第335話 幹部たちの武器6
お久しぶりです。
テストがまた近づいている作者です。
「これが、私の眷属です」
「それより貴女、大丈夫なの?血だらけだけど」
「問題ありません、傷に関しては私なら一時間後には治ります。魔力が空なのはどうしようもありませんが」
「とりあえず、貴女の力は理解できました。とりあえず今は休みなさい」
「なら、ルイカ。お前にレイメスの左隣の部屋をやろう」
俺は「メモリートレース」で魔王城内の情報を流し込んだ。
また、他の配下達に「念話」でルイカのことを周知させておく。
「ありがとうございます。そこの私の眷属はレイメス様の命令を忠実にこなす人形ですのでご自由にお使いください。では、失礼します」
そしてルイカはまたものすごい速さで去っていった。
「これ、どうしましょう」
レイメスが困ったように俺を見てくる。
「どうしましょうと言われてもな。とりあえず、上位のスライムの魂だったらどうなるのかを試してみたいし、とりあえず上位スライムを倒させてみたらどうだ?」
「いいですね。そうしましょう」
そして、俺達はフェスの案内で上位のスライム牧場に移動した。
そこからレイメスがルイカの眷属に命じてひたすら上位種のスライムを殺し、魂を集めていった。
結果にとして、上位のスライムの魂の方が効率が良いらしい。
具体的に言うと、普通のスライムより少ない魂で悪魔や魔剣を創れるようだ。
そこから他の魔物を狩ったりして、色々と検証した結果、どうやら強く賢い生物程魂の質が高く、効率が良いということが分かった。
結果、大量の悪魔や強い悪魔を召喚したいなら生物の中でトップクラスの知能を持ち殺しやすい人間の魂か、シンプルに強いドラゴンがいいという結論になったのだった。
その後、レイメスはまだ色々と試してみたいとルイカの眷属と魔境の奥に入っていった。
レイメスと別れて、俺とミコは「エリアテレポート」で魔王城に戻った。
「それでやることって、また誰かのご褒美?」
「あぁ、次はルミネスの褒美だ」
「ルミネス?魔力をあげてなかった?」
「魔力だけだとルミネスの働きに合わないからな。それとは別に何か褒美をあげようと思ってな」
「確かに魔力だけっていうのは、ルミネスの働きに対する褒美としては不十分ね。私なんて褒美関係なく血も魔力も貰ってるし。それで何をあげるの?」
「それは、まぁ後のお楽しみだ。まぁ、そういうわけでルミネスの元に向かっているわけだっと、ちょうど着いたな」
俺とミコは目的の部屋の前で止まる。
目的の部屋は魔王城管理室。
魔王城内の全ての情報が集約し、魔王城の大半のシステムが使える部屋だ。
ルミネスは基本的にここで魔王城の管理の仕事をしている。
と言っても、魔王城は汚れれば自動で清掃魔法が発動するようになっているし、もし何らかの原因で破損しても自動で直る。
なので普通の状態の維持をするだけなら、ルミネスが管理する必要はない。
ルミネスが行っているのは、魔王城の魔力の管理だ。
魔王城は常に周囲の自然魔力を吸収し続けている。
この吸収した魔力こそが魔王城の全ての機能のエネルギーとなっている。
無論魔王城全てのエネルギーを吸収した自然魔力で賄うことは不可能だ。
なので魔王城には大規模な魔力増幅装置がある。
この装置はとても巨大で時間はかかるものの、魔力を10倍まで増幅させることが出来る。
ただ、多量の稀少素材と長い年月をかけて当時の魔王軍幹部(シン、ミコ、セイ、ミーゼ、ゼーデ、ルミネス、シェール)が総出で作り上げた魔王城の中枢ともいえる装置だ。
なにせ魔力の増幅はこの世で最も魔力の扱いを得意とするミコでさえ出来ぬ所業なのだから。
ただこの装置、常に稼働し続けている。
魔王城の修復機能により壊れることはない。
魔王城はそれにより常に多大な量の魔力が常に生産されているのだ。
ただ、清掃魔法や修復魔法は必要時にしか使われない。
明かりや各種部屋の維持だけでは生産された魔力を使いきるには全く足りない。
ただ魔力を貯めこみすぎると何があるか分からないので適度に使う必要がある。
その使い道を考え、実行するのがルミネスの仕事だ。
