第298話 三対三の摸擬戦3
遅刻しました。
すみません。
ミーゼに大量の神話級魔法を放つ。
パリンパリンパリンパリンパリンパリン
ミーゼの結界が割れる。
私はすぐに「神速」を発動してミーゼに接近する。
キンキンキン
吸魔と再魔がぶつかり合う。
近接戦の技術に大した差はない。
「ミーゼ」
ヨルが突然ミーゼの影に現れた。
「シャドウテレポート」を使ったのだろう。
「流星神即死刃雨」
大量の殺魔がヨルに向かって放たれる。
「神速」
セーラはヨルに接近する。
ヨルはセーラが抑えてくれる。
なら、私がさっさとミーゼを始末しないと。
リーフェも無限にシンを拘束できるわけじゃないだろう。
「ミーゼ、行くわよ」
「神速」でミーゼに接近する。
「ブラッドコントロール」
血を操って、それを放つことでミーゼの動きを阻害する。
「ワンハンドレットスラッシュ」
100の斬撃をミーゼに放つ。
しかし、ミーゼは避けようともしない。
斬撃はミーゼを気づ付けるが、一瞬で再生されてしまった。
ミーゼもミーゼで強くなっている。
「神霊吸姫天命弾」
極大の魔弾がミーゼを襲う。
「これは、まずいか。「聖女結界」「聖女の祈り」」
ミーゼの周囲に結界が展開され、更にそれが強化される。
先ほどまで展開していた結界よりも圧倒的に強固だ。
恐らく新しく創ったミーゼのアーツだろう。
「防がれたか。なら」
「神速」を発動し、地を蹴ってミーゼに接近する。
「ガハッ」
何だ、体が痛い。
斬られた?
あり得ない。
痛みの種類すらわからず、ただ痛い。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い。
「死ね」
再魔が振られる。
キン
「ミコ、大丈夫?」
セーラが聖剣で再魔を防いでくれたようだ。
「下がるわよ「聖邪殺姫天命砲」「エリアテレポート」」
「っく」
セーラが極大の魔弾を放ってミーゼを牽制する。
ミーゼが怯んだ隙にセーラは「エリアテレポート」で私が敵から距離のある場所に転移してくれた。
「リジェネレーション」
セーラが「リジェネレーション」を賭けてくれ、謎の痛みは消え失せた。
「はぁ、はぁ。セーラ、助かったわ。情けない姿見せたわね」
「構わないわよ。それにしても、大丈夫?」
「分からないわ。急に身体中に物凄い激痛が走って」
「ミコが動けなくなるほどの激痛って、一般人ならショック死するレベルじゃない」
「とにかく、気を付けて」
「分かった」
私とセーラはミーゼとヨルを確認する。
ヨルがリーフェに接近して攻撃をしかけ、ミーゼが拘束魔法を解除していった。
「ふぅ、助かった。無様を見せたな」
「いえいえ、まだまだこれからです」
「あぁ、そうだな」
シンとミーゼがリーフェに接近する。
シンの剣がミーゼの魔法がヨルのナイフが一気にリーフェに襲い掛かる。
「しまった、リーフェが」
私がそう言葉にした瞬間には、もう遅かった。
リーフェの崇魔がひとりでに開かれ、全方位に神話級魔法が放たれる。
だが、ミーゼとヨルの足止めは出来たがシンは放たれた神話級魔法「サン」を神魔と王魔で木端微塵に切り裂いてリーフェに近づき。
リーフェの心臓を突き刺した。
誰がどう見てもリーフェは絶命した。
「やられたわ」
「ならやり返しましょう」
私とセーラは「神速」で移動する。
狙うのはヨル。
二人がかりならば殺れるだろう。
「永久拘束」
私は無理に殺そうとせずにヨルの拘束を優先する。
「させるか」
シンが斬撃を飛ばしてくる。
私はそれを躱す。
ここで殺しにかかっていたら、どこか一か所くらいは斬り落とされていただろう。
そんなタイミングの速度の攻撃だった。
だが、役目は果たした。
私は移動しながらシンに魔法を放つ。
速度重視で大した威力でもない、けどシンが無視できない程度の威力の魔法だ。
「っち」
シンは回避したり剣で斬ったりして、魔法を防ぐ。
私の役目は足止め。
「死ね」
ヨルの元に「神速」でセーラが近づき、エンハルトでヨルの心臓をつく。
ヨルは死んだわね。
