第334話 幹部たちの武器5
お久しぶりです。
テストは終わりましたが、また来月末にあるので忙しいです。
それと、現在本作を1話から読み直して、一部修正を行っております。
誤字脱字は勿論、最新話との矛盾、キャラクターが固まっていなかったからこその違和感などを直しています。
大きな変更はしませんが、一部変わっていることをご理解ください。
現在どこまで修正しているかは改稿時間で分かると思います5月26日以降に改稿していれば修正されています。
空き時間に少しずつ進めてるだけなのでお気になさらず。
また昨日、作品のあらすじを一部変更しました。
こちらも大きな変更はありません。
なるべく読みやすく、興味を持ってもらえるようにしました。
また、作品タグに共依存を追加しました。
上記の変更で不満等ありましたら感想で書いてくださると嬉しいです。
感想で頂いた要望は出来る限り応える努力はしますが、無理なこともありますのでご了承ください。
長々と失礼しました。
「強い」
ミコが呟く。
レイメスが創った悪魔が内包する魔力。
それはレイメスに匹敵するものだった。
レイメスは最上級悪魔と言っていたが、俺が今まで見てきた悪魔の中でレイメスの次に強い。
「貴女は何が出来るのです?」
レイメスが悪魔に問う。
「レイメス様のご命令とあれば、何でもいたします」
「そうですか。では、私と魔王様に仕えなさい」
「承知しました。しかし、私の優先順位はレイメス様が最上これは変えられません。また、私はレイメス様を害することは出来ません」
「それでよろしい」
「ふむ。忠実な使用人か」
「はい。ガーナをイメージしました。といっても性格までは決められなかったので、かけ離れていますが。能力的にはガーナに近いでしょう」
「そうか。とりあえず、そいつ、名は何という?」
「私に名は存在しません。魔王陛下」
「そうか。ではレイメスが名付けてやれ」
「では、ルイカと」
「ルイカ、か。良い名だな」
「素晴らしい名を頂き、ありがとうございます」
ルイカは優雅に頭を下げる。
「とりあえず、ルイカはレイメス専属の使用人ということにしよう」
「分かりました」
「それでレイメス、魔剣の方は?」
「そちらは魔剣の力にもよりますがスライムの魂1万から創れるようです。今は魔力がないので使えませんが」
「レイメス様、私にお手を貸していただけませんでしょうか?」
「構いませんが?」
レイメスはルイカに言われたように、手を前に出す。
ルイカはレイメスの手を自身の手で恭しく握る。
そしてレイメスに魔力を流していく。
ルイカは自身の全魔力をレイメスに流した。
普通の悪魔は魔力体であるため、全ての魔力がなくなれば消滅する。
しかし、ルイカは実体を得ているからか問題ないようだ。
それどころか、魂からどんどんと魔力が回復していく。
「ありがとうございます」
「いえいえ。私の全てはレイメス様より与えられたもの。それに比べれば今の魔力など些細なものです。私は一生をかけた貴方様にお仕えするのですから」
ルイカは平然と、だが少し嬉しそうに話す。
レイメスへの忠誠心もかなり高そうだ。
「それでは、試してみます」
レイメスは再び、腕輪の宝石に手をあてて魔力を流す。
宝石は光り出し、光が収まるとレイメスの右腕には一本の剣があった。
その剣からは魔力があふれ出ている。
間違いなく、魔剣だ。
レイメスはその魔剣で近くに残っていたスライムを斬る。
次の瞬間、レイメスが斬ったスライムが光り出した。
光が収まると、そこにはスライムの死骸はなく一匹の下級悪魔がいた。
下級悪魔はレイメスに跪いている。
「成功です。まちがいなく私のイメージした魔剣です。残っていた魂全てを使いましたが」
「どんな魔剣を創ったんだ?」
「斬った魔物を悪魔にし、私に従属させるという効果を持った魔剣です。スライム程度でも下級悪魔となります。もっと強い生物ならばもっと上位の悪魔になります。ただ人類には効果がありませんが」
「いや、十分に強力な魔剣だろう。実戦ではあまり使えないかもしれないが、戦力の調達として最高だ」
基本的に悪魔というのは人間からすればかなり強い。
勿論俺達魔王軍の敵ではない。
だが、人間の中では下級悪魔でも倒せるの上澄みだ。
ナイト王国でも下級悪魔を倒せるのは100人程度だろう。
それを無限に作り出せる魔剣。
普通に強い。
下級悪魔は自分で考えて行動できるほどの知性はないが、レイメスの指示通りに動くくらいなら出来る。
「しかし、魂を全て使ってしまいましたし、また集めなくては」
「お待ちください、レイメス様」
「何です?ルイカ」
「魂の収集、私にお任せください」
「しかし、円環をつけていないと魂を集めることは出来ませんよ」
「いえ、円環によって創り出された私ならばその繋がりを使うことで私が殺したものの魂を円環に集めることが出来ます」
