第244話 王魔学院学院長
大遅刻。
それと昨日投稿できなくてすみません。
追記:タイトル変更しました。
王魔学院→王魔学院学院長
アンデスの種族を変越しました。
アンデットロード→スケルトンキング
シェールに案内されて、俺たちは王魔学院の門をくぐった。
王魔学院は俺たちが所属している王立学院よりも大きい。
バタフライ王国の国土面積や人口はナイト王国には及ばない。
ナイト王国は大国といえる。
国土、人口、財宝。
どれをとっても大陸屈指と言える。
ただし、ナイト王国の軍事力は高いとは言えない。
それは戦いを好まない王家の性格によるものだろう。
ナイト王国は旧魔王国の領土と被る。
そのためか他国では魔王が保有していた土地としてアンタッチャブルと言われていた。
だからこそ他国からの大国であるにもかかわらずナイト王国は戦争を仕掛けられることがほとんどなかった。
そのため軍事力が低く、ジテイ国との戦争では俺たちがいなければ危なかった。
だがバタフライ王国は違う。
国土は小国の域を出ず、人口もそれほど多くない。
しかし、研究を重視する故に財力や技術力は大国随一。
また、一般的には知られていないが魔王軍の者が仕えていることによる圧倒的な武力。
脅威的な技術力による圧倒的な魔道具。
その二つからバタフライ王国の戦力は大陸で圧倒的だ。
ナイト王国とは全く違う理由で他国から戦争を仕掛けられない国だ。
これは俺が転生し、魔王国の再建を望んだ時のためというのもあるのだろう。
ぶっちゃけ力を取り戻した俺ならば旧魔王国があるナイト王国を滅ぼすことなど容易なことだ。
しかし、やはり優秀な部下というのは何人いてもいい。
俺は昔から、優秀な部下と優秀な道具、それと財宝はあればあるだけいいと思っている。
優秀な部下は上手く使うことで物事を効率的に進めることが出来る。
優秀な道具はその部下に使わせることで更に効率的に物事を進めることが出来る。
勿論、自分が使う場合でも良い道具はあればあるだけいい。
そして、最後に財宝。
金の価値というのは変化する。
国が違えば使えない場合だって出てくる。
だが、宝石というのは大抵の地位ある人間が好む。
金よりも確実かつ、分かりやすい。
また、金に換えることも容易だ。
優秀な部下が優秀な道具を使い、暴力と財力の二つを使い分けることで俺は物事を最高効率で進めることが出来ると思っている。
シェールはそれを覚えていて、それを忠実に守っていてくれているのだろう。
優秀な部下、優秀な道具、財宝。
バタフライ王国にはその全てがある。
シェールは本当に優秀だ。
俺はそんなことを考えながら、シェールについて行っていた。
するとシェールがある扉の前で止まった。
「ここに学園長がいるわ」
シェールはそう言いながらシェールはその扉をノックした。
コンコン
「私よ」
「お入りください」
シェールは扉を開けて部屋の中に入る。
俺達もそれに続いて部屋の中に入った。
そこにはローブを来て仮面をかぶった者がいた。
その者は椅子に座って机で書類仕事をしていたようだ。
顔も性別も分からない。
ただ、俺はその者を見て懐かしさを覚えた。
正確には俺だけじゃなくミコ達もだろうが。
「彼女が王魔学院学院長のアンデス・ヴィレッチよ」
「このような姿で失礼。私の名はアンデス・ヴィレッチ。この王魔学院の学院長をしております。以後、お見知りおきを。あぁ、皆さまが名乗ることは不要です。既に記憶しておりますので。さて、皆様方には明日よりこの王魔学院で勉学に励んでいただきます。今日は校舎内を色々と見てください。この国は色々な国から来ているものが多いです。皆様のように一時的な留学というものはいませんが。頻繁にそういう方々はいらっしゃるので生徒は慣れております。皆様のことは既に連絡済みですので何か困ったことがあったら生徒や教師に聞いてください」
「聞いた通りよ。皆、学院長室から出て校舎内を見てきなさい。色々な人がいるけど危ない場所とかは分かるようにしてあるし、皆は明日からということになっているけれど、一応もう留学生としての扱いだか大抵の場所は入って問題ないわ。ここでも色々な人が色々な研究をしてるからそれを見てきなさい」
