第272話 城の融合
最近全然投稿できてなくてすみませんでした。
滅茶苦茶忙しかったんです。
番外編の方にハロウィン編を投稿しました。
興味のある方は後書きにあるURLから飛んでお読みください。
俺がミコに抱きしめられて眠りについてから一時間後、俺は目を覚ました。
俺はミコに抱きしめられたままだった。
「あら、シン。おはよう、まだ寝てていいわよ」
「いや、さすがに起きる」
俺とミコは体を起こした。
「さてと、学院も休んだわけだし今日はどうしようか?」
「そうねぇ。このままゆっくりでもいいけど」
「そういえば、あいつらの気配がないけど」
「あいつらならシェールが「エリアテレポート」でバタフライ王国に送ったみたい」
「そうか、ならいい」
コンコン
俺とミコが何をしようか考えていると、ドアがノックされた。
「入っていいわよ」
「失礼するわ」
ミコが許可を出すと、ドアが開いてセーラがこの部屋に入ってきた。
「セーラ、どうしたんだ?」
「ちょっと二人にお願いがあるの」
「「お願い?」」
俺もミコも思わず声をあげて聞き返してしまう。
セーラが俺達に頼ってくるということはかなり珍しいことだからだ。
「私の城、あるじゃない」
「あぁ、セーラが大半の聖剣を置いていた城だな。神級ダンジョン「神々の遊戯」があった場所の近くだよな」
「そう」
「そこがどうしたのかしら?」
「実は最近あの城使ってないから魔王城とくっつけて欲しくて」
「そういうのってルミネスでも出来るでしょ。わざわざシンに頼るなんて珍しい」
「いや実は最初ルミネスに聞いたんだけど、あの城。一応魔王と対になる勇者である私が創った城だからか勇者の力に溢れ柄っているのかわからないのだけれど魔王城と反発しちゃうみたいなの」
「なるほど、だから私とシンが必要なわけね」
「そういうこと」
「俺は勿論いいぞ。ちょうど暇だったしな」
「私も同じく」
魔王城と他の城をくっつける、ということは別に変なことじゃない。
以前神級ダンジョン「神々の遊戯」を魔王城と融合させたように、この魔王城には建造物と融合出来る能力がある。
というか、他の建造物と融合できるように創った。
実を言うと俺が最初創ったばかりの頃の魔王城は今よりも圧倒的に小さかった。
しかし、俺が攻め落とした国の城を片っ端から融合していったことで今ほどの大きさになった。
今の魔王城は大きさなどを操作しているので小さいが最大サイズにすれば、小国の城数十に近いほどの大きさになってしまう。
さすがにそんな大きさはいらないので今くらいの大きさにしているのだ。
「それじゃあ行くか」
俺達はミコの「エリアテレポート」でセーラの城に転移した。
「にしてもこれほどの大きさの建物を融合するのは久しぶりだな」
「そうねぇ」
「この城、私がノリと勢いで建てたところがあるから大きさとか使い道とか考えてなかったのよね」
「まぁ気持ちは分かる。自分の城って憧れあるよな」
実を言うと俺が一番最初に魔王城を創った時もそんな感じだった気がする。
確かあの頃はまだ称号で魔王を得たばかりで、配下に魔族はいたもののミコとすら出会っていない時期だ。
あの頃は世界平和のことすら考えていなかった。
ずっとやることがなくて、暇つぶしとして色々なことをしていた。
今となっては懐かしいものだ。
あの頃から考えれば、今がどれだけ幸せか理解できる。
っと、今はそんなことを考える時じゃないな。
「とりあえず一度持っていくか、転移は任せていいか?」
「勿論」
「私はどうすればいいかしら?」
「セーラは融合する時に色々と希望を聞くからそれまでは見ててくれ」
「了解。じゃあ悪いけど、お任せするわ」
「おう。後で治すから少しの罅は許してくれ」
「勿論」
「ありがとう。それじゃあ、やるか」
俺は魔力を高める。
俺は「超強化」と「フライ」と「サイコキネシス」を発動する。
俺は「フライ」の効果で宙に浮く。
「サイコキネシス」を城に発動し続けているが、さすがに全力でもない「サイコキネシス」じゃ城を浮かすのは無理だ。
