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第238話 留学2

本当に遅刻ばかりで申し訳ない。

明日からはきっと大丈夫なはず。

追記、一部おかしなセリフ、描写があったので修正しました。

あまり大きな変更ではありませんが一応です。

俺達は今、国の馬車でバタフライ王国へ向かっている。

バタフライ王国にある王魔学院に留学するためだ。

俺達は馬車の中でセーラにバタフライ王国についての話を聞いて暇をつぶしていた。

だが、どうやらそれももう不要のようだ。


「なんだかんだ、そろそろ付きそうね」


「そうなのか?」


「えぇ、ナイト王国とバタフライ王国は隣接してるから。国境を越えただけでもうバタフライ王国よ。そろそろ検問があるんじゃないかしら」


セーラがそう言うとちょうど馬車が止まった。


「私が出てくるわ」


そう言ってユアが馬車を出る。

そして数分で帰ってきた。


「皆、馬車を降りて。案内役の人が城まで案内してくれるみたい。この馬車はバタフライ王国が返却してくれるみたいだから気にしないで大丈夫」


「そうなのか、それじゃあ降りよう」


そうして俺達は馬車から降りた。

検問所のためか石造りの建物の中のようだ。

すると俺達に向かって一人の男性が頭を下げた。


「始めまして、私はリューガ・ジンジャーエールと申します。女王陛下の命により、皆様方を王城まで案内させていただきます」


「私はこの子達の引率のナイト王国王立第一学園高等部1年生Sクラス担任ユア・ユレイズよ」


「これはこれはユレイズ伯爵。お噂はかねがね。では、皆様方こちらに」


リューガは俺達に建物の中を案内した。

建物の中を移動していると一つ、明らかに豪華な扉があった。


「こちらにお入りくださいませ」


そう言ってリューガはその豪華な扉を開ける。

中には禍々しい装飾と大きな魔法陣があった。


「これは?」


シューガがリューガに問う。


「こちらは王城と繋がっている転移陣です。この転移陣に事前に設定されているものが魔力を流すことで王城に転移することが出来ます」


「それは誠なの?」


リネンが興味津々といった様子でリューガに問う。


「勿論にございます。ちなみにですが、事前に設定されていないものが魔力を流した場合はこの部屋に仕掛けられた爆弾が爆発します。無論、転移陣への影響はありません。またこの転移陣の設定を行えるのは女王陛下のみですので、警備面では全く問題ございません。また再現できるのならば皆様方の国で再現していただいて構いません。おっと、言い忘れておりました。そもそも、この国で見たものはいくらでも再現、改良してください。女王陛下の目的はこの世界の発展。そのため我が国で見たものを再現したり改良を加えたとしても我が国としては全く問題ございません。むしろたくさん我が国で技術を学び世界の発展へ貢献してほしいと女王陛下はお考えです」


「随分と崇高な理念をお持ちなのですね」


「はい、まさに理想の女王にございます」


リューガの声には本気の忠誠心がうかがえた。

まぁそれも当然だろう。

リューガはそういう風に出来ているのだから。


「それでは皆様、転移陣にお乗りください。王城へ転移いたします。女王陛下はお心の広い方ですので礼儀に深く意識を割く必要はございません。それをするくらならば我が国の技術に意識を集中してください。勿論、だからと言ってあからさまに無礼な働きは見過ごせませんが」


