手に嵌める。


「「万能糸創造」「糸完全操作」「特性付与:斬」」


ガーナは3つのスキルを発動する。

ガーナの右手の手袋から一本の細い糸が伸びていく。

その速度は速く、一瞬で的を斬り落とした。


「面白いな。ならこれならどうだ?」


俺は「クリエイトゴーレム」を発動する。

そこそこの魔力を込めたので、結構強いゴーレムだ。

そのゴーレムに指示を出し、ガーナを襲わせる。

だが、ゴーレムは動かなかった。

ガーナは俺がゴーレムを創り出した瞬間に糸でゴーレムを拘束していたのだった。


「斬れろ」


ガーナがそう言った瞬間、糸の拘束が強まり糸はそのままゴーレムの身体をバラバラにした。


「見事だ。既に使いこなしているのではないか」


「いえいえ。魔王様から頂いた冥糸、まだまだ様々なことに使えそうです」


ガーナはそう言って笑った。


「次はアンデスだな」


俺はアンデスの武器について考える。

アンデスの強みはアンデットだ。

ならばそれを強化するものが良いだろう。

ここはシンプルにいこう。

俺は「武器創造」を発動する。

出来たのは杖だった。


「出来たぞ、アンデス」


俺は杖をアンデスに渡す。


「鑑定してもよろしいでしょうか?」


「勿論だ。ガーナも一緒に見てくれ」


「承知しました」


俺達は杖に「超鑑定」を発動した。


名前:死の杖

レベル:1

種類:神器

加護:死霊術士、創造神、魔王

スキル:アンデット超強化、アンデット特製付与、アンデット再生、アンデット蘇生

適正属性:火、水、風、土、雷、光、闇

所持者:ガーナ・プロフェス

破壊不能


「アンデスにぴったりですね」


「「アンデット超強化」は私の「アンデット強化」の上位スキルでしょうか?アンデットに特性付与?既に死んでいるアンデットに再生や蘇生とは、どういう力なのでしょう?」


「試してみよう」


「はい、とりあえず「アンデット創造:スケルトン」」


カタカタ


アンデスは「アンデット創造」を発動して、スケルトンを創り出す。


「まずは一旦走れ」


カタカタカタカタ


アンデスは創り出したスケルトンを走らせる。

普通のスケルトンより少し早い程度の速度だ。


「次に「アンデット強化」」


アンデスがスケルトン「アンデット強化」を発動する。

スケルトンの速度が目に見えて早くなる。


「重ね掛け出来そう「アンデット超強化」」


アンデスがスケルトンに「アンデット超強化」を発動する。

スケルトンがかなり速くなる。

常人では目で追えない速さだ。


「止まりなさい」


アンデスの指示を受け、スケルトンは止まる。


「ふむ、よさそうだな」


「非常に有用なスキルでしょう。次に「特性付与:火」」


次にアンデスは「特性付与」を発動する。

スケルトンが突然発火した。

しかしスケルトンは平然としている。


「面白いな。アンデットは火に弱いはずなのに、このスケルトンは燃えているのに平然としている」


「それだけではないようです。「ファイヤーボール」を撃て」


アンデスが指示するとスケルトンは手を前に突き出して「ファイヤーボール」を放った。

威力は低いが、普通のスケルトンが魔法を使うと言うだけで驚きだ。


「何発もは打てないようですが、付与した特性の属性魔法は使えるようですね」


アンデスはそう言いながらスケルトンに「ファイヤーボール」を放つ。

だが、スケルトンは平然としていた。


「そして、付与された特性への高い耐性も得るようです」


「驚いたな。ただのスケルトンがアンデスの魔法を耐えるとは」


「これは凄いですね」


「しかし、弱点もあるようです」


そう言いながらアンデスは「ウォーター」を発動して、スケルトンに水をかける。

それだけでスケルトンはバラバラになって死んでしまった。


「なるほど、弱点もできるわけか」


「そのようです。ですが、死んでくれたならちょうどいい「アンデット蘇生」」


カタカタ


アンデスが「アンデット蘇生」を発動するとバラバラになったスケルトンの骨が一人でに動き出し、元通りとなった。


「どうやら身体の8割が残っていれば蘇生出来るようですね。では最後」


そう言いながらアンデスはスケルトンに近づき、スケルトンに拳を加減して振るった。

スケルトンの一部が欠損する。


「アンデット再生」


アンデスが「アンデット再生」を発動するとスケルトンの欠損した部分が元通りになった。


「ふむ。砕いたアンデットが再生・蘇生するか。消費魔力は?」


「微々たるものです。既に回復しました」


「そうか。今回はスケルトンだからあまり意味はないが」


「もっと上位のアンデットなら脅威となるでしょう」


「素晴らしい力を頂き、ありがとうございます」


アンデスは頭を下げる。

そしてガーナも跪いて頭を下げた。


「「我等、魔王様より、褒美を確かに頂きました」」


「あぁ、その新たな力。俺に役立ててくれ。さて、ガーナ明日幹部を全員会議室に呼んでくれるか?」


「承知しました」


「ではまた明日」


そうして二人は「テレポート」で去っていった。

俺は何となく、玉座に座る。


「いよいよ、か」


前世はつまらなかった。

ただこの世界よりはずっと平和だった。

だがそれは完璧ではなかった。

4000年前に俺が創り出した平和も仮初に過ぎなかった。


「今度こそ、本当の平和を、実現するとしよう」

誤字脱字等ございましたらお気軽にご連絡ください。

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