第233話 「黒蝶」との摸擬戦1
戦闘シーン久ぶりに書いた。
それと番外編で書いたので公開しますが、作者は男です。
あとと本日8月25日は作者の誕生日です。
ハッピーバースデー私。
ということで番外編を投稿してます。
俺達は今、魔王城の訓練場にいた。
訓練場には俺、ミコ、セーラ、シェール、レピアがいた。
レピアはシェールが呼んだのだ。
シェールは何やら俺との摸擬戦を望んでいるようだ。
なので俺もそれにこたえることにした。
シェールの実力は気になっていた。
明らかに4000年前よりも強くなっている。
それにフェールは研究者だ。
そしてフェールが研究を辞めるということはないだろう。
つまりこの4000年でフェールは俺も知らない魔道具などを創っている可能性が高い。
武人によっては道具頼りという奴もいるだろうが、俺としてはその道具も相手の実力だと思っている。
それを本人が創ったものならばなおさらだ。
「「神界創造」」
ミコとセーラが「神界」を展開してくれる。
「これは?」
「異空間を創り出すスキルだ」
「そうなのですか」
「それじゃあ始めようか」
「フェール様、頑張ってください」
「レピア、応援して頂戴ね。多分負けるけど」
「いや、俺マジでお前を警戒してるからな。お前、平気で俺を殺せるレベルの兵器を作れるし」
「ふふ、それじゃあやりましょ」
フェールは俺の言葉を否定せずに笑って強引に始めようとする。
「それでは、シン対フェールの摸擬戦。勝敗はどちらかが降参するか戦闘不能になること。それでは構えて」
俺は「神器召喚」で神魔と王魔を取り出して構える。
最初から全力で行く。
そうしないとやられる。
フェールにしてはいけないのは時間をかけることだ。
フェールは時間があればすぐにその状況に最適な道具を作ったりする。
それこそ俺やミコだって殺しうるレベルの魔道具を作ったりする。
フェールは純粋な戦闘力ではミコやセーラには敵わないが厄介さで言えば七魔公一だ。
フェールは右手を突き出す。
フェールの右手の全ての指には宝石のついた指輪が嵌めている。
指輪の宝石はそれぞれ色が違い赤、青、緑、橙、黒の5色だ。
恐らく魔道具だろう。
フェールが本気で何か物を作った時、場合によってはそれは神器をも上回る。
シェールは何かを作るという分野においてそれほどの腕をシェールは持っているのだ。
「はじめ」
そしてミコが摸擬戦の開始を宣言する。
俺は「超強化」と「神速」を発動してシェールに接近する。
そして神魔でフェールに首を斬ろうとする。
が、斬れない。
俺はすぐさま「テレポート」で転移して距離をとった。
「硬いというわけではなかった。が、斬れなかった」
俺は思わずつぶやいてしまった。
別に硬いわけじゃないのに、斬れない。
その不思議な感覚に俺は困惑する。
「超鑑定」
俺はシェールの付けている指輪を鑑定する。
が、どれも鑑定することは出来なかった。
シェールは自分が作った魔道具には鑑定阻害を行うからな。
これは予想出来ていた。
「速すぎて反応できなかった。でも、大丈夫。次はこっちから「召喚」」
シェールがそう言った瞬間、シェールの橙色の指輪の一つが光った。
するとシェールの周りが光る。
そして次の瞬間には大量のゴーレムが出現していた。
恐らく強力なゴーレムを召喚する指輪なのだろう。
今数えた結果、ゴーレムの数は100。
しかもシェールを守るように立っていて、動かない。
俺はバフ魔法もかけて今度はゴーレムを斬ろうとする。
カンッ
が、ゴーレムは斬れなかった。
カンカンカンカンカン
俺はひたすらに神魔と王魔でゴーレムを斬ろうとする。
が、ゴーレムは一切斬れなかった。
ただ、この時俺は違和感を覚えた。
ゴーレムがいっこうに攻撃してこないのだ。
「まさか、ゴーレムを壁に使うつもりか」
「もう遅い」
シェールの赤色の指輪が光る。
その瞬間、俺の足元に魔法陣が出現する。
俺は咄嗟に「テレポート」で転移しようとしたが転移出来ない。
俺は「神速」を発動したが魔法陣の外に出ることが出来なかった。
恐らく対象の魔法を封じて、閉じ込める結界を創り出すような魔道具なのだろう。
「これで、終わり」
シェールの黒い指輪が光る。
するとシェールの真上に黒い球体が出現する。
「放て」
シェールがそう言った瞬間黒い球体から黒い剣が大量に出現して、飛んできた。
キンキンキンキンキン
