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第293話 リーフェとミコの二人の秘密の会話

昨日投稿できなくてすみません。

疲れたー

「あら、もう朝ね」


夢中で話していた中、カーテンの隙間から漏れてきた陽光に気づいたセーラがそう言った。


「もうそんな時間か」


「結局ずっと寝ずに過ごしちゃったわね」


「私はもう帰るわ。また遊びに来る」


「いつでもどうぞ」


「セーラは寝るの?」


「そうねぇ、ちょっと寝ようかしら」


そう言いながらセーラは私の部屋を出ていった。


「あ、魔王様から「念話」が来た。ミーゼ、私も失礼するわね」


「えぇ、いつでも遊びに来ていいわよ」


「ありがとう」


そうしてリーフェも部屋を出ていった。


「はぁ、私も寝よ」


そうして私は眠りについたのだった。





シン視点


俺は昨日、ミコに吸血されミコの魔力を吸収して二人で寝てしまった。

俺とミコはほぼ同時に目覚め、朝の支度を済ませた。

「サーチ」を使ったところ、リビングには誰もいなかったので久しぶりにミコと二人きりで俺の「創造」で創った朝食を食べた。


「さて、今日はリーフェの本気装備を創らないとな。ミコは一緒にいるか?」


「勿論」


「それじゃあ、製作部屋に行くか。リーフェは起きてるかな?」


「起きてるわよ。ミーゼの部屋でセーラとミーゼと話してたみたい」


ミコが「サーチ」をして確認してくれたようだ。

ちなみにだが、魔王城内では「サーチ」や「テレポート」などの一部の魔法は幹部以外使えないようになっている。

まぁ七魔公レベルの魔王城管理権限を使えば、「アンチマジックエリア」を使わなくても自分の部屋や共用の部屋で魔法を使えなくすることもできる。

まぁそもそも魔王城に敵が入ってきたことなんて片手で数える程度だから使ったことなんてほとんどないが。


「了解」


俺はそうしてリーフェに「念話」をした。


(リーフェ)


(魔王様?何でしょうか?)


(褒美を与えるから製作部屋に来てくれ)


(承知しました)


そうして俺は「念話」を切った。


「それじゃあ、俺達も移動しよう」


そうして俺達は製作部屋へ移動した。

ちなみにだがこの製作部屋には大量のアーティファクトや魔道具が置いてある。

アーティファクトは研究のために、魔道具は大抵試作品だ。

魔王時代の俺は「創造」のスキルがなかったから、何か武器を創るときは色々な素材を魔法や魔力で弄ったりして作っていた。

ちなみにこの製作部屋は基本的に俺とシェールが使い、幹部でないものは立ち入り禁止だったりする。

ただこの部屋とは別に研究所と製作場という場所が魔王城にはあり、魔王軍の研究者や生産職はそこで働いていた。

ちなみにシェールはそっちの方にもよく顔を出していた。


「あら、シン。これなに?」


ミコが目に入った魔道具を手に取る。

それは俺がかなり以前に作った試作品だった。


「あぁ、それは黒氷の杖と言ってな。ミコの氷属性魔法を俺も使いたいなと思って魔道具の力を借りてミコの氷属性魔法に近いことをしたいなと思ったんだが、失敗したやつだな」


「失敗したの?」


「あぁ、それを使って出来るのは水を凍らせることだけだ。ミコのようにゼロから氷を創り出せるわけじゃないから明確な失敗だな。まぁ一応水さえあるならばミコの氷属性魔法よりも圧倒的に少ない魔力で広い範囲を凍らせることが出来るって利点があるんだが、そんな機会ほとんどないからそこに乱雑に置いてあるんだ」


