第280話 研究結果 セーラ、ゼミル、ミーゼ、ライシュ編
昨日投稿できなくてすみません。
そして多分金曜日土曜日もしかしたら出せないかもです。
正直明日も怪しいです。
留学が始まって2か月と2週間が経った。
留学も残り2週間だ。
今日、俺達は研究の結果をまとめたものをアンデスに提出してきた。
これで、後は期日まで適当に過ごすだけだ。
これは余談だが、留学期間が残り2週間になると言うのにまだに学院の生徒と話したことはない。
俺としては気にならないが、ここまで話さないのは珍しいようで学院の他の生徒から奇異の目で見られる。
まぁどうでもいいが。
そうして今日も授業が始まった。
シェール視点
「アンデス、来たわよ」
私は今日、突然アンデスに呼ばれた。
やらないといけないこともなかったので普通に応じた。
「ごめんなさい。来てもらって。でも、今日これが提出されたの」
そう言ってアンデスは分厚い紙の束を3束見せてきた。
「そ、それって。まさか」
「魔王様たちの研究結果」
「も、物凄く気になるわ」
「先に読んじゃおうかと思ったのだけれど、それだとシェールに責められると思って我慢して呼んだの」
「否定できないわね」
私もアンデスもシンたちの研究についてはかなり興味がある。
なので、アンデスだけが先に読んだならば嫌味の一つくらいは言った可能性を否定できない。
「それじゃあ読みましょうか」
そうして私達は2人で一緒にソファに座ってシン達の研究資料を読むのだった。
最初はセーラ、ゼミル、ミーゼ、ライシュの研究資料だ。
研究資料
研究テーマ:魔道具、アーティファクト、神器の違いについて
名前:セーラ・ナイト、ゼミル・デスデッド、ミゼ・ダラ・クイート、ライシュ・クイン
準備物:大量の魔道具、アーティファクト、神器
研究内容:魔道具、アーティファクト、神器を比較し、それぞれの原理について調べる。(比較する際は 似た効果の魔道具、アーティファクト、神器を使用する)
仮説:魔道具は人が作り出すことが出来るものであり、道具に魔法陣を刻むことで作ることが出来る。アーティファクトは古代のロストテクノロジーによって創られた遺物。神器は神力が宿ったアーティファクトであると考える。
研究結果
魔道具について
・魔道具の仕組みは道具に魔法陣を刻み込み、その魔法陣に魔力を流すことで効果が出る。
・魔道具の利点としてパーツ事に別々の魔法陣などを刻むことで複数の魔法陣に一斉に魔力を注ぐこと が出来、魔法で再現するには複雑なことや大変なことも楽に行うことが出来る。
アーティファクトについて
・アーティファクトはその効果があることが当たり前であり、火が熱く、氷が冷たいのと同じようにアーティファクトはその効果を持つ、あるいはその効果を持つ物を合わすことで作られている。
・例えばいくつかの種類のドラゴンの鱗には魔力を流すことで硬くなるという性質がある。この鱗を加工して盾にすれば魔力を流すことで硬くなる、という盾のアーティファクトが出来る。
・勿論ただ盾にするだけでは駄目である。実際にドラゴンの鱗を使った盾というものは存在するがそれは別にアーティファクトにはなっていない。だってそれはドラゴンの鱗を合わせているだけだからだ。アーティファクトにするには錬金術のように姿や形、性質をある程度変えて強力な効果を宿すことでアーティファクトと認識されることが分かった。
・ただし、その姿や性質をある程度変えて強力な効果にする技術は失われたロストテクノロジーであり現代の技術では再現不可能と言う結論になった。
神器について
・神器、これに関しては魔道具ともアーティファクトとも全く別物であるという結論が出てきた。
・神器を詳しく調べてみたところ、神器に使われていた素材はこの世界に自然に生成されないものだと分かった。
・そこで私達は神器に含まれている神力が物体を変質させているのではないかと考え、それを調べるために、神力を抽出する魔道具の作成を行った。
