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第243話 リビングでの集合

遅刻ばっかりで本当に申し訳ない。

異常者も今日も出せない。

明日も普通に忙しいです。

かなりの確率で遅刻する上異常者出すのも無理かも。

俺達はシェールが作った朝食を食べた後、二人に案内されてリビングに移動していた。

ここで他のメンバーと合流するらしい。

ただ俺はこのリビングに来て、すぐに既視感を感じていた。


「このリビング」


「あ、気づきました?このリビング、というかこの城の一部の部屋は魔王城の内装を再現しております」


「なるほど、だから既視感があったのか」


「はい、この城には魔王軍の者が多くいますのでなるべく落ち着けるように魔王城の内装を再現しております。まぁ、私が寂しかったから魔王城を思い出したかったというのもありますが」


そう言ってシェールは苦笑した。

そんな話をしていると、リビングの扉が開いた。

入ってきたのはミコとセーラ、そして二人のメイドだった。

どちらのメイドも見たことはある。

メイドの中でもかなり上位の者だったと記憶している。

ただ、俺にはガーナという専属メイドがいるためあまり他のメイドと関わらないのだ。

そのため名前は憶えていない。

ただ、状況的にこの留学期間中のミコとセーラのメイドだということだろう。


「下がりなさい」


「「承知しました」」


ガーナがそう言うと、二人のメイドは俺達に綺麗な礼をして部屋から退室した。


「「シン、おはよう」」


ミコとセーラが俺にあいさつをしてきた。


「あぁ、おはよう。なんで二人一緒なんだ?」


「ただの偶然よ」


「そうそ、偶然部屋を出たタイミングで廊下にミコがいたから一緒い来たの」


「なるほど」


俺達がそんな会話をしていると、またリビングのドアが開いた。


「皆おはよ」


「おはようございます」


入ってきたのはゼミルとミーゼだった。


「「「「「おはよう」」」」」


「皆相変わらず早いわね」


「本当にね」


「二人のメイドはどうしたんだ?」


「部屋に置いてきたわ。皆がいる場所は気配で分かってたから」


「同じく」


「そうか」


「あ、ちなみにだけどそれぞれにつけてるメイドは全員昔の専属メイドだから」


「全員なんだな」


「えぇ、慣れた人の方がいいでしょ」


「間違いない」


全員が同時に頷いた。


「そういえば、俺たち以外の留学生の3人にはどんなメイドを付けているんだ?」


「着けてないわよ。部屋のグレードも違うしね。ちゃんと個室だしそこそこの広さがあるけれど、一般的な王城の個室くらいの広さだし。メイドも最低限の仕事しかしないで構わないと言っています。具体的には予定の説明と食事の配給ですね」


シェールはそう平然と言った。


「魔王様とただの人間を同じ待遇で扱うわけないじゃない。魔王様と一緒に扱うのなんて精々が七魔公くらいよ」


「間違いないわね」


「シェールが正しいわ」


「本来ならば、魔王様と私達にも何かしらの差をつけるべきなのでしょうが、魔王様はそういうのあまり好きじゃないですしね」


「そうですね。しかし、魔王様、七魔公の方々と一般的な人間を同列に扱うなどありえません」


俺以外が当たり前と言った様子だ。

まぁ、皆がいいのならいいか。

俺はそう納得することにした。


「そうか、まぁいいか。あ、ユアとユイの待遇はどうなんだ?」


「二人は魔王様のご友人だもの。当然、用意できる最高の部屋をご用意しております。さすがに魔王様や七魔公たちと同列ではありませんが、それに近いものをご用意しております。メイドも用意できる最高位のメイドをつかせております」


