第323話 狂愛姉妹
昨日投稿できなくてすみませんでした。
レピアとライシュを勧誘した日、ミコとついイチャイチャしたらかなり遅い時間になってしまった。
普段のこの時間は2人はイチャイチャしているので、邪魔しては悪い。
ということでミコと二人で話して明日の朝「念話」で呼ぼうということになった。
なのでその日は俺とミコは寝るまでイチャついたのだった。
翌日
俺とミコはユアの部屋の前にいた。
今朝、起きて朝の身支度を終えたところでミコが「念話」でユアに話があると伝えたんだが、諸事情で動けないから部屋に来てほしいと言われたらしい。
よくわからないが、まぁとりあえず大した手間でもないしということでユアの部屋に来たのだ。
コンコンコン
「入っていいわよ」
「失礼する」「失礼するわ」
俺達は扉を開けてユアの部屋に入る。
そこにはベッドに座りこんでいるユアとそれを介抱している様子のユイがいた。
「えぇっと、どういう状況だ?」
「「、、、、」」
二人が顔を赤らめながら、黙り込む。
二人のベッドのシーツはグシャグシャ、ベッドの近くの机の上にある見覚えのある瓶。
腰を痛そうにしているユア。
俺とミコは察してしまった。
「すまない、野暮なことを聞いた。朝から突然押しかけてきてすまんな」
「気にしなくていいわよ。シンもミコも私たちがイチャイチャしている時は絶対邪魔しないもの」
ユアはそう笑って許してくれた。
「それで、何の用?必要なら私は部屋から出るけど」
「いや、その必要はない。今日の話は2人共に関係があるからな」
「「私達、二人共に?」」
「そうだ。単刀直入に言う。ユア、ユイ。俺の部下になってくれ」
俺の言葉に二人は目を見開いた。
予想していなかったのだろう。
「それは、私達を魔王軍に勧誘している。ということかしら?」
「そうだ」
「魔王軍に入ることで私達にデメリットは?」
「多少の書類仕事が出来るが、ユアが学園で捌いている仕事から考えれば微々たるものだ」
「受けるわ」
ユアが即答した。
「勧誘しておいてなんだが、そんな即答していいのか?」
「元々、私達は魔王軍でもないのにシンの友人というだけで魔王城に住まわせてもらっていた。今までみたいな少人数ならともかく、シン達は魔王国再建に力を入れ始めた。城に住む人も増えてきた。そんな中で私達はよそ者だから遊んで暮らすだなんて、さすがに悪いわ」
「それに関しては2人が負い目に感じる必要はない。二人は俺達の大切な友人だし、魔王軍の者が二人にしてることなんて家事くらいだ」
「でも私たちは魔王軍に何もしてないわ」
「友人に住処も提供できない俺ではない」
「シンが気にしなくても、私は気になるのよ」
このまま話しても平行線だな。
話題を変えよう。
「まぁ、とにかく俺が言いたいのは俺が二人を勧誘しているのは実力と人格面で信用できるからだ。だが、俺は2人の友人だし、無理にとは言いたくない」
「それこそ気にしなくていいわ。確かに私達は友人、だけど、私もユイもシン達には大恩がある。それは、一生を使って返して然るべきもの。少なくとも私はそう思ってるわ」
「私もお姉ちゃんと同じ」
「大恩って、大したことはしてない」
「シン、確かにシンからしたら大したことじゃないのかもだけど、シンがくれた力は普通に生きていたら一生努力を続けても得られなかったものよ。その力の価値は私達からすればとても高いの。それこそ一生を費やしてしかるべきね。まぁ私達は我儘だから、シンに全てを捧げることは出来ないけど」
そうしてユアは苦笑した。
ユイはユイで少し嬉しそうだ。
相変わらず、お互いへの愛は今もなお強くなり続けているらしい。
「当たり前だな。お前たちが俺に全てを捧げるだなんて言い出したら俺はお前たちの正気を疑うさ。ユアはユイの、ユイはユアの物そうだろ」
「「勿論」」
「はぁ、話を戻す。ユア、ユイ。魔王軍に入ってくれるか?」
「「はい、よろしくお願いします」」