・魔道具の作成は困難を極めたが莫大な時間をかけて神力を極僅かではあるが抽出することのできる魔道具の作成に成功した。そしてその魔道具にて抽出した神力を一般的な鉄のナイフに抽入した。結果として、鉄のナイフは粉々になった。
・鉄では神力に耐えられなかったのではないかと考え、そこで今度は鉄よりも頑丈なミスリルのナイフに神力を抽入した。
・結果は成功。ミスリルのナイフを鑑定すると神器となっていた。また材質も元のミスリルとは全く別の物に変質していた。
・しかし、1時間程経つとまたミスリルのナイフに戻ってしまっていた。
・また、アーティファクトに神力を流しても結果は変わらなかった。
考察
・魔道具の原理は多数の魔法陣に一斉に魔力を流す、という点から合成魔法と近いものであると考えられる。
・アーティファクトは特定の性質を持つ素材を組み合わせたりしながら特殊な技法で姿形、性質を変化させることで出来ると考えられる。
・普通の道具であっても神力を流せば一時的に鑑定上神器になったことから、神器とは神力が含まれている道具の総称であると考えられる。
・ただし、鉄などに神力を流しても粉々になったため、鉄等のありふれた物では神力に耐えれ切れず崩壊すると考えられる。
・上記のことから魔道具とアーティファクトについての仮説は合っていたと言える。
・しかし、神器については間違っていた。私達の神器についての仮説は神力を宿したアーティファクトだと考えていたが、神力を宿してさえいればアーティファクトでなくても神器となると分かった。
「「、、、、、、、」」
私達はセーラ達の研究資料を読み切った。
セーラ達は研究をした経験はないし、当然研究を資料にまとめたりした経験もない。
そのため、資料自体は読みやすいとは言えなかった。
しかし、研究内容は凄まじい。
たった数枚の紙にまとめられている内容は数多くの研究者が生涯を使って研究し、解き明かすことが出来なかったものだ。
この数千年、この研究に対する資料は数千枚と見てきたがどれもどこかしらに矛盾が発生していたり、根拠が薄かったりした。
勿論この研究資料には足りない部分もある。
分かりやすいもので言えば試行回数だ。
この資料では鉄は駄目でミスリルは大丈夫だとなっているが、それは何回繰り返しても同じ結果となるのか?
今回はナイフを使用しているが他のものだとどうなるのか?
ミスリル以外にはどんなものならば神力に耐えることが出来るのか?
ミスリルの質量や大きさは関係しているのか?
インゴットに神力を流した場合、加工できるのか?
また加工したものは神器となるのか?
疑問は絶えない。
しかし、これらの疑問は人手さえあればどうとでもなるものばかりだ。
神力を抽出する魔道具に関しても私でも普通に作れる。
というか、魔道具に関してはいくらセーラ達であろうとも私の方が上だ。
「はぁ、とりあえず信用できる部下たちにこれらの資料を読ませて更に深く研究させないと」
「暴走する未来が見えるわね」
私もアンデスもこれだけでかなり疲れてしまった。
「これでようやく1つ。あと2つあるのよね」
「はい、ユアとユイの物と魔王様と災禍様の物です」
「ユアとユイがどれだけできるのかは知らないけれど、少なくともシンとミコはこれ以上の物を出してくる気がしてならないわ」
「そうですねぇ。ユアとユイの知識がどれほどかは知りませんが、魔王様が自ら選ばれたご友人ですしねぇ」
ちなみに、ユアは教師だが研究を手伝うのは全く問題ない。
留学生が研究を行うのに教師の手を借りるのは珍しいことじゃない。
この学院としては良い研究が提出されればいいのだ。
なので教師の手を借りようが全然問題ないのだ。
むしろ使えるものは全て使ってもらいたい。
「はぁ、それじゃあ次はユアとユイの物を読みましょうか」
そうして私達はユアとユイの研究資料を手に取ったのだった。
眠い。
巻き返しカウント:53話
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