「「「はい」」」
そういうと先輩3人は一目散に学院長室を出ていった。
留学生として選ばれるような存在なのだから、当たり前なのかもしれないが大陸の最先端ともいわれるバタフライ王国の研究を見るのを楽しみにしていたようだ。
3人が出ていったのを確認してアンデスは席から立って俺に向かって跪いた。
「お久しぶりにございます。魔王様」
「久しいな。アンデス。元気なようで安心したぞ。それと嫌でないのならその仮面をとってくれ」
「はっ」
俺がそう言うとアンデスは仮面を取った。
そこには人間の女の顔。
は、なく。
骸骨の顔があった。
アンデスは魔王軍に所属していた。
シェール直属の部下だ。
種族はスケルトンキング。
その名の通り、スケルトンキングだ。
アンデスはスケルトンを操ることが出来る。
シェールの仕事は研究や諜報と何かと人手がかかるものが多い。
そのためスケルトンを操ることで大量の人手を確保できるアンデスをシェールの直属の部下としたのだ。
アンデスは元々人間の女だった。
しかし、ある事情により大きな怪我をした。
その怪我はとても特殊であり、魔王軍随一の回復能力を持つミーゼでも怪我を治すことは出来なかった。
このままでは死んでしまい、蘇生も不可能だということになってしまった。
俺はしょうがなく、ミコと協力してアンデスをアンデットにすることにしたのだ。
魔王としての俺は性質上、そういう負のエネルギーを扱うことは得意だ。
そこにミコの魔力と魔法技術が合わさり、アンデスをアンデットにすることが出来た。
ただ、俺は少し違和感を覚える。
「アンデス。何故、幻影魔法を使わないのだ?」
アンデスはあまりアンデットとしての体が好きではなかった。
そのため普段生活しているときは自身に幻影魔法をかけることで人間のときの姿に見せていた。
だが、今は幻影魔法を使っておらず顔を仮面で覆っていた。
「はい、魔王様がお亡くなりになられた後、私は無礼にも魔王様をアンデットして蘇生出来ないかと考えました」
アンデスのその言葉にミコ、セーラ、ミーゼ、ゼミル、シェールは顔を逸らした。
「あの時、魔王様は我等に見つからぬように静かに息を引き取られたのでしょう。ですが魔王様のことですからどこかに魂を保管しているのではないかと魔王軍総出で探し出しました。しかし、見つけることは叶いませんでした」
「そうだなろうな。俺は魔王剣王魔に俺の魂の半分を入れ、それを更に俺が作った偽装の棺桶に入れて、更に俺が出来る限りの偽装魔法を施したからな。まぁ俺が転生した頃には偽装魔法の効果は切れてしまったが」
「そうだったのですか。まぁそれで魔王様の魂を見つけることが出来なかった私達は深く絶望しました。しかし、私は思ったのです。私はスケルトンの王。私が七魔公の方々と協力して大魔法を使用すれば魔王様をスケルトンとして完全に蘇生するのは叶わずとも魔王様の魂の一片の蘇生くらいは出来るのではないかと。まぁその大魔法の研究の結果無理だという結論に至ったのですが、その時に私にもっとアンデットとして強力な存在であったならばもっと方法はあったのではないかと。それから私は最低限以外はアンデットとしての姿でいる、というわけです」
「そうか、いいと思うぞ。俺はお前のアンデットとしての姿も好きだ。だが、お前は何故ここで学院長をやっているのだ?」
「はい、魔王国が滅びたあとシェール様から「私の下で働かないかと」と言われたためバタフライ王国に来たのです。そしてシェール様からこの学院で学院長をしてほしいと言われ、今こうして学院長を務めております」
「そうか。さて、お前は俺を蘇生しようと努力した。そうだな」
「はい」
「ならば褒美だ」
俺はそう言いながらアンデスに笑いかけた。
忙しすぎる。
新ヒロイン?
正直どうするか迷ってます。
巻き返しカウント:21話
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