表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

238/371

第232話 魔王軍の朝食

今日は遅刻しない!!

本日、番外編の方を投稿しました。

興味のある方は後書きのURLからご覧ください。

「う、ううん」


私を目を覚ます。

隣にはレピアが寝ている。

私はベッドから立ち上がって、部屋を出る。

レピアは眠りが深い。

そして長い。

だからまだまだ起きないだろう。

昨日は色々なことがあって疲れているから余計。

私は「テレポート」でリビングに転移する。

リビングには既に魔王様、「災禍」、「勇者」がいた。


「みんなおはよう」


「「黒蝶」か、おはよう」


「「おはよう」


「他のみんなは?」


「さぁ、まだ寝てるんじゃないか?今は戦争中でもないし、俺達は死なない。ゆっくりのんびり過ごせばいいさ」


「ふふ、それもそうね。でもまお、シン。私明後日には一度戻るわ。レピアと一緒に」


「そうなのか。了解。またいつでも来いよ」


「えぇ勿論。ここは私の家だもの」


「ならいい。俺達もちょうどあと数日で留学するからな」


「留学?」


私はあたかも知らないと言った様子で聞き直す。


「あぁ、俺達は今世じゃまだ15歳だからな学園に通ってるんだよ。通う必要もないけど、校長から授業やテストは免除してもらってるから気が向いたときに顔出すだけだし、俺のクラスの教師はここに住んでいるユアだからな。楽でいい」


「なるほどね。ユアっていうのは今世のま、シンの友人なのかしら?」


「あぁ、そうだ。そういえば知らないんだったな。じゃあ俺がこの世界に転生してからのことをある程度共有しよう。ついでに俺が前生きた世界の情報も共有しておく「メモリートレース」」


