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第277話 それぞれの研究

疲れたー。

俺達がシェールに研究の話について聞いてから1週間が経った。

俺達は普通に学院に通って、放課後に研究という生活を繰り返していた。

研究もやってみれば楽しいもので、俺達は一つでいいと言われたが別れて各々の興味のあることについて研究している。

別れ方については、俺とミコ、ユアとユイ、セーラとゼミルとライシュとミーゼだ。

別々に研究をしているので俺は他の二つのグループの内容は知らない。

皆各々で「神界創造」を発動しているのでうっかり見てしまうなんてことはない。

また、「神界」内なので時間の制限はない。

ということで俺達は今、実のところ30時間程ぶっ続けで研究している。

俺もミコも本来睡眠も休養も必要ないので熱中すると時間を全く気にしなくなるのだ。

俺達が今なんの研究をしているかと言うと、魔法陣の保存についての研究だ。

本来魔法陣というのは魔力で描くのが一般的だ。

だがそれでは魔法を発動する際に一々魔法陣を描かなくてはならない。

そこで考えるのが魔法陣を魔力以外の方法で描く、というものだ。

ここまでなら過去にそういった手段を試すものもいた。

しかし、結局使われずに衰退した。

まず、魔法陣というのは非常に複雑なものだ。

それを持ち歩けるような紙や木の板に描くというのは正直不可能と言えるだろう。

勿論大きさを大きくすれば描けるだろう。

しかし、それでは持ち歩くのが困難だ。

「収納」などに入れればいいと考えるかもしれないが、「収納」から大きな紙や木の板を取り出して魔力を込めて魔法を放つくらいならば普通に魔力で魔法陣を描いた方が圧倒的に速い。

