第257話 バタフライ王国のスラム街
5時間遅刻。
昨日投稿できなくてすみません。
俺とミコは学院長室を転移した後、また街を歩いていた。
「今日はどこ行く?」
「そうだな。適当に歩いていこう」
俺達は昨夜言った方向とは違った方向に行く。
すると、徐々に暗くなってきた。
そして道が荒れ、廃墟が増えてきた。
「ここって」
「スラム街だろうな」
周りはいかにもスラム街と言った様子になっていった。
たまに道で人が横たわっている。
ホームレスか、死んでいるのか。
まぁ判断する価値もない。
どうせ、こんなところに住んでいる奴なんて価値のないゴミばかりだ。
「へぇ、シェール。面白いことするわね。あえて立場の低い存在を作ることで、一般人に安心感や優越感を覚えさせているのね」
「シェールの性格的に別に意図的にやったわけではないのだろう。気づいたら出来てたものを有用だと判断して放置しているのだろう」
俺達がそう話していると、貧相な服装の男たちが俺達を囲んでいた。
「ひひ、随分と上等な服を着てるじゃねぇか」
「久しぶりの女だ。しかも滅茶苦茶な美人」
「ひゃっはー。お前らやっちまうぞ」
そう言って男たちは一斉に襲い掛かってきた。
「数は約20人。全員雑魚だな」
「どっちがやる?」
「汚いから斬りたくないな」
「了解」
そう言ってミコは無詠唱で「ファイヤボール」を大量に放つ。
その全てが男たちに命中した。
「あぁぁぁ、熱い」
「誰か、誰か助けてくれ」
「くっそ、こんなところで死にたかねぇよ」
男たちがぎゃぁぎゃぁと叫ぶ。
「煩いな」
俺は手刀で「スラッシュ」を発動し、斬撃を放つ。
それによって男たちにとどめを刺していった。
「そういえば、そんなこともできたわね」
「普段はわざわざこんなことしないが、剣を出すのも面倒だったからな」
俺達がそう話しているうちも炎は広がっていく。
そこらへんに転がっていた死体にも燃え移った。
「おっと、そろそろ消火するか?」
「そうね」
そう言ってミコは「ウォーター」を発動した。
大量の水が降ってきて火を消化した。
勿論だが俺達に水は一切かかっていない。
あとに残ったのは男たちや転がっていた死体の骨だけだった。
「あら、こんな風な骸骨を見るのは久しぶりね」
「普段のミコの攻撃なら塵も残らないからな」
「今回は適当に撃つだけで死ぬ相手だったから、魔力を1込めただけだし」
「普通はそれで肉を燃やし尽くせるのも凄いんだが。あ、そうだ。この骨使ってもいいか?」
「構わないけど、どうするの?」
「ミコも手伝ってくれ。久しぶりにアンデットを作ろうと思ってな」
「あら、いいわね。アンデスへの良いお土産になるわ」
ミコものりのりだ。
「それじゃあやるか」
「えぇ」
骸骨全てに魔法陣が浮かび上がる。
俺達は全力で魔法陣に全力で魔力を込める。
「「クリエイトアンデット」」
その瞬間、全ての骨が光り出す。
光が収まるとそこには大体30程度のスケルトンが俺達に向かって膝まづいていた。
特に一番前にいるスケルトンは明らかに他よりも強そうだ。
「これは、なんだ?」
「見たことのないアンデットね」
俺達は同時に「超鑑定」を発動した。
まずは一番手前の明らかに強そうなスケルトンからだ。
種族:スケルトンキング
名前:なし
ランク:SSS
レベル:1
魔力量:36475
スキル:スケルトン召喚
適正属性:闇
称号:魔王の配下
「スケルトンキング。だが、俺の配下になった頃のアンデスほどの力も感じないし。知性も他の魔物よりもマシ程度しかないみたいだな」
「アンデスが特殊なのでしょう。あの子は元々生きていた状態でアンデットになったのだもの。だからあの子は魔物なのに加護を持っている」
「なるほどな。なら前のアンデスよりはさすがに弱いか」
「でも、まだレベル1だし。あの子にあげれば十二分に強くなるでしょう。なにせ、今のあの子はアンデットクウィーンなのだし」
「それもそうだな」
俺たちはそう言いながら他のアンデット達にも「超鑑定」を発動する。
