第313話 精霊召喚
お久しぶりです。
長い間休んでしまってすみません。
簡単に言うと、体調不良とテスト前の塾の増加とスランプが全部一気に来てこんなことに。
とりあえず、これからもできるだけ投稿はしていきます。
エンリを召喚した翌日、俺とミコは精霊召喚室という部屋に来ていた。
ここ数日で3回目の召喚だ。
これで一応、十六魔将軍にする者を召喚するのは最後だ。
今回召喚する者は精霊。
精霊には天使と同じように、下級精霊、中級精霊、上級精霊、最上級精霊という位階と、火、水、風、土、雷、光、闇という7つの属性が存在する。
そして、各属性の最上級精霊の頂点に存在するのが精霊王、あるいは精霊女王だ。
これらは各属性に1体しか存在しない特別な存在であり、その時代に存在したその属性の中で最も強力な力を持った精霊が精霊王や精霊女王となる。
また精霊王や精霊女王は自分の異界を創る能力があり、精霊の多くは自分属性の精霊王、精霊女王が創った世界で生活している。
この世界にいるのは大抵が下級精霊や中級精霊くらいだ。
これは全ての精霊は自身の属性の精霊王、精霊女王の眷属であるからだ。
強力な力を持った精霊は主である精霊王、精霊女王が創った世界で生活するのだ。
たまぁに、変わり者の上級精霊や最上級精霊がこの世界にいたりするが基本的には強い精霊は主が創った異界にいるのだ。
まぁ、ぶっちゃけやることは悪魔や天使と変わらない。
召喚して、契約するだけだ。
精霊召喚の魔法陣はこの部屋の床に描かれている。
悪魔や天使もそうだが、精霊も魔力を非常に好む。
精霊はお手軽で魔力さえあれば割と簡単に召喚出来る。
ただ、召喚に最低限必要な魔力が悪魔や天使と比べて馬鹿みたいに多いので、精霊召喚の魔法はほとんど使われない。
まぁぶっちゃけ、レイカもエンリも召喚に滅茶苦茶大量の魔力を使ったので今更誤差だ。
ミコと一緒だし、どうとでもなる。
「それじゃ、さっさと召喚してしまおう」
「そうね、にしても精霊召喚って久しぶりね」
「そういえば、一時期ミコ精霊魔法にハマってたよな」
「あぁ、あったわね」
精霊魔法とは精霊召喚を組み込んだ魔法のことで、精霊を召喚しその精霊に更に魔力を与えることで臨んだ結果を生み出すことが出来る魔法だ。
ちなみに精霊魔法の魔法陣には「メモリートレース」の魔法陣も取り込まれていて、自身のイメージを直接精霊に共有することが出来る。
精霊魔法はまず、魔法陣が術者のイメージを叶えるのに最も適した位階、属性の精霊を自動で選択し召喚。
その精霊に魔法陣を介して魔力を与えることで一時的に契約し、魔法陣から術者のイメージを精霊に共有することで精霊がそのイメージ通りに魔法を使う、というものだ。
この魔法の良いところは精霊魔法の魔法陣を一度描き精霊を召喚して契約してしまえば与えた魔力に釣り合う分はその精霊に出来るならば何もしなくてもイメージ通りに行使できる点と、どれだけ簡単な魔法陣でもどれだけ複雑な魔法陣でも魔法の発動速度が一緒になるという点だ。
これは精霊の性質にあり、精霊は自分の属性に非常に高い適性を持っており高位の精霊となれば自分の属性ならば神話級だって使う個体も過去に存在したと文献に残っているくらいだ。
ミコは一気に大量の精霊を召喚して、敵を包囲。
そこから同一の魔法を自分で行使するのと合わせて数千から数万一斉に打ち込み、敵を絶望させるのにハマっていた。
それをしたのは一回や二回ではない。
一番酷かったのが、精霊魔法で水の精霊を大量に召喚して大量の渓谷にいた敵に「ビッグオーシャン」とか「ウォーター」とかでひたすらに水を注いで敵数万を渓谷で溺死させたことだ。
あれはなかなかに地獄絵図だった。
その後、水を蒸発させるために大量の火の精霊を召喚して「ファイヤ」だの「インフェルノ」だのを使っていたのも含めて。
あの時の敵は溺死というかなりしんどい死に方をし、死体は生焦げにさせて放置されるという。
ちなみにその者等はスケルトンキングだった時のアンデスに全員スケルトンにされ、今もアンデスの配下にいる。
どこにいるのだろうか?今世ではそいつらは見ていないが。