「そうなのですか?ではお願いします。しかし、貴女は魔力がないでしょう」
「それに関しましては、そこの下級悪魔を頂いても?」
「なるほど、構いませんよ」
レイメスがそういうとルイカは下級悪魔に手を向けた。
その瞬間、下級悪魔は魔力に変換されルイカに吸収された。
「何をしたんだ?」
「最上級悪魔は弱い悪魔を魔力として取り込むことが出来るのですよ」
「それで魔力を回復したのか」
「それでは、失礼します」
ルイカはレイメスに頭を下げ、次の瞬間には消えた。
魔法やスキルを使ったわけではなく、単純な身体能力でこの場から走り去ったのだ。
かなりの速さだ。
一般人は勿論、魔王軍でもユキとロア、ツルギあたりでは目で追えなかっただろう。
それだけの速さだ。
まぁ、だからと言ってルイカがユキ、ロア、ツルギよりも強いかと言えばそうは言えない。
ユキの「快楽操作」や「性吸収」は俺にさえ影響を与えうるスキルだ。
ロアの「万物理解」は相手のことを余すことなく知り、有利に戦いを進めれるだろう。
ツルギに関しては、見えなくても攻撃された瞬間にカウンターで斬ることくらいはやってとけるだろう。
そういうわけで、まだ経験が乏しい三人も能力を見れば十分格上を相手出来る。
なので一概にルイカより弱いとは言えない。
まぁルイカのあの身体能力が脅威なのは変わりないが。
俺がそんなことを考えている間に、円環の宝石が薄く光り始めた。
「どうやら狩りを始めたようです。この薄い光は魂が保管されたことを表すものなのでしょう」
それからしばらく円環に魂が保管され続けた。
そして、
「今、保管している魂が100万を超えました。そろそろ戻ってきてもらいましょうか」
レイメスは「念話」を使って、ルイカを呼び戻した。
「ただいま戻りました」
ルイカはまた、かなりの速度で戻ってきた。
「お疲れ様です。この短時間で素晴らしい働きでした」
「お褒めに預かり、恐悦至極」
「褒美を与えます。望みを述べなさい?」
「で、では。私の配下を創り出す権利を」
「眷属を創り出す権利ですか?召喚するではなく?」
「はい、創り出す権利です」
「誰かと子を成すと?」
「まさか、私固有の能力によるものです」
「悪魔が生まれるのは女の悪魔が子を産むか、邪神が創り出すかの二択です。貴女はそれ以外の方法で悪魔を創れると?」
「はい、私は自身の全魔力と魂の半分を使うことで上級以下の悪魔を創り出すことが出来る固有能力を持っています。これは種族としての特性であるためスキルにはなっていませんが」
「悪魔王たる私ですら出来ぬ所業ですが」
レイメスは悪魔王の称号を持つ存在だ。
この称号は全ての悪魔を統べる存在であることを表しており、この称号の効果もあってレイメスは悪魔から攻撃を受けたとしてもレイメスがダメージを受けることはない。
また、ごく稀に悪魔が持っている固有能力もレイメスは影響を受けない、
ルイカはそのごく稀に見ることができる固有能力を持った悪魔らしい。
「私は魔王様がお創りになられた神器、円環によって創られた悪魔です。普通の悪魔とは違うのです」
「そうなのですか。魔王様。よろしいでしょうか?」
「あぁ、構わんぞ」
断る理由もないので承諾する。
「なら、見せてみなさい」
「では、失礼します」
そうしてルイカは自身の胸元に右手を突き刺した。
「ガハッ」
ルイカが吐血する。
ルイカは胸元から自身の魂を強引に取り出した。
更に吐血する。
魂は敏感だ。
あんなに強引に体外に出せばその痛みは想像を絶するものだろう。
あれだけ魂を雑に扱って吐血で済むのはルイカが強者である証拠だ。
ルイカは右手で持っている魂に対して、左手で手刀を繰り出す。
「あぁ」
ルイカは更に吐血し、手を突っ込んだところから血が噴き出す。
だがそのかいあってルイカの魂は二つに分けられた。
そして片方に魔力を与えて、元の4分の3程度まで魂を回復させた。
そして回復させた魔力をまた強引に手を胸元に突っ込んで体内に戻した。
ルイカはもう片方の真っ二つになっている魂を前に突き出す。
「我が魂を分けた眷属よ、ここに現れなさい」
その瞬間、ルイカに似たメイド服を着た悪魔が現れたのだった。
補足ですが、ルイカの悪魔創造はかなりの重労働であり常人なら自ら死を望むほどの激痛と大量の魔力を消費して行っていることなので出来て1週間に上級悪魔1体です(下級や中級の悪魔でよいなら数は増えます)。
また、ルイカが創造した悪魔は基本的にルイカの分身体のようなものでルイカの指示のみに大した思考もせずに従う人形です。
これはレイメスの円環による創造と区別するためです。
また、悪魔創造が出来るのは円環にてレイメスが創造した最上級悪魔のみです。
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