「セーラ、一度下がりましょう」
「了解」
私とセーラ「神速」でシン達がから距離をとる。
「これで二対二ね」
「ミコ、私がミーゼを抑えるからシンを頼めるかしら?」
「了解。勝った方が加勢してそのまま勝利をもぎ取りましょうか」
「それじゃ、行きましょ」
私とセーラは別れる。
私はシンに、セーラはミーゼに接近する。
戦いは最終局面を迎える。
シン視点
ヨルがやられた。
二対にの構図だ。
ミコが俺に接近してくる。
セーラがミーゼに接近していることから、各個撃破でいくつもりなのだろう。
「ミーゼ、時間を稼げ。ミコを倒せたら、協力してセーラを倒そう。俺が死んだら、蘇生を試みてくれ」
「了解」
俺は近づいてくるミコに剣を振るう。
ミコは「神速」でそれを避ける。
「神化」
俺は出来る限り身体能力を引き上げる。
「シン、死になさい」
ミコが俺の心臓に吸魔を突き刺そうとする。
俺はそれを王魔で防ぐ。
神魔をミコの首を斬ろうと振るう。
だがミコは強引に動くことで体勢を変える。
俺は首を斬るのを諦めて左腕を狙って神魔を振るう。
神魔はミコの左腕を斬り落とした。
次の瞬間、俺の首に激痛が走る。
吸魔でも魔法でもない攻撃。
「ふふふ、美味しい」
ミコの斬り落とした腕が生える。
くっついたのではなく生えてきた。
更にミコの魔力が目に見えて強まる。
俺は首をミコに噛みつかれ、吸血されたのだ。
普段の吸血は気を遣ってくれていると分かる。
ミコは俺の首を嚙みちぎるほどの力で血を吸ってくる。
「吸血」
ミコは普段使わないスキル「吸血」まで使って血を吸ってくる。
身体に快楽が流れて、力が抜ける。
今の状態だと身体能力でミコに押し負けるだろう。
だが、何もできないわけじゃない。
「サーチ」で戦況を確認する。
セーラとミーゼはつばぜり合いを行っている。
ミーゼは聖剣や殺魔に滅茶苦茶斬られているが高い再生能力で耐えている。
ミコを見ると、ミコは理性を忘れてひたすらに俺の血を吸ってくる。
血と一緒に魔力まで吸われていく。
このままじゃ俺は死ぬだろう。
ミコ相手に魔法を放っても無駄だろう。
俺は無言で「神器召喚」を発動する。
召喚するのはグングニル。
だが、これはミコに投げるわけじゃない。
この状態で槍だと上手く使えるわけもない。
じゃあ俺はどうするのか。
俺は「サイコキネシス」でグングニルを操り、投げる。
投げた先はミコではなくセーラだ。
ミーゼへの攻撃に夢中で無防備なセーラにグングニルが衝突する。
ドカァァァァァン
グングニルが直撃したセーラは隙を晒す、それを見逃すミーゼではなくミーゼは再魔でセーラの心臓を突く。
セーラはすぐに回復魔法を使うが、効果がない。
「なんで」
セーラが焦る。
それは更に大きな隙となりセーラの頭に再魔が刺さった。
セーラは死んだ。
「魔王様」
ミーゼが俺達の方に駆けつけてくれる。
ミコはミーゼが近づいてきていることどころかセーラが死んだことにすら気づかない。
吸血に夢中になりすぎだ。
「ミコ、死んで」
気配を消して間近くに移動してきたミーゼが再魔でミコの心臓を潰す。
「ガハッ、なに?」
ミコはようやくミーゼに気づいてミーゼを見る。
拘束が緩まった俺は死に絶えになりながら神魔と王魔を振るう。
「あっ」
俺の剣はミコの身体を切り裂き、ミコの命を奪った。
ブーーーーン
《試合が終了しました。これより蘇生を開始します》
闘技部屋の機能で試合の終了を宣言し、死んだミコ、セーラ、ヨル、リーフェに自動で蘇生魔法が発動される。
「ふぅ、魔王様。お疲れ様です」
「あぁ、ミーゼもお疲れ様。最後助かった」
「いえいえ」
「それと敬語と魔王様呼び、戻ってるぞ」
「まだ完全には慣れなくて、集中してるとつい」
「はは、そうか」
俺とミーゼは皆が蘇生するまでそう談笑した。
三対三の摸擬戦は俺達の勝利で幕を下ろした。
久しぶりの戦闘描写疲れた。
巻き返しカウント:77話
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