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第235話 「黒蝶」との摸擬戦3

そこまで重要な事ではないですが、神の数え方を人から柱に変更しました。

今まで人とか神とかいろいろだったのでここでちゃんと決めておくためです。

分かる範囲で過去話も変更していきますが、ミスがあれば誤字報告等で教えてくれると嬉しいです。

俺は今、シェールと摸擬戦を行っている。

その中でシェールの魔道具に俺は苦しめられて、奥の手を使った。


「崩壊」


俺がそう言った瞬間、シェールを守っていたゴーレムが崩壊していった。

俺は「崩壊(コラプス)」というアーツを使える。

これは俺が魔王としての記憶や力を取り戻す前に創ったアーツだ。

純粋なシン・ソードロードが創ったアーツだ。

創った時はなんならまだ貴族ですらなかったからシンか。

まぁとにかく、俺はこのアーツを創った時は深く考えていなかった。

だが、恐らく俺の魂は覚えていたのだろう。

俺が力を奪った神、崩壊神を。

だからこそ、無意識でそれに近いアーツを創ってしまったのだろう。

俺が今使ったのはアーツでもましてや神が使う権能でもない。

スキルだ。

俺には神力が宿っている。

これは4000年前、俺が人間との戦争を終えたときに俺を滅ぼそうとした神が何柱かいた。

その中で最も強かった神が崩壊神コラプス。

その名の通り崩壊を司る神だ。

俺はそれを殺して、取り込んだことで人の身でありながら神力を扱うことに至ったのだ。

かといって神であるわけではないので、簡単に神を滅ぼすことは未だに出来ないが。

今回使っているものとは違うが、俺の奥の手である「魔王様による(ワールド)世界の(・ザ)崩壊(コラプス)」はスキルでもアーツでもなく神が使う権能だ。

ただ、人の身で神の力を使うため反動がある。

というか神関係の力を使う場合は大抵反動がある。

今回の奥の手もシンプルに肉体が奥の手の力に耐えられなくて色々と血が出たし。

だからこそ、絶大な力を行使できる。

俺は「神速」を発動してシェールに接近する。


「崩壊」


俺は神魔でシェールの心臓を貫こうとする。

が、先ほどと同じような感じで剣がシェールの肌を傷つけることはなかった。

しかし、明らかにシェールの表情が先ほどと違う。

切羽詰まったような表情だ。

俺は地を蹴ってシェールに接近する。

そしてシェールの神魔をシェールの首筋にギリギリ触れないくらいに近づける。


「今の俺は触れた存在を崩壊させることが出来る。そしてその力を神魔と王魔に付与している。今の神魔と王魔に触れればそれは崩壊する。お前に攻撃が通用しなかったのはその青色の宝石の付いた指輪のおかげだろ。効果は大方限定した対象からの攻撃の完全無効化。と言ったところか。だが俺の力はその指輪の力を崩壊させた。お前の魔道具を俺の奥の手は上回ったわけだ。完全無効化が消えたお前じゃ俺の奥の手に耐えられない。俺の勝ちだ」


俺はシェールに向かって勝利宣言を行う。


「はは、さすがは魔王様。ほとんど正解。この青色の指輪は魔王様からの攻撃を完全に無効化することが出来る。私の自信作だったのにこんなに早く突破されるだなんて。私の負け」


