第319話 淫魔女王と公爵級吸血鬼
お久しぶりです。
テストが終わりました。
巻き返しが恐ろしいですが、少しずつ自分のペースで頑張っていきたいと思います。
俺とミコは「エリアテレポート」でバタフライ王国に来ていた。
「結局、留学を終えても割と頻繁に来ているな」
「そうねぇ」
俺とミコがそんな話をしていた次の瞬間、俺の前に魔法陣が現れた。
「エリアテレポート」の魔法陣だ。
魔法陣が光り、ユキとロアが跪いて現れた。
いつのまにか、周りに人がいなくなっている。
「魔王様、お久しぶりにございます」
「久しいな。ユキ」
「はい」
「して、その者が噂に聞くお前のガールフレンドか?」
「ガールフレンドなんて、ロア」
「魔王国国王「崩壊」ゼロ・コラプス・クリエイトブレイク様。お会いでき、光栄です。神々すら滅ぼし、世界最強と謡われ、世界に平和をもたらした、御方にお会いできる日が来ようとは思ってもおりませんでした。私、ユキの友人である。バタフライ王国カケメ男爵家当主。ロア・カケメと申します」
「ミコから聞いた通りの知識量だな。司書神の加護。だったか」
「はい、私は司書神の加護を受けております」
「そうか。さて、今日は2人に用があるんだ。大事な話なので安全な場所でしたい。魔王城に来てくれるか?」
「「承知しました」」
二人がそう言った瞬間、「エリアテレポート」が発動され魔王城の謁見の間に転移した。
「ここが、魔王城」
ロアが目をキラキラとされている。
ユキも前に来た時は玉座の間だったので、周りをキョロキョロとみている。
ぶっちゃけ、玉座の間も謁見の間も大きな違いはない。
魔王城には内装がそっくりな部屋というのがいくつもある。
昔は使い分けたりしていたが、部屋が増えすぎて管理したりする方が面倒になり結果的に気分で用途にあった部屋を適当に選ぶことになっているのだ。
「して、ロア。お前は「万物理解」というスキルが使えると聞いたが」
「はい、使えます
「どんなスキルなのか、聞いても?」
「大丈夫です、「万物理解」はその名の通り対象の全てを理解することが出来ます。「鑑定」の超上位スキルだと思っていただければ」
「なるほど。先に言っておくが、魔王城や俺、俺の持っている物に「万物理解」を使うのは構わない。ただ、この城にいる俺以外の物に「万物理解」を使うのはやめておけ」
「あ、私にも使っていいわよ」
「よ、よろしいのですか?」
「「むしろ気になるし」」
「そ、そうですか。そ、それでは魔王城から「万物理解」」
そうしてロアは「万物理解」を使った。
ロア視点
私の知っている中で最も高い技術を持っている国は魔王国だ。
その国の城に「万物理解」を使える日が来ようとは思わなかった。
私は魔王城を対象に「万物理解」を発動する。
「うっ、あっ」
私の頭の中に膨大な情報量が流れてくる。
4000年前に魔王様たちの圧倒的な技術で創られた無限に成長する城。
その情報量をそこらの建物の比ではない。
恐らく経験的に古代龍ですらここまでの情報量はないだろう。
魔王城は単に古いだけではない。
この城は核を中心として魔力と神力で構成されている。
その核は、まるで魂のようだ。
だが、昔「万物理解」を使ったダンジョンコアに近い部分もある。
が、それと同列視するには烏滸がましいくらいの力だ。
私は更に深くまで核を理解しようとする。
その瞬間、
バチンッ
「キャッ」
「ロアッ」
ユキが思わず倒れてしまった私を抱きかかえて、倒れるのを止めてくれた。
「「万物理解」が、強制解除された?まさか、こんなこと今までなかったのに」
私は初めての出来事に混乱したのだった。
シン視点
「ミコ、今の。何だと思う?」
「スキルの強制解除、かしらね」
「強制解除、か。ミコ、どう思う」
「何ともいえないけど、そういうのをするとすればアレしかないでしょ」
「そうだな。ロア、どこまで見れた?」
「この城が4000年前に出来たこととこの城が魔力と神力で構成されていること。そして核の簡単に概要までは」
「その概要とは?」
「魂やダンジョンコアに似た力を持つ、それらよりも遥か上位の物であると」
「なるほど。そこまでか」
