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第294話 リーフェの本気装備

14時間30分の遅刻。

許してください。

「それで、結局服の方は修道服でいいんだな?」


「はい」


「武器は何か希望はあるか?」


「いえ、ありません」


「了解。リーフェの戦闘スタイルは魔法主体だったよな?変わってないか?」


「はい、変わってません」


「そうか、それじゃあ俺の好きなようにさせてもらう」


「お願いします」


俺は目を瞑る。

リーフェの戦い方を思い出しながら、修道服をイメージする。


「創造」


俺は「創造」を発動する。

そしたたっぷり5分間かけて黒く様々な装飾が施された修道服を創り出した。


「出来たぞ」


俺はその修道服をリーフェに渡した。


「「鑑定」しても?」


「勿論だ。俺もする」


「では、「鑑定」」


リーフェはそう言って「超鑑定」を発動した。

まだ新しいスキルに慣れていないのだろう。

俺達も「超鑑定」を発動する。

結果はこうなった。


名前:狂崇拝(きょうすうはい)

レベル:1

種類:神装

加護:聖女の加護、勇者の加護、魔王の加護

スキル:多重詠唱、無限神速魔力回復、魔法威力超上昇、魔法命中精度超上昇、魔法発動速度超上昇、道具格納、魔力吸収、変化、鑑定阻害、姿偽装、無限再生、自動浄化

耐性:超魔法耐性、超物理耐性、状態異常全反射、自然影響無効

適正属性:火、水、風、土、雷、光、闇

所持者:リーフェ・フェイス(変更不可)

