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第311話 魔吸人

最近一話の分量がちょっとずつ増えてる。

純粋に嬉しい。

レイカが滅望人を辞めた翌日。

俺、ミコ、レイメス、レイカは魔境に来ていた。

レイカの実力を知るためだ。

正直魔物程度じゃレイカの力をしっかりと測ることは不可能だろうが、まぁしょうがない。

正確に測る機会は用意するつもりだし。


「そういえば、姉上の種族って何になったんです?」


「魔吸人って種族だったわ。聞いたことがないのだけれど、レイメス知ってる?」


「魔吸人、私も聞いたことがありませんね。魔王様は何か知っておられます?」


「聞いたことがないな。だが、予想は出来る。恐らく、今のレイカは俺とミコの魔力で肉体が構成されている。俺の半人半魔の性質とミコの吸血姫としての性質を受け継いだ種族なのだろう。魔力を吸収したいと思ったり、血を飲みたいって思ったりしないか?」


「あ、する。魔力は今までも食べたいって思ってたけど血は今までなかったから結構新鮮」


「レイメスから血を貰えばいい。吸血の相手は信頼できる方がいいからな」


吸血は無視できるものじゃないし、快楽に悶えている姿なんて信頼できない人に見せたいものじゃない。


「魔王様じゃダメなの?勿論、無理にとは言わないけど」


「別にかまわな」


その瞬間、俺の真横からとんでもない殺気がレイカに向けて向けられた。


「ま、魔王様から血を貰うのはやめておくわ」


レイカは苦笑いだ。

殺気を向けたのはミコ。

ミコはこういう時、独占欲を発揮するのだ。

俺の血が関係すれば余計。

一応契約は血肉を好きに、と言ったんだが。

まぁ、直接の吸血は嫌だという話なのだろう。


「魔力はやるさ。まっ、多分レイメスの方が美味しいと思うが」


「そうなの?」


「まっ、それは食べれば分かるさ」


俺もミコほどではないが、魔力に関しては詳しい。

だから分かる。

レイカはレイメスの魔力と滅茶苦茶相性が良いということが。

魔力のおいしさ、というのは魔力の相性で決まる。

俺の魔力はミコが食べればかなり美味しいらしいが、そこらへんの一般人が食べたら滅茶苦茶不味いだろう。

俺の魔力には破壊と創造の力が含まれているからな。

レイカとの魔力の相性は悪くないようなので、普通においしく感じると思うがレイメスの魔力の方が美味しいだろう。

俺やミコの魔力の方が効率や強さを気にしないなら、美味しい物の方がいいからな。


「それじゃあ、レイメス。お城に帰ったら血と魔力頂戴」


「はぁ、わかりました」


「ふふ、楽しみにしてる」


この会話だけでも二人が互いに深く信頼していることが分かる。

つい最近8000年ぶりに再会したとは思えない。

こう見ると本当に姉弟のようだ。


「実際、姉弟みたいなものでしょ」


「今更だけど、平然とミコは俺の思考を読むよな」


「勿論、私はお兄ちゃんの妹だもの」


そういうミコの表情は自慢気だ。

ミコのこんな態度を見るのは久しぶりだ。

4000年前はよくこんな態度をしていたが、転生して兄妹ではなくなった今は久しくしてなかったんだが。

多分、レイメスとレイカをして久しぶりに妹ぶりたくなったのだろう。

正直今の俺はミコのことを純粋に妹とは思えない。

が、俺の中のミコの兄としての気持ちがなくなったわけじゃない。


「そうだな。お前は俺の自慢の妹だ」


そう言いながらミコの頭を撫でる。

ミコは気持ちよさそうに目を瞑る。

こういうの、4000年前はよくやっていたが最近やっていなかった。

これはこれで心地よい、定期的にしよう。

俺は密かにそんなことを思うのだった。


ガォォォォォ


「来たわね」


突如、ライオン型の魔物が俺達を襲ってきた。


「囲まれていますね」


しかも群れで。

ここは魔境のかなり深いところだ。

俺達でさえ数匹狩ればレベルが上がるであろうくらいに強い魔物が出る。


「それじゃあ。皆は見てるだけでいいわ。すぐに終われせる」


レイカが俺達の前に出た。

邪神を容易に殺す実力。

見せてもらおうか。





レイカ視点


魔王様と「災禍」様に力を見せる。

あと、レイメスに最近情けないところを見せてばかりなのでかっこいいお姉ちゃんだと思われたい。

周りにいるのは大型の魔物。

数が多いからとりあえず、数を減らそう。


「死ね」


次の瞬間、私の身体から赤黒い魔力が噴き出す。

