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第288話 七大罪の死因

ほぼ丸一日の遅刻だけどまだ一日じゃない!!

ヨルはひたすらに魔物を倒していく。

俺が与えた本気装備をヨルは既に使いこなしていた。

まぁ、ヨルの戦闘スタイルとかに合うような性能にしたので当たり前と言えば当たり前だが。

新しい武器をこの短時間で使いこなすのはさすがとしか言いようがない。


「眷属召喚」「毒性付与」「眷属操作」


ヨルは3つのスキルを一気に発動する。

「毒性付与」はその名の通り対象に毒性を付与するスキルだ。

毒の強さは意識的に変えることが出来る。

ヨルは夢魔の眷属であるナイフを召喚し、それに毒性を付与、それを操って魔物に刺していく。

今回の毒は大抵の魔物ならば即死する毒のようで、急所でもないのに刺さった瞬間死んでいく。


「眷属操作」「麻痺付与」


ヨルは更にスキルを発動していく。

「麻痺付与」はどうやら夢魔のレベルが上がって新しく使えるようになったスキルのようだ。

効果は名前そのままで、対象に麻痺を付与するスキルで「毒性付与」同様、ヨルは召喚した眷属であるナイフに麻痺を付与して魔物を麻痺状態にさせている。


「毒霧」


ヨルは永夢影のレベルが上がったことで新しく使えるようになったスキル「毒霧」を発動する。

このスキルも名前通り毒の霧を発生させることが出来るスキルのようだ。

毒の強さも自身である程度操作できるようだ。

ヨルが発生させた毒の霧によって麻痺していた魔物たちが死んでいく。

混沌魔境にはそこら中に毒があるのでそこに住む魔物は高い毒耐性を備えているのだが、それをものともしないほどヨルが発生させた毒は強力なようだ。

そして、周辺の魔物の反応は消失した。

つまり、今現在近くにいる魔物は大抵ヨルが狩りつくしたということだ。


「お疲れ様。装備のレベルもかなり上がったようだな」


「はい、お付き合いいただいてありがとうございました。お暇にさせてすみません」


「構わんさ。さて、魔王城に戻ろうか」


「はい」


「ミコ」


「了解「エリアテレポート」」


ミコの「エリアテレポート」で俺たちは魔王城に戻るのだった。

もう深夜と言える時間帯だ。


「ヨル、お腹は空いてるか?」


「はい、すいてます。なので食堂に行こうかと」


「そうか」


「シン、私達もたまには食堂で食べましょ」


「そうれもいいな。ヨル、一緒に食べてもいいか?」


「大歓迎です」


「なら、決まりだな」


俺達は魔王城内にある食堂に移動する。

食堂とは文字通り魔王城に住むものや、魔王城で働らくものが食事をよる場所だ。

幹部となると大抵は専属メイドがいるし、いないにしても魔王城のいたるところにいるメイドに言えばすぐに部屋に料理を運んでもらえるため一般兵や使用人、文官などが主に食堂を利用する。

まぁ、今は一般兵も文官もいないし。

使用人もバタフライ王奥から連れ帰ってきた優秀な数人だけなので誰も利用していなかったが。

食堂にはガーナと他のメイド二人がいた。


「これはこれは魔王様。なぜこちらへ?お食事ならば「念話」で呼んでいただければすぐに用意いたしますのに」


ガーナが俺にそう問いかけてくる。

ガーナ以外の二名のメイドは俺を見た瞬間、すぐ様頭を下げた。


「なに、ヨルが食堂で食事をとると言うから俺とミコも一緒に食べようと思ってな。用意してくれるか?」


「勿論にございます。何かご希望はありますか?」


「俺は特に何もない。ガーナのおすすめを」


「私もないからシンと同じ奴を」


「では私も魔王様と「災禍」様と同じものを」


「承知いたしました」


そう言ってガーナとメイド二人は厨房に入っていった。

そして約1分後、俺達三人にステーキが配膳された。


「「「いただきます」」」


俺たちはステーキを食べ始める。

さすがはガーナだ。

最高の焼き加減と味付けだ。

うまい。


「そういえば、ヨル様は魔王軍にお戻りになられていたのですね」


「えぇ、つい先ほど再び私が魔王様に仕えることを認めていただきました」


「それは良かったです」


「そう言えば何故ガーナが食堂に?来た俺たちが言うのもなんだが今魔王城にいつ面子でこの食堂を利用する奴はいないと思うが」


「点検と準備です。魔王国が再建した時のためにその中心となる魔王城を整えておりまして。設備に不良はないか、食材などの備蓄に問題はないか。などですね。まぁそのおかげで魔王様と話すことが出来たのでよかったですが」