更に普通の紙や木の板程度では魔法一発放てばすぐに壊れたり破れたりしてしまうから結局意味がない。

実を言うと、こういった手法が完全に失伝しているというわけではない。

魔道具なんかはその最たる例だ。

道具に特殊な方法で魔法陣を刻むことで魔法よりは効果が劣るが道具を強化する。

それが魔道具だ。

他にも昔ながらの建造物の中には国の奥の手ともいえるかなり強力な魔法の魔法陣が刻まれている場合もある。

それに多数の人間が魔力を注ぎ込むことでその魔法を発動できるのだ。

このように何かに魔法陣を刻むという手法自体はそう珍しいものじゃない。

しかし、それを手軽に持ち運べるという条件下のものでは実現されていないのだ。

紙も木の板もそれには適さない。

別にそれに限定する必要もないが、とにかく俺達は魔法陣を持ち運べる状態で保存できる方法を研究しているのだ。

今のところ、小さいものに複雑な魔法陣を描く方法は出来た。

あとはそれを耐えるようにしなければならない。

やろうと思えばそう言った素材を「創造」で創ることもできるがそれでは研究の意味がないからな。

俺とミコは魔王城にあるアイテムや俺やミコの「無限収納」や「ストレージ」にある大量のアイテムを試していっている。

地道な作業だがミコと二人で雑談しながらやれば案外楽しい。

そんな感じで俺達は色々な物に魔法陣を描いていくのだった。





ユア視点


私達は合体魔法について研究している。

合体魔法というのは複合魔法とは違い、二人で同時に魔法を発動しそれらを組み合わせる技の総称。

ただ、これらは簡単ではない。

魔法の発動の息を完全に合わせなければならないし、魔力の相性が悪いと威力や効果が弱まったりする。

ちなみに私とユイなら簡単に出来る。

姉妹などの血縁関係のあるものは魔力が似ているので相性が良くなりがちなのだ。

そして私達は深く愛し合っている姉妹なので息も当然ぴったりだ。

なので割と簡単にできる。

ただ、私達はそれらとは全く別の合体魔法を研究している。

既存の合体魔法は2人で魔法を同時に発動しそれらを合体することで一つの結果を生み出すというものだ。

でも、私たちが研究している合体魔法は違う。

私達がやろうとしていることとしてはまず、私が「ファイヤ」の魔法陣を描いたとする。

次にその魔法陣に重ねてユイが「ウォーター」の魔法陣を描く。

これでは一見魔法陣が機能しないように感じるが、この状態でも「ファイヤ」の魔法陣にだけ魔力を流せばその魔法陣からは火が放たれる。

逆に「ウォーター」の魔法陣にだけ魔力を流せば水が放たれる。

しかしこれでは何の意味もない。

私たちがしたいのはここからだ。

別に二つの魔法陣を重ねることはとても難しいが一人でも可能ではある。

しかし、二つの重なった魔法陣に同時に魔力を注ぐというのは一人では無理だ。

そこで私達は考えた。

一人で無理なら二人ですればいいと。

つまり、魔法陣を二つ重ねた状態で私が「ファイヤ」の魔法陣に、ユイが「ウォーター」の魔法陣に同時に魔力を注げば火でも水でもない全く別の効果を創り出せるのではないかと私達は考えているのだ。

そして実を言うと先ほど言った「ファイヤ」と「ウォーター」の合体魔法は成功した。

私達でも練習を必要としたが出来た。

しかし、どう頑張っても合体出来ない魔法もあった。

ということで今私達は合体できる魔法と合体でいない魔法があるのはなぜか。

何故合体出来ないのか、ということを研究している。

これに関してはひたすらに情報がいるので色々なパターンで合体魔法をしていくしかない。

まぁ私としてはユイとの共同作業と言うのはとっても楽しいので何の問題もない。

ユイも同じことを言ってくれている。

私達はとっても楽しく実験している。





セーラ視点


私達の研究テーマは魔道具とアーティファクトと神器の違いについてだ。

これについては有名な仮説がある。

神力の有無と魔法陣があるかないかだ。

魔道具には魔法陣が刻んである。

アーティファクトは古代の産物であり、魔法陣もないのに不思議な力を宿している。

神器には当然魔法陣なんてない。

そして神器とアーティファクトの違いは神力の有無の違い。

これらが有名な仮説だ。

そしてこれらはここ一週間の研究で証明出来た。

では今、私たちが何をしているのかと言うと神力についてだ。

魔王軍で神力を使えるのはシンとミコだけだ。

ここにいるメンバーでは神力を使うことは出来ない。

ではどうやって研究しているのかというと、魔王城にある大量の神器だ。

シンから魔王城にあるものは自由に使っていいと言われているため問題ない。

今、私達は神器から神力を抽出する研究とそれに4人もいらないので並行してアーティファクトの仕組みの解析も同時並行で行っている。

そして神力の抽出が出来ればアーティファクトにそれを付与できるのか。

付与で切ればそれは神器となるのか。

そこまで研究するつもりだ。

私達は4人で作業を分担しながら楽しく研究している。

ちなみにその話の4分の1が魔王様関連であることはご愛敬だ。

それはしょうがないだろう。

だってここにる4人は全員、シンのことが大好きなのだから。

ちなみにもう4分の1に、シンと一緒研究をしているミコが羨ましいという話が入っていたりするのもご愛敬だ。

正直私としても女として情けない話だがミコには勝てない。

容姿もシンへの愛情も負ける気はしないが、一緒にいた時間で負けている。

一緒にいた時間で負けているから理解度で負ける。

これはしょうがないのだ。

まぁ、魔王様についての話はおいておくとしよう。

この場でもし本格的に魔王様の話になると研究が全く進まなくなるのが目に見えているからな。

ただ皆一度集中すると止まらないので神界内で10時間くらいぶっ続けのときもある。

皆結構極端なのだ。

まぁとにかくそんな話をしながら、私達は楽しく研究している。

これは余談だが、研究初日は魔王様トークで神界内で20時間消費したことをここに記しておく。

正直分かりにくいところとかあったと思います。

作者、世界観とか仕組みとか結構考えこむのに文字化がそこまで上手くないという小説を書くものとして致命的な弱点を持っていたりします。

けど、もうちょい先になるかもですけどもっとわかりやすくシン達が発表してくれると思うので分からなかった方はそっちをお楽しみに。

巻き返しカウント:49話

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異常者の恋愛は異常です

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