そういえば、今までは魂が邪神の影響を受けて、邪神の悪意が結集したような黒い魔力だったけど。

今は独特な赤黒い魔力だ。

何か変化が起こっているのだろうか。


バタッ


私の魔力に触れた瞬間、魔物が死んだ。

どうやら効果に変わりはないようだ。

むしろ、以前よりも操りやすくなった。

魔力は広がって私の目の前にいた魔物はどんどん倒れていった。

私は移動する。

はっや、今までよりもめちゃ速い。

身体の使い方も覚えてないと。


「燃えろ」


私の目が光る、次の瞬間には視界にいた魔物が死体も残さず燃え尽きた。

これは私の権能の一つだ。

魔物は二方向に固まってる。

私は地を蹴って移動し、手前にいた魔物を一発殴る。


ドドドドドドドドド


殴った魔物は他の魔物を巻き込んで吹っ飛んだ。

気配からして巻き込まれた奴ふくめて全員死んだようだ。

最後の一方向。

私は羽を出して空を飛ぶ。

普段はしまっているが、たまに羽で飛ぶのは気分が良い。

残っている魔物はざっと10匹程度。

接近した私はそれに触れていく。


バタバタバタバタバタバタ


残っていた魔物も全員倒れた。

これである程度は実力を見せれただろう。





シン視点


これは、想像以上だ。

レイメスよりも強いとは聞いていたがここまでとは。

見た感じだが、レイカの皮膚はレイカの意思一つで触れた格下を即死させる効果を持たせることが出来るようだ。

敵を骨すら残さず燃やしたあれは、使用時に目が光っていたから何等かのスキル。

もしくは権能だろう。

だが、それらに頼っきりなわけでもなく身体能力も異常に高い。

文字通りレベルが違うのもあるが、恐らく「超強化」した俺達でやっと同等レベルだろう。

まぁ俺達には即死と燃える奴は効かないだろうが。


「期待以上だった。レイカご苦労。お前の実力はある程度理解できた。今日は付き合ってくれてありがとう。俺とミコはここで魔物を狩るが二人はどうする?」


「私は帰る。レイメスの血と魔力を吸わなきゃだし」


「私も帰ります。姉上に血と魔力を差し出さなきゃならないので」


「ふふ」「はは」


本当、この二人は姉弟のようだ。


「あぁ。分かった。じゃあな」


二人は「エリアテレポート」で魔王城に帰っていった。


「仲良いわね」


「あぁ。助けてよかったと心から思う」


俺とミコはしみじみとそう話すのだった。





レイカ視点


私は「エリアテレポート」の魔法でレイメスと私の部屋に転移した。

割とさっきまでは誤魔化していたが、自室に戻って気がゆるんだらしく抑えていた衝動が解放される。

私はレイメスをベッドに押し倒した。


「姉上?」


ベッドに押し倒されるとは思っていなかったらしくレイメスはかなり動揺しているみたいだ。


「血と魔力。頂戴」


「ちょっと、姉上。いくらなんでもこの態勢はまずっ」


私はレイメスの首筋に歯を突き立て、血を吸う。


「んっ」


な、なにこれ。

美味しすぎる。

それに、気持ちぃ。

口に美味しさで満たされ、脳が快楽に溺れた。

私は夢中で血を吸う。


「はぁ、はぁ」


血を吸うのにある程度満足した私は次に魔力を欲した。

レイメスを強く抱きしめる。

魔力吸収を触れている面積が大きい方が効率が良いと聞いたことがある。

ただ、本当は服を脱いでお互い生まれたままの姿が一番効率が良いらしいがさすがにそれはハードルが高いので今はこれで我慢だ。

レイメスの魔力をひたすらに吸収していく。

既に快楽で溺れていた脳が、また別種の快楽にしびれる。

私は更に魔力を欲する。

魔力吸収を効率よくする方法はいくつかある。

その代表的なのは接吻と性行為だ。

さすがに性行為はハードルが高い。

が、接吻くらいなら、レイメスも許してくれるだろう。


「レイメス、レイメス、レイメス」


レイメスの唇に自身の唇を重ねて魔力を吸い取っていく。

あぁ、きもちぃ。

そして結局私はひたすらに魔力を吸い続け、快楽によってか気づけば意識を失っていた。

レイメスも魔力を吸われ続けて疲れたようで眠っていた。

結局私とレイメスが起きたのは魔王様たちと魔境に行った3日後だった。

作者、兄妹、姉弟、姉妹ものもいけます。

BLが無理なため兄弟は無理です。

作者が兄妹ものに目覚めたきっかりは一つのアニメでした。

それのシーンとかも近いことしたいなって思ってます。

お楽しみに。

巻き返しカウント:94話

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