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第333話 幹部たちの武器4

コンコン


「レイメスです」


「入っていいぞ」


「失礼します」


ドアが開いて、レイメスが入ってくる。

既に魔力吸収は終えている。

ミコからそこそこの魔力を貰い、満足した俺はミコとイチャイチャしていたのだ。


「遅れてしまい。申し訳ございません。わざわざ部屋を訪ねていただいて」


「構わんさ。魔力や血を抜かれるのはなれるまで疲れるだろう。無理はするな」


「そうそう。慣れてる私達でも疲れるもの。慣れないレイメスが加減もまだ分からないレイカに吸われて疲れないわけないわ」


「ありがとうございます。それで、要件は?」


「お前の武器を創ろうと思ってな」


俺の言葉を聞き、レイメスの口角がわずかに上がる。


「楽しみに待っておりました」


「何か希望はあるか?」


「出来れば、普段私が使っているようなレイピアのような細剣がいいです」


「ふむ。レイメス。俺に一つ構想がある。作ってみるから試してくれるか?」


「勿論です」


「そうか。では早速創ろう」


俺は出来上がっている構想を強くイメージし、魔力を高める。


「創造」


俺は「武器創造」ではなく「創造」を発動する。

俺の手元が強く光り出す。

そして光が収まった頃、俺の掌の上には黒い大きな宝石が埋め込まれた腕輪があった。


「これは、腕輪ですか?」


「あぁ。レイメスつけてみてくれ」


「承知しました」


レイメスが俺の掌から腕輪を手に取り、左腕につける。


「一旦使う前に「超鑑定」しよう」


そして俺達は腕輪に「超鑑定」を発動した。

結果はこうだ。


名前:円環

種類:神器

概要:使用者が殺した生物の魂を回収、保管し、様々なことが出来る腕輪。保管されている魂を大量に消費し、使用者の魔力の半分を消費することで使用者の思い描いた悪魔を創り出すことが出来る。保管されている魂を大量に消費し、使用者の全魔力を消費することで使用者の思い描いた効果の魔剣を創り出すことが出来る。魂の消費量は創り出す悪魔、魔剣の強さや能力が強ければ強いほど多くなる。


「よし、しっかりと出来てるな」


「これ、面白い武器ね」


「悪魔を創る。というのはどういうことでしょう。召喚するのではなく?」


「まぁ、とにかく試してみよう。魂なら何でもいいから魔物を狩りに行くぞ」


「承知しました」


「それじゃあ。さっさと行くわよ」


ミコが「エリアテレポート」を発動し、俺たちは魔境の奥深くに転移した。


「おや、魔王様。このようなところに何の御用でしょう?」


すると、突然木々の中から声がした。


「フェスか。お前こそ何故ここに?お前たちの住処はここよりもだいぶ浅いところのはずだが」


「配下達のレベル上げです。ここら辺の魔物でないともう配下の中で強い部類の者達はレベルが上がらないんですよ。数名の配下にひたすら魔物を「テイム」させているので配下も増えてきおり、新参者には浅いところの魔物を狩らせてレベル上げをさせてるので浅いところの魔物を狩ってないわけではないですが。それに私達には「転移」のスキルがありますし」