そうして二人は頭を下げた。
「そうか、ありがとう。まぁ気楽にすればいい。ミコもセーラもゼミルもミーゼもいるし、極論魔王軍は実力があればある程度認められるからな。それに二人は幹部になってもらうし」
「「え?」」
二人が呆けた声を出す。
そういえば、十六魔将軍にって話はしてなかったな。
「後だしのようで悪いが、二人には十六魔将軍っていう魔王軍の幹部になってもらう」
「え、それ大丈夫なの?私達入ったばかりなんだけど」
「別に問題ないさ、さっきも言ったが実力的にも人格的にも二人は十分に幹部として認められるからな」
「それに、大丈夫よ。魔王軍、魔王国は実力主義だから力で黙らせてもいいし、最悪私やシンを気軽に呼び出してくれたらいいわ」
「そう、ありがとう」
「そういう機会がないことを願うわ」
「まぁ、詳しくは追ってまた共有する。とりあえず魔王軍についてだけの知識だけ渡してもいいか?」
「「大丈夫」」
俺は2人の了承を確認して「メモリートレース」で魔王軍についての知識を共有した。
「ふーん。十六魔将軍って私が思ってたよりも結構色々な権利があるのね」
「普通にナイト王国での公爵家くらいの権力と特権があるみたい」
「まぁ、幹部が大体俺が気に入った奴だからな。特権は出来るだけたくさんにしているんだよ。それに下の奴等はその特権を欲して上に行こうと努力するしな。目標にもなるんだよ」
「まっ、結局シンが気に入るってことは何かしら特筆した才能があることばかりだから、凡人がいくら努力しても上にいくのはほとんど無理なわけだしね。前はそういう努力で実力をつけた人達の幹部枠として十六魔将軍を創ったわけだし。まぁ、しっかりシンの制御下に置くためにシンが信用している人を二人上位の席として入れてあるわけだけど」
「へぇ、十六魔将軍を創った目的ってそういうのだったんだ。思ってたのよね、幹部だけなら七魔公だけで十分だし、幹部があまり多すぎたら何かを決めるときとか大変じゃないかなって」
「別に大変なことはないわね。魔王軍って何かを決めるのは大抵その内容の担当かシンだから。色々な人で意見を言い合うってこともないし」
「へぇーそうなんだ」
「にしても、魔王軍の幹部になるだなんて数年前には思いもしなかったわ」
「本当にね。人生ってものは分からないものだわ」
「だからこそ、人生というのは面白い。まっそれを感じ楽しめるのは強者の特権だがな」
「結局、この世界は強さが重要だしね」
ユイがそう何かを思い出すように言う。
そんなユイを見て何かを理解したらしいユアはユイを抱きしめる。
俺にもミコにも二人が何を思っているのかは分からない。
が、推測は出来る。
結局面白い、楽しいという感情はその者の余裕から生じるものだ。
そしてこの世界で余裕を感じには一定の実力が必要だ。
俺は元々この世界の存在だが、前世で地球のそれも日本という平和を過ごした。
そのおかげでこの世界が如何に強さが重要かと言うのを理解できた。
俺は常に強者の立場にいた。
俺は未だに弱者の立場というのは正確には理解できない。
前世で一般人に殺されておいてなんだと思うかもしれないが、弱者として見下されたりした経験はないのだ。
常に人より上の立場にいた、といった方がいいかもしれない。
だがユアとユイは違う。
俺と出会う前の二人は、特にユイは弱者の立場を強要された。
だからこそ、強さの重要性を深く理解しているのだろう。
恐らく二人は、弱者であった頃を懐かしみ強者となりお互いへの愛を自覚し関係を持ったことを、改めて喜んでいるのだろう。
俺はミコの方を見る。
ミコも俺の方を見ていて、お互いの頷きあった。
そして俺達は2人に気づかれないように「テレポート」で俺の部屋に戻ったのだった。
次話でこの章を終わらせます。
巻き返しカウント:124話
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