俺はガーナとの雑談に花を咲かせる。

ミコとヨルも楽しそうに話している。


「あ、ガーナ。実は大事な話があるんだ」


「大事な話、ですか?」


「あぁ、実はーーーーーー」





ミコ視点


私はヨルと楽しくお話ししながらガーナが用意してくれた食事をとる。


「ねぇねぇ、七大罪を殺したって言ってたけどどんなきっかけでどんな風に殺したの?」


私は地味に気になっていたことをヨルに聞く。

正直私はヨルと「狂信」以外の十六魔将軍は嫌いだった。

七大罪は脳筋ばっかだったし、七美徳は自分の中の正義を貫くという自分のことしか考えない自己中野郎たちで、どちらもゼロへの忠誠心が全然感じられなかったからだ。

ヨルはゼロと私によく懐いてたし、「狂信」はゼロのことを神よりも上位の存在であると崇拝しているから忠誠心はしっかりと高い。


「えぇーと、魔王国が滅びた後に七大罪の奴等が口々にお前のせいで魔王国が滅びたって、俺達ならばもっとうまく統治できたってうるさく言ってきて、王の座をよこせって七人がかりで襲い掛かってきたの。だから返り討ちにしたって感じ」


ヨルの口調がだいぶ砕ける。

私とヨルはかなり仲が良い。

なので、二人で話す時は公の場でないならば砕けて話すのだ。


「愚かねぇ。統治とかの能力に関しては絶対に七大罪七人よりヨルの方が上なのに。それでどうやって殺したの?」


「「傲慢」は魔法で火あぶりにして焼死、「強欲」は周囲の空気をなくして窒息死、「憤怒」は水に溺れさせて水死、「色欲」は超強い媚薬を使って身体を滅茶苦茶に敏感にしたあとに殴り殺して、「嫉妬」は全身をゆっくりゆっくりと切裂いて行って最後は細切れに、「怠惰」は全身を素早く切裂いた状態で回復できないようにして放置して出血多量で、「暴食」は数年間混沌魔境のまりょくを使えない場所に拘束して餓死させた。無論全員魂を完全に消滅させて蘇生できないよにした」


「さすがね。腐っても十六魔将軍。それをただ殺すだけじゃなくて、苦しめて殺して、ちゃんと魂の処理までするなんて」


「私は十六魔将軍の第一席。相手が「狂信」ならさすがに無理だけど。七大罪って大体脳筋で毒とか呪いとかのからめ手を使う私と相性が良かったのもある」


ヨルと「狂信」の実力はほぼ同等だ。

ちなみにヨルとレイメスではレイメスの方が強い。

これに関しては相性もあり、「狂信」はレイメスと相性がいいので、「狂信」とレイメスなら結果的にはレイメスが勝つだろうがかなり危ないだろう。

逆にガーナとヨルが戦えば9割ガーナが勝つだろうが、1割負ける。

それくらいに実力が拮抗している。

ヨルはガーナに対して相性がいいのだ。

「狂信」はガーナと相性が悪くほぼ確実に負ける。

まぁこれは全て4000年前の話だけど。

その後も私たちは思い出話やこの4000年間の話に花を咲かせるのだった。


「ミコ」


「えぇ、私達の家に何者かが入ろうとしている」


「すぐに行くぞ。あそこにはいろいろと人の世に出回ると面倒になるものがある」


「私も同行します」


「私も」


「いいぞ」


「とにかく急ぎましょう」


ミコが「エリアテレポート」発動する。

そうして俺たちは魔境「デスマーチ」にある俺達の家に転移するのだった。

疲れたー。

巻き返しカウント:74話

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