俺はそのすべてを弾く。
今の俺は魔法陣から動けないから全て神魔と王魔で弾く。
しかし、弾いた剣もひとりでに動いてまた俺に向かってくる。
それに黒い球体からも剣がまだまだ出てきている。
シェールは恐らくこれで押し切るつもりだろう。
この黒い剣は俺に傷をつけることが出来る。
「さて、そろそろ遊びは終わりだ「魔眼」「神眼解放」「神化」」
俺は「魔眼」「神眼解放」「神化」を発動する。
俺の姿が変わっていく。
「それ、何?見たことのない、力」
今使ったスキルは今世で使えるようになったスキルだからシェールが知らないのも当然といえる。
「それはそうだろうな。だが、次はお前も知っているスキルだ「破壊」」
俺はスキル「破壊」を発動する。
その瞬間、魔法陣は壊れた。
そしてさっきから弾いてもまったく壊れる気配のなかった黒い剣も壊れた。
「さすがは魔王様。破壊神の加護を持つ者でも壊れないように作ったのに」
「転生して身に着けた新しい力だ」
「それでも、勝たせてもらいます」
そう言ってシェールは左手を出す。
シェールの左手首には白い腕輪がつけられていた。
「神力封じ」
シェールの白い首輪が光る。
次の瞬間、俺の「神化」と「神眼」が強制的に解除された。
そして、神魔と王魔から神力を感じられなくなった。
それと同時に魔法陣が再構築される。
「なるほど、対象の神力を封じる魔道具か。よくそんなものを作ったな」
「とても大変でした。けど、これさえあれば私でも神を殺せます」
シェールのその言葉に俺は思わず目を見開く。
なるほど、確かに神の力の根源は神力だ。
それを封じさえすれば、魂を破壊するだけで神を滅ぼすことだって出来るだろう。
「何故、そんなものを?今までのお前でも低位神くらいなら対処出来ただろうに」
「決まっているじゃないですか」
その瞬間、シェールの魔力が解放されて激しく荒れ狂う。
「魔王様を殺したあの神。邪伸オーストを滅ぼすためですよ」
邪伸オースト。
俺を殺した最上位神だ。
「はぁ、俺のことを思ってくれるのは嬉しいが自分の身をもっと大事にしろ」
神力封じの魔道具なんて、そんなもの神器よりも強力だ。
シェールには神力はない。
恐らくシェールは神力を封じる魔道具を作るために神力を調べたんだろう。
その神力のない者が神力を調べる方法なんてありえるのは二つだ。
一つは神器を研究することで神力を調べる。
だが、神器は神力が込められたものであって神力を創り出しているわけじゃない。
調べるのは困難を極めるだろう。
シェールの性格上、恐らくもう一つの方法を使ったんだろう。
神慮Ⅼ区を調べるもう一つの方法。
神を捕獲することだ。
基本的に生物に何かをする場合、捕獲と殺害では殺害の方が圧倒的に簡単だ。
しかもその相手が神。
恐らくシェールはかなり危ない綱渡りをしたんだろう。
「ふふ、大丈夫ですよ。魔王様、私は魔王様のためならなんだってできます」
シェールはそう笑う。
本当に狂っている。
七魔公の中でもトップクラスにシェールは狂っている。
「破壊」
俺は「破壊」を発動する。
しかし、魔法陣は壊れなかった。
やはり、「神化」しないと壊せないか。
「ははは、見事だ。シェール。だが、これではジリ貧だぞ。これだけの魔道具を無限に使い続けることは出来まい。明らかにシェールの魔力回復速度を上回っている」
「確かにそうです。しかし、私にはこれがあります」
そう言ってシェールは服の首元を少しだけ露出させた。
そこには水色のネックレスがあった。
「魔力貯蓄と魔力増幅の機能を持ったネックレスか」
「はい、私の計算ではこの状態でだいたい138年247日持つ計算です」
「そんなに待てないな」
「それでは魔王様、負けを認めてください」
シェールは俺に敗北宣言を迫ってくる。
「ふふふ、ははは、強くなったなシェール。だが、まだお前に負けるつもりはない」
そして俺は「無限収納」を発動してある物を取り出すのだった。
最近百合が少ない。
いっそ百合作品を別に書こうかと迷っているけど、異常者の投稿頻度を見るとそれは出来ない。
これを休めば他のに取り組めるけど少なくともそのときには巻き返しも全部終わってないとだし、まだまだこの作品で書きたいことはあるので難しい。
巻き返しカウント:20話
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