破壊不能


「これは、凄い。さすがです魔王様。これほどの物をくださるだなんて。着てもよろしいでしょうか?」


リーフェは目をキラキラと輝かせながら俺に聞いた。


「勿論だ」


俺がそういうとリーフェはまた今現在着ている修道服をその場で脱いだ。


「だから何でここで脱ぐの?「ドレスチェンジ」を使いなさいよ」


「あぁ、久しくこの修道服から着替えることがなかったので、忘れていました」


この世界では風呂というのは前の世界よりも浸透していない。

平民はそもそも風呂を持っていない場合がほとんどだし、下級貴族の家でも風呂がないことは別に珍しいことではない。

つまり風呂とはそもそも大商人や上級貴族、王族などの特権階級に位置する物に許された娯楽なのだ。

平民など風呂がない家では大抵水浴びだ。

ただこの世界には魔法がある。

「クリーン」を使えれば、入浴など本当に娯楽でしかない。

そして「クリーン」は無属性下級魔法、平民でも使える者は多い。

まぁそういうわけでこの世界の住民は毎日風呂に入るという意識は割と薄かったりする。

まぁミコ達幹部は毎日自主的に入ってくれている。

何でも俺が不快だと感じる事象をほんの少しであっても排除したいからだそうだ。

主人重いの配下を持てて俺は幸せ者だ。

そしてリーフェは基本的に4000年前は毎日しっかりと風呂に入ってくれていた。

ただそれは俺を気にしてだ。

俺がおらず一人で過ごしていた数千年の間は「クリーン」で済ませていたのだろう。

そりゃ服を着替える理由なんてないだろう。

普通に服なら4000年もの間そのままの姿を維持することなんて不可能だが、今着ている修道服もありあわせで創ったとはいえ頑丈性は折り紙つきの代物だ。

普段服を着替えないのなら「ドレスチェンジ」の存在を忘れても無理はない、のかもしれない。


「あぁ、もう手早く着替えてくれ」


俺は自棄になってそう言うのだった。

リーフェは手早く狂崇拝に着替えてくれた。


「これでどうでしょうか?」


リーフェは自身の姿を俺に見せる。

先ほども今も着ている服は黒の修道服だが、今回は滅茶苦茶デザインにこだわった。

装飾も多くリーフェのイメージに合うように創った。

俺としてはリーフェに最高に似合っているしかなり良いできだ。


「可愛いわ」


ミコもリーフェを褒める。

リーフェは普通に美少女だ。

というか俺の配下は皆顔が良い。

まぁ、この世界。

何故か強者は顔が良いものが多いからな。

レベルとかが関係しているんだろう。

さすがにそんなことを調べる気にもならんし。

まぁとにかく狂崇拝を着たリーフェは可愛い。

まぁ、リーフェは人を殺しているときが一番輝いているが。


「ありがとうござ、ありがとう。シン、ミコ」


「いやいや、それじゃあ武器を創ろうか」


「はい、楽しみです」


俺は目を瞑る。

最初はシンプルに剣にしようかとお思ったが、リーフェのスタイル的に剣で近接戦闘の幅を広げるよりも主力である魔法戦闘の幅を広げ、強化する方がいいと考えた。

魔法使いの武器と言えば、一番最初に思い付くのは杖だ。

だが実を言うと俺は杖が好きでない。

この世界で杖とは基本的に魔力を流すことで魔法発動の補助や威力増加をしてくれる道具として使われる。

だが、俺が直接武器を創って与える者。

つまり幹部たちは魔法発動に補助なんて不要だ。

むしろ杖に魔力を流す分発動の時間が数秒だが長くなる。

威力増加というのも、わざわざ杖という形をしている必要はない。

他にも色々と方法や魔法威力を増加させる物はある。

それを装備や武器につけたり埋め込んだりすればいいだけだ。

なのに杖というのは特殊効果がつけづらい。

それ単体に魔法以外の攻撃を強化する物がないからだ。

再魔のような十字架ならまだ色々と機能の付けようはあるが、杖は本当に扱いづらい。

実際に高位の魔法使いで杖を使う者なんてほとんどいない。

というわけでリーフェの武器として杖は却下だ。

ならば何にするか?

俺が出した結論は本、正確に言えば魔導書だ。

魔導書とは魔法の補助や威力増加を行うことの出来るものだ。

ちなみに魔道具の仲間というものもいればアーティファクトの仲間だという物もいる。

正直俺としてはどちらともいえない。

魔導書と杖。

どちらも魔法の補助、強化を行えるものだが原理は全く違う。

魔法使いが使う杖とはただの棒ではなく、魔法触媒と言われる宝石が埋め込まれているものを指す。

この魔法触媒に魔力を流すと魔力の波長が変質し、魔力が操作しやすくなる。

その結果魔法の補助が出来たり、魔力の微妙なロスが減るので魔法の威力が増加したりする。

それに対して、魔導書は違う。

魔導書とは魔法に秀でたものが、特殊な神と特殊なインクと自身の膨大な魔力を使い魔法陣とその魔法の詳細を描いた物のことを指す。

その魔法陣に自身の魔力を流すことで自分では使えないような高度な魔法や固有属性の魔法を使うことが出来る。

また、魔導書の作成者本人が使うことで魔法陣を描く工程を省略することもできる。

だがこれは現代のは存在しない。

正確には存在するかもしれないが、可能性は低い。

魔導書とは俺たちがバタフライ王国で研究したスクロールや魔法石の上位互換と言える。

ならなぜ俺たちが魔導書を作らなかった、いや作れなかったのか。

それは簡単だ。

魔導書を作るのに使う小さな場所に緻密な魔法陣を描けるインクも魔法を何度発動しても問題ない紙もまったく分からず、そもそも魔導書に魔法陣を描く技術さえもロストテクノロジー、失われた技術だからだ。

4000年前でさえ確認されていた魔導書はたったの2冊だけ。

しかもその二冊とも消息不明だ。

先ほど話した魔導書作成の工程も、魔導書の研究者たちが出した一番有力な仮説というだけだし間違いの可能性もある。

俺達はスクロールや魔法石を創るときに「転写」を使ったが、過去に一度魔導書を見たときがあったが「転写」のような魔法でやった形跡はなかった。

だが今の俺には創造神の加護と力がある。

ゼロから手作りは無理だが「武器創造」で魔導書、いやそれ以上の物を創る。


「武器創造」


そして俺はたっぷり10分程時間をかけてイメージを固めて、「武器創造」を発動した。


「出来た」


それは黒と紫の装飾ながなされ、禍々しいオーラを放っている。

神導本崇魔、俺の魔力の6割をつぎ込んだ神器だった。

今日こそは、時間通りに出す。

巻き返しカウント:77話

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