その言葉に先輩3人は頷いた。

そして俺達は転移陣に乗る。

それを確認したリューガは転移陣に魔力を注ぐ。

すると足元の転移陣が光だした。

転移の仕組み自体は簡単なものだ。

「テレポート」の魔法陣は床に刻んであるだけだ。

だが、対象の設定等のやり方は見ただけでは分からなかった。

後で聞くとするか。

俺がそんなことを考えている間に俺達の周りが光でおおわれて真っ白になる。

そして光がはれたらそこはナイト王国の王城に引けを取らない。

下手をすればそれよりも豪華な城の中だった。


「ではこちらへ。これより女王陛下と謁見していただきます」


そう言ってリューガはまだ俺達を先導して城を案内してくれた。

するとまた明らかに大きくて豪華な扉があった。


「ここが謁見の間にございます。皆さん準備はよろしいでしょうか?」


リューガの言葉に先輩3人が頭を下げる。


「では開けます」


そう言ってリューガは豪華そうな扉を開く。

俺達は順番に入っていく。

先頭はユア、当然のようにその横にユイがいる。

その次に俺とミコ、その後ろにセーラとゼミル、更にその後ろにライシュがいる。

最後が先輩3人だ。

3人共随分緊張しているようだ。

まぁ貴族とはいえ学生、他国の王に会うとなれば緊張もするか。

俺達はぶっちゃけ転移陣を見た瞬間から王について確信をしていたから緊張なんてない。

まぁどこの国の王でも俺たちが緊張することなんてないと思うが。

その国で面倒なことになったら最悪の場合、その国を滅ぼしてしまえばいいのだから。

俺達は前に進んでほど良き場所に移動出来たら跪く。

俺が跪くのなんてレイルから公爵にさせられたとき以来だろう。


「面をあげよ」


聞きなれた声が謁見の間に響きわたる。

俺達は顔を上げる。

俺達の目の前には玉座があり、女王が座っている。

その後ろに剣を持っている女がいる。

勿論鞘に入っている、恐らく女王の護衛だろう。


「まずは挨拶をさせていただくわ。バタフライ王国女王、シェール・バタフライよ。よろしく。私の後ろにいる子は今代の次期国王よ。名乗りなさい」


「はい、バタフライ王国次期国王兼、女王補佐兼護衛。レピア・バタフライ。先に言っておく、陛下に仇名す者は何人であろうとこの剣で首が刎ねられると知れ」


その女は威厳を感じさせる声でそう言った。

2人の自己紹介に先輩3人は固まってしまっている。

確かに威厳はあったが固まるほどではないと思うが。

しょうがない、俺から挨拶をするとしよう。


「ナイト王国、ソードロード公爵家当主。シン・ソードロードと申します。此度は我々の留学を許可していただき、女王陛下に感謝の意を示します」


「いえいえ、ソードロード公爵閣下。お噂は聞いておりますよ。ジテイの軍8万をおひとりで滅ぼしたとか」


「大したことではございません」


「ご謙遜を」


俺達は完全に上辺だけの会話をする。


「女王陛下、マジクロード公爵家当主。ミコ・マジクロードと申します」


「マジクロード公爵閣下も遠路はるばるようこそバタフライ王国へ。魔法の天才でありジテイの兵10万を滅ぼしたと聞いております。ぜひ、我が国を楽しんでいってください」


「ナイト王国王位継承権第一位、第一王女セーラ・ナイトと申します」


「これはこれは第一王女殿下、はじめましてですね。私は諸事情により国をあまり出れませんが、御父上に今後ともごひいきにとお伝えください」


「承知いたしました」


「デスデット伯爵家当主、ゼミル・デスデットと申します」


「デスデット伯爵閣下、はじめまして。ぜひ我が国を楽しんでください」


「ユレイズ伯爵家当主、ユア・ユレイズと申します。学園の教師であり今回の留学の引率を務めさて頂きます」


「その妻、ユイ・ユレイズと申します」


「ユレイズ家当主、並びに夫人。なんでもお二人は姉妹でのご結婚だとか。実はわが国では現在、同姓や姉妹でのリスクなしの出産を研究しておりますので、興味があれば調べてみてください」


「「ありがとうございます」」


ユアとユイの目が変わった。

うん、まぁいいだろう。


「シューガ・シラスと申します」


「そう」


「リネン。ミュジハラーと申します」


「そう」


「シャルロッテ・ヘイブンと申します」


「まぁ3人共適当に楽しんで技術を覚えなさい」


明らかに先輩3人の扱いが雑だった気がするが俺たちは気にしないことにした。


「それじゃあ、リューガ。部屋に案内してあげなさい」


「承知しました」


そうして俺たちは謁見の間を出るのだった。


はい、バタフライ王国の女王はシェールでした。

これはシェール、というか「黒蝶」は当初から絶対にどこかの国の女王にしておこうと思ってました。

巻き返しカウント:20話

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