かといって、ついさっき魔力切れでミコから魔力を貰った身で魔力を大量に消費する気にはなれないな。
シンプルに疲れるし。
俺は城の壁を多少の罅を入れながらも掴む。
「超強化」を発動している俺からすれば余裕だ。
俺はこの状態のままで高度を上げる。
「ミコ、こっちはいつでもOKだ」
「それじゃ、行くわよ」
ミコはそう言うととても大きい転移陣を創り出した。
まぁ当たり前だ。
今回は城を転移させる必要があるからな。
城よりも大きい陣にしなければならない。
ダンジョンの時も大きかったが、今回はその比じゃない。
そうして俺たちは魔王城に転移した。
「魔王様」
俺達が転移した場所には既にルミネスがいた。
「ルミネス?」
「私が「念話」で呼んでおいたの」
本当に俺の相棒は優秀だ。
さて、このままでは融合が上手く出来ないらしい。
確かに勇者としての力をかなり感じる。
「破壊」で勇者としての要素を壊してしまってもいいが、それでは弱くなってしまう。
魔王城は建造物と融合することで強化されたりもする。
その建造物が強力だったりすると余計だ。
なので勇者の力を壊してしまうのはもったいない。
俺は「創造」を発動して、勇者城を創りかえていく。
あくまで魔王城を反発しないように、かといって勇者としての力を消さないように。
今までスキルを弄ったりして来ていた俺としては余裕だった。
予想よりも速く創りかえることが出来た。
「それじゃあルミネス、これの融合を手伝ってくれ」
「勿論。魔王城管理権限:融合。融合対象、仮称勇者城。魔王様への許可を申請」
「受諾する。魔王城管理権限:融合、開始」
その瞬間、勇者城にかけていた「サイコキネシス」と「フライ」が強制的に解除された。
俺は勇者城から手を放す。
勇者城は重力に従って下に、落ちなかった。
魔王城の方に引き寄せられていく。
すると魔王城も勇者城も光り出した。
そして次の瞬間、魔王城は普段よりも大きくなった。
外装の一部には勇者城の面影もある。
「ルミネス、魔王軍の復興と言う意味でも魔王城を解放してしまおう」
「承知」
魔王城は正確に言うと現在は休眠状態である。
というのも魔王城とはただの城ではないのだ。
今でこそセキュリティが異様に高くて、内部も豪華な城だが本来は俺達にとって様々な恩恵がある。
では何故その恩恵が現在ないのかと言えば理由は単純だ。
前前世の俺が死ぬ前に魔王城を休眠状態にしたのだ。
なぜ休眠状態にしたのかと言うと、理由は二つある。
一つはもしも完全稼働状態の魔王城を誰かに悪用されれば大変なことになるからだ。
もう一つはシンプルに稼働状態の方が管理が難しいからだ。
ルミネスの負担を考えて休眠状態にしたのである。
魔王城を休眠状態にできるのは最高位の権限を持つ、俺だけだからな。
しかし、魔王軍を再興する今となっては完全稼働状態の方が色々と都合がいい。
俺とルミネスがちょうどいるのだ、今の内にやってしまおう。
完全稼働状態には俺だけでも出来るがルミネスがいてくれた方が楽だからな。
「「魔王城管理権限:完全稼働」」
「魔王城を休眠状態から完全稼働状態へ。許可を魔王様に申請」
「受諾する。魔王城完全稼働状態」
そうして俺たちが管理権限を行使した結果大きくなった魔王城がまた光に包まれた。
そしてどんどん光が大きくなっていく。
光がはれると、そこには元の数倍。
もしかしたら数十倍にも及ぶかもしれないほどの大きな魔王城があった。
「これは、かなり大きいわね」
「私の城も結構大きかったし、当然と言えば当然なのかも」
「にしても大きすぎる気もするが」
「多分部屋とかも広く名ちゃってるかも」
「そうだな。別に広くて困ることもないだろう」
この日、魔王城が完全に稼働した。
魔王城の脅威を、人間たちはまだ知らない。
まずい、まずい。
巻き返しがまずすぎる。
巻き返しカウント:49話
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