鑑定結果としては二種に分かれていた。
種族:スケルトンウォーリアー
名前:なし
ランク:SS
レベル:1
魔力量:3264
スキル:スラッシュ、ダブルスラッシュ、トリプルスラッシュ、スケルトン指揮、魔力剣生成
適正属性:闇
称号:魔王の配下
種族:スケルトンワイズマン
名前:なし
ランク:SS
レベル:1
魔力量:26486
スキル:マナバレット、ダブルマナバレット、トリプルマナバレット、魔法威力上昇、多重詠唱
適正属性:闇
称号:魔王の配下
「悪くないわね」
「そうだな。SSランク。中位のドラゴンくらいはあるな。スケルトンキングなんかSSSランク。最高位のランクだ。上位のドラゴンと同程度だ」
「まぁ、SSSランクとかって神が定めたランクだからたまに測定不能レベルがいるし」
「まぁそれはそうだな。それこそアンデスはアンデットクウィーンとなって測定不能になったしな」
「身近にいたわね」
「さてと、これどこに置いておこう」
「さすがにここに置いたままは目立つわよね。いくらスラムとはいえ」
「とりあえず、魔王城の訓練場にでもおいておくか。あそこには基本的に人は入ってこないし」
「そうね。そもそも今魔王城にいるのってルミネスとレイメスだけでしょ。ならいいでしょ」
「じゃあ、飛ばすか。頼んでいいか?」
「了解」
そう言ってミコは「エリアテレポート」を発動させてスケルトンキングたちを魔王城の訓練場に飛ばしたのだった。
「ありがと」
「大したことないわよ。さてと、これからどうしましょうか」
俺達がしばし考えていると、廃墟の影から二つの気配を感じた。
「そこにいる二人組、出てこい」
俺は気配を感じた方向を向いて声をかけた。
すると静かに幼い二人の少年と少女が現れた。
見た感じだとまだどちらも10歳程度だ。
「子供?」
「スラム街でよく生きていけるわね」
俺達は物珍しくて思わず観察してしまう。
「その、俺達今日食べるものもなくて、何かくれないか?」
「何でもいいの。カビたパンでも、腐った肉でも」
「いや、こんなところに来る時にわざわざ食料を持ってくるやつはいないだろ」
俺がそう言うと二人の少年少女たちは落ち込んだ。
「なら、力づくで金目のものをとる」
2人の少年少女が俺達に向かって走ってくる。
そこそこ速い。
レベル1の動きじゃない。
一般人だったら隙をつかれたのもあって何かしら奪われていたかもしれない。
だが、生憎と俺達は一般人とはかけ離れた人種だ。
「ダークチェーン」
ミコが「ダークチェーン」を発動した。
2人まとめて黒い鎖に縛られた。
「くっそ」
「酷い」
2人がそう泣き叫ぶ。
生憎とその程度で良心が動かされる俺達じゃない。
俺達は4000年前、戦争でいくつかの国を滅ぼした。
共存共栄が不可能だと判断するしかないほど俺達を目の敵にしていた国々だ。
俺達はわざわざ一般人に手を出さないなんて非効率なことはしない。
避難勧告とかをする前に強大な技で終わらせるからな。
ちゃんと宣戦布告はしているので国に残る判断をした一般人は自己責任だ。
その一般人には目の前にいるような子供も当たり前にいた。
だが俺達はそれを当たり前に殺した。
基本的に敵国の人間というのは生かしておく理由がない。
将来の反乱分子となる可能性があるからだ。
普通はそういうのには監視を付けるのだろうが、それをするのならば余程優秀なもの以外殺してしまった方が効率的だ。
そんなわけで俺達は子供を縛った程度で良心は痛まない。
「さて、ミコ。どうする?」
「シンが判断していいけど、私としては魔王様に手を出したんだから相応の報いが必要だと思うわ」
「そうか。なら殺すか。任せる」
「いいの?」
「構わん」
「それじゃ遠慮なく」
ミコはそう言って邪悪な笑みを浮かべた。
疲れたー
巻き返しカウント:29話
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