「そうか。ならよい」


俺達がそんな話をしているとまたドアが開いた。

入ってきたのは噂をすればなんとやらというが、ユアとユイが入ってきた。


「「皆おはよう」」


「「「「「「「おはよう」」」」」」」


「ごめんなさい。待たせてしまったようね」


「ちょっとイチャつきすぎた」


どうやら二人は朝から、もしくは夜からずっとイチャイチャしていたののだろう。

容易に想像できる。


「別に時間的には普通に間に合っているのだから気にすることはない」


「それじゃあ、行きましょうか」


そう言ってシェールは立ち上がった。


「あれ、他の留学生たちは待たなくていいのか?」


「はい、あれらは外の城門前集合だと伝えておりますので」


「そ、そうか」


シェールの先輩3人への扱いに、少しだけ口がどもってしまった。

別に俺はあの先輩3人がどうなっても構わないと思っている。

ただ、七魔公。

というか俺の配下は俺の配下ではない者たちを見下すようなところがある。

普通の兵は別にそこまでなのだが、十六将や七魔公それからガーナ等の一部の俺と近しい上の立場の人間は俺の配下ではないものを見下す傾向にある。

それは特に人間に顕著だ。

まぁ、人間は俺と最も戦争をした種族だからな。

今のところ俺の配下の人間じゃなくて、七魔公の者たちが誰も見下さない人間はユアとユイ以外に俺は知らない。

ちなみにだが、正教の信者は全てゴミだと思っている。

これは七魔公と十六将どちらにも共通認識らしい。

俺は別にそこまでじゃなかったりする。

これは完全な持論だが、宗教と言うのは必要だ。

人間というのは脆弱だ。

簡単に絶望する。

だから、自分達を救ってくれる神という偶像を創り出し、それに助けを求める。

この世界は実際に神という種族は存在する。

だが、大半の神は別に人間を救うわけじゃない。

この神というのは簡単にいうと世界の管理者だ。

勿論、下の方の位階の神はそこまでの力を持っていない。

だが、その根本たる主神や源神は世界を創った存在だ。

管理者というに相応しいだろう。

だからこそ、神は人間を助けたりしない。

神からすれば人間と言う種族は数が多く発展した人類種の一つ。

という認識でしかない。

神からみれば人間も魔族もあまり変わりはない。

人間も熊がいたとして、一般人はその熊がヒグマなのかツキノワグマなのか。

あまり気にしない。

それと同じだ。

神からすれば人間と魔族もあまり変わらないし、なんなら人類と魔物と動物もあまり変わらない。

俺達人間からすればカラスもスズメもどっちも鳥というたとえが分かりやすいだろう。

そして人間からすれば、鳥も熊も牛も全部動物。

そんな感じだ。

だから神がわざわざ、たくさんいる人類主の中で人間に手を貸すとしたらそれは何等かの裏がある場合が多い。

大抵は力を得るためだ。

神というのは生物の信仰心を神力に変換することが出来る。

それによって神は強くなることが出来る。

まぁ実を言うと信仰心で変換できる神力はあまりなくて、現在信仰心で神となった最上位神はいなかったりするのだが。


「それじゃ、転移していきましょうか」


俺がそんなことを考えている間にガーナが「エリアテレポート」を発動して、城門前に転移した。

近くには先輩3人組が着ていた。


「ごめんなさい。待たせてしまったようね」


「い、いえいえ」


「まったく問題ありません」


「そもそもまだ聞いていた時刻よりは早いですし」


そう、現在時刻は7時45分。

集合時間よりも15分早いくらいなのだ。


「そう、それじゃあ助かるわ、それじゃあ、私についてきて頂戴。学院はとっても近いから歩いていくわ」


そう言いながらシェールは城門を出て歩き始めた。

今いるメンバーはシェール、俺達留学生、そしてガーナのみだ。


「ご、護衛はいないのですか?」


「いないわよ。この国の治安はかなりいいし。これでも私、結構強いから。レピアは今日はお留守番よ。何かあった時はレピアに対応してもらうの」


先輩の疑問にシェールは女王然とした口調で返答する。

そして歩いて約3分後。

シェールの足が止まった。


「ここが王魔学院よ」


そう言いながらシェールは城のすぐ傍にある巨大な敷地を指さしながら言ったのだった。



ね、眠い。

巻き返しカウント:20話

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