「そうだったな。なら、ここら周辺の魔物は既に狩ってしまっているのか」


「もしや、魔王様もレベル上げを?ここら程度の魔物では魔王様のレベルは上がらないと思いますが」


「あぁ。レベル上げ目的ではない」


「では何を?」


「生物の魂だ」


「生物の魂?」


俺はフェスに円環の説明をする。


「それでしたら、良き場所がございます」


「良き場所?」


「はい。魂を集めるには絶好の場所です」


「ふむ。とりあえず、見てみよう」


「では「範囲転移」」


フェスがスキルを発動した瞬間、俺達の視界は変わった。


「フェス。今のスキルは?」


「はい。今のスキルは「範囲転移」。魔王様から頂いた「転移」のスキルからレベルアップにより派生したスキルです」


「ほう。レベルアップでスキルが派生したのか。それは珍しいな」


基本的にスキルが変わったり、派生したりするということはめったにない。

俺の統合進化は例外中の例外だ。

あるとしても自分の加護により、あるいは種族特性により得たスキルだ。

だがフェスの「転移」は俺がテイムした影響で使えるようになったスキルだ。

それは固有スキルではない。

それが派生するとは。

効果としては「エリアテレポート」とほぼ同じだが、有用であることは間違いない。

フェスはそこまで魔力が高くないからな。

魔法よりも魔力消費の少ないスキルで出来ることが多いのはいいことだ。


「それで、ここは?」


俺達の目の前には大量のスライムがいた。

だが、俺たちが来ても全く気にしていない様子だ。

俺達の視界がスライムで埋め尽くされている。

ざっと数十万匹はいるだろう。

興味本位で「サーチ」を使ってみる。

するとここら周辺には数百万匹のスライムがいるようだ。


「私たちが造ったスライム牧場です。テイムしたばかりのレベルの低い魔物のレベル上げのために用意したんです。スライムは魔力さえ与えれば無限に増えるので、ここにいるスライムに魔力をあげて、増やしているのです。更にテイムした最上級のスライムが数体おるのですが、「眷属生成」というスキルを持っており、やろうと思えば無限にスライムを生み出せるのです。なのでその子達には常にスライムを生成してもらいここに入れているのです。どのような生物の魂よいとのことでしたので、ここのスライムはどうかと。狩るのは簡単ですし、すぐに増やせます。ここに最上級の子はいませんので全滅させても問題ありません」


「いつのまにこんなものを」


「割と最近ですね。配下の中に建築などが得意なものが数人おりそやつらに造ってもらいました」


「そうだったのか。とりあえず、使わせてもらおう。後で俺が直すから多少壊してしまってもいいか?」


「問題ございません。他にも作ってありますので」


「そうか。ならレイメス」


「はい」


「恐らく円環は所有者であるお前が殺さないと魂を保管出来ない。とにかくここにいるスライムを狩りまくれ」


「承知しました「ウィンドカッター」×1000」


レイメスが風の刃を1000程放つ。

風の刃は一つにつき五体程のスライムを殺していく。

本来なら、スライムは殺されれば核を落とすだけだ。

しかし、今レイメスが殺したスライムからはひとりでに魂が浮いてきて、円環に吸い込まれていく。


「ほぉ。そんな感じで魂を保管していくのか」


「面白いわね。今までここまでの魂を見たのは初めてだわ。しかもひとりでに動くなんて」


円環は前世でいう掃除機のように魂をどんどんと吸い込んでいく。

レイメスは更に「ウィンドカッター」を発動し、スライムを殺していく。

そして次々に魂が円環に吸い込まれていく。

レイメスがスライムを5万体は倒したかというところでレイメスが魔法の発動を辞めた。


「魔王様。魂が1万程あれば下級の悪魔が、5万あれば中級の悪魔が創れるようです」


「ふむ。下級でも1万。中級で5万。そんなに必要なのか」


「コスパが悪いわね。魂が1万個でようやく下級悪魔一体だなんて」


「まぁそんなものだろう。スライムの魂だし」


「確かにそうですね。もっと強い魔物の魂ならもっと少ない数でよいのかもしれません」


「ここは普通のスライムの牧場ですが、上位種だけのスライム牧場もございます。そちらで試しては?」


「いえ。とりあえず、普通のスライムでやってみましょう」


そう言ってレイメスは再び魔法を放つ。

話している間にスライムはどんどんと近づいてきていた。

そいつらを殺し、魂を集める。

そして5分後、レイメスは再び魔法を放つのをやめた。


「10万で上級悪魔、40万で最上級悪魔を創れるようです」


「今どれだけ集まった?」


「52万程」


「そうか。なら、最上級の悪魔を創ってみてくれ」


「はい」


そうしてレイメスは円環の宝石に手をあてる。

レイメスは宝石に魔力を流していく。

レイメスの全魔力が宝石に注がれた瞬間、宝石から強く光が放たれる。

そして次の瞬間には、


「創造していただき、ありがとうございます。マイロード」


メイド服を着た、女性の悪魔がそこにいたのだった。

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この作品の番外編です。

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― 新着の感想 ―
更新ありがとうございます。 ひたすら狩られていく哀れなスライムたちよ……強く生きろ。 [気になる点] 「魔王様。魂が1万程あれば下級の悪魔が、5万あれば中級の悪魔が創れるようです」 って言ってるんで…
2025/05/18 13:05 騒音の無い世界
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