魔王様は「メモリートレース」を発動される。

私に魔王様の友人関係やその経緯などについての記憶が流れる。

その中には一部嫉妬するようなことがあったけれど、大きな問題はなかった。


「なるほど。今世の、、シンも良き友人に囲まれているようですね」


「あぁ。そうだな」


「ところで今は何をしていたので?」


「なに、目が覚めたから適当にリビングに来たらすぐにミコとセーラが来たもんだから適当に昔話に花を咲かせてたんだ。もう少ししたら朝食を創る」


「それならば私が」


4000年前の料理は基本的に私がやっていた。

魔王軍で働いている兵士の食事はメイドがやるものだが、魔王様が食すものとあらば話は別だ。

メイド風情に任せることなんて出来ようはずがない。

魔王様に毒なんて効かないが、毒を盛られたという事実で傷つくかもしれない。

だから食事は当番制で七魔公で行うことになった。

勿論これは全員がやりたがらなかったからではなく、むしろその逆。

全員がやりたいと言って収集がつかなくなりそうだったから当番制となった。

ただ次第に他七魔公が当番を私に譲ってくれることになった。

何尼公で料理が一番うまかったのは私だからだ。

皆、魔王様に自分の料理を食べてほしい思いはあるものの、それよりも魔王様に美味しいものを食べていただきたいという想いによるのもだ。


「そうか。ならシェール。久しぶりに食事を作ってくれ」


「勿論です。腕によりをかけけて作らせていただきます」


そうして私はキッチンに移動して魔王城の食糧庫から食材を取り出す。

魔王城の食糧庫の中は時間が止まっているため4000年前の食材であっても美味しく食べることが出来る。

そして私は朝食を作るのだった。





シン視点


俺は今、シェールに朝食を作ってもらっている。


「シェールの料理は久しぶりだな」


「そうね」


「そういえば、お楽しみって言ってたけどシェールは今何してるのかしら?」


「さぁな。そもそも何故偽ダークカンパニーの拠点にいたのかもわからん」


「まぁいいじゃない。再びシンに忠誠を誓ったのだもの。裏切れば処すだけだし」


「それもそうね」


魔王軍において裏切りは大罪だ。

魔王軍の中で最も重い罪となる。

これは魔王軍、ひいては魔王国が他国よりも機密情報の多い関係である。

裏切りは国家反逆罪となり、刑罰は魂拷問。

魂拷問とはこの世界において、最も残虐だと言われている刑罰であり対象の魂をすぐには壊れないように拷問官が嬲ったあとに魂を破壊して殺される。

魂のダメージというのは死以上の苦痛だ。

それで嬲られた状態で更にその魂の破壊。

絶望的だろう。

ちなみに魔王国の法律では基本的な物として殺人は死刑叉は魂死刑。

窃盗は強制労働である。

殺人=死刑というのは前の世界からすれば考えられないだろうが、4000年前の魔王国はお金さえ払えば魔王軍が死者の蘇生を行っていた。

そのため死刑で死んでも親族などがお金を魔王軍に払えば生き返せることが出来る。

ちなみに殺人犯に殺されたものは格安で蘇生される。

だからこそそこまで重い罪ではないのだ。

しかし、それを何回も行ったりその殺人が俺や七魔公などの重要人物の場合は魂死刑になるのだ。

魂を破壊されたものの蘇生は俺達という例外はあるものの基本的に不可能なので最も重い刑罰となるのだ。

また魔王国としては罪人を牢屋にぶち込んでおくのは非効率だと考えているため強制的に労働させている。

奴隷にしているため反逆したり逃げ出したりは出来ない。

魔王国は奴隷制度を禁止していた。

魔王国で合法に奴隷を使えるのは罪人の監督である強制労働監督官と俺や七魔公などの上位存在だけだ。


「出来たわよ」


俺がそんなことを考えていると、シェールがキッチンから出てきた。


「随分早いわね」


「ふふふ、料理を早く美味しく作れるように料理道具も改良を怠ってないから」


シェールはそう笑う。


「メニューはレッドドラゴンの肉を加工したベーコンとフェニックスの卵を使用したベーコンエッグ、魔王様の前の世界にあったというお米、神牛の牛乳、神鳥の卵を使用したプリン、金の林檎を使用した林檎ゼリーとなっております」


シェールが言った食材はどれもこの世界で最高級食材として知られるものだ。

まぁうちの食糧庫は腐らないが、腐るほどあるからな。

どんどん使って問題ない。

なくなっても取れる。

魔王城では色々な食物を育てる場所もある。

人が住んでいる階に色々な動物や魔物を飼育したり、果実や野菜を育てたりしている。

しかし、4000年前のシェールの料理と今日のシェールの料理には決定的な違いがある。

材料自体は4000年前も使っていたものだ。

では違いとは何なのか。

それは、


「俺の前世の世界の朝食を再現したのか」


「はい、プリンとゼリーはどちらが良いのか分からなかったので両方作らせていただきました」


そう、この世界にベーコンなど存在しない。

つまり、俺がつい先ほど渡した前の世界の知識を早速フル活用したのだろう。

シェールは研究者だ。

時には開発者ともいえる。

生産関係で言えばシェールの右に出る者はいない。

今の俺ならば「創造」があるから並べるかもしれないが、発想などという点で負けるだろう。

シェールもまた間違いなく天才なのだ。




「なるほどな。それではいただこう」


そうして俺たちは席に着く。


「いただきます」


「「「いただきます」」」


そうして俺達はシェールの作った朝食を食べ始める。

俺が普段「創造」で創るものよりも圧倒的に美味しい。

それはそうなのかもしれない。

俺が創るのはどれだけ美味しくなろうと普通の食材を使っている。

だけどシェールはこの世界の最高級食材を使っている。

そして生産の腕ならばシェールの方が上だ。

つまり、シェールの作った料理の方が美味しいというのも当然と言えば当然だ。

俺達はあまりの美味しさに無言で食べてしまうのだった。

そして気づけば全員が食べ終わっていた。


「「「「ごちそうさまでした」」」」


「さてと、今日は何をしましょうか?」


学園に行く気分でもない。

俺達は今日の予定を考える。

すると、思わぬところから提案があった。


「それならばシン。私と摸擬戦をしてくれない?」


普段戦いを好まない研究者が戦いを望んだのだった。

ほっこり回でしたねー。

次はバチバチの戦闘となります。

何か久しぶりな気がする。

巻き返しカウント:20話

誤字脱字等ございましたらお気軽にご連絡ください。

気に入ってくださいましたら、ブックマーク、レビュー、評価いいね等よろしくお願いします。

作品についての疑問やご質問、ご指摘も受け付けておりますので感想などを貰えると嬉しいです。

感想については全て返答させていただくつもりです。


この作品の番外編です。

URL:https://ncode.syosetu.com/n9675ip/

こちらもお願いします。

異常者の恋愛は異常です

URL:https://ncode.syosetu.com/n6702iv/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