例えば、空き部屋に新たな部屋を創ったり、魔力だけで増築したり、新たな機能を創り出したりなど様々でありそれらには莫大な魔力を消費するためルミネスはそれで適度に魔力を消費しているのだ。
まぁルミネスの仕事がそれだけというわけではないが、これが結構メインの仕事だ。
ちなみにだが魔王城で生産された魔力を自身の魔力として扱うことは出来ない。
魔王城で生産している魔力はあくまで自然魔力で合って、魂が創り出した魔力とはまた別物なのだ。
正確に言うと扱うこと自体は不可能ではないが、恐ろしく扱いづらく自身の魔力より効率が悪い。
更に、自然魔力は大抵の生命の魔力と相性が悪いので体内に取り込んだだけでも激痛が走る。
そういうわけで魔王城の自然魔力は使えないし、使わない。
っと話が逸れたな。
今はルミネスの武器だ。
魔王城管理室のドアには取っ手がついていない。
そしてドアの近くの壁に、明らかに材質の違う長方形の箇所がある。
俺はそこに手を触れる。
その瞬間、魔王城管理室のドアは自動ドアのように上にスライドして開いた。
ここに自由に入れるのは七魔公だけだ。
十六魔将軍ですら入れない。
別に十六魔将軍を信用してないわけではないが、事情を知らずに勝手に入って壊したりすれば俺でも修復が大変なものがたくさんあるからな。
俺とミコは魔王城管理室に入る。
するとすぐに管理室の扉は自動でしまった。
「ルミネス、いるか?」
「魔王様?何か用事?」
ルミネスが座っていた椅子から立ち上がり、近づいてきた。
「実はお前にプレゼントがあるんだ」
「プレゼント?」
「そう、前の会議での褒美。さすがに魔力だけじゃ悪いと思ってな。俺が用意したんだ。受け取ってくれるか?」
「勿論、魔王様から貰えるものならば何であっても嬉しい」
「ははは、そうか」
俺はそう言ってルミネスの頭を撫でる。
ルミネスが気持ちよさそうに顔を緩める。
可愛い奴め。
ルミネスは普段基本的に無表情だ。
だからこそ、こういう可愛い顔はレアだ。
(シン、それ後で私にもやって)
(分かった)
突然、ミコから「念話」が飛んできた。
ミコも頭を撫でて欲しいらしい。
まぁ別に構わないが。
俺は右手でルミネスを撫でながら、左手で「無限収納」からプレゼントを取り出す。
それは大きな黒い宝石の付いたネックレスだった。
そのネックレスをルミネスの首にかけてやる。
「よし」
俺は「無限収納」から更に手鏡を取り出してルミネスに見せる。
「このネックレスが、私へのプレゼント」
ルミネスがはにかむ。
余程嬉しいのだろう、ルミネスの顔がここまで歪むとは難しい。
「シン、そのネックレス。何なの?かなりの魔力を感じるんだけど」
「凄い力、感じる。魔王様、これ何?」
「そのネックレスはな、この魔王城そのものだ」
「「どういうこと?」」
俺のアバウトな説明に二人は疑問を口にする。
「そのネックレスの宝石は魔王城の核を一部砕いたものだ。だからそのネックレスについている宝石は魔王城と深く結びついている」
魔王城には核が存在する。
それさえあれば、例え建物が破壊されようともその核に魔力を込めればまた魔王城を創り出すことが出来る。
逆に言えば核を破壊されてしまうと、建物すべてが消失してしまうのだが。
その核を俺が再生できる範囲で砕いて「創造」と併用し、創り出したのがそのネックレスなのだ。
ちなみに魔王城の核の場所を知っているのは俺とミコ、ルミネスだけであり他の七魔公ですら知らない。
「そのネックレスを付けていればルミネスは例えこの魔王城管理室にいなくても、魔王城のありとあらゆる情報を知ることが出来、大抵の作業が出来る。更に、魔王城の魔力を多少効率は落ちるものの使えるようになる。更に更にそのネックレスを付けているとルミネスは魔王城内でのみ不滅となる。そしてそのネックレスは魔王城であるため、高位の魔王城管理権限を持つ俺かルミネスにしか外せない」
俺はかなり満足のいく品が出来たので気分よく語ってしまうのだった。
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