「勝者、シン」


シェールが敗北を認めたことによってミコが俺の勝利を宣言をする。

こうして、俺とシェールの摸擬戦は終わりを迎えたのだった。




レピア視点


私の主は私が思っているよりも圧倒的に強かった。

私じゃ絶対に勝てないと確信した。

私は昨日、魔王様と戦って悪くない勝負が出来たと思い込んでいた。

だから、私はかなり強いんだと驕っていた。

でも違った。

魔王様は本気を出していないだけだった。

よく考えればあれだけ強大な魔力を持っているのにほとんど魔力を使っていなかった。

私は今、とても強い情けなさを感じている。

私が守らなければと思っていた主が私よりも強いのだ。

分かっていたことだが、実際に目の当たりするとくるものがある。

そうなるのもしょうがない。

私はそう言い訳のように心の中でつぶやく。

ミコ様に魔王軍の大体の力関係は聞いた。

魔王様の次に強いのは七魔公で七魔公は席順で上にいけばいくほど強くなると。

つまり、この魔王軍にはシェール様よりも強い人が魔王様を除いてまだ5人もいるのだ。

私なんて全然だ。

昨日の誓いがなければ、私は情けなさで思わず逃げ出してしまっていたかもしれない。

剣術というものにおいて、私は今まで負ける気がしなかった。

どれだけ長年剣術に費やした人間を見ても心の中で大したことないと思っていた。

だってしょうがない。

剣術に何十年もの時間を費やした人よりも圧倒的に若い私の方が強いから。

今よく考えればシェール様は私の剣術を褒めることはあっても単純な戦闘力と言う面で私を褒めたことはなかった気がする。

そういえばシェール様はある時、私に言っていた。

「貴女は私が知る中で2番目に剣の扱いが上手い」と。

その時の私は確か、私よりも剣の扱いが上手い人に興味が湧いてシェール様にどんな人か尋ねたのだっけ。

確かシェール様の返答は私の探し人だって言っていたっけ。

なるほど、確かに魔王様の剣の技量は私よりも上だった。

私は以前、私の剣は世界一美しいと言われたことがある。

私はどういうことか分からなかった。

たまに祭りなどで剣を使って舞うような者はいる。

あれを美しいと言うならばまだ分かる。

だが、私の剣は完全に生物を殺すことに特化している。

だから美しい要素なんてないのだ。

だから私はシェール様に私の剣を美しいと語った者がいたことを話した。

するとシェール様はこうおしゃっていた、「美しいというのはその人の主観によるものよ。人によって美しいと感じる者は違うのよ。ちなみに私は貴女の剣を美しいと思うわ。貴女なりに考えた効率的に敵を殺すための工夫が見えるもの」と言っていた。

その時の私はシェール様のおしゃっていたことの意味が分からなかった。

けど、今なら分かる。

私は魔王様の剣を美しいと感じた。

きっとあれは私の究極系だ。

私が数千年修練すればあの領域にたどり着けるだろう。

数千年、私は人間だから寿命が精々が100年程度だ。

そう考えると私があの剣にたどり着くことは一生ないのかもしれない。

けど、私はあんな剣を振るいたい。

私の剣なんかよりも圧倒的に敵を殺すための剣。

重心の移動、間合いの間隔、力の入れ方、態勢、構え。

そのすべてが敵を効率的に殺すために計算された動きだ。

シェール様が私の剣を美しいと言った理由もなんとなく分かった。

シェール様にとって究極的な剣とは魔王様の剣だ。

だから魔王様と比べるにも烏滸がましいが、魔王様と同じように殺すことを最適化しようとした私の剣は美しく見えたのだろう。

まだたった数十年しか生きていないけれど、間違いなく人生でここまで寿命を恨んだことはない。

そこで昨日のシェール様の言葉を思い出した。

一生じゃ短い、永遠に私に仕えろとシェール様はおしゃった。

そうだ、シェール様も寿命を超越した存在だろう。

ならば私もシェール様に永遠に仕えるために寿命を超越しないといけない。

ふふ、ちょうどいいじゃないか。

今ちょうど魔王様のように剣を振るいたいと思ったのだ。

そのためには人間の寿命では足らない。

よし、後でシェール様に相談しよう。

寿命の克服について。

きっとシェール様なら解決してくれる。

だってあんなに強いんだから。

あんなにすごい魔道具を作るんだから。

寿命くらいどうとでもしてくれるだろう。

私は今まで、シェール様の凄さを超絶過小評価していた。

だけど大丈夫だ。

だって今日、私はシェール様の神髄を見たのだから。

私ではどちらにも決して勝てないと感じた魔王様とシェール様の摸擬戦。

シェール様は負けてしまわれたけど満足そうだ。

というか、試合が終わった瞬間魔王様の奥の手について滅茶苦茶質問している。

シェール様は一度興味が出るとああなる。

本人曰く研究者の性だそうだ。

とりあえず魔王様を困らせるわけにもいかないし、従者としてシェール様を魔王様から引き離そう。

そうして私はシェール様の元に行くのだった。

危ないギリギリ(アウト)

巻き返しカウント:20話

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