「凄いわね。核の概要まで「スキル」を使っただけで簡単にとはいえ理解できるだなんて」
「その才能。計り知れないな」
「ありがたきお言葉」
「さて、ロア。単刀直入に言おう。俺の配下になる気はないか?」
「あります」
「そうか、ユキ、ロア」
「「はい」」
「知っているかもしれないが、魔王軍の最高幹部は七魔公という。だが、その下に十六魔将軍という役職がある。これも幹部扱いされる役職だ。この度十六魔将軍14名の内この4000年で14名が滅んだことが確認された。そのため、俺たちは今新しい十六魔将軍のスカウトを行っている。二人さえよければ二人とも十六魔将軍になってもらいたい。勿論、色々なメリットはある」
俺は「メモリートレース」で十六魔将軍になるメリットを共有する。
「質問があります」
「何だ?」
「魔王様は何故私を十六魔将軍に?魔王様と私は今日が初対面です。ユキが選ばれるのは分かります。ユキは純粋強さこそ不足がありますが信用できるし絡め手などが得意ですし、人柄もご自身でしっかりと見ているため問題ない。しかし、魔王様は私の実力も人柄もほとんど知らないはずです。そのような者を何故十六魔将軍なんて幹部に?」
「理由はいくつかある。一つは4000年前は十六魔将軍は純粋な実力を重視していたんだ。だが、それらは結局馬鹿をして破滅した。だからこそ、今回俺は強さだけでなく人格なども大きく考慮している。まぁ強さや優秀さで選んだものがいるのは否定できないがな。ユキの人格に関しては言わずもがな。俺とミコが二人とも面白いと感じる奴なんて中々いないからな。ロア、お前の人格に関しては確かに俺はお前についてあまり知らない。だが、お前は俺が面白いと思ったユキが、七魔公で最も人を信用しないシェールを簡単に信用させ、俺の最愛が問題なしと判断したんだ。俺がロアの人格を疑うわけがない。実力は確かに知らない。だが、ロア。お前は「万能理解」があるだけで世界に一人しかいない稀有な才能を持っているのだ。ならば、たとえ実力がなくてもそう言った方面で活躍が十二分に期待できる。だからお前を選んだのだ」
「なるほど、理解しました」
「さて、ユキ。十六魔将軍になってくれるか?」
「はい、承りました」
「ロア、俺に忠誠をつくし十六魔将軍になってくれるか?」
「はい、私はユキに愛を魔王様に忠誠を捧げます。私はユキの物となる予定ですので私の全てを魔王様に捧げることは残念ながらできませんが、出来る範囲で期待に応えられるよう努力いたします」
「ロア」
ユキが目を見開いて驚いている。
「ふ、はははは。ロア、訂正しよう。お前の性格、気に入ったぞ。俺の目の前で同等と別の者に全てをあげるから俺に捧げるのは無理。だなんていう奴は今までいなかった。さすがはユキに選ばれたものだ。ユキ」
「はいっ」
「俺が言えたことではないが、素直になれよ。あまり待たせてやるな」
「、、、、、はい」
「ユキ」
ロアが嬉しそうにユキを見る。
これが、甘酸っぱいという奴なのかもしれない。
「さて、話はこれだけだ。どうする?幹部なった以上魔王城に部屋を与えるが、今日からここに住むか?カケメ男爵領ならシェールに言えばどうとでもなるから気にしなくていいぞ」
「ロア、どうする?」
「私としては住みたい」
「OK。魔王様、ここに住みたいです」
「分かった。すぐに部屋を用意しよう」
「「ありがとうございます」」
「ガーナ」
「はっ、ここに」
俺の背後に突然現れたガーナに二人は驚いたようだ。
それを見てミコが笑っている。
「二人に適当な部屋に案内してくれ。隣同士で。壁は厚い方がいいだろう」
「承知しました。壁に関しては以前ルミネス様が変えられたらしく、全ての部屋が完璧に遮音されるようになっているため問題ないでしょう。並べることに関してもほぼ無限に部屋が増えるので大丈夫でしょう」
「そうか、頼んだ。あと、案内が終わったらもう一度ここに戻ってこい」
「承知しまし。では、失礼します」
そうして俺はガーナにユキとロアを任せるのだった。
近々いい加減500p記念の短編出します。
巻き返しカウント:120話
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