まっいっか。
「それじゃあやろう」
「えぇ」
そうして俺とミコは魔法陣に魔力を流す。
ひたすらに、限界ギリギリまで。
俺とミコの魔力は膨大だ。
それを一気に魔法陣に流し続ける。
この魔法陣が描かれた床は魔王城の床。
魔王城の壁は床は世界最高硬度を目指して作ったため滅茶苦茶に感情だ。
きっとこの床でなければ、床が魔力に耐え切れず壊れただろう。
そしてレイカを召喚した時やエンリを召喚した時の倍ほど魔力を注いだ。
もう俺の魔力の9割強注いだ。
ミコも割合的にはそれくらいだ。
魔力を回復するポーションなんかも存在するがあまりにも効率が悪い。
一応常にスキルで光速で回復しているのでその分を注ぎ続ける。
「ミコ、吸っていいぞ」
「分かったわ」
ミコは俺の首筋に歯を立てて、俺の血を飲んでいく。
ミコは俺の血を飲めばかなりの魔力が回復する。
俺がこれ以上出来るのはミコに俺を差し出すことくらいだ。
「んっ」
俺の身体の中から血が抜かれていく。
魔力を流しながらの吸血自体は珍しいことでもないが、こんな状態でというのはあまりないから少し新鮮だ。
そして、そろそろきつくなってきたので俺はミコの背中に軽く2、3回たたく。
「ぷはっ」
ミコが俺の首筋から口を離す。
「残り、全部注ぐ」
ミコは俺から吸った血を全て魔力に変え、それを魔法陣に祖注いだ。
俺も残っている1割の魔力も全て注いでしまう。
こうして尋常じゃないほどの魔力を注いだ。
基本的に召喚魔法は魔法陣に注いだ魔法陣が多ければ多いほど召喚される生物が強くなる。
だが、精霊魔法は少し特殊で量は勿論だが質なんかも滅茶苦茶気にされる。
「っく」「眩しっ」
魔法陣が見たことがないほど光り出す。
これだけの魔力を込めれば無理もないか。
俺とミコは咄嗟に目を瞑った。
そして数秒後、俺達は目を開ける。
そのころには光が少しずつ弱くなっていた。
そして魔法陣の上には一人の小さな女の子がいた。
その女の子は身長や体格的にどう見ても小さな少女にしか見えない。
だが、少女は一切の感情を窺わせない無表情で大人びて見えた。
身長だけなら小学校高学年くらいの高さ。
だが、その女の子から明確に力を感じる。
どうやら相当高位の精霊らしい。
「貴方達が私を呼んだの?」
「あぁ」
「貴女を召喚したのは私達で間違いないわ」
「そう、何が目的?」
「何、俺は今配下を探していたな。強力な配下をスカウトするために召喚しているのだ」
「それで、私を?」
「あぁ、お前を俺の配下に勧誘したい。見たところ相当な強さのようだし。報酬は召喚に使用した俺とミコの魔力。どうだ?」
「私と、契約。面白い、でも」
女の子は笑った。
その瞬間、俺達の周りの景色が変わった。
どうやら、異界に呼ばれたらしい。
つまり、
「なるほど、精霊女王か」
「そのようね」
「ふふ」
女の子はまた笑った。
「私に勝てたら、報酬なしで無条件で貴方に忠誠を誓う。けど、逆に私が勝ったら貴方達二人私の配下」
「はは、面白い。受けてたとう」
「シン、頑張って」
ミコが笑いながら俺を応援してくれる。
だが、それに女の子は首を傾げた。
「何を言っているの?二人同時で、来て」
その言葉を俺達は理解できなかった。
今までそんなことおを言われたことがなかったからかもしれない。
どうやら、俺達はこの少女に認められているらしい。
「ハンデのつもりか?」
「そうではない。ここは私の世界。そして貴方達は召喚に魔力の全てを使って空っぽ。だから二対一で対等」
少女はそう当たり前と言わんばかりにそう言った。
「はっ、それならその言葉」
「後悔させてあげる」
俺は神魔と王魔を、ミコは吸魔をそれぞれ取り出した。
そうして謎の精霊少女と俺とミコの戦いが始まる。
巻き返しが一話分減っていますが、それは過去のミスが判明したためそれを修正しただけです。
過去話まで手が回らないのでここから修正させてください。
それでも100を超えてるわけですが。
巻き返しカウント:104話
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