「なるほどね。シンと私の魔力が混じったような感じがしたから違和感を持ったのよ」


「あぁ、作るときにミコの魔力に近い波長で作ったからな」


コンコン


俺達がそんな雑談をしていると製作部屋がノックされた。


「入っていいぞ」


「失礼します」


そうして製作部屋にリーフェが入ってきた。


「昨日は醜態をさらして、申し訳ございませんでした」


リーフェは入室早々、謝罪してきた。


「そんなことは気にしなくていい。あと、俺のことはシンと呼べ。敬語もいらん」


「あ、私のこともミコでいいわよ。勿論敬語もなしで」


「ミーゼとセイから聞いていた通りだ。しょ、承知しました。シン様、ミコ様」


「様もいらないだが、まぁいいか。今日お前を呼んだのはお前の褒美のためだ」


「褒美、ヨルと同じようにと言いましたがヨルは何を望んだのでしょうか」


「本気装備だ」


俺の言葉にリーフェは目を見開く。


「よ、よろしいのですか?」


「あぁ、構わんよ。これは褒美なんだから遠慮することはない。俺は転生してそれが容易になるスキルを手に入れたんだ。今の現状を知ってもらいたいから記憶を渡そう「メモリートレース」」


俺は「メモリートレース」を発動して、リーフェに転生してからの大まかの記憶を渡した。


「こ、これは。なるほど、魔王様の新たな御力、理解しました」


「それじゃあ早速やっていこう。何か希望はあるか?」


「でしたら」


リーフェは突然、着ていた修道服を俺の前で脱いだ。

今更だがリーフェの服装は黒を基調とした修道服だ。

魔王軍に入った時に俺がありあわせの素材で作った物だ。

そういえば昨日も着ていた。

というかリーフェがこれ以外の服を着ている姿を見たことがない。


「魔王様、これを本気装備にすることは可能でしょうか?」


リーフェは平然とそう言ってのけたが、今リーフェは下着姿だ。

今この魔王城に男は俺だけだ。

レイメスは調査に出かけているし、幹部でないものは今現在はバタフライ王国で普通に仕事をさせている。

なので急にこの部屋に男が入ってくるということはない。

ミコが咄嗟に「アンチマジックエリア」を発動した。

これで突然転移してくるという事故も防がれた。


「リーフェ、年頃の乙女がそのような姿を男に見せるというのは駄目だと思うんだが?」


「年頃って、私はもう4000歳を超えているのですよ。私の種族は人間ですので老婆も老婆です」


「いや、肉体は年頃の乙女で止まっているのだから少しは恥じらいなさい。貴女まさか、他の男の前でも平然とそんな姿に」


「なるわけないでしょう。私そもそもこの3000年は人類と関わってなかったですし、さすがに魔王様以外の男にこのような姿は見せませんよ。でも私は魔王様の物なんですから、魔王様に死ねと言われれば死にますし、脱げと言われれば脱ぎます」


リーフェはそう平然と言う。

そうだった、リーフェは極度の人間嫌いなのもあって逆に心を許した存在の近くでは自分にかなり無頓着になるのを忘れていた。


「とりあえずこれを着なおしてくれ」


「何故でしょうか?それを本気装備にすることは魔王様にとって何か不都合が?」


「いや、出来はするが」


俺はとにかくリーフェに服を着て欲しい。

ただそれだけだ。

変わりの服を渡すことも考えたが、今は目のやり場に困って「創造」しても普通の服しか創ることができないだろう。

俺は配下に与える物を「創造」で創るときは最高の物を創ると決めている。

なので俺はそれに反する可能性が高い現状で服を創るというのはしたくない。

かといって俺の「無限収納」に入っている服では大きさとかもろもろの問題でリーフェが着るにはあまりにも合わないことだ。

だがリーフェは譲りそうにない。


「シン、任せて」


そう言ってミコがリーフェの耳元に口を寄せて何かを言った。

その瞬間に、リーフェはすぐに修道服を着なおした。


「魔王様、これと同じような修道服がいいです」


リーフェはそうして何事もなかったかのように希望を言った。


「ミコ、何を言ったんだ?」


俺は2人に聞く。


「「秘密」」


2人は息をそろえてそう言った。





リーフェ視点


さすがは「災禍」、いえミコ様。

修道服を本気装備にしてもらおうとした私にミコ様はこう仰った。


「シンにゼロから創って貰えばシンから二枚目の服を貰えるわよ。しかも今のシンは「創造」で創るから原料はシンの魔力」


と、私が魔王様から頂いた服をかなり気に入ってこれ以外着用する気がないのを察して、私の至らぬ考えをご教授してくださった。

さすがは七魔公第一席にして魔王様の正妻にして愛妹。

私は深くそう思った。

今週はたくさん出したい(願望)

巻き返しカウント:77話

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異常者の恋愛は異常です

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